どうぞご覧ください。
side:ルビー
私には大きな秘密がある。
それは前世の記憶を持っている転生者であること。前世の名前は天童寺さりな。
そして、今世の名前は星野瑠美衣だ。
昔からの幼馴染を看取り、そしてあの日、私もせんせに看取られて死んだはずだった。
でも、再び目を覚ましたら何と私の最推しのアイドルであるアイの娘として生まれ変わった。
そのことを理解した私はまるで天国にいるような感じがした。一度死んだけどね。
この家には、私とママ以外にも二人の住人がいる。
一人は私の兄で三つ子の一番上の星野愛久愛海、もう一人は私の弟で三つ子の末っ子である星野珀亜だ。
兄のアクアは私と同じく前世の記憶を持った転生者で、私と同じアイ推しのアイドルオタクであったのだった。
それに気づいたのは、数週間前のこと……
私が、ママのスマホを使い夜中にママのアンチどもとレスバしていた時……
『お前…もしかして…』
『!?』
『俺と同じか?』
『…』
『…』
『赤ちゃんが喋ったーー!キモーー!』
『いや、それはお前もだろ。』
『って、そんなことより』
『そんなことなんだ…』
『これ!』
『うん?』
『…』
『…』
『よし、やれ。』
『あいあいさー』
というわけで、転生者であることがばれたのである。
アクアは一見クール目の性格をしているけど、ママのことになると早口で饒舌になる。前世ではせんせがいたけど、今世では趣味の合うアクアがいて正直良かったと思っている。
そして末っ子のハクアだが、この子は私の前世含めて初めての弟なのでとてもかわいがっている。
それに、容姿が三つ子の中でママに一番よく似ている。
ただ、ハクアはあまり泣くこともなければ、暴れることもまったくない。さらに、ママにあまり甘えられていないように見えるのは気のせいだろうか。それに、いつも寝ている時にハクアがうなされているのも気になる。
アクアがそうだったからハクアまでそうだとは限らないと思うけど、もし
ここは姉として、何よりも家族として何とかしてあげないと!
そして、みんなで一緒にハクアを甘やかしてあげることにしよう。
side:ハクア
転生してから数ヶ月が経った。
その間に、兄と姉も前世の記憶を持っている転生者であることが分かったり、家族みんな(特に兄と姉)に
ちなみに、僕はまだ二人に自身が転生者であることは明かしていない。まあ、進んで話すことでもないだろうし、あまりこっちの
そんなこんなで、今日は
我が家には、お母さんと兄と姉の他に苺プロダクションの社長である斉藤壱護さんと、その奥さんであるミヤコさんが来ていた。
「んぎゃー!んぎゃー!」
「?どうしたの~
……お母さん、それは姉さんだよ?
「それはルビーだろ」
という具合に、今世の母は人の名前を覚えるのが苦手なようだ。
「でも、私才能あるなって思った人の名前は覚えられるよ
「惜しい、俺の名前は
……本当に大丈夫かなぁ…。すごく心配だ。
これから話し合いをするらしく、目の前にあるホワイトボードには、「いちごプロ会議」と大きく書かれていた。
「とにかく、アイドル「アイ」は本日復帰となる。」
話を整理するとこうだ。復帰第一弾は今夜の生放送の歌番組で、お母さんが仕事の間はミヤコさんが僕らの面倒をみてくれるそうだ。
ついでに言うと、社長の若い子贔屓には母と同じグループのメンバーもマジで引いているらしいという情報も添えられていた。
そして、これは当たり前だが役所の手続きや買い物など諸々のことは、子供連れはアウトである。どうにもならない用事の場合は、社長たちの子供を預かっている設定で出るらしい。
たしかに兄と姉はそれでどうにかなると思う。だが僕の場合は……
「えー。というかハクアはどうするの?髪色とか完全に私似だけど?」
そう。僕の容姿は髪色含めて母親似であるため、ごまかしがきかないかもしれないのだ。
「ハクアは年の離れた弟か遠い親戚の子という設定でいくこと!」
ということになったらしい。
「めんどくさー。困っちゃうよね~ルビー。」
……お母さん、それは僕なんですが…?
「ありがとねルビー!」
「それはアクアだ」
……前途多難だ…こりゃ。
そして、数時間後……
「はぁ~、ベビーシッターなんて経験無いのに……。なんで私がこんなことを……。」
お疲れ様です。
するとテレビから、
「続いてはB小町のみなさんで~す!」
あっ、お母さんだ。
「本日活動再開となったアイさん!」
「大丈夫?ちゃんとご飯食べてる?」
「ハイ!いっぱい食べてま~す!」
暇だし少し見てみるとしよう。そして、僕は自然と兄さんの隣に行こうとする。
「そうそう!ご飯と言えば、こないだウチの子がー」
「ブーーッ」
「え!?」
「ウチノコ?」
「じゃなくてウチの子猫がね!休養中に飼い始めたんだけどー」
「へぇー」
……あっぶな。一歩間違えば一瞬で終わるところだった…。
というか、大丈夫じゃないかも…ウチの母は。
そんなことを考えていると、
「おい」
「!?」
兄からいきなり声を掛けられた。そして、
「お前…やっぱり俺たちと同じか?」
「…え?」
うそでしょ!いつからばれていたんだ?どうしよう……。この先の未来、
そう考えていると、僕が怯えているように見えたのか兄さんは、
「……そう怯えなくていいよ。あー、お前も見るか?」
その言葉に僕は頷き、兄と一緒にお母さんの出ている番組を見ることになったのだった。
読んで下さりありがとうございました。
ハクア君には、かなりのトラウマ(家族に関すること)があるらしいです。それも後々明かします。
次回はアクア視点から続きを始めたいと思います。