女神の子   作:アキ1113

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 今回は、高千穂へ行くところの話をやっていきます。

 そして……ハクアも知らない、ある秘密が明らかになります……。

 それでは、どうぞご覧ください。


哀哭Ⅴ:亡者たち

 side:ハクア

 

 兄さんや姉さん……そして、お母さんに秘密を話した翌日……僕はというと……

 

 「……心配してくれるのは嬉しいよ?でも……流石にもう大丈夫……」

 

 「ダメだよ?まだ休んでなきゃ」

  

 「あれだけの無茶をしたんだ……大人しくしておけよ?」

 

 「そうだよ?思いっきり、甘えていいんだからね?」

 

 僕はもう動けるのにも拘わらず、家族に看病……否、監視されながら家の中で過ごしていた……ホントに大丈夫なんだけどなぁ……すると、

 

 「あ、そうそう!ハクアには話してなかったけど……この度、新生B小町はPVと新曲のMVを撮ることになりました~!」

 

 「へぇ……!良かったね!」 

 

 「うん!ありがとう!」

 

 何と、姉さんたちは新曲を出すことになり、そのMVを撮ることになったのだ。

 

 「それで……何処で撮るの?」

 

 僕は、気になってそう訊いた。すると……

 

 「ふっふっふっ……それはね~……」

 

 「それは……?」

 

 「……宮崎!それも高千穂だよ!」

 

 「!それはまた……」

 

 なんと、僕たちが生まれた病院のある宮崎…それも高千穂だったのだ………随分と懐かしいところで……これも何かの縁なのだろうか……。

 

 「それに、ハクアたちの舞台も千秋楽迎えたし……慰安旅行も兼ねてね?あ、お義姉ちゃんも連れて行くから、ハクアから連絡よろしくね!」

 

 「分かった。明日、会うから直接言っておくよ」

 

 明日デートの予定だから、直接言っておくことを言ったのだが……

 

 「……ん?どうしたの?そんなにニコニコして……?」

 

 みんながこっちを向いて、そんな顔をしていたのだ……。

 

 「いや?」

 

 「嬉しそうな顔をしているな……と」

 

 「ね~?」

 

 ……どうやら、僕はそんな顔をしていたらしい……

 

 「!い、いいでしょ……別に………」

 

 僕は、みんなに向かってそう言い返すが……

 

 「………顔赤いぞ?」

 

 兄さんにそう言われ、

 

 「そんなに照れなくても~」

 

 「ホント……あんなに強いのに、可愛いんだから~……」

 

 「「ね~?」」

 

 姉さんとお母さんにまでそう言われてしまうのだった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、翌日………

 

 「はい、あ~ん……」

 

 「あ~……」

 

 僕は、あかね先輩と待ち合わせて、デートへと来ていた。

 

 「うん、美味しいよ!」

 

 「そう?」

 

 「もちろん!」

 

 ちなみに、SNSに載せる用の写真も撮影済みだ。そして……

 

 「それにしても、宮崎かぁ……」

 

 宮崎旅行に行くことを伝えると、あかね先輩は羨ましそうにしていた……そこで、

 

 「あかね先輩も行こうよ」

 

 「?何処に……?」

 

 「宮崎」

 

 僕は、サプライズ的な感じで敢えてそう言ったのだ。

 

 「へぇ…宮崎………え!?いいの!?」

 

 あかね先輩は、僕の言葉を聞いて驚きの声をあげた。

 

 「うん、元からそのつもりだったしね?それに……MVの撮影中は自由に観光できるし、有馬先輩の――」

 

 「あっちでどこに行こっか?あ!ここなんか――」

 

 「……」 

 

 ………よっぽど効果的だったらしい……すぐさま、行くところについて調べ始めたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、しばらくカフェで話し込んだ帰り道………

 

 「『今ガチ』からもう半年経つんだね……」

 

 僕たちは、手を繋いで歩きながら帰路についていた。

 

 「うん、色々あったね。あそこから……本当に色々変わったよ」

 

 「ホントにね。でも、一番記憶に残ってるのは………」

 

 「うん……そうだね………」

 

 あかね先輩が自殺しようとしていた、あの日………歩道橋の階段を上るたびに、あの時のことが思い出されていく……。

 

 ここを上って……飛び降りる寸前のあかね先輩を助け出したのだ。

 

 僕は、歩道橋の手すりに手をかけながら、あの光景を思い出していた………すると……

 

