女神の子   作:アキ1113

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 今回は、ハクアとカミキの対決の続きから書いていきます。

 果たして、その対決の結末は………?

 この話は、色々な部分の展開に悩み、文字数が多くなりました…………それでは、どうぞご覧ください。


新世Ⅵ:ルビー、きらめく

 side:ルビー

 

 「「ハァァァーー!!」」

 

 ハクアとギャーゴ……二人の技がぶつかり合い、衝撃波が生まれた。それは、ここから離れたところにまで伝わっているように感じた。

 

 「もうすぐ……もうすぐだ!」

 

 「くっ……!」

 

 その最中も、ハクアは苦しそうにしていて……段々とギャーゴに押されているように見えた………私は……また……!

 

 「ハァァァーー!!」 

 

 「っ……!」

 

 「ハクア君!!」

 

 お義姉ちゃんがハクアの名前を叫んだ………その時、

 

 「なら……!」

 

 BOOST TIME

 

 「っ!?」

 

 「「えっ?」」

 

 ハクアはギャーゴの攻撃に耐えながら、バックルの左側のハンドルを二回捻った。

 

 「ハァァァーー!!」

 

 そして、もう一度ハンドルを捻り……

 

 HYPER BOOST GRAND VICTORY

 

 「ハァ!!」

 

 右脚のブースターから火を出して加速させて、そのままギャーゴのキックを跳ね返したのだ。

 

 「くっ……これは……!?」

 

 自分の攻撃を跳ね返されたギャーゴは、驚いたような反応をしていた。そして……

 

 「お前は……僕が!」

 

 BOOST CHARGE

 

 「……!」

 

 BOOST TACTICAL VICTORY

 

 「フッ!」

 

 「ぐっ!?」

 

 「ハァ!!」

 

 「ぐあっ!?」

 

 ハクアは武器を持って駆け出し、ギャーゴに連続で攻撃を加えて吹き飛ばしていく。

 

 「くっ……!」

 

 「はぁ……はぁ……!」

 

 でも、ハクアはさっきよりも苦しそうにしていた………そして……

 

 「これで……」

 

 RAILGUN

 

 「っ!」

 

 「終わりだ……!」

 

 DAYBREAK BOOSTER

 

 ハクアは武器を銃の形に変形させて、右側のバックルを取り外し、それを武器にセットした。すると、背中のマントが青く光って、九尾を正面から見たときような形になるように広がった。それと同時に、ハクアも空中へと浮かび上がり……

 

 BOOST TACTICAL IMPACT

 

 「ハァ!!」

 

 そのまま引き金を引いたのだ。その攻撃は、一直線にギャーゴのところに向かっていき……

 

 「っ!?」

 

 FANTASY STRIKE

 

 それを見たギャーゴは、ナイフを円状にして自分の前に浮かべた。そして、それを高速で回転させることで盾にしたのだ。

 

 「ぐっ……ハァァァーー!!」

 

 ギャーゴは少しの間、耐えていたけど……

 

 「ハァァァーー!!」

 

 「ぐあっ!?」

 

 威力を増したハクアの攻撃によって、倒されるのだった……。

 

 

 

 

 

 side:あかね

 

 「ちっ……あと少しだったのに……」

 

 私たちと一緒に戦いの様子を見守っていたベロバという人は、勝負の結果に満足していない様子でそう言った。

 

 「ぐっ……」

 

 ハクア君の攻撃を受けたカミキヒカルは、変身が解除された状態で倒れていた。

 

 「……僕の……勝ちだよ」

 

 「その……ようだね……」

 

 ハクア君は変身したまま、カミキヒカルにそう声を掛けた。そして、ハクア君は倒れているカミキに近づいていき……

 

 「っ……!」

 

 カミキのドライバーのIDコアを取り……

 

 「これで……お前は、仮面ライダーにはなれない………っ!」

 

 そう言いながら、持っているIDコアを砕いたのだ。どうやら、そのままリタイアという仕組みではないみたい………さらに……

 

 「これも……回収させてもらうよ」

 

 ドライバーとバックルも、カミキの手から回収する。その後、ハクア君は変身を解除した………それと同時に、

 

