女神の子   作:アキ1113

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 今回も前回の続きから書いていきたいと思います。

 また、例のあの人が何か仕掛けてくるようで……。

 それでは、どうぞご覧ください。


新世Ⅶ:決戦前の焦燥

 side:ルビー

 

 「こんな風に過ごすのも…久し振りだね?」

 

 「そうだね~……うん!これ美味しい!ルビーも食べてみて?」

 

 久し振りの休日、私はママと一緒に外へと出掛けていた。今は、カフェで一休みしているところだ。 

 

 「ありがとう!……う~ん!あ!じゃあお返しに……」

 

 「……うん!こっちも美味し~!」

 

 二人でスイーツの食べさせ合いをしながら過ごすのも、本当に久し振りだ………早くみんなが、こんな風に平和に過ごせるようにしないと……! 

 

 その後、スイーツを食べ終わって店を出て、次の目的地に向けて歩いていた………その時、 

 

 「お前らが……マーゴとラビだな?」

 

 「「え……?」」

 

 突然、数人の人が私たちのところに来て、その中の一人がそう声を掛けてきたのだ……何で、そんなことを訊いて……?というか、私たちのライダーの名前を……!

 

 そして……

 

 「ここで……倒す!」

 

 そう言って、その人たちはドライバーを装着して……

 

 「SET」

 

 「SET」

 

 「SET」

 

 「SET」

 

 「「「「変身!」」」」

 

 「ARMED HAMMER」

 

 「ARMED SHIELD」

 

 「ARMED DRILL」

 

 「ARMED PROPELLER」

 

 「「え!?」」

 

 「「「「READY FIGHT」」」」

 

 小型のバックルをセットし、変身したのだった。

 

 「私の後ろに下がってて!」

 

 「で、でも――」

 

 「病み上がりなんだから、まだ変身はダメだよ!」

 

 「っ……気を付けてね?」

 

 「もちろん!」

 

 ママもドライバーを持ってはいるけど、病み上がりなので今回は私だけで戦うことにした。

 

 SET

 

 「変身!」

 

 FANTASY

 

 「はぁぁぁーー!!」

 

 READY FIGHT

 

 私は、襲い掛かってくるライダーたちに向けて駆け出していく。

 

 「「ハァ!」」

 

 ハンマーとドリルを持ったライダーが私に攻撃してきた……けど、

 

 「「なっ!?」」

 

 その攻撃は、私の身体をすり抜けていく。私は体制が崩れた隙を突いて……

 

 「はぁ!」

 

 「「ぐっ!?」」

 

 レイピアで攻撃を食らわせた。その後も私に攻撃してきたけど……それが効くはずもなく……

 

 「ふっ!はぁ!」

 

 「「「ぐあっ!?」」」

 

 そのまま、三人のライダーを攻撃して吹き飛ばした……さて、あと一人は何処に―――

 

 「動くな!」 

 

 「っ!?」

 

 「ご、ごめん……」

 

 プロペラを装備したライダーが、いつの間にかママを捕まえていたのだ………この人たち、何が目的で……!

 

 「……星野ハクアの居場所を教えろ」 

 

 「「っ!」」

 

 やっぱり……ハクアが狙いで……!

 

 「何で……そんなにハクアを……」

 

 「何でって……あいつを倒せば、何でも願いが叶うんだろ?」 

 

 「それに……リベンジのチャンスなんだ………逃すわけにはいかない……!」

 

 ママがそう訊くと、ライダーの内の二人はそう答えた。一人は純粋に願いを叶えたいから……もう一人は、ハクアにリベンジしたいみたい………何で……?みんなは……そんなにハクアの不幸を望んでいるの……?私がそんなことを思っていた……その時、

 

 「さぁ、さっさと言―――ぐあっ!?

 

 「きゃ!?」

 

 「「「なっ!?」」」

 

 「っ!はぁ!」 

 

 どこかから、ママを捕まえていたライダーが撃たれ、その隙に私はママを救出した。

 

 「大丈夫?」

 

 「う、うん……でも、誰が……?」

 

 私たちが不思議に思っていると……

 

 「お、おい……あれ!」

 

 ライダーの一人が驚いたような声を出して、何処かを向いた。

 

 私たちも、その方向を向いてみると……そこには……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ぱ、パンダ……?」

 

 「え!?」

 

 「……久し振りだな?」

 

 私が最初に参加したデザグラで会った……仮面ライダーダパーン、墨田奏斗がいたのだった。

 

 「な、何で……?」

 

 「何でって……そのくらい自分で考えろ」

 

 「えぇ……」

 