 「っ……」

 

 「あかね先輩………?」

 

 あかね先輩が、急に後ろから抱きしめてきたのだ。

 

 「……ここだ。ここで君は、私のことを助けてくれた。そして……改めて、好きになった」

 

 「そう……なんだ……」

 

 「今でもね、炎上のことを思い出すときがあるんだ………」

 

 「うん」

 

 「ふと君のことを思い出すと………安心するし、恋しくもなる」

 

 「……」

 

 僕は抱きしめられたまま、あかね先輩の話を聞いていた。すると……

 

 「ハクア君……最近、何かしてる?」

 

 「……何かって?」

 

 突然、あかね先輩がそんなことを言い出したのだ………急にどうしたのだろう……?

 

 「私の知らない……危険なこと………」

 

 「……」

 

 そんなことを言われて、僕は黙り込んでしまう。

 

 「私ね……さっき、安心するって言ったでしょ?」

 

 「う、うん……」

 

 あかね先輩は、言葉を続ける。

 

 「もしだよ?……もし、ハクア君がいなくなったら………私は……!」

 

 そう言って、僕を抱きしめる力を強めた。さらに、あかね先輩は………

 

 「私はね?ハクア君のためなら何でもするよ?…………キスだって……そういうことだって……やじゃないよ?」

 

 「っ……!」

 

 顔を赤らめながら、そう言ったのだ………想定外のその言葉に、僕は固まってしまう。

 

 「だから………何処にも行かないで……!」

 

 「あかね先輩………」

 

 どうして僕が、危険なことをしているのを察したのかは分からない………かみなりジャマト祭りの時にいたからだろうか……?

 

 ………もしかしたら、あかね先輩の言うようにいなくなってしまうかもしれない……けど、

 

 「大丈夫。少なくとも、今は(・・)………何処にもいかないよ?」

 

 僕は振り返り、あかね先輩を見つめて、そう言うのだった。

 

 「ずっと……じゃないんだ?」

 

 「ここで噓を言って、化かしたくはないんだ………それにね……」

 

 「?……!」

 

 「僕だって………ずっと一緒がいいよ……」

 

 僕は正面からあかね先輩を抱きしめて、そう言ったのだ………僕だって、できるならずっと一緒がいい。

 

 「ハクア君………そうだね。ずっと一緒がいいよね………」

 

 そう言って、しばらく抱きしめて合った後、僕たちは手をしっかりと繋いで帰っていくのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その願いが、叶うことはないとは知らずに……。

 

 

 

 

 side:ルビー

 

 宮崎に出発する当日……私たちは空港に集合していた。

 

 今回行くのは、私たちB小町の三人に社長とミヤコさん、お兄ちゃんとママに、ハクアとお義姉ちゃんだ。  

 

 「揃ったな……じゃあ、行くぞ」

 

 社長がそう言って、私たちは飛行機の搭乗口へと向かった。東京から宮崎までは飛行機で約2時間程と言ったところだろうか……宮崎に着いてからは、昼食を摂ったりしてからレンタカーに乗り、2時間走った。

 

 結局、高千穂に着いたのは昼過ぎくらいだったのだ。

 

 「あ!あの人です!あの人の前に止めてください!」

 

 MEMちょが誰かを見つけたのか、車を止めさせる。やっと、目的地に着いたみたいだ。

 

 「MEMちょおひさ~!」

 

 「アネモネ!」

 

 それから、私たちは今回PVの撮影をしてくれるアネモネさんに挨拶を済ませた。特に、ママとハクアを見てのアネモネさんの反応が凄かったけど……。

 

 すると、ママが小声で……

 

 「三人とも……あれが君たちが生まれた病院なんだよ?」

 

 「!そっか……あれが………」

 

 ハクアはその言葉を聞いて、病院の方を見つめていた………何回も転生していても、やっぱりこういう場所で何か思うところはあるんだね………。

 

 あの病院で、天童寺さりな……そして、神崎白愛はその短い生涯を終えた。

 

 懐かしいなぁ……あの病院で、せんせとハクに会って………それからハクが死んじゃうまでの日々は、かけがえのないものだった……。

 

 あの時は、もう二度とあの日々が戻ってくるとは思いもしなかった………でも、ママの子供として転生して……兄と弟ができた。しかも、その二人は私と同じように転生したせんせとハクだったのだ。

 

