女神の子   作:アキ1113

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 投稿できそうなので、投稿しちゃいます。

 今回は、前回の続きから話を進めていきたいと思います。

 ハクアは、自分が死んでいたという事実を聞いて、どうなってしまうのか……。

 それでは、どうぞご覧ください。


哀哭Ⅵ:女神のいたずら

 side:ハクア

 

 「君は、既に亡くなっている人間なんだよ?星野珀亜」

 

 目の前の女の子からそんなことを言われて、僕は何も言えなくなってしまった。

 

 僕はあの時、既に………すると、

 

 「それにね……本当は、生まれてくるのは双子のはずだった」

 

 「………双子?」

 

 「君のお兄さんとお姉さん………その二人だけが、星野アイの子供になるはずだった。でも、何故か三人目の子供である君が生まれてきた」

 

 「それも………創世の女神が……?」

 

 「さぁ?そこに関しては、私にも分からない………ただ……」

 

 「ただ……?」

 

 僕は冷静を装いながら、その子の話を聞く。

 

 「どの出来事も、私の知らない力が働いたとしか言いようがないね」

 

 「そう……なんだ……」

 

 本来、僕はお母さんの子供じゃない………

 

 「やけに冷静だね?もっと驚くかと思ったけど……」

 

 「いや……これでも驚いているんだけど………」

 

 「ふ~ん……」

 

 「……なんで教えたの?」

 

 「え?」

 

 僕は、なんでそのことを今、このタイミングで教えたのかを訊いた。すると……

 

 「……その時(・・・)が近いからだよ?」

 

 「………その時?」

 

 「そう………真実を知る時が……」

 

 真実を……知る時………。

 

 「じゃあ………また何処かで……」

 

 「!ちょっと待っ………いない……?」

 

 そうして、その子は消えてしまったのだった。

 

 「………戻ろう」

 

 朝食の時間も近づいていたので、僕は宿に戻ることにした。

 

 宿に向かって歩いているうちも、僕はあの時の女の子の言葉について考えていた。

 

 一つ、僕はあの時に致命傷で死んでいる……二つ、今生きているのは、誰かが僕の生存を願ったから……三つ、僕は本来、お母さんの子供に転生することはなかった……いや、そもそもこの時代にすら………それに、今までのどの時代でも、僕は……。

 

 「――――?」

 

 ダメだ……つい悪い方向に考えてしまう。取り敢えず、一つ目と三つ目は置いておくとして………二つ目は、一体誰が……?僕を知っている人なのは確実だろう。

 

 「――ア君?」

 

 だとしたら、何の目的で僕を――

 

 「ハクア君!」

 

 「っ!……あかね先輩?」

 

 「おはよう」

 

 いつの間にか、宿の前に着いていたようで、僕の目の前にはあかね先輩がいた。

 

 「………おはよう」

 

 「どうかしたの?何か考え込んでるみたいだったけど……?」

 

 あかね先輩が顔を覗き込んできて、そう言ってきたので僕は、

 

 「あー……うん、ちょっと……ね」

 

 そう答えた。今の僕は、少し暗い顔をしているだろうか……すると、 

 

 「?どうし………えっ?」

 

 急にあかね先輩が手を伸ばしてきたかと思えば、僕の頭を撫でてきたのだ………でも、少し落ち着いたかな。

 

 「………ありがとう」

 

 「ふふっ……いくらでも、撫でてあげるからね?」

 

 「っ!そ、それは………」

 

 「さて、行こっか?」

 

 「……うん」

 

 そうして、あかね先輩と一緒に朝食を食べに向かうのだった……。

 

 

 

 

 side:ルビー

 

 朝食を食べ終わった後、私はいい景色の見える崖の上で風に当たっていた。その手には、昨日拾っておいたキーホルダーがある。それには……

 

 

 『アイ無限恒久永遠推し!!!』

 

 

 と書かれていた。

 

 これは、私の前世であるさりながせんせに渡したものだ。せんせはこれをずっと大事にしてくれていたんだなぁ………後でお礼でも言っておこう。そんなことを考えていると……

 

 「ルビー」

 

 「あっ、お兄ちゃん!」

 

 お兄ちゃんがこちらにやってきたのだ。

 

 「これ……」

 

 「!それって……!」

 

 私はキーホルダーを見せながら、お兄ちゃん………せんせに、

 

 「ありがとう……ずっと、持っていてくれて」

 

 そう、お礼を言った。

 

 「いや……それは、俺にとっても大切なものだ。だから……気にするな」

 

 お兄ちゃんは、少し照れくさそうにしながらもそう言ってくれたのだ………すると、

 

 

 

 

 

 

 

 「いーけないんだーいけないんだー!」

 

