女神の子   作:アキ1113

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 今回は、デザイアロワイヤルの続きの話をやっていきます。

 家族を復讐に巻き込まないように、離れて戦うことに決めたハクア………その道の先には、何があるのか……。

 それでは、どうぞご覧ください。


思慕Ⅲ:家族の想い

 side:アクア

 

 「おい……何で母さんにドライバーを渡したんだ!!」

 

 俺はケケラに掴みかかりながら、そう問い詰めた。

 

 「仕方ないだろ!お前を取り戻したかったんだよ……それに、あそこで母親がエントリーしなきゃ……お前はここにはいねぇぞ?」

 

 「それは……そうだが……」

 

「それに……デザイアロワイヤルじゃ、味方は多い方がいいと思うぜ?」

 

 「っ……」

 

 その言葉に、俺は黙り込んでしまう。すると……

 

 「アクア」

 

 「母さん……」

 

 母さんが俺に声をかけてきて……

 

 「私はね……こうなることを分かってて選んだから………でも、ありがとね。私の為に怒ってくれて」

 

 「!…いや……」

 

 「それに、今はジャマ神どもをどうするかが、先決じゃないのか?」

 

 「っ……」

 

 そうだ……あの二人の存在は戦っていく上で、大きな障害となるだろう……。

 

 「それに……ハクアのこともね」

 

 「ルビー……」 

 

 ハクア……デザイアグランプリを消す以外にも、何か目的があるようだったが………一体、何を……?

 

 「ハクア……」

 

 母さんが心配そうな声で、そう呟いた。すると……

 

 「大丈夫!私たちで連れて帰ろう?」

 

 「ルビー……」

 

 「そうだな……言いたいこともあるしな?」

 

 「アクア……うん、そうだね!二人とも、力を貸してくれる?」

 

 「あぁ」

 

 「もちろんだよ!」

 

 俺たちは母さんの言葉に、そう答えながら頷くのだった。

 

 「それでさ………私、二人よりも仮面ライダーのこと知らないから、教えて欲しいんだけど………いい?」

 

 「うん!まずは―――」 

 

 そして、俺たちはハクアを連れ戻すために動き出すのだった……。

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「………そろそろか」

 

 僕は正午に近づいてきたので、建物から降りて準備をしようとした………その時、

 

 「ハクア」

 

 「………ジーンか」

 

 ジーンが僕の前に現れたのだ。

 

 「本当に……デザイアグランプリのない世界を望むの?」

 

 「うん、デザイアグランプリは母さんを苦しめた……そして、僕の家族の幸せのためには邪魔な存在だから」

 

 「っ……それは……」

 

 「僕の目的を全て達成したら………デザイアグランプリは不要だよ」

 

 僕はそう言って、その場から去ろうとすると……

 

 「……これは?」

 

 ジーンは僕に、レーザーレイズライザーを渡してきたのだ。

 

 「いいの?デザイアグランプリが消えるかもしれないのに?」

 

 僕はジーンにそう訊いた。ジーンは絶対に、デザイアグランプリがなくなってしまうのを良しとしないだろう。だからと言って、何も思わないなんてことはないだろうけど……。

 

 「いいわけないだろ」

 

 やっぱり即答だった。

 

 「でも………俺は君のサポーターだからね

 

 「!……ありがとう」

 

 「その代わり……必ず、勝ってよ?」

 

 「もちろん」

 

 そう言って、僕はレーザーレイズライザーを受け取った………その時、

 

 

 

 

 

 

 

 

 「まさか……君がそうなるとはね」

 

 「「っ!」」

 

 そんな声が聞こえたので、僕たちはその方向を向くと……そこには、高千穂で会った女の子がいたのだ。

 

 「誰だ……?」

 

 初めてその子を見るジーンはそう言うが、

 

 「………何の用?」

 

 僕は警戒心をあらわにしながら、そう言った。

 

 「君に、忠告しておこうかと思ってね?」

 

 忠告……?