 「―――っ!?」

 

 限界だったのか、そのまま膝をついてしまった……。

 

 「ハクア君!?」

 

 「ハクア!?」

 

 私たちはすぐさま駆け寄って、ハクア君を支えた。

 

 「っ………大丈夫?」

 

 「えっ?」

 

 「ハクア……?」

 

 「その……手……」

 

 「「……」」

 

 自分の方が辛いはずなのに……ハクア君は私の手首を見て、そう言ってきたのだ。すると……

 

 「ハクア……少しは自分の心配を……」

 

 「私なら平気………それよりも―――」

 

 「いたぞ!」

 

 「「!?」」

 

 数人のライダーたちが、私たちを囲んだのだ。この人たちは……!

 

 「ここは、私が……!」 

 

 SET

 

 「変身!」

 

 BEAT

 

 READY FIGHT

 

 「お義姉ちゃんはハクアを!」

 

 「う、うん!」

 

 ルビーちゃんはそのままライダーたちに向かっていく………が、

 

 「っ!きゃ!?」

 

 「アハハハ!させないわよ?」

 

 「これは……笑えねぇな」 

 

 「「LASER ON」」

 

 PREMIUM BEROBA LOADING

 

 PREMIUM KEKERA LOADING

 

 「「READY FIGHT」」

 

 ベロバとケケラが変身して、ルビーちゃんの邪魔をしてきたのだ。

 

 「っ……!」

 

 ルビーちゃんは、二人とライダーたちを相手にしていたが…… 

 

 「ハァ!」

 

 「オラァ!」

 

 「きゃあ!!」

 

 数が多く、攻撃を受けて吹き飛ばされてしまう。

 

 「今更、お前なんかに負けるわけないだろ?」 

 

 「アハハハ!ただの役立たずは引っ込んでなさい?」 

 

 「っ……!」

 

 そして、私たちにライダーたちが追い付こうとした………その時、

 

 

 

 

 

 

 

 

 BUJIN SWORD STRIKE

 

 「「「「ぐああああ!?」」」」

 

 「「え?」」

 

 その音とともに、何かが落ちてきてライダーたちが吹き飛ばされたのだ。それと同時に煙が立ち込める。

 

 「これは……!」

 

 「おいおい……まさか……!」

 

 段々と煙が晴れていき、その場所に目を向けると…… 

 

 「……大丈夫か?」

 

 変身したアクア君が立っていたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 「っ!お前!?何なん―――」

 

 「ハァ!」

 

 「ぐあっ!?」

 

 俺は争っているライダーたちを、次々と倒していた。

 

 「はぁ……これであらかた片付け………ん?」

 

 すると……

 

 「おい!こっちだってよ!」

 

 「本当か?」 

 

 「あぁ!」

 

 「今度こそ……あいつを……!」

 

 そう言って、騒いでいる集団がいたのだ。そして……

 

 「「「「変身!」」」」

 

 「っ!」

 

 「ARMED CLAW」

 

 「ARMED TWIN DAGGER」

 

 「ARMED WATER」

 

 「ARMED PROPELLER」

 

 「「「「READY FIGHT」」」」

 

 変身して、倉庫が沢山ある場所へと向かったのだ。俺もすぐにその後を追うと……

 

 「あれは……!」

 

 そこには、ハクアとあかねがライダーたちに追われている光景と、ルビーがベロバとケケラの二人と戦っている光景が、目に飛び込んできたのだ。そして、ハクアとあかねにライダーたちが追いつきそうになっていたところが見え……

 

 「っ!まずい……!」

 

 俺はバックルを操作し……

 

 BUJIN SWORD STRIKE

 

 「ハァ!!」

 

 そのまま刀を逆手に持って、ライダーたちの上から飛び込んで地面へと突き刺し、衝撃波を起こした。

 

 「「「「ぐああああ!?」」」」

 

 その攻撃で、ライダーたちは吹き飛ばされていった。

 

 「……大丈夫か?」

 

 俺はハクアとあかね、ルビーにそう声を掛けた。

 

 「私は大丈夫」

 

 「私も大丈夫……」

 

 「僕も……だよ……」

 

 あかねとルビーは大丈夫そうだが、ハクアは何だか苦しそうにしていた……一体、何が……? 

