復活したハクアは、何故運営に矛先を向けたのか……。
それでは、どうぞご覧ください。
side:ハクア
「な、何で……」
何故か復活した僕に対して、チラミや透さん、ジーンが視線を向けてきた。
「僕は………デザイアグランプリを許さない……!」
「な、何を言って……自分が何をしているのか、分かっているの!?」
「それはこっちのセリフなんだけど?」
「ひぃ!」
チラミに向けて、怒気を含めながらそう言った。
「お前たちのせいで、多くの人々が犠牲になった!そして……苦しむ母さんを利用して傷つけた!!」
「っ!アタシたちは女神の力で、多くの人々の願いを叶えて続けてきたじゃない!あんたにどうこう言われる覚えなんてないわよ!!」
「それはお前が…お前たちが……無理やりさせたことだろ!!」
「っ!」
僕はそう言って、チラミへと向かっていくがドローンの攻撃がそれを邪魔してくる。
「フッ!ハァ!」
「くっ……!」
だが、それをブーストで加速しながら避け、隙を突いて蹴りで地面に落とし、マグナムシューターで撃って破壊していく。
「RIFLE」
その後もドローンたちが襲い掛かってくるが、僕はマグナムシューターをライフルモードに変え、遠くのドローンも撃ち落していく。そして、ハンドガンモードに戻して走って行き……
「ハァ!」
「ぐあっ!」
ブーストで加速した蹴りを入れ、吹き飛ばしたのだった。
「ハァァァーー!!」
ここでチラミを確実に倒すために、さらに攻撃を加えようと走って行った……その時、
「ハァ!!」
「っ!」
「悪いね。こいつを倒すのは……俺だ……!」
「……」
「と、トゲッチ……!」
透さんが横取りをして、チラミを地面に叩きつけたのだ……そして……
「フッ!ハァ!!」
「ぐあっ……!!」
左手の爪でチラミを仕留めたのだった。
「な、中々……面白いこと……してくれるじゃない………」
最後にそう言って、チラミはヴィジョンドライバーを残して消滅したのだった。
「何で……ここにいる?君は道長が……」
透さんが僕に向かってそう言ってきたのだが……
「……知らないよ」
「え?」
「寧ろ、こっちが聞きたいくらいなんだけど?」
このことは本当で、気が付いたらここにドライバーを装着して立っていたのだ。
すると……
「諸君……私のショーを盛り上げてくれて感謝する……」
「「っ!?」」
拍手が聞こえ、そちらの方を向くと赤い布と特徴的な仮面と黒い手袋をした手が浮いていたのだ。おそらく、一部だけを映し出しているのだろう……。
「そんな君たちを、最後の戦いへと招待しよう……」
そう言って指を鳴らすと、僕と透さんごととある空間に転送したのだ。そして……
「我が名はスエル……デザイアグランプリの創始者だ」
その人物はスエルと名乗り、デザイアグランプリの創始者だと言う。
「お前が……」
「へぇ……早速、ラスボスのお出ましか……」
僕はそう言いながら、マグナムシューターの銃口をスエルに向け……
「探す手間が省けた」
頭を狙って、引き金を引いた……が、
「まぁ、話は最後まで聞け……フォルス」
「っ……」
障壁のようなものに阻まれ、防がれてしまう……やっぱり、そう簡単にはいかないか……そして……
「さぁ……ゲームを始めよう……!」
「「っ!」」
スエルがそう言うと、僕たちは光に包まれてしまう。次に目を開けると、何処か別の場所に転送されていた。
『ルールはただ一つ……最後まで生き残った者が、この世界の命運を決める権利が与えられる。デザイアグランプリの存在する世界か……否か……』
その言葉と共に、ドライバーの入っているアイテムボックスが、街中にばらまかれた。僕を含め、既にドライバーを持っている人には、あるカードが送られてきた………そこには……
「デザイア……ロワイヤル……」
『DR』のマークが描かれていたのだ。
デザイアロワイヤル………それは嘗て、一輝さんたちと一緒に戦った、ライダー同士が争い合うゲームの名前だ。コラスと言うゲームマスターが世界を滅ぼすために起こしたものだったはずだが……。
「それを……また引き起こすつもりか……」
僕はカードを見て、そう呟くのだった……。
side:ベロバ
「へぇ~……運営も中々面白いこと考えるじゃない……!」
ベロバは、デザイアロワイヤルのルールを聞きながらそう言った……そして、
「で、何の用なわけ……ケケラ?」
後ろにいたケケラに向かって、そう言ったのだった。
「そう警戒すんなって……」
「誰にも媚を売らないアンタが、私に話って何なの?」
ベロバにそう言われるケケラだったが、ヴィジョンドライバーを持ちながら……
「もし、俺と手を組んでくれるなら……最高の不幸を拝ませてやるよ」
「!……へぇ…」
side:アイ
『ごめん……もう、会えなくなるけど……どうか、幸せに……』
いやだ……待ってよアクア!!