 

 「知ってる子?」

 

 「一回会っただけ………でも、少なくとも見た目に騙されない方がいいよ」

 

 「そんなに警戒しなくても、私から手を出すことはないよ?」

 

 「……」

 

 「まぁ、いいや……話を戻そう」

 

 そして、その子は僕に向かって……

 

 「君は……自分の役割がこのゲームの破壊、母親と家族の幸せ……そして………父親を排除することだと思っているね?」

 

 「それが?」

 

 「父親って………カミキヒカルのことかい?」 

 

 「あぁ……この子たちの父親のね?でも…それは元々、君以外の誰かの役割だった……」

 

 僕以外の誰か………それって……

 

 「兄さんや姉さんのことなの?」

 

 「君が、星野アイのもとに生まれなければの話だけどね?」

 

 「でも……僕が生まれた」

 

 「そのおかげで、君がその役割を果たさなければならなくなった」 

 

 そして、僕はあることを訊いた。

 

 「じゃあ………あそこで僕が死んでいたままになっていたら?」

 

 「その役割は……確実に、星野アイになっていただろうね」

 

 そうか……お母さんが……。

 

 「俺も訊きたいことがあるんだけど………いいかな?」

 

 「いいよ?」

 

 すると、ジーンは……

 

 「ハクアがそのまま死んでいたら、シリウスとマーゴの二人もそうなってそうだけど………何で星野アイだけなんだい?」 

 

 そう言ったのだ。確かに……ジーンのいう通り、僕が死んだままなら二人も復讐をするかもしれないのに……。

 

 「それに、ずっと疑問に思っていたんだ………星野アイはIDコアに触れたことで、ハクアが一度死んでいたことを思い出した………だったら何で、二人はそのことを覚えていないんだ?」

 

 そのジーンの言葉に対して……

 

 「あぁ……それはね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二人は君が生き返る前に、忘れてしまったんだよ

 

 「……何を?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「君が死んだことを」

 

 「「!?」」

 

 忘れたって………一体、どういう……?

 

 「あの二人は、君の死を間近で見てしまった………前世で失った家族のような存在を……今世では、本当の家族を……それは、計り知れない心の傷となった」

 

 「まさか……」

 

 「お察しの通り……二人は『星野珀亜』が死んだという記憶を失ってしまったんだよ」

 

 記憶障害……みたいなものか…。

 

 「そして、そのまま創世の女神とやらが世界を創り変えたことで、君が生きている生活へと戻ったんだよ」

 

 そう……なんだ……ん?

 

 「待った。それだと、僕がいないことに二人が疑問を覚える気がするんだけど?」

 

 「あぁ……それは、隠した本人に訊いてみるいいよ」

 

 「本人?」

 

 本人って……一体……?

 

 「お喋りが過ぎたね………さて、君への忠告だけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このままいけば、君は確実に壊れる。二度と転生出来ないよ

 

 「っ!?」

   

 あぁ……何だ………そんなこと(・・・・・)か………その言葉に、隣にいるジーンが驚いてこちらを見てきたが……

 

 「覚悟は………とっくに決まっている」

 

 「そうか………忠告はしたからね」

 

 そう言って、その子は去って行くのだった。すると……

 

 「ハクア……君は……!」 

 

 『♪~』

 

 デザイアロワイヤルの始まる合図となる音楽が鳴り響き、

 

 「……行ってくるよ」

 

 「っ!ハクア!」

 

 そのまま、ゲームエリアへと転送されていったのだった……。

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 正午になり、俺たちはゲームエリアへと転送された。ゲームの舞台となるのは……

 

 「ここって……」

 

 「あぁ……ジャマーガーデンのあった場所だ」

 

 「それって……元々、ジャマトの拠点だったっていう……」

 

 嘗て、ベロバが破壊したジャマーガーデン跡の周りだったのだ。そして、今回のゲーム内容はというと……

 

 「えっと………あ!あったよ!」

 

 ルビーが見つけたのは、IDコアだった。そう、このジャマーガーデン跡に落ちているIDコアを多く拾ったライダーが勝ちという内容で、勝ったライダーはライダーを一人選び、脱落させることができる権利が与えられる……ということらしい。

 

 「よし!まずは一つだね!」

 

 「うん!」

 

 そう言いながら、順調にIDコアを集めていると……

 

 「見つけたぞ……」

 

 「「っ!」」

 

 「マジか……」

 

 俺たちの前に、道長さんが現れたのだ。

 

 「お前たちは、ここで終わらせる……」

 

 「SET FEVER」 「SET」

 

 「変身」

 

 「HIT FEVER ZOMBIE」

 

 「やるしかないか……」

 

 「そうだね……」

 

 「行くよ!」

 

 「SET」

 