 

 「ちっ……べーだ!」

 

 「流石……とでも言っておくか……今はな?」

 

 ベロバとケケラの二人もいたらしく、そのままこの場を離れていったのだ。

 

 「で……こいつは?」

 

 俺は倒れている金髪の男に目を向けた。

 

 「ツムリさんを……攫ったやつ」

 

 「……!」

 

 そうか……こいつが………すると、

 

 「そうか……君たちが……!」

 

 その男は、俺とルビーを見ながら、そう言ってきた。

 

 「俺たちが……何だ?」

 

 俺が疑問に思っていると…… 

 

 「本当に……立派に育ったね?」

 

 「「!?」」 

 

 こいつ……何を言っているんだ?『立派に育った』って…………っ!?まさか……

 

 「あなたが……」 

 

 「俺たちの……」

 

 俺とルビーは、目の前の男が誰なのか察しがついたところで……

 

 「……カミキヒカル……僕らの……父親」

 

 「「っ………」」

 

 ハクアから、そう言われるのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 兄さんと姉さんは、目の前の男が父親であるという事実に驚愕していた………まさか、自分の父親がライダーになっていて、僕を殺そうとしていたとは思わなかったのだろう………すると……

 

 「何で……こんなことをした?」 

 

 兄さんが父親……カミキヒカルに向かってそう訊いた。

 

 「その子には……価値がある」

 

 「価値……?」

 

 姉さんが、その言葉に首を傾げる。

 

 「芸能界にいる者には、何かしらの才能がある………君たちは特に……ね?」

 

 「……それが?」

 

 「その才能は素晴らしいものだ………だからこそ、その価値あるものを永遠にこの世から無くした僕の命が重くなっていく……!」

 

 「「「……は?」」」 

 

 そんな意味不明なことを聞いた三人は、思わずそんな反応をした。

 

 「アイも素晴らしい才能を持っている………それは、周りと比にならない程の価値がある……!」

 

 そして、カミキは続けて……

 

 「だが、それよりも今はハクアという存在がいる………芸能の神と創生の女神に愛される才能を持った子が……!」

 

 「それで……ハクア君に価値があるから………殺そうと……?」

 

 「その通りだよ……!」

 

 「「「……」」」

 

 カミキがあかねの言葉を肯定すると、三人とも黙り込んでしまった。すると……

 

 「………」

 

 「?姉さん……?」

 

 「ハクアを……創世の神を殺せば、僕の命は神よりも重く―――っ!?

 

 「「「!?」」」

 

 姉さんが黙ったままカミキへと近づいて、そのままカミキの顔にビンタをしたのだ……。

 

 「黙れ……」

 

 「ルビーちゃん……?」 

 

 あかねが、姉さんの行動に戸惑った様子で、そう声を掛けるが……

 

 「お前の望みなんて知るか!お前のせいで、私の家族が沢山傷ついた!!」

 

 姉さんは普段の様子からは想像出来ない程に、カミキに怒りをぶつけていた。

 

 「今日だって、お義姉ちゃんを傷つけて……ハクアを私たちから奪おうとした………それが……父親のやることか!!

 

 そう言う姉さんの手は、今にも爪が食い込みそうな程、強く握りしめられていた。 

 

 「っ………行こう?ハクアとお義姉ちゃんを病院に連れていかなきゃだし……」

 

 「あぁ……そうだな」

 

 「うん……ハクア君?」

 

 流石に、そろそろ……まずいかも―――

 

 「ハクア!?」 

 

 「おい!どうした!?」

 

 「ハクア君!しっかりして!!」

 

 僕は限界がきたのか、そのまま気を失ってしまうのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:あかね

 

 「ハクア君……」

 

 あの後、私たちは救急車で病院へと運ばれた。そして、私は手首の怪我の処置をされた……ハクア君はまだ目を覚まさず、治療を受けているらしい。すると……

 

 「っ!あかね!!」

 

 「お母さん!」

 

 そこに、お母さんがやってきたのだ。そして……

 

