女神の子   作:アキ1113

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 今回で、乱戦編は最終回です。

 世界を作り変えた後の話になります。

 それでは、どうぞご覧ください。


乱戦F:五十嵐家と星野三兄弟

 side:ハクア

 

 デザイアロワイヤルの戦いから、数日後……

 

 

 

 

 「それでも!僕は……鞘姫の『弐の太刀』として……!」

 

 「諦めて……たまるか!」

 

 

 

 

 僕は、東京ブレイドの公演へと出演していた。そして……

 

 「兄さん、お疲れ」

 

 「お前もな」

 

 無事に今日の公演を終えて、僕たちは一緒に外へと出た。

 

 「あ!お兄ちゃん!ハクア!」

 

 「お待たせ、姉さん」

 

 劇場の外で姉さんとも合流する。そして、少し待っていると……

 

 「お!いたいた!」

 

 「あ!一輝さん!」

 

 「大二さん!」

 

 「やぁ!」

 

 「さくらちゃん!」

 

 「ルビーちゃん!」

 

 そこに、一輝さんたちがやってくる。すると……

 

 「おぉ!君たちが……って」

 

 「あら?あなたは、確か……」

 

 一輝さんたちの親御さんだろうか……男性と赤ちゃんを抱いた女性が、僕を見てそう言ったのだ……。

 

 あれ?この二人って……あ!

 

 「え?父ちゃんと母ちゃん、ハクアと会ったことあるっけ?」

 

 「あぁ……前に飛行機がハイジャックされた時に、危ないところを助けてもらったんだ」

 

 「え!?そうなのハクア!?」

 

 「うん、前にちょっとだけね」

 

 この二人は、エリア666で戦った時に助けた二人だ……まさか、一輝さんたちの父親と母親だったとは……。

 

 「俺は五十嵐元太、一輝たちの父親だ……あの時は助かったよ」

 

 「私は五十嵐美幸、この子たちの母です……助けてくれて、ありがとう」

 

 元太さんと美幸さんがお礼を言ってくる。

 

 「いえ……あれは偶々なので、お礼なんて……」

 

 あれは、デザグラの緊急ミッションで来ただけで、最終的に助けたのは一輝さんたちだろう。なので、僕はそう言ったのだが……

 

 「ここは素直に受け取っておけよ」

 

 「そうそう、そんなに謙遜しなくても」

 

 兄さんと姉さんにそう言われてしまう……。

 

 「いや、そんなこと言われても――」

 

 僕たちがそんな話をしていると……

 

 「そっちもウチに負けないくらいに仲がいいんだな!」

 

 「そうねぇ~」

 

 元太さんと美幸さんは、微笑ましそうにその様子を見守っていた……。

 

 「さぁ!三人とも!そろそろ行くぞ!」

 

 「「「はい!」」」

 

 そして、僕たちが向かったのは……

 

 「さぁ!いらっしゃい!自分の家だと思ってくつろいでね!」

 

 「「お邪魔します!」」

 

 「あ、美幸さん。これ……良かったらみんなで」

 

 「あら!ありがとう!せっかくだから、後でみんなで食べましょうか」

 

 そう……僕たちは、一輝さんたちの家で銭湯である『幸せ湯』へとお邪魔していた。

 

 「へぇ~ここが……!」

 

 「こういうところに来るのは初めてだな」

 

 「そうだね(あの時代ではよく行ってたけどね)」

 

 そんなことを考えていると……

 

 「じゃあじゃあ!……ハクアたちも入ってく?」

 

 バイスが一輝さんの中から出てきて、そう言ったのだ。

 

 「あ!バイス!」

 

 「無事で何よりだな」

 

 「教えてもらってたけど、実際に見た方が安心するよね」 

 

 兄さんと姉さんも実際にバイスの姿を見て安心したようだ……ていうか、バイスが言った「入ってく」って……?

 

 「そうだな……ご飯できるまで、時間もあるしね」 

 

 「それって……!」

 

 「いいね!入ろう!」

 

 やっぱり、お風呂のことか……。

 

 「でも、俺たち何も「大丈夫!」…?」

 

 「こんなこともあろうかと、いろいろ準備しておいたからな!」

 

 準備いいなぁ……ホントに。

 

 「じゃあ……」

 

 「お言葉に甘えて……」

 

 そうして、美幸さんたちがご飯の準備をしている間、僕たちは銭湯の風呂に入ることになったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「はぁ~……」」

 

 兄弟でこんな声を出しているのには、理由がある。

 

 現在、僕たちは五十嵐一家のご厚意に甘えて、銭湯の風呂に入っていた。

 

 「お気に召したようで何よりだよ」

 

 「はい……舞台では動きますからね……」

 

 「すごかったな!あれは!俺っちも、あれが出来ればモテモテに……!」

 

 「いや、それだけじゃないと思うけど……」

 

 そんな話をしながら、湯船に浸かっていると……

 

 「なぁ、ハクア」

 

 「ん?どうしたのバイス?」

 

 「いや……言いたくないならいいんだけどさ……お腹の傷ってなんで……?」

 

 「傷?……あぁ、これね」

 

 バイスは遠慮しつつも、僕のお腹の古傷について訊いてきたのだ……うーん、どう答えようか……?

