女神の子   作:アキ1113

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 皆さん、明けましておめでとうございます!

 今年も自分のペースにはなりますが、投稿を続けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 新年最初は、いよいよ思慕編の最後の話をやっていきます。

 それでは、どうぞご覧ください。





思慕F:九尾の黒狐

 side:あかね

 

 BOOST Ver.Ⅲ

 

 READY FIGHT

 

 「はぁ……はぁ……はぁ……!」

 

 「っ!まさか……空間ごと創り変えたのか……!」

 

 ハクア君は私たちの前で、見たことのない姿へと変身した……そして……

 

 「母さんを…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 返せ!!

 

 ハクア君がそう言うと、まるで意志を持ったように周りの赤黒い尻尾を模したものが、女神像……ミツメさんのところに向かっていく。

 

 そして……それは鎖を容易く破壊していくのだった。 

 

 「っ!ハァ!!」

 

 ハクア君は自分の腰の辺りに、三本の赤黒い尻尾を生やしながら飛び上がり、ミツメさんの下に向かっていく。

 

 「まさか……創世の力を……?だが、その力は自在に操れるものではない……」

 

 「フッ!ハァァァーー!!」

 

 そして、あと少しで手が届きそうになった……その時、

 

 「なっ!?」

 

 「やらせると思うか?」

 

 ハクア君の目の前に、運営の創始者の人が現れた。その人は指を鳴らすと……

 

 「え!?」

 

 「っ!?」

 

 ミツメさんと一緒に、何処かに消えていったのだ。

 

 「かあ……さん……!」

 

 それと同時に、ハクア君はそのまま落ちていってしまう……

 

 「っ!ハクア君!!」

 

 私は、ハクア君が落ちるであろうところに向かってゆく……そして、

 

 「あっ……!」

 

 「……」

 

 ハクア君を見つけて、駆け寄ろうとした……でも……

 

 「きゃっ!?」

 

 赤黒いエネルギーに邪魔されてしまい、近づくことさえできない。

 

 「っ!ハクア君!……ハクア君ってば!!」

 

 そのままハクア君は、それに包まれてしまうのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「………ここは?」

 

 目を覚ますと、僕の目の前には鳥居があり……奥には、

 

 「神社……?」

 

 神社のような建物があり、地面には行燈が所々に置かれていた。すると……

 

 「……」

 

 「っ……誰?」

 

 後ろから、黒い狐の面をつけ、着物を着た人物が近づいてきたのだ。そして……

 

 「その力で……君は、何を為す?」

 

 「母さんを助ける……それ以外に何かあるの?」

 

 「全てを破壊するその力じゃ、何も救うことは出来ない……」

 

 「っ!」

 

 そう言うと、その人は僕の後ろに現れ……

 

 「今の君には、母を奪った運営を憎み……全てを破壊することしかできない。まぁ、その力でカミキに復讐することは容易いだろうけど……」

 

 「っ……」

 

 そうだ……この力で運営も、カミキも排除して………みんなを……

 

 「でも、そうして手に入れた世界が……君の理想の世界なの?」

 

 「……!」

 

 「……どうなの?答えなよ」

 

 僕の……理想は……!

 

 

 

 

 

 side:ニラム

 

 「女神の後継者とは、どういうことですか?スエル」

 

 ニラムはデザイア神殿で、スエルにこのようなことを聞いていた。というのも、数時間前にグランドエンドを実行しようとしたとき……

 

 

 

 

 『創世の女神を処分するなど……本当によろしいのですか?』

 

 『案ずることはない……既に後継者は見つけている』

 

 『後継者……?』

 

 

 

 

 という会話があったのだ。

 

 「創世の女神は、唯一無二の存在ではなかったのですか?」

 

 ニラムの言う通り、創世の女神はミツメしかいないはずなのだが……

 

 「そうだ……今まではな?」

 

 「……?」

 

 すると……

 

 「スエル様が成功させたんです……女神の力をデザインし、再現することを……」

 

 サマスがツムリを連れて、そう言いながら現れたのだ。

 

 「サマス……何故、君がそんなことを知っている?」

 

 「ミツメと同じ力を宿した存在をデザインし……幾度となく、ナビゲーターを務めさせた。そして、遂に彼女は……その力を開花させた……」

 

 「……一体……何を言って……?」

 

 ツムリがそう言うと、サマスは……

 

 「心当たりがあるでしょう?あなたが祈り……叶えた奇跡を……!」

 

 そう言ったのだった。そして、ツムリの脳内には……

 