『今までありがとう……お母さん……じゃあね』
ダメ!行かないでよ……ハクア!!
「ダメ!!」
……あれ?
「ママ!大丈夫!?」
「ルビー……?」
「良かった……凄くうなされてたんだよ?」
「そう……なんだ……」
アクアとハクアがいなくなってから、こんな調子だ……。
「ごめんね?私は大丈夫だから……」
「……うん」
ルビーにそう言うけど、随分と心配させちゃったみたいだ。すると……
「おい」
「えっ?」
「この声って……?」
「ここだ」
突然、男の人の声が聞こえてきて、部屋の中を見渡した……そして、
「もしかして……これ!?」
その声が聞こえてきたのが、カエルの置物だということに気が付いたのだった。私は近づいて、それを持ち上げた……すると、
「ちょ、おい!離せ!落ち着け!!」
「ご、ごめんなさい……」
怒られてしまったようだ。
「あなたが……お兄ちゃんの」
「あぁ…お前と直接会うのは初めてだったか……」
ルビーとそのカエルさんが、二人にしか分からない話をしていた。
「あのぉ……」
「あっ」
「おっと、すまねぇ……早速だが、お前の息子……取り戻したくはないか?」
「えっ?」
突然、そんなことを訊かれたのだ。
「お兄ちゃんを取り戻すって……」
ルビーもその言葉に困惑しているみたいだ……っ!ていうか…
「何で私たちの関係を!?どこから訊いたの!答えて!!」
「おい!ちょ、待てって!!」
この人(?)が、何で私たちの関係について知っているのだろう……?一体、何処から……すると、
「ママ!落ち着いて!少なくとも、この人は味方だよ」
「あぁ、そうだ!俺は星野アクアのサポーターなんでな」
「サポーター……?」
ルビーの方を向くと、頷いてきたのだ。
「……そう……なんだ」
なんか怪しいが、一先ずは信じることにした。そして……
「さて……いきなりだが、この箱の中にあるIDコアに触れてみろ」
「っ!」
箱の中のIDコア……?
「まさか……ママを巻き込むつもり!?」
その言葉に、ルビーが怒りをあらわにする。
「そんなこと……」
「いいか、これは取引だ……それに触れれば、お前の兄貴を連れ戻してやる。悪い話じゃないはずだ」
「でも!」
「最後に選ぶのは……お前の母親だ」
「っ……」
そう言われて、ルビーは黙り込んでしまう……何かとんでもないことに巻き込まれそうになっているような気がする。でも……
「ママ……?」
「そうすれば……アクアは戻ってくるの……?」
「あぁ……約束する」
「……分かった」
そう言って、私は箱を開けた。そこには、真ん中に窪みのある黒い機械と、窪みに嵌まりそうなウサギの絵が描かれた丸いものが入っていたのだ……丸いのが、IDコアかな……?
「ママ……」
ルビーが心配そうに見ているが、私はそのIDコアに触れた……すると、
「っ!」
『許さない……私たちのハクアを返して!!』
『なら……僕が蘇らせましょうか?方法なら――』
『うん……信じられないと思うけどね……僕は、2000年もの間、輪廻転生を繰り返してきた……転生者、なんだよ……』
『っ!そんなわけないよ……今までの家族だって、今の家族も、お母さんのことも僕は……愛してる』
『女神の子………星野珀亜』
『どれもこれも……僕が願ったせいで!!』
『うぅ……あぁ……あああぁぁーー!!』
「あ……何で……忘れて………!」
私は思わず、その場に座り込んでしまう……こんな大事なことを、私は………!
「ママ……大丈夫?」
「うん……大丈夫だよ」
「無理は……しないでね?」
「分かってるよ。ありがとう」
私はルビーの頭を撫でながら、安心させるようにそう言った。
「どうやら、無事に思い出したようだな」
「それで……本当にお兄ちゃんを取り戻せるの?」
ルビーがそう訊くと、
「あぁ、もちろんだ」
その人は、そう答えたのだった。
「あぁ……それと……」
「それと……?」
「フォルスならもう復活してるぜ?」
「「!?」」
え……ハクアが………?