 相変わらずの性格みたいだけど……

 

 「え?ルビーの知り合い?」

 

 「うん、前のデザグラでね」

 

 「へぇ……」 

 

 私たちがそんな会話をしていると……

 

 「おい!」

 

 「あ?」

 

 「お前……こっちに来る気はないか?」

 

 「……はぁ?」

 

 墨田君が、あっちから仲間にならないかと交渉されていた。

 

 「お前……それ、強いアイテムだろ?」

 

 「……それが?」

 

 「あんたが居れば、星野ハクアに対抗できると思うんだが……どうだ?」

 

 そして、その言葉を聞いた墨田君は……

 

 「ふん……誰が……」

 

 「何っ!?」

 

 「お前らなんかと組むかよ」

 

 そう答えたのだった。そして…… 

 

 「あんたのバックルを貸せ」

 

 「えっ?う、うん……」

 

 ママからビートバックルを受け取り……

 

 SET

 

 ドライバーの左側にセットした。

 

 「DUAL ON

 

 「MAGNUM BEAT

 

 「READY FIGHT 

 

 そして、下半身にビートを装備してから、再びバックルを動かし……

 

 「MAGNUM BEAT VICTORY

 

 「フッ!」

 

 片足で二回、地面を踏んで空中に沢山の音符を浮かべた。

 

 「な、何だこれ……」

 

 「音符か……?」

 

 ライダーたちがそれに戸惑っていると……

 

 「ハァ!!」

 

 墨田君が武器で音符を撃ったのだ。その攻撃が音符に当たると、次々と音符の爆発が連鎖していき……

 

 「「「「ぐああああ!?」」」」

 

 そのままライダーたちを倒してしまったのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:あかね

 

 ハクア君たちの父親……カミキヒカルとの勝負から数日………私たちは、普段通りの生活を送りながらもツムリさんを探すのと、人々を助け出す方法を探っていた。

 

 今日の撮影も終わり、私とハクア君はある人たちを待っていた……その人たちというのが……

 

 「待たせたな」

 

 「お疲れさま」

 

 道長さんと透さんだ。そして、四人で向かったのが……

 

 「おや……?わざわざ退院を祝いに来てくれたのかい?」

 

 「そんなわけあるか」

 

 「ははは………ジャマトの生命力様様だよ……おかげで、早く回復した」

 

 パラサイトゲームを仕組んだ本人……五十鈴大智の入院している病院だった。アクア君にこっ酷くやられて、入院しているとは聞いていたけど……

 

 「……訊きたいことがある」

 

 「まぁ、予想はつくけど……何だい?」

 

 「知恵の樹のある場所に連れていってほしい。悪いけど……拒否権はない」

 

 ハクア君がそう言うと……

 

 「はぁ……こっちだ」

 

 意外にも大人しく、その場所に案内してくれたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 「ここだ……正確には、『あった場所』だけどね。世界が創り変えられた影響で、僕の中にある人々の記憶は……全てなくなってしまったが……」

 

 私たちは、知恵の樹がある………あった場所に連れてきてもらっていた。

 

 「だが、フェーズ2のジャマトになった人々は既に―――」

 

 「死んではいないんでしょ?」

 

 「っ……」

 

 「だからだよ……こんなことをしているのは」

 

 「……それもそうか」 

 

 五十鈴大智が納得した様子でそう言うと……

 

 「で……肝心の助け出す方法………あるんでしょ?」

 

 「何を言っている?もう知恵の樹はない……世界が元に戻るとかいう奇跡が起きない限り、僕の発明もただの木のまま――」

 

 「世界が元に戻れば……助け出せるんだな?」

 

 「……」

 

 ハクア君と道長さんがそう訊いた。でも、中々その方法を話そうとしない………すると……

 

 「……あるならさっさと話してよ?」

 

 ハクア君は静かに怒りながら、そう言ったのだ………ハクア君、カミキと戦った日から……何だか……? 