 「!?」

 

 「あぁ、無事で良かった……怪我の具合は?大丈夫なの?」

 

 走ってきた勢いのままに、お母さんは私を抱きしめたのだ。

 

 「うん、私は大丈夫。すぐ治るって……」

 

 「そう……それで、ハクア君の方は……?」 

 

 「ハクア君は―――」  

 

 ハクア君が倒れた原因としては、戦いの時に負った傷と………後は、ストレスと過労らしい……。

 

 ここのところ、ハクア君は普段の仕事に加えて戦い続きだったから………それに、今日のことも……

 

 「そう……そんなことが……」

 

 すると……

 

 「お義姉ちゃん……入ってもいいって。お義姉ちゃんのお母さんも一緒にどうぞ?」

 

 ルビーちゃんが、そう声を掛けてきた。

 

 「うん、分かった」

 

 「じゃあ……お言葉に甘えて」

 

 その言葉に頷いて、私たちはハクア君たちのいる部屋に入るのだった……。

 

 

 

 

 

 side:ルビー

 

 「あ……れ……?」 

 

 「っ!ハクア!!」

 

 私がお義姉ちゃんとそのお母さんを呼んでから少しして、ハクアが目を覚ました。 

 

 「体の調子はどうだ?」

 

 お兄ちゃんがそう訊くと……

 

 「あ、うん……それは大丈夫だけど………っ!」

 

 ハクアはそう言いながら体を起こそうとして手をついたけど……痛みを感じたのか顔をしかめたのだ。

 

 「まだ動いちゃだめだよ?ハクア君……相当無理してたみたいだから……」

 

 お義姉ちゃんがハクアを支えながらそう言った……お医者さんの話だと、入院するほどではないみたいけど……すると、

 

 「……ハクア君」

 

 「!どうも、ご無沙汰しています」

 

 お義姉ちゃんのお母さんが、ハクアの名前を呼んだ。ハクアもしっかりと挨拶を返す………そして、

 

 「一度のみならず、二度も娘を助けてくれて……本当に、ありがとう……!」

 

 頭を下げながら、ハクアに向かってお礼を言ったのだ。

 

 「いや……寧ろ、怪我をさせてしまって……本当に、ごめんなさい」

 

 ハクアは責任を感じているのか、申し訳なさそうにして謝ったのだ………まったく、この子は……。

 

 それから少し話をして、お義姉ちゃんのお母さんが電話か何かで部屋から出ていった後……

 

 「そう言えば……カミキは……?」

 

 「あぁ……あいつなら……」

 

 カミキヒカルはあの後、ハクアが倒れている内に……いつの間にか、何処かに行ってしまっていたのだ………何処に行ったのかは、検討もつかないけど……。

 

 「そう……なんだ……」

 

 ハクアはそのことを訊いて、何処か悔しそうな……申し訳なさそうな表情をしたのだ。

 

 「ハクア君……?」

 

 「!ううん、何でもないよ……」 

 

 「……?」

 

 お義姉ちゃんがそんなハクアの様子を見て声を掛けたけど、ハクアは何かを隠すようにそう返した。

 

 「それで……どうするの?」

 

 「「「?」」」

 

 「その……カミキのこと……」 

 

 「「あっ……」」

 

 「……」

 

 私は三人に、今日知ったことをママに話すかどうかを訊いた。

 

 「……それは――」

 

 「話さない」

 

 「「「!」」」

 

 お兄ちゃんが何か言うよりも先に、ハクアがそう言ったのだ。

 

 「ハクア……それは――」

 

 「そもそも僕は……誰にも知ってほしくはなかった………それに今更、こんなことでお母さんを悩ませたり、心配させるわけにはいかないよ」

 

 もし、あのまま私たちが来なければ、ハクアはこの事実を一人で……… 

 

 「分かった……けど――」

 

 「……?」

 

 「一人で何でも抱え込むのはなしだぞ?」 

 

 「……!」 

 

 「そうだよ……こんな大きなこと、ハクア君一人だけに背負わせないから」

 

 お兄ちゃんとお義姉ちゃんはハクアに向かってそう言ったのだ………私は、背負えるだろうか………

 

 

 

 

 『アハハハ!ただの役立たずは引っ込んでなさい?』

 

 

 

 

 あの時、ベロバにそう言われて………心の何処かで……そう、思ってしまった……。

 

 私の方が、ママに守られて……弟が傷ついていても、何もしてあげられなかった………そんなの、役立たずの何者でもないじゃない……!