 

 

 

 

 

 ハクアを復活させた光景が、思い出されていた。

 

 「星野珀亜の復活を……!」

 

 「私……が……?」

 

 「後継者がいる以上……ミツメは最早用済みだ……」

 

 スエルは、そう言い放ったが……

 

 「……スエル」

 

 「何だ?」

 

 ニラムはスエルに対し……

 

 「一人の女性の真実の愛を……女神という虚像のフィクションに創り変えた。そして、その母親を2000年間探し続けた『ハクア』という人間のリアルを……潰そうとしている。挙句の果てには、ツムリを後継者にするなど……!」

 

 ニラムは運営側ではあるが、どこまでもリアリティーを求めている。創生の女神自体が創られた存在であると知り、怒りをあらわにしたのだ。

 

 「私に……意見する気か?」

 

 「フィクションの上に成り立つデザイアグランプリに……価値があるとは思えない!!」 

 

 そう言って、ニラムはスエルに近づいて行こうとした……が、

 

 「ぐっ!?」

 

 突如として、ニラムが何者かに銃で撃たれてしまったのだ……その何者かというのは……

 

 「サマス……!」

 

 「っ!ニラム……!」

 

 ツムリがニラムに駆け寄ろうとする……が、

 

 「エンターテインメントなんて……虚構そのものでしょう?」 

 

 サマスもそう言いながら、ニラムに近づいていく。そして……

 

 「貴方の後任は……私が……!」

 

 ニラムから、ヴィジョンドライバーを奪ったのだ。

 

 「ぐっ……!」

 

 「ニラム!しっかり……!」

 

 「お前も……この世界の影響を受けたようだな?」

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「2000年かけて、君が為したことなんて……何一つない………何かを救うどころか傷つけ、母親に会うことすら出来ない」

 

 「……」

 

 「もう一度訊く。君の願う世界は……何?破壊を願うの?」

 

 そう訊かれ、僕は……

 

 「違うよ」

 

 一言、そう言った。そして……

 

 「僕が願うのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全てを破壊して……創り変えることだ

 

 そう、言い放ったのだ。

 

 「破壊と創造……ね…………それが、君の願い?」

 

 「あぁ……みんなが不幸になるものを全て破壊し、幸せになれる世界を創る………それが、僕の願いだ」

 

 「ははっ………ハハハハハ!!」

 

 僕の願いを訊いたその人は、笑い始め……

 

 「創世の女神と同じ罪を繰り返すとはね……ましてや、君自身の罪すらも」

 

 黒い狐の面を外した。その顔は……

 

 「愚かだよ……救いようのない程に」

 

 僕と同じ顔をしていた。そして、その人はそのまま面を地面に落として、去っていくのだった。その後、僕は面を拾い上げ……

 

 「分かってるよ……とっくにそんな覚悟は済ませている。どれだけ罪を重ねようとも、僕はやらなきゃいけないんだ………これからやろうとしてることも、全て……」

 

 そう、呟くのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:あかね

 

 「ハクア君……」

 

 ハクア君が閉じ込められてから少しして……

 

 「っ!ハクア!!」

 

 そこに、一人の男の子がやってきた……って、確か……? 

 

 「って、君は……黒川あかね!?」

 

 「もしかして……ジーンさん!?」

 

 何ヶ月か前に、一度だけ見たジーンさんがいたのだ。

 

 「あー……さん付けはいいよ。俺はハクアのサポーターで………年も君とそう変わらないだろうし」

 

 「じゃあ……ジーン君で」

 

 「うん!よろしく!」

 

 「それで……ジーン君は、ハクア君を追って?」

 

 「!そうだ!ハクアは何処に……?」

 

 「ハクア君なら……あそこに……」

 

 私は、ハクア君が閉じ込められている赤黒いものを指差した。

 

 「えっ?あれ?」

 

 「うん……あれ」

 

 「はは……ハハハ!相変わらず凄いなぁ……」

 

 そう言って、ジーン君が笑った。

 

 「笑ってる場合じゃ……」

 

 「あぁ……ごめんね?でも、本当に凄いやつなんだ……ハクアは」

 

 「……そうだね……私もそう思うよ」

 

 それから少しして……

 

 「「あっ!」」

 

 「っ……」

 

 赤黒いものが消え、ハクア君が目を覚ました。

 

 「ハクア君!!」

 

 「……あかね……先輩?」

 

 「うん!そうだよ……良かった……!」

 

 「おはよう」

 

 「ジーン……」

 