「本当……なの?」
「俺はこの目で観たからな。間違いない」
「「っ……!」」
あぁ……良かった……!無事で……!!
「ママ……!」
「うん!」
私たちは、泣きながらハクアの無事を喜んでいた………ハクアが変わってしまったことも知らずに………そして、翌日……
「おはよう、母さん」
「っ……!」
あぁ……夢じゃないんだ……!
「ママおはよ……っ!」
「ルビー、起きたか」
「お兄ちゃん!!」
「アクア!!」
「おっと……二人してどうしたんだよ?」
「だってぇ……!」
「そうだよ……!」
「……?」
私たちは、朝から泣きながらアクアに抱きつくのだった……でも、
「そう言えば……ハクアは?」
そう、何故かハクアが帰って来ていない……昨日、連絡はとれたんだけどなぁ……一体、どこに……?
side:ハクア
「これから……どうするおつもりですか?」
「どうって?」
僕は苺プロの事務所の屋上で、ツムリさんと話をしていた。
「デザイアロワイヤルで……一体、何をしようと……?そもそも、何故あなたが戻ってきて……?」
「流石に僕にも分からないよ」
「そう……なんですね」
「案外、誰かが願ってくれてたり………なわけないか……」
「……」
僕が冗談でそう言うと、ツムリさんは何かを考え込むように黙り込んでしまった。
「……ツムリさん?」
「あ、いえ……何でもありません」
「……?」
そう返してきたので、僕も一先ずは気にしないことにした。
「今回は、何を願うのですか?」
その言葉に対して、僕は……
「母さんの幸せ……家族の幸せ……そして……」
「そして……?」
「……僕らの父親の排除」
「っ!それは……」
「そもそも父親……カミキヒカルのせいで、家族は傷ついた……そいつを野放しにしておくわけにはいかない」
僕はツムリさんに、今の願いを言った。
「ミツメさんやご家族の幸せはともかく……父親の排除って………何をする気で……?」
「……言葉通りだよ。たとえ、何と言われようと……僕は……!」
「あっ……」
そう言い残して、僕はその場を去って行ったのだった。
『これより、デザイアロワイヤル第一回戦を開始する』
スエルの宣言によって、一回戦が始まろうとしていた。そして、時間になりゲームエリアへと転送され……
「行くか……」
僕は、歩みを進めていくのだった……。
side:ルビー
「へぇ~……ここが……」
私たちは、ゲームエリアへと転送されてきていた。
「これって……他の人と戦うやつなの?」
「うん……普段は、ライダー同士の争いは禁止なんだけどね……」
「友好的な人がいるといいけど……」
ママにそう言いながら、歩いていく。私はママと話ながらも、警戒を強めていた。
ママの言うように、友好的な人がいればいいとは思うけど………多分、そんな人は少ないだろう……。
そんなことを考えていると……
「ルビー?」
「えっ?な、何?」
「何か考え込んでるみたいだから……大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ!」
「ふーん……」
どうやらママを心配させてしまったみたいだ……私がしっかりしないといけないのに……。
すると……
「えいっ!」
「!ママ……?」
ママが急に私を抱きしめてきたのだ。
「……ありがとね」
「え……?」
「私が初めて戦うから、しっかりしようとしてくれてるんだよね?」
「そ、それは……」
やっぱり、ママにはお見通しかぁ……。
「私は大丈夫だから、一人で無理しないで?」
「!……うん、分かった」
そんな会話をしていると……
「へぇ……やっぱり君も参加していたか」
「「!」」
そんな声が聞こえてきたので、その方向を向くと……
「あなたは……確か……」
「おや?あなたとは初対面のはずですが……あぁ…あの時、見ていたのか」
仮面ライダーナッジスパロウ、五十鈴大智さんがいたのだ。
「あなたは……戦うの?」
私は一応、そう問い掛けるが……
「もちろん……必要とあらば」
「SET」
ドライバーにモンスターバックルをセットし、
「変身」