 そのことを知った時は、幸せでいっぱいになったのを今でも鮮明に覚えている………そんなことを思い出していると、

 

 「ルビー!行くわよー!」

 

 「!うん!じゃあ……また後でね?」

 

 「うん…頑張ってね?」

 

 そうして、私はハクアたちと別れて撮影に向かうのだった……。

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「さて……じゃあ、行こっか?」

 

 「うん、そうだね」

 

 「兄さんとお母さんは……」

 

 僕たちが一緒にいる間、兄さんとお母さんはどうするのかを訊くと、

 

 「大丈夫!私たちもデートしてるから、二人も楽しんでね?それに、久しぶりにここら辺見てみたいし」

 

 「母さん……デートというわけじゃないだろ?」

 

 「えー……いいじゃん……あ!もしかして……照れてる?」

 

 「!照れてない!」

 

 「またまたぁ~!」

 

 母さんと兄さんがそんなやり取りをするのだった。

 

 「ホントに仲がいいんだね?」

 

 「うん……ああなるのが偶にあれだけど……」

 

 「あー……なるほどね……」

 

 僕とあかね先輩は、兄さんとお母さんを見てそんなやり取りをする。

 

 「じゃあ、二人共また後でねー!」

 

 「ちょ、引っ張るなって……」

 

 そう言って、二人はいなくなったのだった。そして……

 

 「はい」

 

 「え?」

 

 僕はあかね先輩の前に手を差し出した。

 

 「エスコートするから………ね?」

 

 「………うん、じゃあ……よろしくね?」

 

 そして、僕たちは手を繋いで歩き出して行くのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:あかね

 

 私は、ハクア君と手を繋いで辺りを散策していた。

 

 ハクア君がエスコートすると言った時は少し驚いたものだ……彼の方からそういうことを言ってくれることは、今まであまりなかった。ハクア君はどちらかと言うと奥手な方だからだ。だから、普段とは違う彼が見れて…とても嬉しい……。

 

 「あかね先輩?どうかした?」

 

 「ううん……こうしているだけで、幸せだなぁって」

 

 「!…そうだね……うん、幸せだね」

 

 「……!」

 

 ハクア君はそう言いながら、微笑んだ……その顔に思わず見とれていると……

 

 「……あかね先輩?」

 

 「!?」

 

 ハクア君が私の顔を覗き込んできて……そのせいか互いの顔が急接近してしまい、私は顔を赤らめてしまう。

 

 「顔赤いけど、大丈……夫………っ!」

 

 あちらも、私が顔を赤くしている理由を察したのか、顔を遠ざけ、私と同じように顔が赤くなっていった。

 

 「ご、ごめん……」

 

 「ううん!大丈夫!大丈夫だから……」

 

 そうは言いながらも、しっかりと手は繋いだままでいる……すると……

 

 

 

 

 

 「あれ?ハクアにあかねちゃんだ!」

 

 「お前たちもここに来てたのか」 

 

 「「!?」」

 

 アイさんとアクア君がやって来たのだ。どうやら、二人もここにやって来たみたいだ……そんなことを思っていると、

 

 「………懐かしいなぁ……」

 

 アイさんが急にそんなことを言い出したのだ。

 

 「ここにきたことが……?」

 

 私がそう訊くと、

 

 「うん……三人がまだ、お腹の中にいる時にね」

 

 ハクア君たちが……生まれる前に……。

 

 「ここを良く歩いたなぁ……ゴロー先生と一緒に」

 

 「「!」」

 

 「ゴロー先生?」

 

 聞きなれない名前が出てきて、私はそう聞き返した………二人は、何故かその言葉に反応しているけど……?

 

 「うん。産婦人科の先生。私の出産もその人が手伝ってくれることになってね」

 

 「それが……ゴロー先生……」

 

 「そう」

 

 その人と一緒に、ここを………

 

 「でも……」

 

 「?」

 

 「出産の時………ゴロー先生は現れなかった」

 

 「!?」

 

 「「……」」

 

 私は、その言葉に驚いてしまう。

 

 「連絡しても繋がらなかったらしくて………お礼、言いたかったのにな~……」

 

 ………そんなことがあったなんて……。 

 

 「警察が探したりとかは………」 

 

 私はそう訊いたが、

 

 「探してはくれていたらしいけど………見つからなくて、今日までそのまま……」

 

 「そう……なんですね」 

 

 「!あー……さぁ!そろそろ戻ろう?暗くなっちゃう前にね?」

 

