女神の子   作:アキ1113

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 今回は遂に、シリウスのあの姿が登場します……。

 この状況の中、ハクアは『誰もが幸せになれる世界』を創ることが出来るのか……?

 それでは、どうぞご覧ください。


新世Ⅲ:黒狼の将軍

 side:ハクア 

 

 お母さんが入院してから数日後……

 

 「はーい」

 

 「お母さん、来たよ」

 

 「あ!ハクア!」

 

 僕はお母さんのお見舞いに来ていた。そして、そこには……

 

 「おう、来たか」

 

 「あ……社長もいたんだ……」

 

 斉藤社長もいたのだ。すると……

 

 「お前……まだ気にしてるのか?」 

 

 「いや……だって……」

 

 「俺は気にしてないって言っただろ?寧ろ俺たちの方こそ、何も出来なくて悪いと思ってるぐらいだよ」 

 

 僕はお母さんが入院したその日に、社長たちに全てを話して謝った……僕のせいで、お母さんが傷ついたようなものだからだ。けど、社長は……

 

 

 

 

 『お前のせいじゃねぇよ』

 

 『え……?』

 

 『それに、お前だって……母親亡くして辛かっただろ?』

 

 『っ……』 

 

 『俺の方こそ、色々気付いてやれなくて……済まなかったな』

 

 

 

 

 そう言ってくれたのだった。

 

 「まぁ、この頃アイは働きづめだったからな……神様が休む機会でもくれたんだと思っておけばいいさ」

 

 その言葉を聞いて、お母さんは……

 

 「それ……創世の神様の前で言う?」

 

 「え?」 

 

 「……」

 

 僕はその言葉を聞いて、何とも言えない気分になった。

 

 「あっ、いや……そんなつもりじゃ」

 

 「社長?うちの子に何言ってくれてるの?」

 

 「だからそんなつもりじゃ……!」

 

 お母さんと社長が言い合いをし始めた。まぁ、本気で言い合っている様子ではないけど………確かに今の言い方だと、人によっては僕がお母さんを傷つけたみたいに聞こえてしまうだろう……まぁ、事実みたいなものだし、僕は別に気にしていないんだけど。

 

 さて……そろそろ周りの迷惑になるといけないから止めないと……

 

 「二人ともそのくらいで。周りの迷惑になるからさ?」

 

 「あっ、ごめん……」

 

 「……すまん」

 

 「二人して謝らなくても……お母さん、僕は大丈夫だから」

 

 「そう?なら……」

 

 「社長も、僕は分かってますから」

 

 「ハクア……」

 

 それから少しして…… 

 

 「じゃあ、俺はそろそろ行くわ……アイ、今はゆっくり休めよ?」

 

 「うん!分かった!」

 

 「ハクア、お前も帰りは気を付けてな?」

 

 「うん、分かってる」 

 

 社長はそう言って、仕事へと戻っていった。それから少し後……

 

 『♪』

 

 「っ!」

 

 スパイダーフォンが鳴った。ということは……

 

 「また……なの……?」

 

 何処かでジャマトが現れたということだ。

 

 「うん……行ってくる」

 

 「ハクア!」

 

 「?」

 

 「ハクアも……無理だけはしないでね?」

 

 「……分かってるよ」

 

 そして、僕はお母さんの病室から出て、ジャマトが出現した場所に向かうのだった……。

 

 

 

 

 side:アクア

 

 「くそっ……もっと、力があれば……!」

 

 俺は自分の部屋で、そんなことを考えていた……すると、

 

 「あるぜ……力を手に入れる方法が……」

 

 「っ!?」

 

 俺の横にケケラが現れたのだ。

 

 「お前……!どうやってここに……?」

 

 「まぁまぁ、そんなことどうでもいいじゃねぇか?」

 

 「………何の用だ?」

 

 俺がケケラにそう訊くと……

 

 「お前の様子を見に来たんだよ……ついでにアドバイスもな?」

 

 「は?」 

 