 SET

 

 「SET」

 

 「「「変身!」」」

 

 「NINJYA」

 

 BEAT

 

 「ARMED TWIN DAGGER」

 

 「「「READY FIGHT」」」

 

 俺たちは互いに変身し……

 

 「行くぞ……」

 

 「負けない……!」

 

 戦っていくのだった。

 

 「「はぁぁぁーー!!」」

 

 母さんとルビーが二人で向かっていき、俺が隙を突いて攻撃を仕掛けるという作戦で動いていた……が、

 

 「ふん……」

 

 「POISON CHARGE」

 

 「TACTICAL BREAK」

 

 「ハァ!!」

 

 「「きゃあ!!」」

 

 攻撃は通用せず、一方的に攻撃されてしまう………だったら……!

 

 「ROUND1」

 

 「TACTICAL SLASH」

 

 俺は胴体………ではなく、

 

 「ハァ!」

 

 「っ!」

 

 武器を狙って技を当て、その隙に足を引っ掛けて体制を崩した。どうやらダメージは受けないが、こういうのは有効みたいだ。そして……

 

 「今だ!」

 

 「ROCK FIRE」

 

 「TACTICAL FIRE」

 

 「TWIN DAGGER STRIKE」

 

 「「はぁ!!」」

 

 二人が攻撃を命中させ、爆発が起きる。

 

 「やった!」

 

 「ママ!お兄ちゃん!早く!」

 

 「う、うん!」

 

 「あぁ」 

 

 その隙に、俺たちは撤退するのだった……。 

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 『『ジャ?』』

 

 『『ジャー!』』

 

 「まだいたのか……」

 

 ゲームが始まって直ぐに、僕は生き残りのジャマトを見つけた。

 

 「……倒しておくか」

 

 僕はそう言って、パワードビルダーバックルを取り出し、ビートアックスを模したバックルをセットした。

 

 「SET CREATION」

 

 「変身」

 

 「DEPLOYED POWERED SYSTEM」

 

 「GIGANT AXE

 

 「READY FIGHT」

 

 「ハァ!」

 

 『『ジャ!?』』

 

 僕はビートアックスを装備して、ジャマトたちを倒していく。そして……

 

 「フッ!ハァ!!」

 

 『『ジャー!?』』

 

 「さて……」

 

 「METAL THUNDER」

 

 「これで……!」

 

 「TACTICAL THUNDER」

 

 「ハァ!!」

 

 『『『『ジャー!?』』』』

 

 僕は一先ず、ジャマトたちを倒したのだった。

 

 

 

 

 

 

 「えっと………あった」

 

 その後、僕はIDコアを集めながらエリアの中を進んでいた……すると、

 

 『『ジャー!』』

 

 「フッ!ハァ!」

 

 「あれは……」

 

 戦闘音が聞こえてきたのだ。その方向へと進んでいくと…… 

 

 『『『ジャジャ!』』』

 

 「まさか……まだ生き残りがいたとはね」

 

 ジャマトたちと戦っている大智さんがいたのだ。

 

 MONSTER STRIKE

 

 「ハァ!!」

 

 『『『『ジャー!?』』』』

 

 そして、ジャマトたちを倒したタイミングで……

 

 「狙うお宝は、同じようだね?」

 

 「っ!君か……」

 

 僕は大智さんに声を掛けた……すると、

 

 「そうだ……星野珀亜、僕と組まないか?」

 

 「え?」

 

 「ジャマ神たちは、僕たちにとって最大の障害となる……ここで一人でも減らしておくのが得策だと思うんだけど……どうだい?」

 

 やっぱりそう来たか………でも、

 

 「そう言って、騙すつもりでしょ?その二枚舌で……」 

 

 そう言って、すぐさま断った。

 

 「というか、元から誰かと組むつもりはないよ」 

 

 「そうかい………交渉は決裂かな?」

 

 大智さんがそう言った直後、僕は笑みを浮かべながら……

 

 「……」

 

 「SET UP」

 

 「DUAL ON」

 

 「っ!」

 

 「HYPER LINK」

 

 「フッ!ハァ!」

 

 「ぐっ!」

 

 「LASER BOOST」

 

 「READY FIGHT」

 

 レーザーブーストフォームへと変身して、攻撃を仕掛けたのだ。

 

 「悪いけど……大人しく脱落して」

 

