真実を知ったハクア………そして、そんなハクアを見たルビーは……。
それでは、どうぞご覧ください。
side:透
「第二回戦はフォルスの勝ちね……ムカつくけど……」
ベロバがフォルスの勝ちを宣言した。
俺たちは、いつもとは違うハクア君の戦い方に驚いていた。すると……
「まぁ、いいわ。次の試合は明日の正午……マーゴの負けは確実なのだから……」
ベロバは勝利を確信して、そう言ったのだ。
「あなたたちなら楽勝よね?」
すると……
「勝手にしろ……俺は降りる」
「右に同じく」
「はぁ?」
俺たちは、ベロバに向かってそう言った。
「何で?これで、邪魔なライダーどもは消えるのよ?」
「俺たちのゲームを滅茶苦茶にしたお前が、何を言う?」
「っ……」
そう言って、俺たちは去っていくのだった……。
side:ルビー
「っ……ハクア!」
私はハクアの勝利を見届けた後、すぐさまハクアを探しに行こうとした。あんな状態で放っておけるわけがない……!
「待ってくれ!俺も――」
「私だけでいい」
「え……?」
「あなただって……あっち側でしょ?私のことだって、面白がっていたんでしょ?」
「っ!そんなことは――」
私はキューンにそう言い残して、ハクアを探しに行った。
「どこ?どこなのハクア!」
私はハクアを探し回ったけど、一向に見つかる気配がない。そして、もう家にいるのではないかと思い、私は家へと向かった。すると……
「あ!ママ!」
家の中へと入ると、そこにはママと………
「ハクア!」
「あ……姉さん……」
ハクアがいたのだ………帰ってきていたんだ……!
でも、どこかママの様子が……というよりも、
「ごめん……ごめんね……!」
「ママ……?」
ママは、泣いていてずっとハクアに向かって謝り続けていた。
「あ……ルビー……?」
「どうしたの?何かあったの?」
私が二人にそう訊くと………
「いや……これは僕のせいで――」
「っ!そんなことは……!」
何かあったみたいだけど……?すると、
「……思い出したの」
「……何を?」
「あの日のこと……」
あの日………?
「ハクアが……
死んじゃった日のこと」
side:アイ
「あ!お帰りなさい!………あれ?アクアとルビーは?」
「……」
ハクアは、何故か一人で帰ってきた。今日は三人で出掛けていたはず………すると、
「ねぇ……僕は生きてるよね?」
「……え?」
急にそんなことを訊いてきたのだ。そして……
「……」
「ハクア……?何かあった?」
私はそう訊いたけど、ハクアは黙ったまま黒い狐の絵が描かれたもの………確か、IDコアだったっけ?それを持って近づいてきた。
そして、私の手を取って………それに触れさせた………その瞬間、
『ハクア!死んじゃやだよ!!』
『くそっ!血が……!』
『もう喋らないでいいから!』
『残念ながら……もう……』
『許さない……私たちのハクアを返して!!』
『なら……僕が蘇らせましょうか?方法なら――』
そんな……何で…私……忘れて………
気付いたときには、私は涙を流していた。そして………
「ハクア!!」
私はハクアを思い切り抱きしめた。
「ごめん!ごめんね……!!」
「お母さん……?」
「あの時、守ってあげられなくて………ごめんなさい……!!」
「……!」
そして、何もしてあげられずに死なせてしまったハクアに………懺悔の言葉を言ったのだった……。
『お母さん……無事……?』
『うん!私は無事だよ!ハクアのおかげで何ともないよ!』
『……そっかぁ…良かったぁ…』
ハクアは、私を庇ってリョースケ君に刺されてしまった。
『ハクア!……くそっ!血が……!腹部大動脈か……!」
アクアが必死に血を止めようとしているけど、止まらずに流れていった。
『さっき救急車を呼んだからな!もう少しだ!』
『頑張って…!死なないでハクア!まだ……まだ私は言えてないのに……!』
『ハクア!死んじゃやだよ!!』
私は必死に声を掛けていた………すると、
『……そんな顔しないでよ』
『まだ……理想の世界を…叶えてすら…いないんだから……』
『生きなきゃ……いけない……』
『『『っ……!』』』
そう言って、ハクアはなんとか言葉を紡いでいた……けど……
『でも………これは、助からないかな?』
ハクアが急にそんなことを言い出した。