 「お前……力が欲しいんだろ?まぁ、あんなことがあったんだ……そう思うのも不思議じゃない……」

 

 「……」

 

 そして……

 

 「……願えばいい」

 

 「願う……?」

 

 「そうだ。いるじゃねぇか……女神の後継者と創世の神がよ……」

 

 「っ!それは……」

 

 「だが、創世の神の方はおそらく完全じゃないだろうな……」

 

 女神の後継者……おそらくはツムリさんのことだろう………けど……

 

 「いいのか?このままじゃ、母親だけじゃなくて妹や弟までああなるかもだぜ?」

 

 「っ……!」

 

 そうだ……俺が、みんなを……!! 

 

 そして俺は、デザイアグランプリのサロンに向かうのだった……。

 

 「さてと……これで……!」

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 僕は、ジャマトが出た場所に向かっていた……すると、

 

 『世界は……滅亡の危機に瀕している!ジャマトと呼ばれる怪物が…人間に寄生しているんだ!』

 

 「っ!あれって……!」

 

 大型のモニターに五十鈴大智が映し出されていたのだ。そして……

 

 『ステージ1……寄生された人間は、ジャマトに変えられてしまう……!』

 

 「うわぁ!?」

 

 「何だこれ!?」

 

 「っ!?」

 

 その言葉と同時に、モニターを見ていた人たちがジャマトに寄生され、次々とジャマトに変えられてしまう。くそっ……ここでもか……!

 

 『『『ジャー!』』』

 

 「た、助け――」

 

 「フッ!ハァ!」

 

 『『ジャ!?』』

 

 「ハァ!」

 

 『ジャー!?』

 

 「え……?」

 

 「ここから離れて」

 

 「は、はい!」

 

 ジャマトに襲われている人を見つけ、僕はジャマトを格闘術でその人から遠ざけた。そして……

 

 「SET」

 

 「変身!」

 

 「MAGNUM」

 

 「READY FIGHT」

 

 「っ!ハァ!」

 

 『ジャ!?』

 

 「フッ!ハァ!」

 

 『『ジャー!?』』

 

 僕は、マグナムシューターや格闘術でジャマトたちと戦っていき……

 

 「あれ……?」

 

 「私は……?」

 

 人間に戻せる人は元に戻した……が、

 

 『ステージ2……複数のジャマトに寄生された重傷者は…二度と、元に戻ることはできない……!』 

 

 『『『ジャー!』』』

 

 ステージ2のジャマトに寄生され、何人か姿を変えられてしまう。僕は、そのジャマトへと銃口を向けた……が、

 

 「っ……救う手立てがない以上……何も……!」

 

 そのまま手を止めてしまう……ここで倒すことは可能だけど、このままじゃ感染者が………僕の目指す世界は、こんなのじゃ……

 

 『救いを求めるものは……我が元に集え……!

 

 「っ……次だ…!」

 

 そして僕は、周りの人が避難したのを確認して、次の場所へと向かうのだった……。

 

 

 

 

 

 side:透

 

 『ジャー?』

 

 『ジャー』 

 

 「っ……行くぞ」

 

 「……あぁ」

 

 「「SET」」

 

 「「変身」」

 

 「「ZOMBIE」」

 

 「「READY FIGHT」」

 

 「「ハァァァーー!!」」

 

 『『ジャ!?』』

 

 俺たちは、現れたジャマトたちを倒すために攻撃を仕掛けていく。

 

 「ハァ!」

 

 「オラァ!」

 

 『『ジャー!?』』

 

 そして……

 

 「「POISON CHARGE」」

 

 「「TACTICAL BREAK」」

 

 「「ハァ!!」」

 

 『『ジャー!?』』

 

 そのままジャマトを倒した。ジャマトは人間の姿へと戻った後、あの時と同じように……

 

 「な、何だよこれ……!?」

 

 「いやだ!誰か……助けてく―――」

 

 「「っ……」」

 

 地面へと沈んでいくのだった。その後、俺たちは変身を解除した……すると、

 