 

 「………ありがとう」

 

 ハクアはお兄ちゃんとお義姉ちゃんに、そうお礼を言った。そして……

 

 「姉さんもね?」

 

 「えっ?」

 

 何故か私にも、そう言ってくれたのだ。

 

 「何で……?私は――」

 

 「何もしていないって?」 

 

 「……!」

 

 どうやら、ハクアにはお見通しのようだ……すると、

 

 「姉さんの……願いは何?」

 

 「願い……?」

 

 ハクア……急に何を……?

 

 「姉さんは今……どうしたい?何がしたい?」

 

 私が……どうしたいか………そんなの、決まってる……!

 

 「私は……家族を………みんなを守りたい!!」

 

 「なら……誰かの言葉に惑わされないで。自分を信じてあげて」

 

 そして、ハクアは続けて……

 

 「信じ続ける限り……願いは叶う」

 

 「「「……!」」」

 

 「それだけは……忘れないで。もちろん、二人もね?」 

 

 「あぁ……!」

 

 「うん……!」

 

 そんな話をしていると……

 

 「きゃああああ!?」

 

 「うわああああ!?」

 

 突然、爆発音と悲鳴が聞こえてきたのだ。そして、窓の外を見てみると……

 

 「アハハ!私の手でフォルスを仕留めて、今度こそ不幸のどん底に落としてあげるわ~!」

 

 ベロバが病院を破壊しながら現れたのだ………どうやら、今のうちにハクアを仕留める気らしい……

 

 「ベロバ……!っ!」

 

 「おっと……お前はまだ動くな。俺が行く。あかね、ハクアを頼む」

 

 「う、うん!」

 

 まだ目覚めたばかりなのに戦いに行こうとするハクアにそう言って、お兄ちゃんは下へと降りていく。

 

 それに続いて、私も下に行こうとすると……

 

 「姉さん!」

 

 「……?」

 

 「これを」

 

 「!それは……!」

 

 ハクアはそう言って、カミキの使っていたバックルを渡してきたのだ。

 

 「でも……何で……?」

 

 私がハクアにそう訊くと……

 

 「姉さんなら……信じて託せる」

 

 「……!」

 

 「これは元々、カミキが悪事に使ってきたものだ………けど!」

 

 ハクア……私のことを信じて、これを……。

 

 「うん!分かった!」

 

 私はそれを受け取って、今度こそ下に降りていくのだった……。

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 「ベロバ……!」 

 

 「あら?あなたがくるのね?」

 

 俺は、下へと降りてベロバの前に立つ。

 

 「ハクアをやらせはしないぞ……」

 

 「アハハハ!まぁ、そうくるわよね~……でも、あんたの相手は私じゃないわよ?」

 

 「……?」

 

 ベロバの言葉を疑問思っていると……

 

 「オラァ!」

 

 「ハァ!」

 

 「っ!?」

 

 生身の俺に、ハクアを倒そうとしているライダーたちが襲い掛かってきたのだ。

 

 「こいつら……!ハァ!」

 

 俺は、そのライダーたちの攻撃を避けながら…… 

 

 SET AVENGE

 

 「くっ……変身!