『もう喋らないでいいから!』
ルビーが、ハクアに向かってそう言うが……
『自分の体のことは………自分がよく分かってるから……』
ハクアは話し続けていた。
『ごめん………僕がいなくなっても、みんな幸せにね……?』
『『『っ……!』』』
『ははっ……これじゃあ、
愛してる…よ……お母さん……ゴロー先生……さりなちゃん………』
『………ハクア?』
その後、救急車が到着して病院に搬送されたが………
『残念ながら……もう……』
『………え?』
もう、手遅れになっていたのだった……。
それから、数週間後………
『………もしもし』
『もしもし……何の用ですか?』
私は、ハクアたちの父親であるヒカルに電話をしていた。
『君だよね……』
『何がです?』
『リョースケ君に、私を殺させようとしたんでしょ?』
『……』
『そして………ハクアが死んだ……』
『……そうですか』
ヒカルは、ハクアが死んだことを聞いても……発した言葉はそれだけだった。
『……それだけ?』
『えぇ、そうですが?』
『っ!』
その言葉を聞いて、私は……
『ハクアは……最期まで、私たちの心配をしていた……そして、私たちに「愛してる」って言ってくれた……!』
ヒカルに向かって、思いつく限りの言葉を投げかけていく。
『私の下に生まれてきてくれた………とっても優しい子だった!なのに………君のせいで!!』
そして……
『許さない……私たちのハクアを返して!!』
私は怒りと悲しみの感情を込めて、そう言ったのだった。
あぁ……私はちゃんと、愛せていたんだ……だって私は……ハクアのことでこんなにも、感情を出せているんだから……。
でも………こんな風に、知りたくなかった……ハクアに……三人一緒に、言ってあげたかった……「愛してる」って……!
すると……
『なら……僕が蘇らせましょうか?方法ならありますよ?』
『………え?』
ヒカルが急にそんなことを言い出した………普通なら、そんなことは出来ないと直ぐに言っていただろう………けど、
『………できるの?』
私は思わずそう言った………また、ハクアに会える……?アクアとルビーとも一緒に、暮らせる……?
『ただし、条件があります』
『……何?』
『僕の秘密を口外しないこと………そうすれば、愛する息子にまた会えますよ?条件を守れなければ……二度と、あの子には会えない』
『……!』
『さぁ……どうします?』
そして、私は………
side:ハクア
「そんな……」
「……」
お母さんが、僕のIDコアに触れて思い出したことを僕たちに向かって話してくれた………やっぱり、僕は……。
「……ごめん」
「「え?」」
僕の謝罪に、二人が驚いたようにこちらを向いてきた。
「お母さんに、辛いことを思い出させた………自分が不安だからって言う理由で……こんなことを……」
あの時は戦うことに集中していたけど………戦い終わった後になって、一気に色々な気持ちが押し寄せてきた。
あれは、ベロバの嘘かもしれない………本当はそんなことはなかった……そう思いたくて………確かめたかったんだ……。
だから、お母さんにIDコアを触れさせた………でも、お母さんの反応で、全部分かってしまった………。
やっぱり……デザグラで家族との繋がりを絶つ願いを、叶えておけばよかったのかもしれない……僕の甘えで、こんなことに………そうしていたら、みんなを巻き込むこともなかったんだ……。
僕が、そんなことを思っていると……
「ごめんね……私があの時……!」
「ママ……」
お母さんが僕に何度も謝ってきていて、姉さんがその姿をみて、心配そうにそう呟いた……そして、僕は…………
「……お母さん」
「ハクア……っ!」
泣いているお母さんを抱きしめた。そして……
「……ありがとう」
「えっ?」
「僕が死んでいたのは……少しショックだったけど………形はどうであれ、僕は生きている」
「それは………で、でも!」
お母さんが僕の言葉にそう言うが……
「僕はね………お母さんが僕のことをそこまで思ってくれていたのが、何より嬉しかったよ?」
僕は、そう言葉を掛けたのだった………この言葉は、僕の本心だ。
「愛してる」と言えなかったのに、自分の子供のこと………僕のことで、怒り、悲しんでくれたことを知って、とても嬉しかったのだ。