「MONSTER」
「RAEDY FIGHT
変身したのだった……分かってはいたけど、戦う気らしい。
「ママ……無理はしないでね?」
「うん!ルビーもね?」
私たちもそれぞれのバックルを構え……
「SET」
「SET」
「変身!」
「……変身!」
「BEAT」
「ARMED TWIN DAGGER」
ドライバーにセットして、変身したのだった。
ママは、ツインダガーバックルにより、二本の短剣を装備していて…ウサギの仮面ライダー……仮面ライダーラビへとなっていたのだ。
「おぉ!ママ似合ってる!」
「ホント?ありがとう、ルビー!」
そして、私たちは大智さんへと向かっていくのだった……。
「フッ!ハァ!」
「やぁ!はぁ!」
私は大智さんの攻撃を捌きながら、攻撃を仕掛けていた。
「ルビー!」
「っ!うん!」
ママの声が聞こえて、私は直ぐに屈んだ。そして、ママは私の背中を飛び越え……
「はぁ!」
「くっ……!」
手に持っている短剣で攻撃を加えたのだ。
私はママが戦えるか心配していたけど、女優の仕事でアクションに挑戦した時の経験で戦っていた。それにアイドルをやっていたので、体力もあるのだ。
「よし!」
「これなら……!」
「中々やるね……ハァ!」
side:アクア
俺は今日、何も仕事が無いので久しぶりに家でリラックスしていた。本当は、母さんやルビーも今日は休みだったはずだが……
『あー……ごめんね?』
『私たち……急に仕事は入っちゃって……』
そう言いながら、昼前に行ってしまったのだ。ハクアは元から仕事らしいのだが……そんなことを思っていると、
『ハァ!』
『『やぁ!』』
「こ、これは……?」
突然、スマホの画面にある映像が映し出された。それは、三人の仮面の戦士が二対一に別れて戦っているものだった。
『きゃあ!?』
すると、ウサギの仮面をした戦士が雀の仮面をした戦士に吹き飛ばされたのだ……そして、
『うぅ……』
「なっ!?」
戦っていた内の一人は…………母さんだったのだ……。
「一体、何して……」
「おい、いいのか?」
「っ!」
声が聞こえてきたと思えば、その方向にはカエルの置物が置いてあったのだ。そして……
「このままじゃ、お前の妹と母親がどうなるか分からないぜ?」
『うわぁ!?』
「ルビー!?」
そう言われたのだ。そうだ……このままだと、このカエルのいう通り二人は………すると……
「さて……そんなお前にこれをやろう」
「……これは?」
そこには箱があり、開けてみると中には黒い機械と、青い狼が描かれた丸いものが入っていたのだ。
「これを……使えば……」
「あぁ……そいつで、お前の望むことが出来るぜ」
「……!」
「さぁ……どうする?」
そして、俺は………
side:ルビー
「ハァ!」
「きゃあ!?」
大智さんに吹き飛ばされ、ママの変身が解除されてしまった。
「うぅ……」
そして、大智さんはゆっくりママへと近づいていく。
「ママから……離れろ!」
「ROCK FIRE」
「TACTICAL FIRE」
「はぁぁぁーー!!」
「っ!」
「MONSTER STRIKE」
「ハァ!」
「うわぁ!?」
ママから引き離そうと攻撃するが、あっちもバックルを操作して振り向きざまに攻撃してきて、私を吹き飛ばしたのだ。
「これで……!」
「っ!」
「ルビー!」
そして、倒れている私にとどめを刺そうと、拳を振り上げてきた……その時、
「ハァ!!」
「っ!」
突然、誰かが大智さんに蹴りを入れたのだ。そして、そこには……
「っ!君は……!」
「俺の家族に………手を出すな!!」
「お兄ちゃん!?」
「アクア!?」
「SET」
「変身!」
「NINJYA」
「READY FIGHT」
「フッ!ハァ!!」
「ぐっ!」
お兄ちゃんは変身して、大智さんに攻撃していった。
「TACTICAL SLASH」
「ハァ!!」
「ぐあっ!!」
そして、さらに攻撃を加えようとしたが……
「TACTICAL BREAK」
「っ!ぐっ!」
「は?」
突然、大智さんが吹き飛ばされたのだ……この攻撃って……!