 

 「バイス、流石にそれは……」

 

 「いえ、大丈夫ですよ。うーん……まぁ、小さい頃に大けがしちゃって、その時についた傷ですよ」

 

 「そっか……ありがとな、教えてくれて」

 

 バイスにそう言われる。すると……

 

 「あ!そう言えば……ハクアは結局なにを願ったんだ?」

 

 「それ、俺っちも訊きたかったやつ!」 

 

 「アクア君は知ってそうだったけど……?」

 

 一輝さんがそう言い、あの時に僕の叶えた願いについて訊いてきたのだ。

 

 「あぁ……それは……」

 

 「「「それは……?」」」

 

 「『五十嵐一輝とバイスが代償なしで、契約し続けられる世界』……です」

 

 僕は、あの時の一輝さんの言葉と、悪魔との契約に代償があることも透さんたちと合流する前に聞いていたので、この願いに決めたのだ。

 

 一輝さんもシーカーを倒して世界を救ったのに、何もないというのが僕自身、納得できなかったというのもあるけど……叶えるならこの願いの方がいいと思ったのだ。

 

 「そうか……本当にありがとう」

 

 「俺っちからも、ありがとうな!」

 

 「どう……いたしまして」

 

 僕は二人の言葉に対して、そう言ったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さぁ!召し上がれ!」

 

 『いただきます!』

 

 僕たちは、風呂から上がって晩ご飯をご馳走になっていた。メニューはすき焼きだ。

 

 「う~ん!美味し~!」

 

 「良かった!まだあるから、たくさん食べてくれ!」

 

 「はい!」

 

 「ハクア、肉焼けてるぞ」

 

 「あ!ありがとうございます!」

 

 「アクアも、はい」

 

 「ありがとうございます、一輝さん」

 

 一輝さんが肉を僕たちにくれたのだが……

 

 「あの……一輝さんも食べてくださいね?」

 

 「あぁ、分かってるって!」

 

 さっきから一輝さんは、食べていない気がする……。

 

 「ごめんね?一輝兄はお節介だからね」

 

 「まぁ……それが兄ちゃんなんだけどな」

 

 「「「へぇ~……」」」

 

 そんな話をしつつ食べ進めていると……

 

 「そうそう!今日の舞台良かったよ!」

 

 元太さんが今日の舞台について話題を振ってきたのだ。

 

 「「ありがとうございます」」

 

 やっぱり、観てくれた人から直接そう言われるのは素直に嬉しいな……。

 

 「そうね……私なんて途中で泣いちゃったしね」

 

 「刃のあのシーンはすごかったなぁ……」

 

 「刀鬼の最後のシーンもね~」

 

 みんなが思い思いに感想を言ってくれている……やって良かったな。そう思っていると……

 

 「あ!そう言えばハクア君?」

 

 「はい?」

 

 さくらさんが何か訊きたいことがあるようで………

 

 

 

 

 

 

 

 「あかねちゃんとは、どこまでいったの?」

 

 「んぐっ!?」

 

 「「ハクア!?」」

 

 僕は飲んでいた飲み物を吹き出しそうになるが、ギリギリのところで飲み込んだ。

 

 「え、ちょ、大丈夫!?」

 

 「だ、大丈夫です……」

 

 予想外の質問をされたので、思い切り動揺してしまった……多分、顔も赤くなっていると思う……。

 

 「えと……あかね先輩とは……」

 

 「う、うん(あかね先輩って呼んでるんだ……)」

 

 「もちろん、何回もデートしたし……その他にも恋人らしいこともしたと思うし……あとは……その……キスは、あれ以来はしてない……流石に恥ずかしいし……あ、でも将来的にはけ「「ストップストップ!」」……え?」

 

 「ご、ごちそうさまです!」

 

 「は、はい……」

 

 そう言って、兄さんと姉さんに止められ、さくらさんにはそう言われてしまう…………というかさっき僕は何を言おうと……あ。

 

 「ハクアって、恋愛の話になるとこうなるんだ……」

 

 「戦っている時とは大違いだね……」

 

 「初々しいなぁ~」

 

 「そうねぇ~」

 

 一輝さんたちも僕の様子を見て、そんな話をしている。だが、僕にはそんな話の内容は入って来ず……

 

 「………」

 