 

 BLACK GENERAL

 

 BUJIN SWORD

 

 READY FIGHT

 

 「フッ!ハァ!」

 

 「「ぐっ!?」」

 

 バックルをドライバーにセットして変身する。その流れで刀を抜きながら、ライダーたちを斬っていく。だが……

 

 「「「「ハァァァーー!!」」」」

 

 「!まだいるのか……」

 

 「アハハハ!全員倒したと思ったのでしょう?残念だったわね~?あいつを殺すまで、エントリーするライダーは増え続ける……安心しなさい?代わりはいくらでもいるから」

 

 くそっ……こいつ………この世界の人たちを何だと……!ベロバは、ライダーたちと戦う俺を余所に、変身を解除してハクアの下に向かっていく………が、

 

 「ここから先には……行かせない!」

 

 「へぇ……次はあんたか」

 

 「っ!ルビー……!」

 

 ベロバの前に、ルビーが立ちふさがるのだった……。

 

 

 

 

 

 side:ルビー

 

 「でも、今更あんたが来たところで―――」

 

 「それは……どうかな?」

 

 私はそう言って、ハクアから渡されたバックルを構える。 

 

 「っ!」

 

 「それは……!」

 

 ベロバもお兄ちゃんも、私がこれを持っていることに驚いていた……そして、ドライバーにバックルをセットした………けど……

 

 「……え!?」

 

 何も起きなかった………私はバックルを外して、もう一回セットした。それでも、何の反応もなかったのだ………な、何で……?

 

 「どうなってるんだ……?ハァ!」

 

 何も反応がないことに驚いていると……

 

 「やっぱりね……驚いて損したわ」

 

 「やっぱり……?」

 

 一体、どういう……?

 

 「それはね……元々は運営が作ったやつだけど、『神殺しの力』を手に入れたカミキが使ってその力に染まったことで、あいつ専用になったみたいなのよ」

 

 「「!?」」

 

 そんな……じゃあ……

 

 「残念だったわね~?あんたはそれを使うことは出来ない……」

 

 「っ……」

 

 「そして……あんたの願いも、叶うことはないわ!」

 

 私はベロバにそう言われてしまう……けど、

 

 「……叶うよ」

 

 「……は?」

 

 

 

 

 『信じ続ける限り……願いは叶う』

 

 

 

 

 そうだよね……ハクア!

 

 「アハハハ!……もういいわ、あんた」

 

 BEROBA SET

 

 LASER ON

 

 PREMIUM BEROBA LOADING

 

 READY FIGHT

 

 「ここで……消えなさい!」

 

 ベロバは再び変身して、私に向けて攻撃を放ってきた。私は、バックルを手に持ちながら祈った。

 

 「私は星野ルビー……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 仮面ライダーマーゴだよ!」

 

 すると、周りに九つの狐の尻尾のようなものが出てきて、私を守ったのだ。

 

 「え?……あっ!?」

 

 すると、私の持っているバックルから黒い瘴気のようなものが出ていき……バックルについている魔法陣の模様の色が、金色から宝石のルビーの色へと変化したのだ。 

 

 「なっ!?」

 

 「まじか……」

 

 その出来事に、ベロバもお兄ちゃんも驚いた反応をしていた。そして……

 

 SET

 

 バックルをドライバーにセットすると、私の周りにルビーのように輝くレイピアが何本も現れ……

 

 「変身!」

 

 私はバックルの持ち手の部分を引いた。

 

 FANTASY

 

 すると、ギャーゴのものと同じ鎧が上半身に装着され、周りを回っていたレイピアが背中のところに付いた。それと同時に仮面の目の部分は、私の普段の目の色と同じ色になっていたのだ。そして……

 

 「もう誰も……傷つけさせない!私が……守ってみせる!!」

 

 READY FIGHT

 

 私はベロバに向かって、駆け出していくのだった……。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 「行くよ!」

 

 新たな姿へと変身したルビーが、ベロバに向かって駆け出していく。

 

 「ハァ!」

 

 ベロバはルビーに向けて、銃のレーザーを放ったが……

 

 「っ!」

 

 ルビーは走りながらも、レイピアのようなものを発射して全ての攻撃を相殺していく。そのままの勢いで攻撃を避けながら、ルビーはベロバに向かっていき……

 

 「やぁ!」

 

 「くっ!」

 

 「はぁ!」

 

 「ぐっ!?」

 

 至近距離から蹴りやパンチを食らわせていく……が、 

 

 「ハァ!」

 

 「あっ……!」

 

 「調子に乗るんじゃ……」

 

 「っ!?」

 

 「ないわよ!!」

 

 攻撃を躱された後、腕を掴まれてそのまま柵に叩きつけられてしまった………かと思いきや……

 

