そして、ハクアが何故生きているのかが……。
それでは、どうぞご覧ください。
side;アクア
宮崎の高千穂への旅行から数日後……
「これがいいかな?」
「うーん……こっちも捨てがたいよな……」
俺たちは、三人揃って買い物に来ていた。というのも……
『ねぇ、ハクア』
『どうしたの?』
『今から買い物行こ?』
『いいけど……急にどうしたの?』
『いいから!ほら!お兄ちゃんも!』
『あ、あぁ……』
半ば強引に、ルビーがハクアを連れ出したのだ。
ハクアが準備しているうちに、理由を訊いたのだが……
『いや……旅行から戻ってきてから、ハクアなんだか元気ないように見えたから……』
『なるほど……そういうことか』
『うん、そういうこと』
どうやら、最近元気のないハクアを連れ出して、気分転換させようとしているらしい。
そして、現在……
「わぁ……!」
「おぉ……」
「……いつまで続くの?これ…」
服屋に来た俺たちは、ハクアを着せ替え人形にしていた。特にルビーが一番楽しんでいるようだ……そういう俺も、少し楽しんでいたりするが。
「さてさて……次は――」
「……兄さん」
「ん?どうした?」
ルビーが、次の服を選んでいる時にハクアがあることを訊いてきた。
「今さらだけどさ………何とも思わないの?」
「何が?」
「だから………僕が2000年間、転生し続けていたこと……そして、それを隠してたことを……」
「……何だ。そんなことか」
「そんなことって……」
俺の言葉に、ハクアは少し不満そうにするが……
「ハクアはハクアだろ?」
「!」
俺の言葉に、驚いたような表情をした。
俺にとって、ハクアは俺たちの弟で、どんな秘密を抱えていようと、それは変わらないのだから……。
「うん……ありがとう……」
ハクアは、少し暗い表情でお礼を言った………そして、いくつか服を買って店を出た……その時、
『ジャジャ』
「「………ん?」」
「あれって……?」
赤い布を持ったジャマトが現れたのだ。周りの人たちを襲うつもりはないように見えるが……。
『ジャー!』
「っ!待て!」
突然、逃げ出したので、俺はそのジャマトを追いかけた。
『ジャジャー!』
「くそっ……どこまで逃げるんだよ……」
そして、たどり着いたのは……
「ようこそ!ジャマトグランプリ第三回戦……闘牛ゲームを始めるわ!」
「!ベロバ……」
ベロバや透さん、道長さんがいる場所だったのだ。
「今度は一体、何を……」
「あぁ……今回は私じゃなくて……」
「俺たちが考えたゲームだ」
「え?」
どうやら、今回のゲームは透さんたちが考えたらしいが……
「牛はアンタだろ?」
「ちょっと黙ってろ……」
俺がそう言うと、道長さんはそう返してくる。
「闘牛ゲーム………闘牛のように、ここに釣られてきたライダーと一対一で戦うゲームだ」
「なるほど……それで勝敗を決めると……」
「そうだ」
……分かりやすくて助かる。
「試合は全部で三回戦………負けた方の陣営は……全員ゲームオーバーよ!」
ここで俺たちを落とそうって魂胆か……!そう思っていると……
「さぁ………第一回戦を始めるわよ!」
俺の目の前に、ルークジャマトが現れて攻撃を仕掛けてきた。
「っ!やるしかないか……!」
そう言って、俺はドライバーを装着し、
「SET」
「変身!」
「NINJYA」
「ハァ!」
「READY FIGHT」
バックルをセットして変身し、ルークジャマトに向かっていった。
『ジャー!』
「TWIN BLADE」
「フッ!ハァ!」
『ジャー!?』
戦いは終始、俺が優勢に進め……
「ROUND1」
「TACTICAL SLASH」
「ハァ!」
『ジャー!?』
ルークジャマトをニンジャデュアラーで吹き飛ばし、追い込む。
「これで……!」
そして、とどめを刺そうとした……が、
「っ!ぐあっ!」
突然、もう一体のジャマトが出てきて攻撃してきたのだ。
「一対一じゃないのかよ……!」
『ジャー!』
「ぐっ!」
再び戦うものの、どこからともなく現れるトゲの攻撃を避け切れず……
「ぐあっ!!」
俺は変身を解除されてしまう……。
『第一回戦は、ルークジャマトの勝利~!』
「くっ……」
「悪いね。ゲームが終わるまでは、大人しくして貰うよ」
そうして、俺はどこかに連れて行かれるのだった……。
side:ルビー
私たちは、サロンへと向かってお兄ちゃんの戦いを見ていたのだが……
「え!?」
「あれって……」
ジャマトにとどめを刺そうとした時に、突然何かの攻撃を受けて、お兄ちゃんは負けてしまったのだ。