 「「?」」

 

 私たちの後ろから、そんな声が聞こえてきた。二人で振り返ると、そこには私たちよりも年下………幼い女の子が立っていたのだ。

 

 「それって遺体から抜き取ったやつでしょ?いけないんだよ?そんなことしちゃ」

 

 私を指差して、そう言ってくる女の子。

 

 「……お前、誰だ?」

 

 お兄ちゃんが女の子に向かって、警戒するように言う。

 

 「あれ?君もいるのか……まぁ、いいか」

 

 「お前は、見たところ普通の人間じゃないようだが?」

 

 「へぇ……鋭いね。流石だ」

 

 女の子はお兄ちゃんの言葉に対して、そんな反応をする。

 

 「私たちに何か用なの?」

 

 私がその子にそう言うと、

 

 「……君たちの知らないことを教えてあげようと思ってね?」

 

 私たちの……知らないこと……?

 

 「……知らないことだと?」

 

 「そう……例えば……

 

 

 

 

 

 

 

 星野珀亜は何者なのか………とか?」

 

 「「……?」」

 

 その子の言葉に、私たちは首を傾げた。ハクアが何者かって……

 

 「ハクアは、私たちの弟なんだけど?」

 

 私はそう言ったのだが……

 

 「いやいや……そうじゃなくってね……」

 

 「……何だよ。何かあるならさっさと言え」

 

 その子が中々、言おうとしないのでお兄ちゃんが急かすようにそう言った。すると…… 

 

 「私の力の届かない場所で、何らかの変化が起きているのは知っていた……けど、変えようがなかった」

 

 「『私の力』って……?」

 

 「変えようが……なかった……?」

 

 「君たち三つ子の………いや、双子の(・・・)運命に歪が生じてしまったんだよ」

 

 ……双子って、どういう……?

 

 そんなことを思っていると、その子は………

 

 「君たちは……初めは双子で生まれてくるはずだった。私の目の前にいる君たちだけが、星野アイの子供として」

 

 私たちだけが……ママの子供……?

 

 「だが、星野アイに宿った命は………三つだった」

 

 「何を言っているんだ……お前」

 

 「でも、それ以外は特に変わりはなかったのと……さっきも言ったようにどうしようもなかったから、そのまま静観することにしたんだ」

 

 お兄ちゃんの言葉を聞くことなく、その子は話を続けていく。

 

 「そして……あの日がやって来た」

 

 あの日………ママがストーカーに襲われて、ハクアが刺された日……。

 

 「本来、あそこで星野珀亜という人間は亡くなっているんだよ?傷だって致命傷のはずだった………けど、何故か生還を果たした。まるで、何らかの力によって生き返ったように……」 

 

 「「……」」 

 

 その言葉に、お兄ちゃんも私も言葉を失ってしまう。ハクアがあの時に死んでいるなんて、信じられないんだから……。

 

 そして、私は我慢が出来ずに………

 

 「噓だ!ハクアは生きている!今まで一緒に過ごして!戦ってもきたんだ!私たちの弟を……勝手に殺さないでよ!!」

 

 「ルビー……」

 

 思わずそう叫んでしまう。

 

 「残念ながら本当だよ。それに、星野アイの子供が三つ子になったことは兎も角……君たちは知っているはずだよ?」 

 

 「……何をだよ」

 

 「死者の蘇生をも可能にする存在を……」 

 

 死者の蘇生って、そんなことできるわけ…………まさか……!

 

 「「創世の………女神」」 

 

 私とお兄ちゃんが、同じタイミングでそう言った。

 

 「そう。でも、私だって全部を知っているわけじゃないんだよ?星野珀亜という存在は、ただでさえ謎が多いんだし……」

 

 「……お前の目的は何だ?」

 

 お兄ちゃんがそう訊くと、

 

 「それは………今は言えないかな?」

 

 少し考えた後、そう答えたのだ。

 

 「じゃあ………なんで私たちに、そのことを教えたの?」

 

 私が、お兄ちゃんに続いてそう訊くと、

 

 「……その時が近いからだよ?」

 

 「その時……?」

 

 「真実を知る時がね?」

 

 真実を……知る時……。

 

 「じゃあね……また何処かで」

 

 「!おい!待………いない……?」

 

 お兄ちゃんがその子を呼び止めようとするが、既に消えたようにいなくなっていた。

 

 「……ルビー」

 

 「うん、分かってる。ハクアには言わない………でしょ?」

 

 「あぁ……助かる」

 

 この話は、私たちの秘密にしておくことにした。もし、知られてしまったら………ハクアは……。

 

 それから少しして、準備が出来たというので私は気持ちを切り替えて、撮影に向かうのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:あかね