 「よく眠れたかい?」

 

 ジーン君がそう言うと、ハクア君は……

 

 「どちらかと言えば、あまり眠れはしなかったけど………改めて、覚悟は決められたよ」

 

 「!……そっか」

 

 そう返すのだった。

 

 「残された時間は少ない………最後に、会えるといいね?」

 

 ジーン君は、ハクア君にそう言ってくれたが……

 

 「……」

 

 「ハクア……?」

 

 「いいのかな……」

 

 「え?」

  

 ハクア君は、何故かそう言ったのだ。

 

 「僕は……母さんを傷つけた……」

 

 そっか………ハクア君は……まだ……

 

 「だから……!」

 

 「……ハクア君」

 

 「あかね先輩……僕は「行って」…え?」

 

 「行かなきゃダメだよ」

 

 私は、ハクア君にそう言った。

 

 「っ………でも……!」

 

 「会わなかったら……後悔するだけだよ?それに……ミツメさんだって、きっと会いたがってる」

 

 「っ……!」

 

 「誰かに会えない辛さは……ハクア君が一番、分かってるでしょ?」

 

 「……」

 

 そして、ハクア君は……

 

 「……あかね先輩」

 

 「……なに?」

 

 「……行かなきゃいけないところができた」

 

 何かを決心したような表情で、私にそう言ってきたのだ。

 

 「!…うん!」

 

 そして、私は……

 

 「ハクア君……

 

 

 

 

 

 

 

 必ず……無事に帰ってきて

 

 ハクア君の目を見て、そう言った。すると……

 

 「ならさ……

 

 

 

 

 

 

 

 願っててよ

 

 「え?」 

 

 「強く願えば願うほど、願いは叶うから………もちろん、僕も必ず母さんに会って、帰ってくるつもりだけどね?」

 

 願えば……叶う……。

 

 「うん、分かった」

 

 「……ありがとう」

 

 ハクア君がそう言うと……

 

 「っ!ハクア!」

 

 「「!」」 

 

 消えていったはずのミツメさんが、鎖でつられて空中に出てきたのだ。

 

 「じゃあ……行ってくるよ。ジーン」

 

 「あぁ!」

 

 「あかね先輩」

 

 「うん……行ってらっしゃい!」

 

 そして、ハクア君は白い光に包まれ、何処かへと転送されるのであった……。 

 

 「……お願いします。どうか……」

 

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「ここは……?」

 

 ジーンとあかね先輩に見送られ、僕は花畑のある空間へと来ていた。すると、後ろから風が吹いてきて………

 

 「……ハクア?」

 

 「え……?」

 

 振り返ると……そこには、母さんがいたのだ。

 

 「かあ……さん?」

 

 あぁ……やっと……!

 

 「母さん!」

 

 僕は、気が付いた時には走り出していた。そして、そのまま母さんを抱きしめたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:スエル

 

 「さぁ……今度こそ始めようか」

 

 そう言って、スエルはヴィジョンドライバーに自身の指紋を認証させ……

 

 GAZER LOG IN

 

 「……変身」

 

 INSTALL

 

 INNOVATION & CONTROL GAZER

 

 ゲイザーへと変身した。だが、仮面の部分には赤いラインは走っており、何かを警告しているように光っていた。

 

 「創世の女神よ……グランドエンドを実行せよ!」 

 

 『―――!』

 

 そして、スエルはグランドエンドを実行するのであった……。

 

 

 

 

 

 

 side:ウィン

 

 「っ!」

 

 グランドエンドが実行されたことにより、デザイアグランプリが存在した事実と記憶が抹消されていく……。

 

 「こんな形で……終わるのかよ……!」

 

 

 

 

 

 

 side:透

 

 「ここで……終わるのか……!」

 

 「っ!」

 

 道長さんがそう言うと、IDコアとドライバーが消え……

 

 「……俺たち、今まで何を……?」

 

 「さぁ……?」

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 「っ!あれって……!」

 

 母さんが指を差した方を見ると……

 

 「間違いないな……」

 

 「ハクアの……お母さん」

 

 創世の女神が鎖で空中につられていた……が、

 

 「そんな……」

 

 「ひどいよ……あんなの……!」

 

 グランドエンドを実行させられ、どんどん崩れていってしまっている……。

 

 「俺に……できることは……っ!?」

 

 すると、デザイアドライバーとIDコアが粒子となって消え……

 

 「……あれ?」

 

 「私は……何を……?」

 

 「………あれは……?」

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「母さん……!」

 