 「ふっ!」

 

 「「っ!?」」

 

 何故かルビーの身体が柵をすり抜けたのだ。ルビーは、ベロバの腕を持ったまま柵の向こう側へとすり抜けたので、ベロバ自身は柵に引っ掛かってしまう。

 

 「やぁ!」

 

 「ぐっ!」

 

 「はぁ!!」

 

 「ぐあっ!?」

 

 ルビーはまたもや身体をすり抜けさせてベロバに攻撃を加え、そのままベロバを下へと落としたのだ。その後、ルビーも下へと降りていき……

 

 「はぁぁぁーー!!」

 

 「っ!このっ!」

 

 ベロバはルビーを狙って攻撃していくものの、全ての攻撃がすり抜けていった。

 

 「はぁ!」

 

 「ぐぅ……!?」

 

 「ふっ!」

 

 ルビーはベロバの懐に入り込み、上へと打ち上げてから、ルビー自身もベロバを通り抜けながら上へと飛び上がり……

 

 「はぁ!!」

 

 「ぐあっ!!」

 

 蹴りを食らわせて、下へと蹴り飛ばしたのだ。ルビーが着地したタイミングで、ベロバが撃ってきた……が、 

 

 「っ!はぁ!」

 

 ルビーはレイピアを使って、その攻撃を防いだ。

 

 「くっ………私が……あんたなんかに……!」

 

 「はぁ!」

 

 その後、ルビーは魔法陣から楽譜の五本線を出してベロバを拘束した。そして、レイピアを右手に爪のようにして装備し…… 

 

 「はぁぁぁーー……はぁ!」

 

 ベロバに攻撃を加えて吹き飛ばした。

 

 「ぐっ……ハァ!」

 

 攻撃を食らったベロバは、ルビーに攻撃を仕掛けようとしたが……

 

 「っ!何処に―――」

 

 「はぁ!!」 

 

 「ぐあっ!?」

 

 背後からのかかと落としを食らって、またもや吹き飛ばされていくのだった。そして……

 

 「これで……!」

 

 ルビーはその隙を見逃すことなく、すぐさまバックルを操作して飛び上がった。

 

 FANTASY STRIKE

 

 「はぁぁぁーー!!」

 

 そのままルビーは、猫又のような二本の尻尾を生やしながらベロバにキックを食らわせ……

 

 「こんな……小娘に……ああああああ!!

 

 無事に、ベロバを撃破した。

 

 「!…やった……!」

 

 「っ……覚えてなさい……!」

 

 変身を解除されたベロバは、ルビーを睨み付けながら立ち去っていくのだった……。

 

 

 

 

 

  

 side:ベロバ

 

 「くっ……若いからって……調子に乗って……」

 

 ルビーに負けたベロバは、重い身体を引きずりながら路地裏へと入っていく………すると……

 

 「よぉ……」

 

 「気分はどうだ?」 

 

 目の前に、道長と透が現れたのだ。

 

 「はぁ?どういう意味?」

 

 ベロバは、透の言った言葉の意味が分からずにそう言うが……

 

 「自分が不幸になった気分はどうだって……訊いたんだが?」

 

 「はぁ?私が不幸?そんなわけ――」

 

 透にそう言われた後、ふと近くに置いてある鏡を見た。そこには……

 

 「……え?」

 

 顔の右側が、醜く歪んでいたのだった……。 

 

 「そんな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ありえないありえないありえないありえないありえない!!

 

 そんな自分の姿を見たベロバは混乱し、近くにあったレンガを鏡に向かって投げて叩き割ったのだ。

 

 「はぁ……はぁ……はぁ……!」

 

 そんなベロバを見ながら、二人はこの場より去っていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「ねぇ?」

 

 「ん?何?」

 

 「ありがとね」

 

 病院から家へとみんなで帰っている途中の車内で、姉さんにお礼を言われたのだ。ちなみに、今日はお母さんの退院の日と重なっていたため、お母さんを迎えに行っていたミヤコさんにそのまま来てもらったのだ……カミキのことを隠して、一応事情は話しておいたけど……そのときは、お母さんにもミヤコさんにも凄く心配された。