 『また……殺したのか?』

 

 「っ!?」

 

 目の前に、この前に殺してしまった人の幻影のようなものが現れたのだ。

 

 「透……?」

 

 どうやら、道長には見えてないようだが……。

 

 『あなたたちは、世界を救ってくれるんじゃないの?』

 

 「っ……それは……」

 

 「おい?大丈夫か?」

 

 道長が声を掛けてくるが、俺は考えるのに必死になっていた……その時、 

 

 「アハハハ!やっぱり、あんたたちには不幸が似合うわね~?」

 

 そこに、笑いながらベロバがやってきたのだ……そんなベロバに対して、俺は…… 

 

 「っ!黙れ……!」

 

 声を荒げて言った。

 

 「例え犠牲を払ってでも……終わらせるしかないんだよ……!」

 

 俺はそう言って、道長と共にベロバから去っていくのだった……。

 

 「アハハ!……ライダーになった苦しみを味わうといいわ……!」

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 「アクア様?どうかされましたか?」

 

 俺は、あることを頼むためにツムリさんの下に来ていた。

 

 「ツムリさんに……頼みがあります」

 

 「?頼み……というのは……?」

 

 そして、俺は…… 

 

 「俺に……力をくれませんか?」

 

 「っ!それって……!」 

 

 それを聞いて、ツムリさんも意味を察したようだ。

 

 「もちろん、無理な頼みということは分かっています………でも、俺は家族を守るための力が必要なんだ……!もう、誰も傷つけさせるわけには……!!」

 

 「っ……」

 

 そうだ……家族を傷つけるような世界を終わらせ、家族が平和に暮らせる世界を叶える力で……俺が……!!

 

 そして、暫く沈黙が流れた後……

 

 「………分かりました」

 

 「……!」

 

 「この力で、誰かの助けになれるのなら………私は……!」

 

 ツムリさんはそう言うのと同時に……祈ったのだ。

 

 そして……

 

 「!これが……!」

 

 俺はそれ(・・)を手にして、奴のところに行くのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「あっ!ハクア様、アイ様は……」

 

 「うん……思ったよりも元気そうにしてたよ」

 

 サロンに戻ってきて、ツムリさんとそんな会話を交わす。

 

 「良かった………?それにしては、元気がありませんけど……?」

 

 「いや……そんなことないよ……」

 

 僕は、ツムリさんにそう返した。僕がもっとしっかりしていれば、こんなことには……! 

 

 そんなことを思っていると……

 

 「もしかして……また自分のせいだって、思ってる?」

 

 「っ!あかね……」

 

 奥のドアからあかねが入ってきたのだ。

 

 「それで……どうなの?」

 

 「……まぁ、ね」

 

 「悪いのは、ハクア君じゃないよ?」

 

 あかねそう言ってくれたけど、僕自身がそう思うことが出来なかった……。

 

 「ハクア様……」

 

 『誰もが幸せになれる世界』……それを早く実現させないといけないのに、このままじゃ……!!

 

 すると……

 

 「……よし!」

 

 「「?」」

 

 あかねがそう言ったかと思うと……

 

 「ちょっとリフレッシュしよ?もちろん、ツムリさんも一緒に!」

 

 「「えっ?」」

 

 リフレッシュって……一体……?

 

 「さぁ、二人とも行くよ?」 

 

 「え?ちょ、ちょっと――」

 

 「私もですか!?」

 

 そして……

 

 

 

 

 

 

 

 「「おぉ~!」」

 

 「えっと……これは……?」

 

 僕たちは、前にデートで訪れた服屋へと来ていた。その理由というのが……

 

 「これなら……ツムリさんだって気付かれる確率は減るかもね?」

 

 「それに、やっぱり似合うしね?」

 

 そう、ツムリさんは現在進行形で運営に狙われている。そのため、何かしらの対策が必要だと考えたあかねが、リラックスついでに変装用の服を買いに行こうと提案してきたのだ。