 「君……変わったね?何か大きな変化があったのか………あるいは……」

 

 「無駄口叩くなんて、余裕だ……ね!」

 

 「ぐっ!」

 

 僕はそう言って、ブーストで加速させたパンチを食らわせる。そして、レーザーレイズライザーを銃にして、

 

 「ぐあっ!」

 

 さらに攻撃を加えていく。

 

 「逃がさない……」

 

 「FINISH MODE」

 

 僕はレバーを倒して、引き金を引こうとした……が、

 

 「これは……分が悪いね……ハァ!」

 

 大智さんは、地面に攻撃して土など煙幕を作り、姿を隠した。

 

 「っ!」

 

 すぐさま、大智さんのいたところを撃つが、手応えがない。

 

 「……逃がしたか………」

 

 僕は変身を解除しながら、そう呟くのだった……。

 

 

 

 

 

 side:ルビー

 

 私たちはサロンへと来て、今持っているIDコアの個数を確認していた。

 

 「おぉ~!結構集まったんじゃない?」

 

 「これなら……!」

 

 ママとそう話していると…… 

 

 「っ!お前は……」

 

 「あなたは……昨日の……」

 

 大智さんが現れたのだ。すると……

 

 「その節は……済まなかった」

 

 「「え……?」」

 

 「……?」

 

 急に俺たちに向かって、謝罪をしてきたのだ。

 

 「それって……何に対しての謝罪なの?」

 

 ママが普段は見せない冷たい表情で、大智さんを見つめてそう訊いた。

 

 「それは……アクア君を落とし入れようとしたことと……ハクア君を、傷つけたことです……」

 

 「……それで?」

 

 ……ママが怖いんだけど……まぁ、私もこれらのことに関しては、ママと同じ気持ちだ。

 

 「謝って済む問題でないことは、承知している。だから、今回のゲーム……君たちに協力しよう。もちろん、IDコアは全て君たちのものでいい」

 

 そう言って、獲得したであろうIDコアを私たちに見せてきた……って、多っ!

 

 「君たちの集めた分と、君たちの集めた分を合わせれば……」

 

 「……二人に勝てると?」

 

 確かに、策の一つとしてはいいとは思う……けど……

 

 「……」 

 

 ママは納得できないみたいだ。それから少しの沈黙が流れ……

 

 「はぁ……分かった」

 

 「っ!ありが「ただし!」…!」

 

 「絶対に裏切らないこと……いい?」

 

 「あぁ、もちろんだ」

 

 こうして、私たちは大智さんと協力することになったのだった……。 

 

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 一日目のゲームが終了し、現在拠点にしている場所に帰って来た……が、

 

 「あ……」

 

 「お前……」

 

 「ここにいたのか……」

 

 そこには、透さんと道長さんがいたのだった。

 

 「何でここに……って、それはどうでもいっか。邪魔しないなら、そっちとか自由に使ってもいいよ」

 

 「……そうか」 

 

 「じゃあ……遠慮なく」

 

 そう言って、二人は拠点に入ってきた。そして……

 

 「お前は一体……何をしようと……?」

 

 道長さんがそう訊いてきた。

 

 「少なくとも……今の僕は、デザイアグランプリの味方じゃないよ」

 

 「は?」

 

 「母さんと家族が幸せになるためには……デザイアグランプリは邪魔でしかないからね」 

 

 僕は二人に向かってそう言った。

 

 「奇遇だな……お前と気が合うなんてな」

 

 「そうだな」

 

 二人はそう言うが……

 

 「あぁ、勘違いしないでほしいんだけどさ……」

 

 「「?」」

 

 「僕の邪魔と、僕の家族を傷つけるようなことはしないでよ?もし、次にそんなことがあれば……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お前たちも潰すから

 

 「「……!」」

 

 僕はそう言って釘を刺したのだった。そして……

 

 「さてと……はい」

 

 「……これは?」 

 

 「ご飯、まだでしょ?普段は自炊するんだけど……今日は暇がなくてね?」

 

 「「……」」

 

 そう言って、道長さんに牛めしのおにぎりを、透さんには鮭のおにぎりを渡した。

 

 「あ、ちゃんと野菜はあるから………って、どうかした?」

 

 僕をずっと見てくる二人に、そう言うと……

 

 「……お前、なんで俺たちにこんなことを……?」

 