 アイさんは、私たちの表情を見て、そう言ったのだった。

 

 「うん…そうだね」

 

 そして、私たちは宿へと向かって行くのだった。

 

 その道中、アイさんがハクア君の赤ちゃんの時の話をして、私と顔を近づけた時よりも、彼が顔を赤くするのはまた別の話なのである……。

 

 

 

 

 

 

 side:ルビー

 

 「あっ!来たよ!」

 

 「お疲れ様、姉さん」

 

 「ルビーはまだ元気そうだけどな」

 

 私たちは撮影を終えて、ハクアたちと宿の前で合流した。日が暮れてだいぶ経つけど、宿の鍵を受け取って私たちは宿へと向かう。

 

 「♪~♪~♪~」

 

 「楽しそうだね?でも…」

 

 「あんまりはしゃぐと危ないぞ?」

 

 ハクアとお兄ちゃんがそう言うが、

 

 「大丈夫だよ!」

 

 私は明るくそう返した……すると、

 

 「あー!」

 

 私が持っていた宿の鍵をカラスが咥えて飛んでいってしまったのだ。

 

 「このー!待てー!!」

 

 「ちょ、姉さん!?」

 

 ハクアが私のことを呼んでいたが、止まることなくカラスを追いかけていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 「ちょ、姉さん!?待って!」

 

 「ルビー!ハクア!」

 

 「ハクア待て……って、速っ……」

 

 ハクアがルビーを追いかけていってしまう。

 

 「俺が行く。先に行ってくれ」

 

 「え、ちょ、アクア!?」

 

 俺も二人を追いかけていく。ルビーはカラスを追って、どんどん暗い森の中に入っていく。

 

 「姉さん!これ以上は危険だよ!」

 

 「大丈夫だよ!暗いのなんて今更、ジャマトに比べたら怖くも何ともないよ!」 

 

 「いや、それは僕もそうだけど……」

 

 「それに、この辺はよく知ってるよ?」

 

 ハクアがルビーを止めようと説得するが、聞く耳を持たない………そうして進んでいくと、

 

 「あ!あそこだ!」

 

 ルビーが指を差した先には祠があり、カラスはその裏に逃げ込んだみたいだ。

 

 「やっと追い詰めたね……」

 

 「あぁ、取り返せそうで何よりだな……」

 

 そう言いながら、ルビーに続いて祠の裏に入っていく………が、

 

 「さぁ!もう逃げられな…………え?」

 

 「姉さん?どうかし…………あれって……!」

 

 二人が何かを見て、固まっていたのだ。不思議に思い、俺もそっちを見ると………

 

 「……!」

 

 そこには、白骨化した遺体があったのだ。

 

 ただの白骨化した遺体だったら、まだ良かったかもしれない………その遺体は顔に眼鏡をかけて、白衣を着ていたのだ。さらに、左胸の部分には………

 

 

 

 

 

 

 『アイ無限恒久永遠推し!!!』

 

 という、キーホルダーがあったのだ…………そう、この遺体は………

 

 「せんせ………」

 

 「ゴロー先生………」

 

 雨宮吾郎………アイのストーカーに殺された、前世の俺のものだ。

 

 ルビーもハクアも………前世の俺の遺体を見つけて、動揺してしまっているみたいだ。

 

 あぁ………ここだったな。ここで、俺は……。

 

 俺の中に、あの時の記憶が蘇る。すると……

 

 「せんせ……」

 

 「先生……」

 

 「?どうし…………っ!」

 

 突然、二人が俺を抱きしめてきたのだ。

 

 「せんせは……大丈夫なの?」

 

 「無理は……しないでよ?」

 

 そして、二人は俺に向かってこう言ったのだ…………全く、この二人は……

 

 「俺は大丈夫だ……だから、そんな顔をするな」

 

 「「……うん」」

 

 俺はそう言って、二人の好きにさせるのであった……。

 

 

 

 

 

 

 side:ルビー

 

 警察の取り調べを終えて、私たちは宿へと戻ってきた。

 

 「よ、よがっだよぉ~……。三人共無事で……!」

 

 「ごめんねMEMちょ。心配かけて……」

 

 「全く………でも、無事で良かったわ」

 

 戻った瞬間、MEMちょと先輩が私たちを心配してこちらに駆け寄ってきた。 

 

 せんせの遺体を、まさかこんなタイミングで私たちが見つけてしまうとは………もし、お兄ちゃんがせんせだと教えられていなければ、今頃私は………

 