 

 ……今朝からハクア君の様子がおかしい………。

 

 

 

 

 

 私は起きて、ハクア君の様子を見に行った。昨日、本人は大丈夫だと言っていたけど……やっぱり、心配になってしまう。

 

 そう思って、ハクア君のいる部屋に行ったのだが……

 

 『ハクア君?いる?』

 

 『……』

 

 『いない………もう起きて何処かに行ったのかなぁ……?』

 

 ノックしても返事がないため、どこに行ったのかと思っていたけど……丁度、そこに宿の人が通りかかり、ハクア君を見なかったか訊いたところ、宿を出て散歩に行くところを見たというので、私も探しに行くことにした。

 

 そしてすぐに、宿の近くを歩いているハクア君を見つけたのだった。早速、声を掛けたんだけど………

 

 『ハクア君?』

 

 『……』

 

 あれ?無視ってわけではなさそうだけど……?

 

 『ハクア君?』

 

 『……』

 

 相当、何かを考えているようだ。でも、気付いてくれないのは……少し傷つくなぁ………そして、私はさっきよりも大きな声で……

 

 『ハクア君!』

 

 『っ!……あかね先輩?』

 

 ハクア君のことを呼ぶ。すると、気が付いたようで……

 

 『おはよう』

 

 『………おはよう』

 

 私に驚きながらも、挨拶を返してくれたのだ。私はどうしたのかと訊いたけど、

 

 『あー……うん、ちょっと……ね』

 

 少し暗い顔をしながら、そう答えたのだ。うーん……隠そうとしてないだけまだいいけど、詳しく話す気はないみたいだ………なら、

 

 『?どうし………えっ?』

 

 私は黙って手を伸ばして、ハクア君の頭を撫でてあげた。何かを抱えていることは、何となく分かっている………だから、せめて私ができることを……。

 

 『………ありがとう』

 

 ハクア君は、少し表情を明るくしながらそう言った。

 

 『ふふっ……いくらでも、撫でてあげるからね?』

 

 『っ!そ、それは………』

 

 ハクア君は私にそう言われると、顔を赤くして戸惑ってしまう………いつもはどこか大人びているけど、こういう時は、年相応の反応をするんだよなぁ……。

 

 『さて、行こっか?』

 

 『……うん』

 

 

 

 

 

 「あかね先輩?どうかしたの?」

 

 「え?ううん……今朝のハクア君を思い出してたの」

 

 「あー……そうなんだ……」

 

 ハクア君は苦笑いしながら、そう返した。それもその筈………あの後、私たちが朝食を食べに行くと、先にいたかなちゃんから……

 

 『うん……あんたも大丈夫そうね』

 

 『まぁ……それなりには……』

 

 『………彼女に慰めてもらった?』

 

 『えっ!?』

 

 そんな風に言われ、動揺したハクア君は……主に女性陣にからかわれたのだった。

 

 「はぁ……何で僕だけが………」

 

 ハクア君が不満を漏らすが、私は、

 

 「ふふっ……からかい甲斐があるんじゃない?」 

 

 「それ……あまり嬉しくないんだけど……?」

 

 そう返すのだった。そして、私は……

 

 「うん……大分、表情も戻ったね」 

 

 「え?」

 

 ハクア君の顔を見て、そう言った。

 

 「やっぱり、ハクア君は笑顔の方がいいよ」

 

 「!そう……なんだ……」

 

 ハクア君は、照れくさそうに顔を赤くした。

 

 「さてと………はい」

 

 「?」

 

 「昨日はハクア君にエスコートしてもらったから………今日は、私の番だよ?」

 

 私は昨日のハクア君のように、手を差し出した。

 

 「じゃあ……お願い………」

 

 「うん!任せて!」

 

 そう言って私は、ハクア君の手を引いて行くのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:ルビー

 

 「撮影終了です!」

 

 「「「お疲れ様でした!!」」」

 

 アネモネさんのその言葉に、そう返す私たち……ついに全ての撮影が終了したのだ。 

 

 昨日や今朝のことがあって、少し………いや、大分不安だったけど、上手くできたとは思っている。

 

 そんなことを思っていると、アネモネさんが……

 

 「本当にお疲れ。後は、観光でもしていってよ」

 

 そう言ってくれるが、

 

 「明日の昼には飛行機なんですけど……」

 

 「取り敢えず温泉入りたい……」

 

 「「賛成ー!」」

 

 そうして、PVの撮影を終えた私たちは、温泉へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 「「「はぁ~……」」」

 

 私たちは温泉に入りながら、そんな声を出した。そうして、くつろいでいると……

 

 「そういえばさ……聞きそびれてたけど、この前のアンタたちの格好って……?」

 