 「何でって……今のところは目的が一致しているからね。それに……」

 

 「……それに?」

 

 「何も、僕は二人を敵視しているわけじゃない。さっき言ったように、邪魔しない限りはね?」

 

 「「……」」

 

 僕がそう言うと、二人は黙り込んでしまう。そして、そのままご飯を食べ始めるのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:ツムリ

 

 「スエル様……私には分かりません」

 

 ツムリがデザイア神殿でそう言うと、

 

 「見世物小屋の動物たちに、もう餌は必要ない。消費期限が切れたものをいつまでも持っておくわけにはいかないだろう……故に、処分する」

 

 スエルが現れ、こう告げたのだ。

 

 「処分……?」

 

 「そうだ……この世界から引き上げ、デザイアグランプリが存在した事実を無かったことにする。もちろん、このデザイアロワイヤルで願いを叶えることもしない」 

 

 「そんな……じゃあ…今まであの人たちは、何のために戦ってきたというのですか!?願いが叶えられないなんて、そんなの……!」

 

 「私に意見するのか?」

 

 「っ……それは……」

 

 「お前はただ、このゲームの結末を見届ければいい」

 

 そう言って、スエルはこの場を去って行くのだった。

 

 「こんな……こんなのって……!」

 

 ツムリはその場に座り込み、そう呟く………すると……

 

 「これは、厄介な事態になったものだな……」

 

 「ったく、いつの間にこんなことに……」

 

 「っ!あなたたちは……!」

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 「さて……二日目だね!」

 

 母さんが明るくそう言った。すると……

 

 「作戦だけど……僕がバッファ、トゲッチ、フォルスを引き付けるから、その隙にIDコアを回収してくれ」

 

 「分かった」

 

 大智さんが、自らが囮となる作戦を提案したのだ。さらに……

 

 「あと、これを見て欲しい」

 

 「これって……」

 

 地図を取り出したのだ。

 

 「この印のところに、IDコアがある……僕がジャマーガーデンにいた時に見たものだから、間違いないよ」

 

 「なるほどね……」

 

 その情報なら信憑性はあるか……噓をついていなければ、だが。

 

 「一先ずは……そこに行ってみよっか」

 

 「うん、そうだね」

 

 「この局面を乗り越えれば、僕らの勝ちは確実だ。力を合わせよう」

 

 そして、それぞれが動き出すのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 『♪~』

 

 「ん?」

 

 「なんだ?」

 

 「……?」

 

 ゲームが始まる時間が近づき、僕たちは思い思いに過ごしていたが……突然、道長さんのスパイダーフォンが鳴った。

 

 「ナッジスパロウ……?」

 

 「っ!」

 

 どうやら、相手は大智さんのようだ。それが分かった僕は……

 

 「スピーカーにしておいて」

 

 「……分かった」

 

 道長さんにそう言って、電話に出させた……やっぱり、何かを企んでいるようだ。

 

 「……俺だ」

 

 『取引をしないかい?』

 

 「は?」

 

 『さっき、三人にIDコアのある噓の場所を教えた。君にもその場所を教えるから、そのまま倒してくれるとありがたい。後でフォルスにも電話をかけて、その場所に誘導させる……今の君なら、余裕で勝てるだろう?もちろん、僕がこのゲームで勝っても、君たちを落とすことはしないと約束しよう』

 

 「……」

 

 道長さんは、通話をしながら僕たちに目配せしてきた……そして、僕はスマホのメモで……

 

 

 

 

 

 

 

 『同意しておいて』

 

 そう文字を打って見せた。

 

 「……いいだろう」

 

 『交渉成立だ。じゃあ……よろしく頼むよ?』

 

 そして、互いに電話を切るのだった……それから直ぐに、

 

 『♪~』

 

 「僕もか……」

 

 僕にも電話がかかってきた。

 

 「……何の用?」

 

 『いきなりで悪いけど、頼みがある』

 

 「頼み……?」

 

 『今、君の家族と協力してゲームを進めているんだけど……作戦で僕が囮になって、バッファとトゲッチを引き付けることになってさ』

 

 「へぇ……それで?」

 

 『その二人が三人の方に行かないとも限らないから、今回だけでいいからそっちと合流して守ってほしい。場所は教えるし、そうしてくれれば君を落とさないと約束しよう』

 

 はぁ……こう来たか……まぁ、取り敢えず……

 

 「分かった。始まったら直ぐにその場所に向かうよ」

 

 『ありがとう!じゃあ、よろしく頼むよ』

 

 そう言って、大智さんは電話を切ったのだった。

 

 「で……どうする?」

 

 道長さんがそう訊いてくるので、僕は……

 

 「それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 言わなくても分かるでしょ?