 

 「そう言ってもらえるのは、ありがたいのですが……」

 

 「「……?」」

 

 ツムリさんがそう言って、後ろを振り向いた……そこには、

 

 「あっ!ハクア君だ~!」

 

 「あかねちゃんも一緒だ!」

 

 「あぁ~尊い……!」

 

 「一緒にいる人は誰?」

 

 「あの人も綺麗だなぁ……」

 

 僕らのファンと思われる人たちが、こちらを見てきていたのだ。

 

 「「……」」

 

 「相変わらずの人気ぶりですね?」

 

 あー……もう少し、そこらへんも考えておくべきだったかな………すると、

 

 「……」

 

 壁をノックしたような音が聞こえてきたので、そちらを向くと……

 

 「「?」」

 

 「お前は……?」

 

 そこには、スーツを着た目力の強い人が立っており、僕を見るなり首を振ってこちらに来るように示して、先に出ていったのだ。おそらく……あの人が………。

 

 「二人はここにいて」

 

 「えっ?」

 

 「ちょ、ハクア様!?」 

 

 僕は二人を店の中において、その人を追っていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:あかね

 

 「あ!いました!」

 

 ハクア君が男の人に付いていった後、私たちはツムリさんの着替えを済ませてハクア君の後を追った。そして、追いついたのだが……

 

 「お前が……新しいゲームマスター?」

 

 「そうだ……俺の名はジット」

 

 ジット……それが、あの人の名前……。

 

 「それにしても……いつまで仲間ごっこを続けるつもりだ?」

 

 「いつまでって……ここは、僕が叶えた世界だけど?」

 

 ハクア君がそう言うと、ジットは……

 

 「ツムリは我々、運営のものだ」

 

 警棒を取り出しながら、そう返した。

 

 「っ……随分と、乱暴なんだね?」

 

 「生憎俺は、世界平和も…オーディエンスの数字にも……興味がないのでね…!」

 

 「っ!」

 

 そう言うのと同時に、ジットは警棒でハクア君に殴りかかってきたのだ。

 

 「ふん!」 

 

 「っ!ハァ!」

 

 「くっ!」

 

 ハクア君はその攻撃を避けて、反撃を食らわせる。

 

 「ほう……やるようだな?」 

 

 「っ……フッ!」

 

 「ハァ!」

 

 ジットは警棒を使い…ハクア君は徒手空拳で戦っていた。武器の有無では差があるはずなのに、ハクア君は互角以上の実力を見せていた。

 

 「フッ!ハァ!」

 

 「くっ!」

 

 「っ!」

 

 「ぐっ!」

 

 ハクア君はジットの隙を突いて、段々と押していた……が、

 

 「二人は今のうちに……っ!」

 

 「ふん!」

 

 「ぐっ!」 

 

 私たちの方に一瞬だけ意識を向けた隙を突かれて、そのまま倒され…… 

 

 「くっ……!」

 

 「ハァ!」

 

 「ぐっ!」

 

 「ハクア君!?」

 

 なんとか防御をしているものの、警棒で何回も叩かれてしまっていた……その時、

 

 「オラァ!」

 

 「っ!」

 

 そこに、ウィンさんが加勢に来てくれたのだ。

 

 「ウィンさん……!」

 

 「ツムちゃんは渡さないぜ……まだ行けるか?」

 

 「っ!もちろん!」

 

 ハクア君は、ウィンさんの手を借りて立ち上がり……

 

 「二対一か……いいだろう」

 

 「「ハァ!」」 

 

 そのまま二人で、ジットへと向かっていく。すると……

 

 「あかね!」 

 

 「っ!」 

 

 「ツムリさんを頼んだ!ハァ!」

 

 「でも……!」

 

 あの人は素人の私が見ても……強い。いくらハクア君が強くても、ウィンさんがいても……けど……!