『次の試合は、ピジョップジャマト対マーゴよ!』
そして、画面に次の試合までの時間が表示された。
「お兄ちゃん………」
「大丈夫……早くゲームを終わらせるまでだよ」
「!うん、そうだね……!」
ハクアとそんな会話をして、私は決意を固めるのだった……。
side:アクア
「気分はどうだい?」
「……何しに来たんですか」
檻の中に監禁されている俺の前に、五十鈴大智さんが現れたのだ。
「そう警戒することはない……ただ、様子を見に来ただけさ」
「……そうですか」
すると……
「アハハ!無様ねぇ~!」
そこにベロバがやってきたので、俺は……
「あれはどういうつもりだ?」
そう訊いたのだが、
「最初から私は、一対一なんて言っていないわよ?」
そんなことを言ったのだ。
「おい……勝手なことすんなよ」
「いいじゃない……勝てたんだから」
「……」
どうやら、透さんや道長さんがやったものではないらしい。
「それよりも……楽しみにしておきなさい。最終戦……フォルスの試合で、面白い仕掛けを用意したから」
「仕掛けだと?おい、何するつもりだ」
「それは……実際に見てのお楽しみよ?」
そう言って、ベロバたちは去って行くのだった……。
side:キューン
「次の試合は、ルビーか……」
キューンはタブレットで試合の様子を見ていた。そして、画面に映し出された次の試合の組み合わせを見て、そう呟いたのだ。
「さっきのあれは一体……?」
先程の試合での、アクアの負け方………あれには、キューンも違和感を感じていた。
「何もないといいが……」
そう言って、歩いていると……
「やぁ」
「!」
突然、背後から声を掛けられる。声を掛けてきた人物というのが……
「あんたは……スポンサーの……」
ハクアたちの父親であるカミキなのだった。
「少し、話しをしようか」
「……?」
「で、話というのは……?」
キューンがカミキにそう訊くと、
「まずは……僕の娘をいつも応援してくれてありがとう」
カミキはそう礼を言った。
「娘……?」
キューンは、その言葉の意味が分からずに首を傾げる。
「あぁ……君には言ってなかったか……あの子たちは、僕の子供たちさ」
「っ!?」
カミキが言ったことに、キューンは衝撃を受けた。
「じゃあ……アンタが星野アイの……」
「そういうことになる」
そのことを聞いたキューンは、
「何で……あの時、ルビーを再エントリーさせたんだ?」
ルビーを再エントリーさせた理由を訊いた。
「あれで終わり……というわけにはいかないだろう?まだまだ楽しませてもらわないと……」
「っ……」
カミキは微笑んで、当たり前のようにそう言ったのだ。
「あんた……自分の子供をどうしようと――」
「じゃあ、僕はこれで……行くところがあるからね……」
そう言って、カミキはキューンの言葉を遮って何処かに行ってしまったのだった……。
side:カミキ
キューンのところから去った後、カミキはある場所に来ていた。それは……
「……もう、12年も経つのか………ちょうどではないけど……」
以前、ハクアが刺されたあの場所だった。カミキはその場所に、手に持っていた花束を置いたのだ。
「あの時は驚いたけど………結果的には、良かったのかもしれない……」
そう言って、カミキはその場を去っていったのだった……。
side:ルビー
「確か……ここだよね……」
私は、指定された場所へと来ていた。今まで姿を見せて来なかった私のサポーターが、直接………ん?
「……」
「あなたは………確か……」
「えっと………その……」
そこに立っていたのは、会うのは三回目となるあの男の人だった。
「何で、あなたが?」
私がそう訊くと、その人は意を決したように……
「……俺が…」
「?」
「俺が……キューンなんだ」
「……え?」
私はそのことに、一瞬思考が止まってしまうが……
「だから……俺が、君のサポーターのキューンなんだ!」
「……えぇ!?」
改めてそう言われて、驚くのだった。
「それで……何で、急に会う気になったの?というか、なんで今まで手紙で……」
その後、オーディエンスルームで私とキューンは話をしていた。そこで、私は急に姿を現そうと思ったのか、なんで今まで姿を現さなかったのかを訊いた。すると、返ってきた答えたが………
「実は……直接会うと、素直に自分の気持ちを言えなくて………だから、手紙でやり取りすれば、俺の気持ちを伝えられると思ったから……」
「あー………そういう……」
なんだろう……意外に理由が可愛いんだけど……?