 

 そう返した。

 

 「あぁ……」

 

 「そうだね……」

 

 あの人には、僕の家族に手を出そうとした罰を受けてもらおう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 二人の神による神罰を……

 

 

 

 

 

 side:アイ

 

 私たちは、大智君の作戦でIDコアのあるという場所へと向かっていた。

 

 「えっと……確かこっちに……」

 

 ルビーが地図を見ながら進んでいると……

 

 「えっ?」

 

 「……」

 

 そこには、ハクアが立っていたのだ。

 

 「何で……ここに?」

 

 アクアがそう訊くと、

 

 「……間に合ったみたいだね」

 

 「間に合った……?」

 

 一体、どういうことだろうか……?

 

 「三人とも、大智さんに騙されてるよ」

 

 「え?」

 

 「また!?」

 

 「……」

 

 私とルビーは、思わずそんな声を出してしまう。

 

 「このまま行ってたら、三人とも脱落してたよ?」

 

 「まさか……!」 

 

 「うん、道長さんにも電話があってね……三人を売ったんだよ」

 

 そう……なんだ………やっぱり、信用するべきじゃなかったかぁ……。

 

 「なぁ……道長さん『にも』って、もしかしてお前にも……?」

 

 「うん、来たよ。僕の場合は、作戦に協力してほしいって………それで、道長さんと透さんに纏めて潰してもらおうとしたんだろうけどね」

 

 ハクアの方でも、そんなことが………ん?

 

 「じゃあ……ハクアはここに何をしに……?」

 

 私がそう訊くと、

 

 「三人とも……舌切り雀は知ってるよね?」

 

 「知ってるが……!まさか!」

 

 「今頃、切り落とされているだろうね………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 仮面ライダーの資格ごと

 

 

 

 

 

 

 side:大智

 

 「大漁、大漁………チョロいなぁ……ホント」

 

 大智は、本当にIDコアが大量にある場所へと来ていた。

 

 「どいつもこいつも、馬鹿ばかりだ………これで、僕が……!」

 

 そして、IDコアを拾い終わり次の場所へと向かおうとすると……

 

 「馬鹿はどっちだろうな?」

 

 「は?」

 

 突然、ここにいるはずのない透が声を掛けてきたのだ。

 

 「皮肉だな……舌切り雀のように、お前もここで切られるんだからな……」

 

 「っ……」

 

 そして、一緒にいる道長も大智に向かってそう言った。

 

 「どいつもこいつも自業自得だ……欲張ったやつから、消えていくもんだ」

 

 「僕も……そのうちの一人だと?」

 

 「違うか?」

 

 透がそう言うと、

 

 「ハハッ……笑わせるなよ?」

 

 大智はバックルを構える。それを見て、二人もバックルを構え……

 

 SET

 

 「SET FEVER」 「SET

 

 「SET FEVER」 「SET」

 

 「変身!」

 

 「「変身」」

 

 MONSTER

 

 「HIT FEVER ZOMBIE ZERO

 

 「HIT FEVER ZOMBIE」

 

 「「「READY FIGHT」」」

 

 それぞれ変身して、戦っていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「これで分かったでしょ?このデザイアロワイヤルじゃ、ライダーは全員敵だと思った方がいい………まぁ、三人は別としてね」

 

 「ハクア……」

 

 「あと……言いたくないならいいんだけど―――」

 

 そして、僕はあの女の子と話したことについて、三人に伝えた。

 

 「っ……!」

 

 「え……?」

 

 「俺たちが……?」

 

 「じゃあ……気を付けてね」

 

 僕はその場を去ろうとする………が、

 

 「ハクアは?」

 

 「え?」

 

 「ハクアは……私たちの敵なの?」

 

 お母さんがそう言ってきたのだ………そんなの……決まってる。

 

 「味方だよ?」

 

 「!ハクア「だから……僕の邪魔をしないで」……!」

 

 「それに、僕の敵は……ライダーじゃない」

 

 「おい!」

 

 「待ってよ!」

 