 

 「へぇ……君でもそんな顔をするんだ」 

 

 「いいから答えてよ」

 

 そして、暫く沈黙が続いた。私は、これ以上聞き出せることはないと思い……

 

 「……もう行こう?」

 

 ハクア君に向かってそう言った。

 

 「そうだな……それがいいと思う」

 

 「あぁ……方法があるだけまだいい……」

 

 透さんと道長の二人も私の言葉に頷き……

 

 「……分かった」

 

 ハクア君も、一先ず納得してくれたみたいだ。

 

 そうして、私たちはそのままサロンへと向かっていく。

 

 「早くしないと……世界が……!」

 

 「ハクア君……?」

 

 「っ!ううん……何でもないよ」

 

 「……」

 

 その道中、何かをハクア君が呟いていた気がしたけど、すぐに『何でもない』と言われてしまうのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 「やっぱり、知恵の樹はなくなっていたのか……」

 

 「うん……でも、人々を元に戻す方法はあるみたいだった」

 

 「話してはくれなかったけどね」

 

 予定の入っていた俺は、サロンで五十鈴大智に会った四人から情報を聞いていた。

 

 「まずは……世界を元に戻さないとね。それに、ツムリさんも」

 

 ルビーの言う通り、まずは世界を元の状態にしないと話にならない。そして、ツムリさんの奪還も行わなくてはならない。

 

 「でも、ツムリさんは何処に……?」

 

 あかねがそう言うと……

 

 「お?揃ってるようだな」

 

 そこに、丁度ウィンさんが戻ってくる。

 

 「それで……どうだった?」

 

 「あぁ……いくつか場所の目星はついた」

 

 『っ!』

 

 「ただ、行ってみないことには分からないが……」

 

 「いや、それでも十分だよ……ありがとう」

 

 そんな話をしていると……

 

 

 

 

 『次は……お前たちだ』

 

 『っ!?』

 

 突然、目の前の画面にジットが映し出された。

 

 『さぁ……神殺しゲームの、最終戦を行おうか……!』

 

 「最終戦……?」

 

 「っ……」

 

 あかねがそう呟くと、ジットは続けて……

 

 『明日の正午……この場所でギャーゴが待っている』

 

 カミキが……?あいつ……まだハクアのことを……そして、画面に地図が映し出され……

 

 『そこで、最終戦の試合を行う……ギャーゴは、誰でも相手になると言っている。あぁ、フォルス…お前は必ずだ……まぁ、逃げはしないだろうがな………お前たちのバッドエンドを、楽しみしているぞ?』

 

 ジットがそう言った直後に、映像は切れたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「っ……何が最終戦だ……!」

 

 透さんがそんな言葉を零す。

 

 「どうやら、オーディエンスたちは僕たちのバッドエンドがお望みみたいだね……」

 

 「ちっ……ふざけた真似しやがって……!」

 

 道長さんは、運営に対して憤りを見せる。すると……

 

 「厄介なことになったみたいだね?」

 

 「っ!お前は……!」

 

 サロンへと来た墨田君が、僕たちにそう声を掛けてきた。その後ろには、姉さんもいた。

 

 「何で……ここに……?」

 

 兄さんがそう訊くと……

 

 「僕もエントリーさせてもらったんだよ………負けっぱなしは嫌なんでね……」

 

 姉さんの方に目を向けながら、そう答えた。

 

 「それに、こっちについた方が叶えられるかと思ってな?」

 

 「あー……そういう……」

 

 「また、人類滅亡を願うのか?」

 

 透さんがそう訊くと……

 

 「何を言っている……出来たんだよ。それよりも叶えたいものが……」

 

 「!……そうか」

 

 ただ、善意だけで味方してくれているわけじゃないみたいだけど………でも……

 

 「まぁ……よろしく頼むよ?」

 

 「!……今だけな」

 

 「うん、それでいいよ」

 

 僕は墨田君に向かって、そう言うのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:あかね

 

 「それで……どうするんだ?」

 

 「?どうするって……?」 

 

 「誰が……あいつと戦うかだ」 

 

 アクア君がルビーちゃんの疑問に、そう答える。そうだ……ジットはカミキが『誰でも相手になる』と言ってたと口にした。それに『何人で』という指定もなかった……つまり、誰が戦っても、何人で来てもいい……という意味になる………それだけの自信がカミキにあるかは分からないけど……。

 

 すると……

 

 「あいつとは……僕だけで決着をつける」

 

 『っ!』

 

 ハクア君が一言、みんなにそう言ったのだ。

 

 「おい、それは――」

 

 「あっちの狙いは確実に僕だけだよ?なら……僕だけでやればいい」 

 

 ハクア君は、アクア君の言葉を遮ってそう言った。

 

 「だが、あっちにはまだ『神殺しの力』がある……」

 

 「君だけじゃ、流石に……」 

 

 道長さんと透さんも、ハクア君にそう言う。そして、私も……

 

 「せめて……誰か一人と一緒に戦った方が「ダメだ!!」っ!?」

 

 誰かと一緒に戦うように言ったけど、それを大声で否定されてしまう………ハクア君……もしかして……?