 

 「っ……うん!ツムリさん、こっち」

 

 「は、はい!」

 

 私はハクア君を信じて、自分に出来ることをやることにしたのだ。そして、そのままツムリさんを連れて、ここから離れて行くのだった……。 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「フッ!ハァ!」

 

 「っ……」

 

 あかねがツムリさんを連れて逃げた後も、ウィンさんと共にジットと戦っていた。

 

 「ハクア!」

 

 「っ!ハァ!」

 

 ウィンさんがジットを抑え込んだ隙を狙って、僕は蹴りを入れようとする……が、

 

 「ふん!」

 

 「うおっ!?」

 

 「ハァ!」

 

 「ぐっ!」

 

 ウィンさんを無理矢理振り払ったジットが、僕に殴りかかってきて、そのまま僕はウィンさんの方向に飛ばされてしまう。そして、僕が着地した後……

 

 「お前が創世の力を持っていたとしても……この世界は、お前のものではない……」

 

 「「……?」」

 

 確かに創り変えたのは僕だけど、この世界はみんなのものだ……元から僕一人のものだとは思ってはいないんだけど……?

 

 「願いの強い者が………この世界を支配する……!」

 

 「願いの……強い者……?」

 

 「……そろそろ頃合いか。俺は、これで失礼させてもらう」

 

 そう言って、ジットはこの場から去って行った。

 

 「頃合い……?どういうことだ……?」 

 

 ジットのその言葉を聞いたウィンさんはそう言ったが……

 

 「っ!まさか……!」

 

 ジットはこうなることを……!

 

 「ちょ、おい!」

 

 僕は、あかねたちが逃げた方向へと走っていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:あかね

 

 「ここなら……大丈夫そうかな?」

 

 私はツムリさんを連れて、離れた場所まで逃げてきていた。

 

 「ハクア様……大丈夫でしょうか……?」

 

 「大丈夫。私は……ハクア君を信じてる」

 

 「!……そうですね」

 

 ツムリさんとそんな会話をしていた……その時、

 

 「……」

 

 「「っ!?」」

 

 突然、気配もなしに私たちの目の前に、見たことのない仮面ライダーが現れたのだ。その仮面ライダーは、金色の山猫を模した仮面をしていて、上半身には魔法使いのような鎧の装備をしていた。

 

 「あなた……誰?」

 

 私がツムリさんの手を握りながら、そう問い掛けた直後……

 

 「えっ?」

 

 何故か、相手の姿が霧のように搔き消え……

 

 「っ!きゃ!?」

 

 「あかねさん!?」

 

 いつの間にか私の背後に移動してきており、私の手首を掴んでツムリさんから引き剝がしたのだ。そして……

 

 「っ!」

 

 ツムリさんに何処からか出したナイフを突き付けていたのだ……私に『動くな』と言っているように……。

 

 そして……

 

 「!あかねさ――」

 

 「っ!待っ――」

 

 ツムリさんと謎のライダーはそのまま霧に包まれ、何処かに去ってしまうのだった……。

 

 

 

 

 

 side:大智

 

 大智は普段、ジャマトの育成をしている時以外は怪しまれることのないように、学生として過ごしている。その間も隙があれば、ジャマトを入れたフラスコを持ち歩き、感染者を増やしているが……そんな大智は、講義を終えて帰路へとついていた………すると、

 

 「ん……?」

 

 「……よう」

 

 目の前に、アクアが現れたのだ。

 

 「君か……何の用だい?」

 

 「何の用って………分かってるだろ?」 

 

 そう言って、デザイアドライバーを腰に装着する。

 

 「そうか………だが、君に僕は倒せない……今までの戦いで、それは君も理解しているだろう?』

 

 大智はジャマトになりながら、既に勝利を確信したようにそう言うが……

 

 「どうかな……」

 

 アクアは、小さい刀がついた黒い大きなバックルを取り出した。 

 

 「新たなバックルか……?」 

 

 大智はそれを見て、疑問を覚えるが……

 

 「俺が……この力で……!」

 

 アクアはそう言って、バックルを構えるのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:アクア 

 