 僕は今度こそ、三人から離れていった……

 

 「私は……私たちは!ハクアの味方だから!!」

 

 「……」 

 

 その言葉を、聞きながら……。

 

 

 

 

 

 

 side:透

 

 「ハァ!」 

 

 「オラァ!!」

 

 「ぐっ!」

 

 「ハァ!!」

 

 「ぐあっ!」

 

 俺たちは、二人でナッジスパロウを攻撃していく。ナッジスパロウは、俺たちにやられながらも攻撃を仕掛けてくるが……

 

 「フッ!ハァ!」

 

 「ふん……ハァ!」

 

 「ぐっ!」

 

 全ての仮面ライダーをぶっ潰す力を持った道長と、最強の仮面ライダーとなった俺に、効くことはない。

 

 「道長」

 

 「!……分かった」

 

 俺がそう言うと、道長は俺とナッジスパロウから距離を取った。

 

 「っ!何のつもりだ?」

 

 「お前は……俺一人で潰す」

 

 こいつは……ここに居ちゃいけない存在だ。だから……俺が……!

 

 「っ……舐めるなぁぁーー!!」

 

 MONSTER STRIKE

 

 「ハァ!!」

 

 ナッジスパロウが技を放ってくるが、もちろん俺に効くことはない。そして……

 

 「フッ!ハァ!」

 

 「ぐあっ!!」

 

 二本のゾンビブレイカー・ゼロで攻撃し、地面に叩きつけ……

 

 「「POISON CHARGE」」

 

 「「TACTICAL BREAK」」

 

 「ハァ!!」

 

 「ぐああぁぁーー!!」

 

 続けて攻撃を加えて吹き飛ばし……

 

 「HYPER ZOMBIE ZERO VICTORY

 

 「なっ!?」

 

 「ハァァァーー!!」

 

 「ぐあっ………!」

 

 回し蹴りを食らわせて、変身を解除させた。俺はナッジスパロウが倒れているところへと行き……

 

 「これで……」

 

 ドライバーのIDコアを獲ろうとする……が、

 

 「っ!離せ!!やめろぉぉーー!!」

 

 激しく抵抗してきたのだ。その様子に呆れながらも、俺は……

 

 「……っ!」

 

 「くっ……」

 

 そのままIDコアを力づくで獲り……ひびが入るまで握った。

 

 「これで……お前は二度と、仮面ライダーにはなれない……」

 

 そして……

 

 「っ!!これで……終わると思うなぁぁーー!!」

 

 「RETIRE」

 

 そう叫びながら、脱落していったのだった……。

 

 そして、道長がナッジスパロウのIDコアを拾った………その時、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ヤァァァーー!!』

 

 「「っ!?」」

 

 突如として、ジャマトになったアルキメデルが現れ、攻撃を仕掛けてきたのだ。

 

 「おっと……これはこれは……!」

 

 そして、人間態になりながらナッジスパロウのIDコアを拾う。

 

 「アルキメデル!?」

 

 「生きていたのか……」

 

 俺たちが驚いていると、

 

 「私にも……叶えたい世界があるのでなぁ!」

 

 そう言って、再びジャマトへと変化し、俺たちに攻撃を仕掛けてくるのだった……。

 

 

 

 

 

 side:ツムリ

 

 「っ!あなたたちは……!」

 

 ツムリの視線の先には、ハクアと一緒に奈落に落ちて消滅したはずのニラムと、『キツネ狩り』でギロリに自爆させられたはずの晴家ウィンがいたのだ。

 

 「どうして……」

 

 「スエルの権限で復活した」

 

 「久しぶりに来てみれば……随分と面倒なことになってるな」

 

 そして、驚くツムリを余所にニラムは……

 

 「大至急、撤収の準備に取り掛かる」

 

 そう、二人に指示するのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 デザイアロワイヤルルール

 

 

 デザイアグランプリが終了する時、

 

 この世界からデザグラに関する

 

 事実と記憶が抹消される。

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございます。

 今回で、五十鈴大智はデザイアロワイヤルから脱落となりました……。

 そして、少し前のリクエストにお応えして、ギーツ本編で登場することのなかったパワードビルダーフォームのビートアックス装備を出してみました。音声は、玩具のものとは異なります。
 

 良ければ、感想や評価、あれば「ここすき」の投票もよろしくお願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。
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