「だから………そんなに泣かないで?」
「っ……!ハクア……!」
そう言うと、お母さんはさっきよりも落ち着いてくれたみたいだった。
「本当に……優しいなぁ……」
姉さんが僕たちのやり取りを見て、そう言うが………
「そんなわけ……ないよ……」
「え?」
「ううん……何でもないよ」
「……?」
僕の目の星は………一瞬、黒くなっていたのだった……。
side:キューン
キューンは、ルビーが出ていった後、彼女たちの父親であるカミキのところに来ていた。
「やぁ………どうしたんだい?」
「何で……あんなことをしたんだ……!」
カミキにキューンがそう訊くと、
「僕は、彼女に頼まれたんだよ」
「彼女……?」
キューンはその言葉を聞いて、疑問に思うが……すぐに気付いた。
「まさか………星野アイか」
「正解だ。僕は提案した……あの子を蘇らせる変わりに、僕の秘密を黙っていること……でなければ、二度と会うことは出来ない……とね?」
ハクアたちの母親である星野アイが、頼んできたと言ったカミキだが、
「違うだろ……お前がやったのは脅しだ!星野アイの心に漬け込んだんだろ!」
キューンは、アイの弱った心に漬け込んだものだと反論した。
「未来人の君に、何が分かる………彼女がそう望んだ。それだけだ」
「っ!それが……父親のやることか!それでフォルスだけじゃなく、ルビーたちまでも……!」
そう言って、キューンはカミキの胸ぐらを掴んだ………が、
「だが、その結果あの子は生き返り、幸せに過ごしている………これは、父親としてすべきことじゃないのかい?」
「っ……!」
カミキにそう言われ、キューンはゆっくりと手を離した……。
「とにかく、今後も僕の………いや、僕たちの子供たちをよろしく頼むよ?」
そう言って、カミキはその場を後にしたのだった。
カミキがその場を後にして、キューンも自身のオーディエンスルームへと戻ってきていた。
「俺は……どうしたら……」
キューンは、ルビーたちが辛い状態なのに何もできずにいた。それを本人も悔しく思っていると……
「初めまして……かな?」
「っ!お前は………何でここに……?」
そこには、何故かハクアが立っていたのだった。
「……頼みがあってね」
「頼み……?」
「うん……姉さんのことをね?」
「ルビーを……?」
「僕は………ジャマトグランプリのことが終わったら……
家族から離れようと思ってる」
「!それは……!」
キューンはそれを訊いて、驚きを隠せずにいた。
「姉さんたちは、望まないだろうけどね………それに、これからやることに巻き込みたくないし」
「だったら!」
「けど、もう決めたことだ………だから、姉さんのことを頼むよ?あぁ、ちなみに兄さんのサポーターのケケラにも、そう言ってきたところだよ」
ハクアからそう言われたキューンだったが、
「俺は……今まで顔を合わせようともせずに、手紙でしかやり取り出来なかった……今だって………そんな俺に、何を………」
今まで、本心を言えないという理由でルビーに直接会うことはなかったキューン………やっと会いに行ったものの、ルビーから信用もされていなかった………そんな自分に何ができるのか、そう思っていると……
「……それでいいの?」
「え?」
「願いを叶えるのを、手助けするのが………サポーターじゃないの?」
キューンのその言葉に対して、ハクアがそう言ったのだ。
「でも、俺は手紙でしか……よく話したことがない………もし、彼女の助けにならなかったら……」
「じゃあ……何で姉さんのサポーターになったの?」
「!それは……ルビーに幸せになってほしかったから……」
ハクアにそう言われて、キューンはそう答えた。
「だったら、やるべき事をやればいい………それが出来ないなら、未来に帰ればいい」
そう言い残して、ハクアは何処かに去っていくのだった。そして、キューンはソファーに座り込み……
「家族から離れるって………ルビーの幸せには……お前がいないとダメなんだよ……!」
一人でそう呟くのだった……。
side:ルビー
「おはよう……」
私が目を覚ますと、
「あ!ルビー!ハクア見なかった?」
「え?」
「今朝から何処にもいないの!」
「えぇ!?」
ハクアがいない!?………っ!まさか!