 「ハクア君、大丈夫?」

 

 「うん……少し驚いただけだよ……」

 

 お義姉ちゃんに大丈夫か訊かれて、ハクアはそう答えた。

 

 「アクアは、大丈夫だったの?」

 

 「あぁ……俺も少し驚いただけだよ」

 

 「……そう…」

 

 アクアもママに対して、そう答えた。そんな風に会話をしていると、

 

 「さて!もう遅いから、早く寝ちゃおっか!」

 

 ママがみんなに対して、明るくそう言ったのだ。

 

 そして、私たちはそれぞれ寝ることにしたのだった……。 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「はぁ……」

 

 ゴロー先生の遺体を見つけた翌日の早朝……僕は早くに目が覚めたので、宿の近くを散歩していた。

 

 「まさか……あんなタイミングで見つけるとはね……」

 

 僕は歩きながら、そう呟いた。あそこで、一人で死んでいったのか……僕ならまだしも、普通の人ならそんなことには耐えられないだろう。

 

 そんなことを考えていると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 「おはよう」

 

 「っ!?」

 

 突然、声を掛けられたのでそちらの方を向くと、僕の背後に幼い女の子が立っていたのだ………が、雰囲気が明らかに普通ではなかったので、僕は警戒してその子を見る。

 

 「君は………誰?」

 

 「そんなに警戒しなくても………まぁ、普段からあんなことをしていれば、そうなるのも当然か……」

 

 その子の周りには、カラスの群れが飛んだり、歩いたりしていた。それに「あんなこと」…か……僕たちがデザグラで戦っていることも、ある程度は知っているみたいだ。すると……

 

 「ねぇ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何で、君は生きているの?」

 

 「……どういう意味なの……それ?」

 

 急にそんなことを言い出したのだ。その言葉に僕は戸惑ってしまう。

 

 「君は、あの時………生死の狭間をさまよった」

 

 生死の狭間………あぁ……お母さんのストーカーに刺された時の……今世において、デザグラ以外でそういう経験をしたのは、そこくらいだろう。

 

 「……よく知ってるね?君が生まれる前の出来事のことなのにね?」

 

 そう、目の前の女の子が普通(・・)なら…… 

 

 「どうも……何で知っているかは、明かすことはしないけどね」

 

 「で、君は何者なの?見た目は人みたいだけど……」

 

 「見た目は……ね。でも、君たちと同じようにこの器も母から産み落とされたものだよ。普通の親とは言えないけれどね。もし良かったら触ってみるかい?どこにでもある、子供の躰さ」

 

 そう言ってくるが、

 

 「……いや、遠慮しておくよ」

 

 「そうかい?まぁ、いいか」

 

 僕はそう返しておく。そして……

 

 「さて、話を戻そうか………あの言葉の意味、だったね?」 

 

 「……」

 

 僕は黙って頷いた。そして、その子から告げられたのは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「本来、君はあの時に死んでいるんだよ?」

 

 「………は?」

 

 そんな言葉だった。僕が……あの時に………死んでいる?

 

 「母を庇い、その凶刃に倒れ、短い生涯を閉じた………はずなのに……何故か君は、奇跡的に生還した。私の知らないところで、何らかの力が働いたとしか思えない現象だよ。それも、世界を変えてしまうほどのね?」

 

 何らかの力………世界を変えてしまうほどの…………まさか……!

 

 「気付いたみたいだね?」

 

 僕の様子を見て、その子はそう言った。

 

 「君が………いや、君たちが『創世の女神』…だったかな?そう呼んでいるものの力によって………君は生き返ったんだ」

 

 「っ……」

 

 僕が……女神の力で………誰かの願いで………。

 

 「君は、既に亡くなった人間なんだよ?星野珀亜」

 

 そう言われて、僕は何も言えなくなってしまうのだった……。

 

 

 

 

 

 

 




 読んで下さりありがとうございます。

 今回、ハクアはアイのストーカーに刺された時に致命傷で死んでおり、それが創世の女神によってハクアが生きている世界へと創り変えられていたことが判明しました……。

 この事実が、後の出来事にどう影響するのでしょうか………。



 フォルスのレーザーブーストフォームの全身像が描けたので、載せておきます。

 
【挿絵表示】


 参考にしてくれると幸いです。


 良ければ、感想や評価の方をよろしくお願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。
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