女神の子   作:アキ1113

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 今回は、主人公とアクア、ルビーの全ての視点のお話です。

 この小説は、主人公とアクアの二人が暫くは中心となると思います。時々、アイとルビーの視点も出すと思います。

 それではどうぞご覧ください。


再誕Ⅳ:甘えと危機

 side:ハクア

 

 転生者であることが二人にばれてから数日、大人たちがいないときや夜などは兄や姉と話をすることが多くなった。

 二人から自分の前世のことを聞かれるかと思っていたが、意外にもそういう話をしてくることはなかった。まあ、僕の場合はとてもじゃないけど軽く話せる内容ではないし……。

 その点ではとてもありがたいとは思っている。

 

 だが……

 

 「でね!ママはね~」

 

 「それでな、アイは~」

 

 という具合に僕に向かって布教活動じみたことをしてくるのだ。

 たしかにお母さんはすごい人だとは思うが、あまりにも二人の熱量がすごいため、まあまあ疲れてしまうのだ。

 

 そんなことを考えていると、

 

 「お前、少しは遠慮しろよな……」

 

 「なんで?娘の私がママのおっぱいを吸うのは自然の摂理なんですけど。与えられた当然の権利なんですけど」

 

 「「……」」

 

 と、そんな話をしていた。……うん、理屈はわかるけどそんな風に言うとは思わなかった。

 

 「一応聞くけど、前世でも女?」

 

 「そりゃ当然!」

 

 「まあ……それならいいけど……」

 

 「おたくの嫉妬きもーい!まぁ、いい年した男が授乳とか倫理的にヤバいしね!あー良かったー!合法的におっぱい飲める女に生まれて!」

 

 「俺の倫理観だとはそれもアウトだけどな」

 

 ……姉さんとは少し距離をおいた方がいいかもしれない。そんなことを考えていると、

 

 「ねーハクアー?」

 

 「え?何、姉さん」

 

 「ハクアもそう思わない?」

 

 「え、ええと~」

 

 「そういえば、ハクアにも一応聞いておくけど前世は…」

 

 「男だけど?」

 

 「え!その顔と声で!」

 

 「それは関係なくない!?」

 

 余談だが、僕の容姿は母親そっくりであり、声も自分で言うのもあれだがなんか中性的な感じである。

 ちなみに、姉曰く可愛い系らしい……。

 

 「というかハクア、いい加減ママに甘えたらどうなの?何ならおっぱいも飲んであげなよ」

 

 「それは恥ずかしすぎるから無理。というかさっきの姉さんの話だと、僕も飲むのアウトなんじゃ……」

 

 「ハクアはいいんだよ。ハクアは」

 

 「それ、兄さんに対して理不尽すぎない?」

 

 「それは置いといて」

 

 「おい」

 

 置いておくんだ……それ。

 

 「いやでも、ママ、ハクアに嫌われてるって思っているかもしれないよ」

 

 「うーん……」

 

 転生を幾度となく繰り返してきた僕だが、そのことに関しては全部上手いこと避けてきたからなぁ……。

 

 「俺もそう思うぞ」

 

 「兄さんまで……」

 

 「というか、この間まで俺たちとも話してこなかったじゃないか。それ、結構きつかったんじゃないか?」

 

 「……」

 

 「「図星だな(ね)」」

 

 「…っ」

 

 ……正直言うときつい。たぶん、転生するたびにそういうことをしてきたからそろそろ限界なのかもしれない……。

 

 「「はぁ…」」

 

 なんか呆れられたんだが?

 

 「とにかく、もっとママに甘えなさい!」

 

 「そうだぞ、お前はもっと甘えることを覚えた方がいい」

 

 この二人、こういうときは息ぴったりなんだよなぁ……。

 

 「……善処します」

 

 「「それじゃダメ」」

 

 「……分かった」

 

 「「絶対?」」

 

 ……あぁ、もう!!