「あっ!ルビー!」
私は居ても立っても居られず、ハクアを探しに家から飛び出していくのだった。
「ハクア!」
「あ……姉さん……」
私は、朝からいなくなっていたハクアを見つけたのだった。良かった………そう遠くへは行ってなかったんだ。もし、ハクアが自殺なんて考えていたら……。
でも、ハクアの表情は暗いままだ……。
「どうしたの?急にいなくなって……?」
私がそう訊くと、ハクアは……
「僕は……本当に、あそこに居てもいいのかな………」
「……え?」
急にそんなことを言い出したのだ。
「それってどういう……?」
「………僕は、何回も転生してきた。そして、デザイアグランプリがある時は……いつも家族との繋がりを最初に絶っていた」
「……!」
家族との繋がりを絶つって……何で、そんなことを……?
「家族とデザイアグランプリが、無関係でいられるように……でも、今世では違った。一緒に居たいって、思ってしまった………ここに居たいって、思ってしまった……!」
「ハクア……」
「そのせいで……お母さんが辛い思いをした………忘れたままなら、幸せだったのに……!」
ハクアは、自分のせいでママが辛い思いをしていると思っているみたいだ………辛いのは、ハクアも一緒のはずなのに……あんなに自分を責めて……。
「兄さんと姉さんだって……僕がいなければ、デザグラとは無関係でいられたのかもしれないのに……!」
「っ!そんなことは――」
「あるんだよ!」
「!」
ハクアは珍しく、声を荒げてそう言った。
「だから………分からなくなったんだ。僕は、みんなと一緒にいるべきなのかって……」
その言葉を聞いて、私は……
「居てよ!!」
「!」
「私たちと一緒に居て!もう……私の前から、いなくならないでよ……!」
私は、ハクが目の前で亡くなった時のことを思い出しながらそう言った。その時、
「!……姉さ『ジャー!』…!」
突然、ジャマトがハクアの後ろから襲い掛かってきたのだ。
「っ!くっ……!」
「ハクア!」
ハクアは攻撃を避けて、すぐさまドライバーをつけようとした……けど、
『ジャ!』
「っ!」
ジャマトの攻撃を受けて、ドライバーを落としてしまったのだ。そして……
「なっ!うわっ!」
「っ!ハクア!?」
ハクアはそのまま、何処かに連れ去られてしまったのだった。
私はハクアのドライバーを拾い上げ、すぐさまハクアとジャマトを追いかける。そして、試合会場の入り口の前まで来たが……
『『ジャ』』
『『『ジャ』』』
「っ!こんな時に……」
ジャマトたちが、入り口を守るようにしていたのだ。
「SET」
「変身!」
「BEAT」
「READY FIGHT」
「そこをどけー!!」
『『『ジャー!?』』』
「やぁ!はぁ!」
私はジャマトたちに突っ込んでいき、攻撃を仕掛けていく。早くしないとハクアが……!