「それで君に……いや、君たちに直接伝えておきたいことがあって……」
「え?」
私だけじゃなくて、お兄ちゃんとハクアにも……?そんなことを思っていると……
『♪』
「あっ」
私のスパイダーフォンから、音がなったのだ………そろそろ時間か……
「ごめん。その話は後でお願いね?」
「あ、あぁ……分かった……ルビー!」
「?」
「………気を付けて」
その言葉に頷いて、私は対決場所へと向かうのだった……。
『ジャジャ!』
少し歩くと、赤い布を持ったジャマトが現れ、私をおびき寄せるようにして逃げ出した。
まずは……一勝だ!
そう思いながら歩いていき、もうすぐ到着………と思ったその時、
「ごめん」
「えっ?」
いつの間にか来ていたハクアが、私を追い抜いて先に行ってしまった。すると……
「え!?何これ!?」
ハクアと私の間に障壁が現れて、あちらに行けないようになってしまった。
「ちょっと確かめたいことがあるから、先に行くね?」
「確かめたいこと……?ちょ、ちょっとー!」
私に向けて、ハクアが前を向いたまま手を振り返したのを見て、私は仕方なく来た道を急いで引き返すのだった……。
side:ハクア
「は?なんでフォルスが……?」
姉さんが来ると思っていたであろうベロバは、僕の姿を見て少なからず驚いていた。
見ているオーディエンスたちからも、驚きの声があがっている……が、
「予定が狂ったけど……まぁ、いいわ。これで、フォルスは……!」
何故かベロバは、そう言って笑ったのだ……何か企んでいるのか……?そう考えながらも、僕は落ちていたニンジャバックルを拾い上げ……
「さぁ……始めようか」
「SET」 「SET」
戦いに意識を集中させながら、マグナムとニンジャのバックルを両方セットし、
「変身!」
バックルを操作する。
「DUAL ON」
「MAGNUM」
「NINJYA」
「READY FIGHT」
「ハァ!」
『ジャー!』
そして、変身してマグナムシューターで攻撃しながら、ピジョップジャマトへ立ち向かっていく。
「フッ!ハァ!」
『ジャジャ!?』
僕はマグナムシューターでの銃撃と、下半身のニンジャの手裏剣の部分を使った蹴り技でダメージを与えていた。
「MAGNUM NINJYA STRIKE」
「ハァ!!」
『ジャー!?』
僕は両方のバックルを操作してから、攻撃を繰り出してピジョップジャマトを追い詰める………さてと……
『ジャー!!』
「よっと……」
『ジャ!?』
僕は奇襲してきたジャマトの攻撃を避けた。そして、
「REVOLVE ON」
「せーのっ!」
『ジャー!?』
上と下の装備を入れ替えながら、ジャマトをピジョップジャマトの方に投げ飛ばした。
『ジャジャ!?』
「ビンゴ!やっぱりもう一体いたんだ」
二体のジャマトが驚いているが、それを余所に僕はブーストVer.Ⅱバックルを取り出して、
「SET」
ドライバーにセットして、バックルを操作した。
「BOOST Ver.Ⅱ」
「READY FIGHT」
ブーストVer.Ⅱへと変身して、ジャマトたちを攻撃していく。
「フッ!ハァ!」
『ジャー!?』
「ハァ!」
『ジャ!』
奇襲してきたジャマトは僕の攻撃を受け止めたが……
『ジャー!?』
装備されている爪が伸びてジャマトを攻撃し、吹き飛ばしたのだ。僕は追撃しようと、ジャマトたちに向かって行こうとするが……
『ジャマトグランプリをご覧の皆さーん!ここで、星野珀亜に関するとっておきのスクープをお伝えします!』
「……え?」
重大な……スクープ……?
『仮面ライダーフォルスこと、星野珀亜は―――――』
………あぁ……僕は……。
「アハハハ!ハハハハ!これでさすがのフォルスも……!」
「REVOLVE ON」
「SET UP」
「DUAL ON」
「は?」
「HYPER LINK」
「LASER BOOST」
「………」
「READY FIGHT」
僕は笑うベロバを余所に、レーザーブーストフォームへと変身し………
『ジャ?』
「っ!」
『ジャ!?』
そのままピジョップジャマトを殴りつけたのだった……。
side:アクア
ハクアが、ルビーの出るはずの試合に出てきて戦い始めた。最初は、何故かハクアが出てきて驚いたが……
『フッ!ハァ!』
「……大丈夫そうだな」
俺のニンジャバックルを上手く使い、二対一でも余裕のある戦いをしていたのだ。そう思って、見ていると………
『ジャマトグランプリをご覧の皆さーん!ここで、星野珀亜に関するとっておきのスクープをお伝えします!』
「何だ……?」
ベロバの録音した音声だろうか……それが突然、流れてきたのだ。これって……ベロバの言っていた……。
「あいつ……何を……!」
そして、聞こえてきたのは………
『仮面ライダーフォルスこと、星野珀亜は―――――』
………噓……だろ……。
side:ルビー
ハクアが戦いに行ってから、私はキューンのオーディエンスルームへと戻り、戦いを見ることにした。ハクアは最近、元気がないみたいで少し心配だったけど……
「よし!」
「……流石だな………」
私の心配し過ぎだっただろうか、奇襲も読んで立ち回って二体のジャマトを追い詰めていたのだ。
勝った……そう思っていたけど……
『ジャマトグランプリをご覧の皆さーん!』
「ん?」
「ベロバ……?」
突然、ベロバの声が響き渡った。突然のことに、キューンも私も驚いていた。
『ここで、星野珀亜に関するとっておきのスクープをお伝えします!』
「……え?」
「スクープ……?」
スクープって……一体、どんな……?