 

 「えっと……何が……?」

 

 「えっ?」

 

 僕は、本当に何のことか分からずに首を傾げた。すると……

 

 「ハクア君、多分あれじゃない?」

 

 「あれ?……あぁ……あれか……」 

 

 あかねに言われて、僕はその意味に気付いた。

 

 「あれはね……姉さん自身の力だよ」

 

 「え?私の?」

 

 僕のその言葉に、姉さんは首を傾げた。

 

 「うん…創世の力はね……僕の願いと他の人………今回は姉さんの願いが強く共鳴したことで、それが何かしらの奇跡を起こしたんだ」

 

 「へぇ~……だから、これが急に……」

 

 そう…姉さんの願いが僕の願いと共鳴したため、このバックル………ファンタジーバックルを姉さん専用のものに強化することが出来たのだ。 

 

 「だから……僕に礼を言う必要は―――」

 

 「言うよ」

 

 「……え?」

 

 「それってさ……ハクアも一緒に願ってくれたってことだよね?」

 

 「いや……それは姉さんの力で―――」

 

 「もう……相変わらずこういう時は素直じゃないんだから……」

 

 姉さんが呆れた様子でそう言うと……

 

 「ハクアが願ってくれなかったら、私はどうなっていたか分からなかった………でも、ハクアのおかげでみんなを守ることが出来る力が手に入って……その力で、家族を守ることができた……だから、あらためて……ありがとう!

 

 「……!」

 

 そうか……この力で、誰かの願いを叶えることが出来たんだ………。

 

 「それにしても、あんなに小さかったのに……」

 

 「うん……子供の成長は早いね~」

 

 「まさか、こんな成長をするとは予想できなかったけど……」

 

 「ね~?」

 

 ミヤコさんとお母さんが、僕たちを見ながらそんな会話をしていた………まぁ、そんな反応にもなるか………すると……

 

 「さてと……後は……」

 

 「うん、ツムリさんを助け出して……」

 

 「世界を……元に戻す……!」

 

 カミキの願いによって創り変えられる前の世界で、ステージ2のジャマトになってしまい、そのまま倒されてしまった人たちを元に戻すには世界を前の状態に戻す必要がある。そして、今も病院に入院しているらしい五十鈴大智にその方法を訊いて、それを実行しなければならないのだ。

 

 それに……逃げたカミキのことも気になる。ライダーとなって手を出してくることは……ないとは言い切れないけど………もし、そうなったら……今度こそ……!

 

 

 

 

 

 side:カミキ

 

 「はぁ……はぁ……」

 

 カミキはハクアたちの前から姿を消した後、自身の家へと戻って来ていた。そして、その横には……

 

 「手酷くやられたな………やはり、デザイアドライバーでは限度があったか……」

 

 「っ……それで……何の用で?」

 

 ヴィジョンドライバーの形に似た、金と黒のドライバーを付けたジットが立っていたのだ。ジットはこうなることを予想していたような口ぶりで会話をしていた。すると……

 

 「こいつをやろう」

 

 「っ!これは……!」

 

 ジットはカミキに、レーザーレイズライザーと金色と深い青の模様が入ったブラックレイズライザーカードを渡した。

 

 「チャンスは必ずやってくる………それまで待っていろ」

 

 「……分かったよ」

 

 「それでいい……お前には、期待しているぞ」

 

 そう言って、肩に手を置いてからジットはカミキの家から去っていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ハクア……いい子で待っていてくれ………僕が、この手で殺すまで……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 デザイアグランプリルール

 

 

 人々の強い願いが集まった時、

 

 フォルスの創世の力が発動する。

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございます。

 今回の勝負では、ハクアがなんとか勝ちましたが……カミキには逃げられ、最後にはジットから新しいアイテムを受け取っていました。一体、カミキは何を仕掛けてくるのか……。

 そして、マーゴのファンタジーフォームも登場させることができました。固有能力は、ナーゴのものと同じにしました。これは、ルビーがアイドル(偶像)であることに関係させました。


 良ければ、評価や感想、あれば「ここすき」の投票もよろしくお願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。
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