 先輩が私の方を向いて、そう訊いてきたのだ。

 

 「あ!それ、私も気になるかも!」

 

 MEMちょもその言葉に便乗して、そう訊いてくる。うーん……どうしようかなぁ…………でも、バッチリ見られてるしなぁ……。

 

 「全部は話せないけど………それでもいいなら……」

 

 「「うん!それで!」」

 

 「わ、分かった……」

 

 そして、私は全部じゃないけど話し始めた。デザイアグランプリのこと、ジャマトのこと、そして……仮面ライダーのことを……。

 

 それを聞いた二人はというと……

 

 「「……」」

 

 完全にキャパシティーがオーバーしていた。

 

 「えっと……大丈夫?」

 

 「え?あ、うん……」

 

 「ちょっと衝撃的過ぎて、思考停止してただけ……」

 

 「そ、そうなんだ……」

 

 「それにしても………私たちの知らないところで、そんなことが……」

 

 「そうね………それに、ハクアが世界を救い続けてたなんてね……」

 

 二人は私の話したことに対して、驚いているようだ………私もハクアがそんなことをしていると知ったときは、そんな反応をしたものだ……すると、

 

 「何かあったら………何でも相談しなさいよ!」

 

 「私でもいいから……だから、無理だけはしないでね?」

 

 「!うん……ありがとう!お兄ちゃんとハクアにも言ってあげて……特に、ハクアには念を入れてね?」

 

 そうして、私たちはしばらく温泉に入るのだった……ただ、上がった後……

 

 「ねぇ……何か悩んでいることとかない?」

 

 「え?メムさん急に何を……?」

 

 「何かあるなら、どんどん私たちを頼るといいわ!」

 

 「えっと……ありがとうございます?」

 

 ハクアに早速そう言ったけど、困惑されていたのだった……。

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「へぇ……ここが……」 

 

 「荒立神社だね」

 

 僕たちは、最終日に荒立神社にやってきていた。ここには、芸能の神様である天鈿女命が祀られている。そして、猿田彦命も同じく祀られているのだ。

 

 「折角だから、お願い事していこうよ」

 

 メムさんがそう言ったので、みんなでお願いをする。

 

 さて……どうしようかな……普通なら芸能に関することをお願いするんだろうけど………

 

 そんなことを思っていると、ふと………

 

 

 

 

 『君は、既に亡くなっている人間なんだよ?星野珀亜』

 

 『それにね……本当は、生まれてくるのは双子のはずだった』

 

 

 

 

 あの言葉を思い出した………そして、僕は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 「よし、じゃあ行くか」

 

 社長の一声で、僕たちは神社を後にする。すると……

 

 「ねぇ……何をお願いしたの?」

 

 あかね先輩にそう訊かれる。

 

 「ん?それは………『色んな人と共演していけますように』…かな?」

 

 「へぇ……『演技が上達しますように』…じゃなくって?」

 

 「うん、やっぱり……そういうのは自分の努力だと思ってるからさ」

 

 「そっか……ハクア君らしいね」

 

 ………噓だ……僕はそんなことを願ってはいない。

 

 あの言葉を聞いて思った……本当にそうなら、僕はここにいるべきなのか……と。もちろん、僕は家族のことを愛している……だからこそ………。

 

 僕が本当に、願ったのは………

 

 

 

 

 

 

 僕がいなくなっても、家族が幸せになれますように

 

 

 

 

 

 ………何を願っているんだろ……僕は……。

 

 

 

 

 

 side:透

 

 「さぁ……俺たちのゲームを始めようか」

 

 そう言って、道長はヴィジョンドライバーを操作した。

 

 「で、どんなゲームにするんだ?」

 

 俺がそう訊くと……

 

 「あぁ……名付けて……

 

 

 

 

 

 

 

 闘牛ゲームだ

 

 道長はそう答えたのだ。そして……

 

 「道長……」

 

 「……なんだ?」

 

 「牛はお前だろ」

 

 「………うるせぇよ……」 

 

 俺は、そう言うのだった……。

 

 

 

 

 

 side:ベロバ

 

 透たちがベロバからヴィジョンドライバーを奪う少し前……

 

 「さて……」

 

 ベロバはヴィジョンドライバーの機能を使い、あることをしていた。そして、ある記録を見つけたのだった。

 

 「へぇ~!これが……フォルスの弱点……!」

 

 それを見て、ベロバは一人笑みを浮かべるのであった……。

 

 

 

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございます。

 ハクアは普段通りに振る舞ってはいますが、本当は動揺しています………あんな願いを願ってしまうくらいに……。

 良ければ、感想や評価の方をよろしくお願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。 
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