『『『『ジャー!』』』』
「はぁ!次から次へと……!」
ジャマトの数が多く、倒しても倒してもキリがない……。
『『ジャジャ!』』
ジャマトの数の多さに苦戦していると……
「LASER VICTORY」
「ハァ!」
『『ジャー!?』』
「え……?」
急に、黄色いライオンのような生き物がジャマトたちに突っ込んで、蹴散らしたのだ。あれって……?そのライオンは誰かが変身していた姿だったようで……
「!あなたは……!」
変身を解除して現れたのは……私のサポーターのキューンだった。
「何で……ここに……?」
私がそう訊くと、
「頼まれたんだよ、フォルスに」
「ハクアに……?」
「君を頼むって……」
「……!」
ハクアが……そんなことを……。
「そして……これは俺自身の気持ちだ!確かに俺は、あいつらと同じ未来人で……君たちとは違う感性を持っている」
「……」
「俺は……自分の気持ちを伝えられなくて、今まで君と手紙で話してきた」
そう言って、キューンは手紙を取り出し……
「でも……」
「えっ?」
それを目の前で破いたのだった。
「これじゃあダメだ……!俺自身の言葉じゃないと、意味がない……!君にどう思われてもいい……嫌われても構わない、けど!」
そして、キューンは……
「俺はいつでも……君の味方だ。それだけは、忘れないで欲しい」
私の目を真っ直ぐ見て、そう言うのだった……この言葉は、噓じゃない………本当に、私の幸せを願ってるんだ……。
「……ありがとう」
「え?」
「私の幸せを願ってくれて……」
「当たり前だ。俺は君のサポーターなのだから」
「!……そっか」
そんな話をしていると……
「そうだ……これを」
「!これって……!」
キューンからブーストバックルを渡された。
「さぁ!急ごう!」
「うん!」
それを受け取って、私たちはハクアの下に向かうのだった……。
side:ハクア
「ぐっ!?」
僕は突然、ジャマトに連れ去られてしまった。そして……
『さぁ!マーゴの試合の前に……処刑の時間よ!』
「っ!」
ベロバがそう言ったのを合図に、周りに無数のカメラが浮かび上がった。
『やれー!!』
『いいぞー!!』
『噓つきは消えろ!!』
『報いを受けろ!!』
オーディエンスたちからの罵詈雑言が聞こえてくる。
『ジャー!』
「くっ!ハァ!」
僕は生身ながらも、ジャマトに格闘術で応戦していくが……
「フッ!ハァ!」
『ジャ?』
「やっぱり、厳しいか……」
『ジャー!』
「っ!ぐあっ!」
僕はジャマトの持つ大剣で攻撃され、吹き飛ばされてしまう。
『ジャ!』
「ぐっ!あっ……!」
倒れ込んだ僕に近づいて、ジャマトは僕の首を持って持ち上げた。
「ぐあっ!」
そのまま首を絞められてしまう………まずい……。
「さぁ……そのまま不幸な最期を迎えなさい!」
『ジャー!!』
そして、ジャマトが大剣で僕にとどめを刺そうとした………その時、
「ハァ!」
『ジャ!?』
「っ!」
突然、レーザーレイズライザーでの攻撃が飛んできたのだ。
『ジャー!ジャ!?』
その攻撃の後、黄色い障壁がジャマトを囲んで閉じ込めたのだった。すると……
「ハクア!」
「どうにか間に合ったか……」
姉さんが僕のところにきて、助けてくれたのだ。
「良かった………良かったよぉ……!」
姉さんは僕を抱きしめて、泣きながらそう言った。
「姉さん……?それにキューンも」
僕は、キューンへと目線を向けた。
「……やる気になったんだね。助かったよ」
僕がお礼を言うと、キューンは……
「!いや……推しのサポートをするのがサポーターだ……それに、ルビーの幸せにはお前がいないとダメだからな」
「……そっか」
『何で、あんたたちがここに……?』
僕たちが会話をしていると、ベロバがそう言ってきたのだ。
「入口のジャマトたちなら、全部倒したよ?キューンがいなかったら、間に合わなかったけどね?」
『ちっ……』
「ハクアは下がってて……あ、それと……これ!」
そう言って、姉さんはドライバーを渡してきた。
「……ありがとう」
「どういたしまして!」
そして、姉さんはジャマトの方を向いて……