 俺はツムリさんから貰ったバックルを構えて、二つに分離させる。そして……

 

 SET AVENGE

 

 ドライバーを挟み込むように、両側にセットし……

 

 「……変身!」

 

 バックルについている刀を鞘から抜くように動かした。

 

 BLACK GENERAL

 

 BUJIN SWORD

 

 すると、左右にそれぞれ黒い霧に包まれた少し青いラインが入った黒い鎧が現れ、それと同時に俺の周りに黒い竜巻と雷が起きた。そして、竜巻と雷は俺のところに上下の鎧を装備させた。

 

 その後、竜巻と雷が晴れると、黒と青の鞘に入った刀が手元にやってきて……

 

 READY FIGHT

 

 「この力で、叶えるんだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺の理想の世界を……!

 

 俺は刀を抜いて構えながら、相手を見据えるのであった……。

 

 

 

 

 side:大智

 

 ジャマトへとなった大智は今までの戦闘経験から、姿が変わろうともそれほどの相手ではない……アクアのことをそう認識していた。こいつなら余裕で勝てるだろうと…………だが、

 

 「ハァ!!」

 

 『ぐあっ!!』

 

 戦況は、圧倒的にアクアの方が優勢だった。刀の拡張武装である『武刃』、この形態の剣聖に匹敵する程の剣技を与える能力、そしてアクア自身の刀の扱いの経験が合わさることにより、今の大智では届くはずのない程の力を得ていた。さらに……

 

 『くっ……ならば!』

 

 大智は、地面へと潜って、反撃を試みるが……

 

 「っ!」

 

 『なっ!?ぐあっ!』

 

 アクアは雷を纏いながら高速で移動し、大智が地面に潜る前に攻撃を浴びせた。 

 

 『お前……!!』

 

 大智がアクアを見て、そう言っているうちに……

 

 「……」

 

 アクアは、バックルの刀を納刀させて構えた。そして……

 

 BUJIN SWORD STRIKE

 

 再びバックルの刀を抜き、大智に向かって斬撃を放った。

 

 『ぐあっ!?』

 

 「どうした……こんなものか?」

 

 『っ!舐めるなぁぁぁーー!!』

 

 大智は、アクアに歯が立たないことに苛立ちを覚えながら、エネルギー弾を放つが……

 

 「ハァ!」

 

 それも、刀によって両断されてしまう。直後、アクアは急接近してきて……

 

 「俺が……お前を倒す……!」

 

 『くっ!』

 

 刀を押し付けながら斬り付ける。大智は、その攻撃で吹き飛ばされ……

 

 「これで……!」

 

 そう呟いて、アクアは再びバックルの刀を納刀して、すぐさま抜刀してから再び納刀する。

 

 「ハァァーー………!」

 

 そして、刀を肩にかけるようにして構え……

 

 BUJIN SWORD VICTORY

 

 「ハァ!!」

 

 『ぐあああああ!!』

 

 刀を振って円状の斬撃を放ち、五十鈴大智を戦闘不能にするのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 『ぐっ……!こんな……はずじゃ……!!』

 

 俺は、倒れた五十鈴大智へと近づいていき……

 

 「これで……終わりだ……!!」

 

 刀を逆手に持って、突き刺そうとした………その時、

 

 「っ!?」

 

 突如、霧が出てきたと思えば、目の前から五十鈴大智が消え、離れた場所へと移動したのだ。俺がその方向を見てみると……

 

 「……」

 

 そこには金色の山猫を模した仮面に、上半身に魔法使いのような鎧を装備した仮面ライダーが立っていたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 デザイアグランプリルール

 

 

 誰もが幸せになれる世界を創るために、

 

 仮面ライダーは戦っている。

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございます。
 
 今回でシリウスのブジンソードを登場させることが出来ました。そして、謎のライダーがツムリを攫い、大智を助けました……果たして、その目的とは……?

 良ければ、感想や評価、あれば「ここすき」への投票もよろしくお願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。
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