 

 「絶対!」

 

 「「……」」

 

 「……」

 

 「「……よし!」」

 

 まさか、甘えることを強要されるとは思わなかったがお母さんに甘えることをとりあえず頑張る(?)ことにしよう。

 

 

 

 

 side:ルビー

 

 はぁ…やっと言質とれたよ……。

 

 この数日話してみて、優しくて大人しい子だとは思っていたが、まさかここまで頑固だとは思わなかった。弟の意外な一面を見た気がした。

 

 ……それにしても、ここまで甘えることに対して抵抗があるとは思わなかった。

 もしかして前世で何かあったのかな……。ともかく、今はハクアが無事(?)ママに甘えてくれるようにサポートすることにしよう!

 

 

 

 

 side:アクア

 

 ふぅ…やっと言質がとれたか……。

 

 ここまで頑固だとは思わなかったが、これだけ言ったのだからアイに甘えてくれることだろう。

 

 ……ただ、ハクアの前世に何かあるかもしれないのは気掛かりだ。それが原因で抵抗してしまうのはあまりにも可哀そうだ。

 まあ、ルビーも手伝ってくれるらしいし大丈夫だろう。……俺への風評被害はどうにかしてほしいが。

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 僕はなんやかんやでお母さんに甘えることを頑張ることになった。何を頑張るのか分からないけど。

 

 「おむつ交換したいから向こう行って」

 

 「はいはい」

 

 「分かった」

 

 そう姉さんが言うと、泣いてミヤコさんを呼ぶ。

 そして交換が終わると突然、

 

 「なんで私がこんな仕事を……」

 「一応私、社長夫人じゃないの…?」

 「美少年と仕事できると思ってあいつと結婚したのよ!!」

 「でも、ふたを開けてみれば与えられた仕事は16歳アイドルの子供の世話!?」

 「私はベビーシッターやりに嫁に来たんじゃねええええ!!」

 

 これはマズイかもしれない。ストレスが爆発している。

 

 「はぁ?ママに尽くせるのは幸福以外の何物でもないでしょ」

 

 相変わらずだなぁ、姉さん。

 

 「いや意外と言っていることには正当性が見受けられる」

 

 そんなことを言っているうちに

 

 「どうすんの!あいつ母子手帳めっちゃ撮り始めたけど!」

 

 「俺に考えがあるんだが……」

 

 ……?二人共どうする気だろう?

 

 「ハクアも聞いてくれ」

 

 え、僕も?

 そう思いつつ、作戦を聞く。果たして上手くいくだろうか……。

 その作戦とは、

 

 「哀れな娘よ。貴様の心の渇きはシャンパンでは癒えぬわ……」

 

 「え!?誰!?」

 

 「わ……我は天の使いである。貴様の狼藉をこれ以上見過ごすわけにはいかぬ……!」

 

 そう、あえてしゃべり、二人が神とその使いを演じるというものであるのだが……

 

 「神の使い……?っていうか赤ちゃんがしゃべっ……た?噓だぁ…」

 「あぁ!分かった!これドッキリでしょ!」

 「やる事手かかってるなぁ…どこかにカメラあるんでしょ?」

 

 いきなり言われてもそう信じることはできないだろう……。

 ちなみに、僕はそれっぽく後ろでジッとしておけばいいらしい。

 

 「ルビーちゃん、机の上に乗っちゃあぶな…」

 

  パシィ

 

 ……え?

 

 「慎め、我はアマテラスの化身。貴様らの言う神なるぞ」

 

 ………上手い!いくつもの前世で様々な事情で何かしらを演じることがあった僕だが、これは素人目で見ても才能があると言えるだろう。

 

 というか、僕だけが何もしていないのも不自然だろう。それに、二人だけにやらせるのも申し訳ない。

 

 

 

 ここは一枚噛んでみるとしよう。

 

 

 

 




 読んで下さりありがとうございました。

 今回は、ここまでです。次回はアクア視点から始めようと思います。あと、この小説でのアクアの扱いが少しあれなのは気のせいでしょうか……。

 また、再誕編はあと4~5話くらいで終わらせられるかと思います。長くなってしまったらすいません。

 次回もよろしくお願いします。

 
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