「お前たちは……ここで潰す」
そこには、ジャマ神の姿になった道長さんがいたのだ。
「POISON CHARGE」
「TACTICAL BREAK」
「ハァ!!」
「ぐっ!」
「きゃあ!」
私たちは、飛んできた攻撃を避け切れずに受けてしまう。
「アクア!ルビー!」
「終わりだ……ハァァァーー!!」
そう言って、武器を振り下ろしてくる……私たちは攻撃に備えた………その時、
「BOOST Ver.Ⅱ」
「えっ?」
「これは……」
私たちは、いつの間にかママの前にいたのだ………そして、私たちを助けたのは……
「READY FIGHT」
「「「っ!?」」」
「……」
今まで、私たちの前に姿を現さなかったハクアだったのだ。
「何の真似だ……フォルス」
道長さんが、そう尋ねるが………
「それはこっちのセリフなんだけど?僕の家族に何してくれてるの?」
「ハクア……?」
何だかいつもと雰囲気の違うハクアが、そう答えたのだ。
「……ここは退くよ」
「え?」
そう言うと、ハクアは物凄いスピードで道長さんに攻撃を仕掛け、
「フッ!」
「……」
「ハァ!」
「邪魔を……するな!………逃げたか……ふざけた真似を……」
私たちを連れて、その場から撤退したのだった……。
side:ハクア
「けがはない?」
「うん……私は大丈夫」
「そっか……」
僕はお母さんにそう尋ねた。間に合って良かった………そんなことを思っていると、
「ハクアは……どうやって復活したんだ?」
兄さんがそう訊いてきたのだ。
「……分からない」
「え?」
「分からないって……どういう……?」
「言葉通りだよ。気が付いたらドライバーをつけて立っていたんだ」
僕は二人にそう答えた。すると……
「でも、良かった……ハクアが無事で……!」
お母さんがそう言ってくれ、僕を抱きしめようとしてくる………が、
「え……?」
「……」
僕はお母さんの肩を掴んで、それを拒んだのだ。
「え……ど、どうしたの?」
「っ……ごめん。僕には、そんな資格はないよ」
そして、お母さんに向けてそう言った。
「え……?」
「僕は、多くの人たちの幸せを犠牲に生まれてきた………だから……」
「それは違うよ!ハクアのせいなんかじゃ……!」
今の僕は、これを受けることは許されないだろう………デザイアグランプリで、知らなかったとは言え多くの幸せを奪ってきた僕には……。
「お前は……何を願うんだ?」
兄さんがそう訊いてきたので、僕は……
「何って……そんなの決まってるよ」
「え……?」
「……デザイアグランプリの存在しない世界」
「「「……!」」」
「そして……母さんやみんなが、幸せになる世界だよ」
僕は、三人に向かってそう答えた………が、
「……それだけ?」
「……」
「本当に……それだけなの?」
「うん、そうだよ」
母さんにそう訊かれてしまう………さすが、鋭いなぁ……でも、巻き込むわけにはいかない……!
「お前……何を隠してるんだ?」
「ねぇ……本当に何をしようとしているの?」
兄さんと姉さんも、僕とお母さんの様子を見て感づいたようだ。
「みんなには……関係ない」
僕は突き放すようにそう言って、この場から離れようとする……が、
「っ!ダメ!!」
「っ!」
お母さんが僕を引き止めようと、後ろから抱きしめてきた。そして……
「何で……?私たちのこと、嫌いなの……?」
今にも泣きそうな声で、そう言ってきたのだ………そんな顔、させたくないのに……。
「そんなわけないよ……みんなのこと、大好きだよ」
「だったら…「でも!」…!」
「……巻き込みたくない……もう、誰も失うわけにはいかないんだ……!」
「ハクア……」
僕はそう言うと、お母さんの腕をどけて……
「今までありがとう……お母さん……じゃあね」
「あ……」
そう言い残して、家族の元から去って行くのだった……。
このゲームで全て終わらせる………デザイアグランプリも……母さんの苦しみも……僕たちの父親も……。
デザイアロワイヤルルール
最後まで生き残ったデザ神には
この世界の運命を決める権利が与えらえる。
デザイアグランプリが存在する世界か、否か。
読んでくださりありがとうございます。
遂に始まったデザイアロワイヤル……それと同時に、ハクアの復讐も……。
そして、ハクビ枠としてアイが参戦しました。果たしてデザイアロワイヤルで、どのように生き残っていくのか……。
アイの変身するライダーのラビについて少し……
仮面ライダーラビ
・解説:ハクアたちの母親、星野アイがデザイアドライバーを使用して変身したウサギがモチーフの仮面ライダー。ウサギらしく他のライダーよりも脚力が高く、それを活かした戦闘を行う。また、アイのアクションの経験を活かした戦闘も得意となっている。由来は、英語の『ラビット』のラビからである。
良ければ感想や評価、あれば「ここすき」の投票の方もよろしくお願いします。
それでは、次回もよろしくお願いします。