 「忘れてと言ったのに……どうして……!」

 

 「僕が……忘れられると思うの?あの時の言葉は、ずっと僕の中に残り続けた……何度も死んで……何度生まれ変わっても………忘れられるわけがないよ……!」

 

 「……!」

 

 そして、母さんは……

 

 「そう願ったから……身に付けてしまったのね」

 

 「……?」

 

 「前世の記憶を……引き継ぐ力を……」

 

 「……!」

 

 そういうことだったのか……気付かないうちに、僕も………そして、僕は……

 

 「母さん」

 

 「……?」

 

 「ごめん……ごめんなさい……!!」

 

 泣きながら、母さんに謝った。

 

 「……なんで……謝るの?」

 

 「だって……僕は、母さんを傷つけて……!!」

 

 あかね先輩やみんなは、僕は悪くないと言ってくれた……けど、やっぱり僕は……!

 

 「……いいのよ」

 

 「え……?」

 

 何故か、母さんはそう言ったのだ。

 

 「なんで……僕のせいで、母さんは……!」

 

 「それに……私だって、取り返しのつかないことをした」

 

 「!それは、母さんのせいじゃ――」

 

 「多くの人々を……不幸にしてしまった……!」

 

 「っ!それだったら僕だって……母さんを、苦しめてきた……!」 

 

 すると……

 

 「でも……あなたは、多くの人を救ってきた」

 

 「……!」

 

 「母親として、とても誇らしいわ」

 

 母さんは、僕に向かってそう言ってくれた。

 

 「でも……僕は、僕を許せないよ……」

 

 「なら……私が許します」

 

 「え……?」

 

 許すって……何を言って……?

 

 「私が許すなら……それでいいでしょう?」

 

 「え……いや……それは……」

 

 「だから……そんなこと言って、自分を責めないで?あの子たちも……悲しむわ」

 

 すると……

 

 「うっ……!」

 

 「っ!?母さん!!」

 

 母さんが急に苦しみ始めたのだ……スエルが、グランドエンドを再び始めたのだろう……

 

 「ねぇ!しっかりしてよ!母さん!!」

 

 「……ごめんね?あなたに……過酷な運命を、背負わせてしまって……!」

 

 「!母さんが謝ることなんて……これは、自分で選んだ道だから」 

 

 今までの道も……これから進む道も………全部、僕の選択だ……! 

 

 「ハクア……」

 

 「!なに?」

 

 「お父さんも、私もね……あなたが生まれた時……本当に、幸せだった……!」

 

 「!……父さんも?本当に?」

 

 「えぇ……もちろんよ」

 

 ……そっか。僕は……生まれてきて、良かったんだ……!

 

 「でも、私がしてきたことへの償いは……しなければならない。だから、あなただけは生きて……幸せになってね?」

 

 「……!」

 

 そんな……僕だけなんて…………そして、

 

 「っ……母さんはさ……誰もが幸せになれる世界があったら、嬉しい?」

 

 「……もちろんよ」

 

 「そっか……だったらさ………僕が創るよ

 

 「え……?」

 

 「母さんに貰った、この力で……幸せの総量も、限界もない……誰もが幸せになれる……そんな世界を

 

 僕は、母さんにそう言った後に……

 

 「約束する………だからさ……いかないでよ……!

 

 「ハクア……」

 

 「母さんも、一緒がいい……その世界に、居てよ……!!」

 

 泣きながら、母さんを抱きしめた。 

 

 「僕さ……初めて、好きな人が出来たんだよ?それに……最高の家族もいるんだよ?」

 

 僕は、母さんにそう語りかける。

 

 「僕はまだ、母さんに何も……!」

 

 話したいこと、してあげたいことが……たくさんあるのに……!

 

 「……ありがとう」

 

 「っ!」 

 

 「その言葉だけで、私は……とても嬉しいわ」

 

 そう言っているうちに、母さんの体は消えそうになっていた。

 

 「……ハクア」

 

 「……なに?」

 

 「あの子たちと、仲良くね……?」 

 

 「……うん」

 

 「あと、これは言わないと……ハクア……

 

 

 

 

 

 

 

 

 愛してる

 

 「!……うん……うん!僕も……愛してる……!!