そして、告げられたのは………
『仮面ライダーフォルスこと、星野珀亜は………本当はもうこの世にはいませ~ん!』
……え?
『12年前、星野珀亜は星野アイのストーカーに刺された……が、奇跡的に一命をとりとめた』
そうだ………ハクアは、生きているんだ。
『でも、それは間違っている………本当は……
致命傷で死んでいたの』
「っ……」
あの子から聞かされた時は、まだ完全に信じられていなかったけど………本当のことなのだと、嫌でも分からせられる……。
『でも、星野珀亜は助かったことにされた………
創世の女神の力によって』
全部……あの子の言った通りだった……そして、ベロバはさらに………
『そして、その願いを女神に願ったのは………
星野珀亜たちの父親よ』
………え?
『間接的と言えど、自分が殺した相手をね』
ママを襲わせて………間接的にハクアを殺したのは………私たちの父親……?
『つまり、今の星野珀亜は………
創世の女神によって、創られた存在なのよ!』
すると、そのことを聞いたオーディエンスたちが………
『じゃあ……俺たち今まで、死人のことを観てきたってことなのか……?』
『酷い!私たちを騙していたんだ!』
『今すぐ消えろ!』
『許さない!』
『お前なんか見たくない!』
『必要ないよ、お前』
『直ぐに死ねよ!』
『退場しろ!』
『退場だ!』
『退場して!』
手のひらを返して、ハクアを一斉に叩き始めたのだ。あぁ………どの時代でも、そうなんだ……。
「――ー?」
ハクアのことを、デザグラでしか知らないくせに………
「―ビー!」
こんなの……!
「ルビー!!」
「っ!」
突然、キューンに名前を呼ばれた。
「……大丈夫か?」
「………うん……っ!それよりもハクアは!?」
私よりもハクアが心配だ……ハクアの方がきっと……。
「フォルスなら……」
キューンがモニターの方を向いたので、私もそっちを向いた。すると……
『ジャ!?』
『……』
『ジャ!?ジャー!?』
「ハクア………」
ハクアは何も言葉を発することなく、目の前のジャマトを攻撃していた。そして、奇襲してきたジャマトが逃げた後………
『ジャ!?ジャー!?』
ピジョップジャマトに標的を変えて、レーザーレイズライザーを銃にして攻撃していた。
「大丈夫………なのか……?」
ハクアが戦っている様子を見て、キューンが戸惑いながらもそう言うが……
「………違う」
「ルビー?」
私はそれを否定した。
ハクアは、昔から辛いことがあった時は、いつもそれを私たちに隠してきた。それはきっと、私たちに心配を掛けたくないからだろう……ハクアは、いつも自分のことは二の次だ。今だって、みんなで勝つためだけに戦っている……一番辛いはずなのに………自分の気持ちを押し殺して……。
人によっては、冷静に戦っているように見えるのだろう………でも、私にはとても苦しんでいるように見えた………。
そして………
「FINISH MODE」
『ジャ……ジャー!!』
『……』
「LASER BOOST VICTORY」
ハクアはジャマトを待ち構え……
『ハァ!!』
『ジャーー!!?』
近くまで来た瞬間に、回し蹴りでベロバたちのいる方に向かって、ジャマトを吹き飛ばした。途中で、ベロバたちの前に防御のためのトゲが出てきたが、それがジャマトに刺さる前にベロバたちの背後まで飛ばされ、見るも無残な姿になっていたのだ。
『……』
ハクアはその様子を見て、黙ってその場を去って行くのだった……。
ジャマトグランプリルール
人間を不幸にさせるためなら
あらゆる手段が認められている。
読んでくださりありがとうございます。
ハクアの秘密が、ベロバによって広く知られてしまうことに………そして、女神に叶えさせたのは、父親であるカミキですが………本当に願ったのは……。
良ければ、感想や評価の方をよろしくお願いします。
それでは、次回もよろしくお願いします。