「さてと……ハクアを傷つけたこと、許さないから!」
ドライバーを装着し……
「LASER RAISE RISER」
キューンもレイズライザーベルトを装着する。すると……
『ジャー……ジャー!!』
ジャマトが障壁を壊して、僕たちに向かって攻撃をしてきたのだ。
「「っ!」」
「SET」 「SET」
「KYUUN SET」
「「変身!」」
「BEAT AND BOOST」
「KYUUN LOADING」
「「READY FIGHT」」
「いくぞ!」
「うん!」
二人は変身したと同時に、ジャマトに向かって駆け出していくのだった……。
『折角の処刑が台無しじゃない………あいつらをつまみ出しなさい』
ジャマトたちが、姉さんたちの邪魔をしようとするが………
『ジャ!?』
「……」
僕は、レーザーレイズライザーでジャマトを攻撃した。そして、ドライバーを装着し……
「ここから先は………通行止めだ」
「SET UP」
レーザーレイズライザーとブーストVer.Ⅱバックルをセットし、
「……変身」
「DUAL ON」
「HYPER LINK」
「LASER BOOST」
「READY FIGHT」
レーザーブーストフォームへと変身した。
「……」
僕は、レーザーレイズライザーを取り外し、銃口の部分を取り付けた。
『『ジャー!』』
「っ!ハァ!」
『『ジャー!?』』
向かってくるジャマトに攻撃を加えながら、姉さんたちから遠ざけるように立ち回っていく。
「ハァ!」
『『『ジャジャ!?』』』
僕は重力操作を使い、ジャマトたちを横へと動かし……もう一丁のレーザーレイズライザーを生成し、
「フッ!ハァ!」
『『『ジャー!?』』』
ジャマトたちを纏めて撃ち抜いていったのだった……。
side:ルビー
「はぁ!」
『ジャー!』
私はブーストの加速と、キューンの作ってくれるボードを足場にして、ジャマトの周りを縦横無尽に駆け回っていく。そして………
「ROCK FIRE」
「TACTICAL FIRE」
「やぁ!」
『ジャ!?』
ボードを上手く使って、ジャマトの背後から攻撃を当てていく。
「まだまだぁーー!!」
私はジャマトに間髪入れずに攻撃を加えていった。
『ジャー!?』
「ルビー!」
「っ!分かった!」
私はキューンの背中に飛び乗り、吹き飛ばしたジャマトへと向かっていく。
「使え!」
レーザーレイズライザーを投げ渡される。私はレバーを二回倒し、
「SUPPORT MODE」
「LASER CHARGE」
「はぁ!」
銃口から先を、槍のような形に変形させた。すると……
『ジャーーー!!!』
ジャマトはまるで、古代魚のような姿になって私たちに突っ込んできた。
「「ハァ!!」」
そして、ぶつかる瞬間に、槍をその口の中に刺し……
「BOOST TIME」
「「ハァァァーー!!」」
「BEAT BOOST GRAND VICTORY」
「「ハァ!!」」
私は引き金を引き、そのままジャマトを貫いた。
『ジャ…ジャー……』
ジャマトに大ダメージを与えることはできたけど、倒すことは出来なかったみたいだ。そして、こっちも……
「はぁ……はぁ……」
「ルビー!」
「大丈夫……ちょっと疲れただけ……」
変身が解除され、その場に座り込んでしまう。
『ちっ………引き分けね……』
ベロバはそう言って、去っていくのだった……。
side:ハクア
「ハァ!」
『『ジャー!?』』
「!姉さん……こっちも……!」
「FINISH MODE」
僕は生成した方のレーザーレイズライザーを消して、本体の方のレバーを倒し、引き金を引いたままにした。
「LASER BOOST VICTORY」
すると、レーザーが発射されることはなく、代わりにレーザーが剣の刃のようになったのだ。そして、そのまま……
「フッ!ヤァ!ハァ!!」
『『『『ジャー!?』』』』
向かってくるジャマトたちをすれ違いざまに斬っていき、倒したのだった。
「はぁ……はぁ……くっ……」
僕は変身を解除すると、壁に手をつきながらも姉さんの下に行こうとした。すると……
「ハクア!」