 

 僕がそう言うのと同時に……母さんは微笑みながら、消えていったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:ニラム

 

 ニラムは、デザイア神殿から何とか逃げ、ある建物の屋上の物陰にいた。すると、そこに……

 

 「……あそこか」

 

 ハクアが現れたのだ。だが、ニラムには気付いていない。  

 

 「長年……この世界を見てきたが……君のような男は初めてだった……」

 

 ニラムは致命傷を負っており、誰が見ても助からないと分かるほどだった。

 

 「星野珀亜……最後まで、見届けたかったよ……悠久の時を越えた、君のリアルを―――」

 

 そう言いながら、ニラムは消えていったのだった……。

 

 「っ………ニラム……?」

 

 

 

 

 

 

 side:ジーン

 

 「……ジーン」

 

 「……あぁ」

 

 ジーンとキューンは、四次元ゲートの前へと来ていた。そして……

 

 「バイバイ……ハクア」

 

 「ルビー……君の…君たちの幸せを、未来から願っているよ」

 

 グランドエンドが完了する前に、二人は四次元ゲートを通って未来へと帰っていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:スエル

 

 「グランドエンド……完了」

 

 スエルはそう言うと、

 

 「デザイアグランプリは……これにて終幕……」

 

 オーディエンスたちに向かってであろうか……その場で一礼をした………が、そこに……

 

 「……この世界は、終わらない!」

 

 「DESIRE DRIVER」

 

 「っ!?フォルス……!」

 

 ドライバーを持って、ハクアが現れたのだ。

 

 「何故……お前がここに?グランドエンドは実行されたはず……」

 

 「お前たちの……思い通りにはさせない!」

 

 「っ!創世の力で抗ったのか……!」

 

 そして、ハクアはあの時に創造したバックルを取り出した。

 

 「何故戦う……創生の女神……お前の母親は消滅した。戦う理由は、もうないはずだが?」

 

 スエルはハクアに向かって、そう言うが……

 

 「約束したんだよ……それを果たすために、僕は戦い続ける……!」

 

 「っ……愚かな……!」

 

 「それに、僕は忘れない……この世界の、全てを……!

 

 ハクアは今までの、家族や友人たち……デザイアグランプリでの出来事………最愛の人との時間を思い出しながら、そう言った。そして……

 

 X BOOST

 

 バックルを二つに分離させ……

 

 SET IGNITE

 

 両方ともドライバーへとセットする。すると、目の前にギアのようなものが出てきて、ハクアはそれを右手で捻って右側に置く。そのギアから『X BOOST』のロゴが出現し、右手で狐の形を作ってから指を鳴らし……

 

 「……変身!」

 

 「REVOLVE ON」

 

 ドライバーを回転させ、バックルのレバーを押す。すると、ハクアにスーツが装着され、左側に出現した『クロスキュウビ』が赤い炎と青い炎を出しながらハクアの周りを駆けて行き、『X BOOST』のロゴがブーストVer.Ⅲのようなアーマーになり、回転しながら下半身の部分へと移動しながら変形していく。

 

 DAYBREAK BOOST

 

 一周した『クロスキュウビ』は、ハクアの右側にアーマーとマスクの状態に変化し、背中から九尾の尻尾を模したマントである『フォルステールナイン』が出てきて、ハクアを包み込むようにアーマーを装着させた。

 

 FALSE X

 

 FALSE X BUSTER

 

 さらに、専用の武器である『フォルスクロスバスター』が装備される。そして……

 

 「ハァ!!」

 

 ハクアは衝撃波を放ち、グランドエンドで世界を夜にしていたものを晴らした。

 

 READY FIGHT

 

 その音とともにハクアは、仮面ライダーフォルスX(クロス)へと、変身したのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 フォルスXへと変身を遂げた僕は、スエルに向けて……

 

 「……ハァ!!」

 

 「っ!?」

 

 九尾の尻尾を模した背中のマントに創世の力を纏わせ、建物ごと破壊する。そして……

 

 「っ……!?」

 

 鐘の音とともに、その建物を元の状態に創造した。

 

 「僕は……」

 

 「っ!」

 

 「僕の手で叶えてみせる……理想の世界を……!」

 

 僕はそう言いながら空中を歩き、スエルのところへと降りていく。

 

 「っ………ハァ!!」

 

 スエルは、ニラムが変身していたゲイザーよりも高い威力と速度でビームを放ってくるが……

 

 「フッ!ハァ!!」

 

 それを僕は、圧倒的なスピードと加速で難無く避けていき……

 

 「ハァ!」

 

 「ぐっ!」

 

 フォルスクロスバスターで、スエルを撃っていく。

 

 「くっ……ハァ!!」

 