 さっき、口から出そうになった言葉を思い出して、顔をさらに赤くしていた…………。

 

 「ハクアー?おーい」

 

 「あー……生きてるか?」

 

 「……生きてるよ」

 

 「そ、そうか……」

 

 そして、暫くして落ち着いた後、僕が持って来たお土産を食べて、僕たちは五十嵐家から家へと帰っていくのであった。

 

 それから、五十嵐家とは長い付き合いをしていくことになるのだが、それはまた別の話……。

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 五十嵐家にお邪魔してから数日後、今日も公演を終えて家へと帰っていた。ちなみに、ハクアはこの後も仕事が入っておりここにはいない。すると……

 

 「あ、そこの君」

 

 「?俺……ですか?」

 

 「そうそう!君……この前戦ってた青い狼の仮面ライダーだよね?」

 

 なんで、俺が仮面ライダーだってことを……というか、この人の声何処かで……?

 

 「えっと……」 

 

 「あぁ…俺の名前は城戸真司。仮面ライダー龍騎……リュウガと戦った赤いライダーだよ」

 

 「……あの時の!」

 

 俺に話し掛けてきたのは、あの時に仮面ライダーリュウガを倒した仮面ライダー……龍騎に変身していた人だったのだ。

 

 「君は、この世界で勝ち残ったら、何を願うんだ?」

 

 真司さんはそう訊いてきた。それに対して、俺は家族の顔を思い浮かべて……

 

 「俺は……家族が病気とかの不幸に見舞われることのない、平和な世界を

 

 そう、答えた。すると、真司さんは、

 

 「そうか……俺もずっと願っているんだ。争いのない世界を……」

 

 「そう……なんですね」

 

 この人も、誰かのために……。

 

 「あ、俺はそろそろ……」

 

 「あぁ、いつかまた会おう!」

 

 「はい、では」

 

 そうして、俺は真司さんと別れたのだった……。

 

 「随分と偉そうなことを言っていたな」

 

 「お前……聞いてたのか?相変わらずの性格の悪さだなぁ……」

 

 「元はと言えば、お前がミラーワールドに閉じ込められたせいで、妙なゲームに参加させられた……また、貸しが増えたな」

 

 「貸しって……別に頼んでないだろ」

 

 「………いつまで続くんだろうな。俺たちの戦いは……」

 

 「俺が……終わらせるまでだよ」

 

 俺と別れた後、真司さんが仮面ライダーナイトの秋山蓮とそんな会話をしていたことを、俺が知ることはなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:ジーン

 

 オーディエンスルームで、ジーンは今回のハクアたちの戦いを見返していた。

 

 「流石だね……俺の推しは。今回も大活躍じゃん!」

 

 ジーンは自身の推しである、ハクアの活躍に満足しているようだ。すると……

 

 「やぁ」

 

 そこに、一人の男が入ってくる。

 

 「これはこれは……スポンサーの君がどうしたんだい?」

 

 「あぁ、お礼を言ってなかったと思ってね?」

 

 「……お礼?」

 

 その男は、ジーンに対してそう言ったのだ。そして……

 

 「いつも、僕たち(・・・)の子を応援してくれてありがとう……ってね?」

 

 「あぁ……そういう。それくらいサポーターとして当然………ん?」

 

 ここでジーンは、男の言葉に疑問を覚えた。

 

 「『僕たちの子』ってどういうことだい?ハクア……いや、ハクアたちには、芸能事務所の社長の父親と副社長の母親がいるはずだけど……」

 

 そう、ジーンは推しのことを調べる過程で、ハクアたちの親についても知ったのだ。もちろん、真実まではたどり着いてはいない……予測はいろいろとしているが……。

 

 「あぁ……お礼代わりに教えてあげよう。あの子たちの父親は僕だよ

 

 「!?」

 

 「流石に母親までは言わないけどね?」

 

 目の前の男はそう言ったのだ。これには、ジーンも驚きを隠せない。

 

 「……なんで、俺にそれを?」

 

 「言ったじゃないか、お礼だって。君も推しのことはもっと知りたいだろう?」 

 

 「まぁ……そうだけど……(こいつ、何の目的で……?)」  

 

 そして……

 

 「じゃあ、これからも僕たちの子をよろしく頼むよ?」

 

 「あぁ、言われなくてもそうするよ」

 

 「ならいいんだ、では……」

 

 そう言って、男……ハクアたちの父親はジーンの元から去っていった。

 

 「ハクア……君に一体、どんな秘密が……」 

 

 一人になったオーディエンスルームで、ジーンはそう呟くのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 




 読んで下さりありがとうございました。

 次回からは、新章に入っていきます。サポーターたちや、スポンサーが本格的に動いてきます。

 良ければ、感想や評価の方をよろしくお願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。
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