「あ……兄さん………無事みたいだね?」
ゲームが終わったことで開放されたのだろう………兄さんがこちらに来てくれたみたいだ。
「お前……腕を……」
「え?あぁ……」
どうやら、生身での戦闘の時に右腕に怪我を負ってしまったようだ………傷口からは、血が流れている。
「ほら……」
「……ありがとう」
僕は兄さんの肩を借りて、姉さんの方に向かっていく。
「ハクア!お兄ちゃん!」
「ルビー……っ!」
「良かった……」
姉さんは僕たちのことを呼びながら、抱きしめてきた。そしてその後、僕から一歩離れて………
「ハクア………帰ろ?」
「……!」
姉さんはそう言って、手を差し出してきた………けど、
「っ………」
僕はその手を取ることが出来ずにいた………本当に、この手を取るのが正しいのか……キューンは姉さんの幸せには、僕もいないとダメだと言っていたけど………やっぱり、僕は………。
そんなことを思っていると……
「えっ?」
姉さんがいきなり僕の手を取ってきたのだ。
「帰るよ!私たちの家に!」
そう笑顔で言ってきたのだった。さらに……
「ほら、行くぞ」
兄さんが僕の背中を押してきたのだ。
「俺たちがどう言っても、お前の考えは変わらないかもしれない………けど」
「……けど?」
「誰がなんと言おうと………俺たちは、お前の味方だからな?」
兄さんはそう言ってくれ、僕の手を引く姉さんもその言葉に微笑みながら頷いたのだった。
……僕は今、どうするのが正しいのか………それはまだ分からない。でも……
「……うん、ありがとう」
今だけは、その言葉に頷いて、二人と一緒に帰っていくのだった……
瞳の星が、黒く染まりつつあることに気付かずに………
side:透
「何でフォルスの秘密を知っていたんだ?」
道長がベロバに向かってそう訊いた。すると……
「答えは……それよ?」
道長が持っているヴィジョンドライバーを指差し、
「それには、歴代のゲームマスターの記憶が保存されてるの。真実の目ってやつよ」
そう言ったのだ。なるほど………これを利用して、ベロバは……そして、俺は……
「……お前とはここまでだ」
そう言うのだった。どんな手段でもデザグラを潰すつもりだったが………あれだけのまねをされたら、もう付き合ってられない。
「っ!何でよ!」
「俺たちの邪魔を散々しやがって……後は俺たちでやる」
道長も俺の言葉に続いてそう言う………すると、
「待って!………分かったわ。なら、特別に見せてあげる」
「……何をだ?」
「フォルスのもう一つの弱点……知りたくない?」
「もう一つの……弱点……?」
「そう……むしろこっちがメインね」
ベロバはそう言って、ヴィジョンドライバーを俺の腰につけて操作した。すると……
「ここは……?」
「創世の女神がいた……」
そこは、創世の女神がいた空間だった……まだ、女神がいない時の記憶だろうか……?
そんなことを思っていると、周りに多くのゲームマスターらしき格好をした人物たちが集まってきた。
「さぁ……歴史的瞬間よ!」
ベロバが見ている方向を見ると、
『女神の力を宿したか……!』
集団の中心に一人の女性がいて、その人を見てリーダーらしき人物がそう言ったのだ。そして、その人物はヴィジョンドライバーに指紋を認証させた……
『うっ!あぁ……あああああーー!!』
「「!?」」
突然、女性が光に包まれながら苦しみ始めたのだ。その様子を見て……
『女神となれ……!ミツメよ!』
ヴィジョンドライバーをつけた人物はそう言ったのだ。
「ミツメ……?」
道長がそう呟くと、ベロバは女神となっていく様を見ながら………
「そう……フォルスの最初の母親よ」
そう言ったのだった………まさか!
「そして………創世の女神そのものよ!」
ジャマトグランプリルール
ヴィジョンドライバーには、運営に関わる
あらゆる記憶が保存されている。
読んでくださりありがとうございます。
ハクアは今、だいぶ危ない状態です。今回は何とかなりましたが……次に何かあれは………。
良ければ、感想や評価の方をよろしくお願いします。
それでは、次回もよろしくお願いします。