 すると、スエルがドローンを連結させて攻撃を仕掛けてくる。僕はその攻撃の衝撃で吹き飛ばされるが……

 

 「よっと……ハァ!」 

 

 ビルの壁を蹴って、スエルへと向かっていく。その時に壁が壊れるものの、創世の力で元の状態に創造する。

 

 「フッ!ハァ!」

 

 着地した直後もビームが僕に向かって放たれていく。だが、それを避けながらドローンを撃っていく。

 

 「っ………ハァ!!」

 

 スエルは次に、またもやドローンを連結させて鞭状にしてきた。そして、それを振って僕に攻撃してきた……が、

 

 「しっ――――――」

 

 僕は、人差し指を立てながら周りの時間を止め……

 

 BLADE

 

 「ハァ!!」

 

 「ぐおっ……!?」

 

 フォルスクロスバスターをブレードモードへと変え、その攻撃を跳ね返し……

 

 「っ!ハァァァーー!!」

 

 「っ!?」

 

 「ハァ!!」

 

 「ぐあっ!」

 

 その隙を突いてスエルへと接近し、攻撃を加えて吹き飛ばす。さらに……

 

 「ハァ!」

 

 「なっ!?」

 

 空中で攻撃を加えて地面に叩きつけ、そのまま地面を背中のマントで破壊して、即座に元の状態に創造する。すると、スエルの四肢が地面に埋まり……

 

 「フッ!ヤァ!ハァ!」

 

 「があっ!?」

 

 そのまま剣撃や銃撃で攻撃をしていく。

 

 「ハァ!!」

 

 「ぐあっ!」

 

 その後、ブレードで攻撃して吹き飛ばしていく。そして……

 

 「お前たちが壊した世界は……僕が創り変える!」

 

 BOOST CHARGE

 

 「フッ!ハァァァーー……!」

 

 僕はそう言って、フォルスクロスバスターの後ろの『クロスチャージャー』を引いて、目の前に構えた。

 

 「っ!ハァ!」

 

 それに対してスエルは、全てのドローンでバリアを展開させた。

 

 BOOST TACTICAL VICTORY

 

 「ハァ!!」

 

 僕は、フォルスクロスバスターをスエルに向けて投げた。すると、それはバリアを四枚まで貫き、最後の一枚に突き刺さった。そして、僕はすぐさま割れたバリアまで接近して、バックルのレバーを一回押込み……

 

 「フッ!ヤァ!ハァ!」

 

 割れたバリアを完全に破壊しながら、最後のバリアの前まで接近し……

 

 X BOOST STRIKE

 

 「ハァ!!」

 

 刺さっていたフォルスクロスバスターを蹴り、スエルに向かって刺し込んだのだ。

 

 「ぐあっ!?」

 

 そして……

 

 「ぐあああぁぁぁーー!!」

 

 九尾の尻尾に包まれ、ヴィジョンドライバーを残して消えていった…………と、思いきや……

 

 「っ!」

 

 「ハハハ……お前の創り上げる世界が、ユートピアになるかディストピアとなるか………そして、お前自身がどんな結末を迎えるのか……見物だな…」

 

 スエルを完全に仕留め切れてはおらず、ヴィジョンドライバーを拾い上げながらそう言って、未来へと撤退していくのだった。

 

 「っ……さてと」

 

 僕はそう言って、手を掲げた。すると、鐘の音が鳴り響き……世界を創り変えていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 デザイアロワイヤルルール

 

 

 グランドエンド完了後、新たな時代で

 

 デザイアグランプリが開幕する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 デザイアグランプリルール

 

 

 仮面ライダーフォルスは世界を創り変える

 

 創世の力を持っている。

 

 

 

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございます。

 ハクアは何とか、母親であるミツメに再会し、スエルを退けることが出来ました………が、まだ不安要素はいくつか残っており……。

 そして、今回でフォルスの最強形態であるフォルスXを登場させることが出来ました。姿としては、ほとんどXギーツと同じですが目の色はハクアの瞳と同じ色、背中の九尾の尻尾はギーツナインと同じ形で、体のラインは赤くなっています。また、首元にはマフラーがあり、腕や脚のブースター部分はギーツナインと同じものが二つあるような形にしてあります。


 フォルスXの頭部のイメージ像です。

 
【挿絵表示】



 全身像はただいま描いておりますので、また後日公開します。

 次回からは、この物語の最終章に入っていきます。

 良ければ、感想や評価、あれば「ここすき」の投票などをよろしくお願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。



 追記:フォルスXの変身時の音声を変更しました。
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