 

 「これは……僕がやらなきゃいけないことなんだ……!」

 

 そう言って、ハクア君はサロンを出ていってしまった。

 

 「っ……!」

 

 「あっ!あかねちゃん、さっきハクアが………うん?」

 

 アイさんが入ってきたけど、私はハクア君を優先して追いかけていくのだった……。 

 

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 「何か……あったの?」

 

 ハクアやあかねと入れ替わるように入ってきた母さんが、俺たちにそう訊いてきた。

 

 「っ……それは―――」

 

 俺たちは、カミキのことは伏せて『神殺しゲーム』の最終戦のことについて話した………すると、

 

 「ねぇ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 何か隠してることない?

 

 俺たちは母さんに、そう言われてしまう……。 

 

 「いや……何も「噓」っ!?」

 

 「例えば……

 

 

 

 

 

 

 

 

 戦う相手は誰なのか………とか?」

 

 「「……」」 

 

 微笑みながらそう言われ、俺たちは黙り込んでしまう………笑顔の圧が怖いんだが……。

 

 そして、しばらく沈黙した後……

 

 「……本当に、知りたいの?」

 

 ルビーが母さんにそう訊いた。

 

 「うん……それが、どんなことだったとしても……」

 

 母さんはさっきの表情から一転して、真剣にそう言ったのだ。

 

 「……分かった」

 

 「お兄ちゃん!?」

 

 ルビーは、俺の言葉に驚いていたが……

 

 「ルビー…私なら、大丈夫だから……そんなに心配しないで?」

 

 「!……うん」

 

 母さんにそう言われ、渋々納得した様子で頷いてくれた。そして……

 

 「ハクアが……戦おうとしているのは―――」

 

 母さんに、今まで隠してきたことを話すのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「……」

 

 あの後、サロンを出た僕はある場所へと来ていた。

 

 「懐かしいな……」

 

 ここは、『今ガチ』の最終回を撮影した場所だ。夜景が綺麗だから、あかねとデートでも何度かきたことのある思い出の場所だ。

 

 「明日だ……明日で……!」

 

 僕は一人で明日のことを考えていた……あの場では思わず大声を出してしまったが、元から僕一人で決着をつけるつもりだったことだ………早く世界を元に戻さないと、ジャマトにされた人たちも、助け出すことができない……。

 

 それに、カミキは僕を狙っている……関係のない人を巻き込むわけにはいかないんだ……!

 

 そんなことを思っていると……

 

 「こんなところにいたんだ?」

 

 「!……どうしたの?」 

 

 僕のところにあかねがやって来たのだ。

 

 「隣……いい?」

 

 「うん…もちろん」

 

 「ありがとう」

 

 そう言って、あかねは僕の隣に座った後、僕の手を握ってきて……

 

 「何度見ても、綺麗だね?」

 

 「……うん」

 

 景色を見ながら、そう言ったのだ。そして……

 

 「あの時、ああ言ったのってさ………私たちを巻き込まないためなんでしょ?」

 

 「っ……!」

 

 「ふふっ……その様子だと当たりみたいだね?」

 

 あかねに、僕の考えていることを言い当てられてしまう。

 

 「……凄いね……あかねは」

 

 「もう何年の付き合いだと思ってるの?このくらいは分かるよ」

 

 「……そうだね」

 

 「何で……そんなに一人でやろうとするの?」

 

 その質問に対して、僕は……

 

 「あいつは僕を狙ってきている……標的の僕だけでやれば、みんなを巻き込まずに済むって思ったからだよ……」

 

 そう、答えた……けど、

 

 「……本当は?」

 

 「えっ?」

 

 「それ以外にも理由……あるんでしょ?」

 

 「……」

 

 あかねにそう言われてしまう………そして……

 

 「……もう……嫌なんだ」

 

 「嫌って……?」

 

 「また……誰かを失うのが……」

 

 「……!」

 

 僕は正直にそう言ったのだ。今まで、僕は繰り返し転生して長く生きてきた分、多くの人に出会ってきた。でも、それと同時に……多くの別れも経験してきた。その中には、何者かに殺されたり……戦いの中で失ったりすることも、一度や二度ではなかった……。

 

 「あかねがカミキに攫われたって分かったとき………想像しちゃったんだ……もし、あかねまでいなくなったら……そう思うと……凄く、怖くなったんだ……」

 

 「っ……ハクア君……」

 

 カミキは危険だ……もしかしたら、誰かが殺されてしまうかもしれない………もう、母さんや母上のように、家族や仲間を失うわけには……!

 

 「そんなことになるくらいなら……僕の幸せなんて―――」

 

 「ダメだよ!!」

 

 「っ!?」

 

 あかねが急に大声を出してそう言ったのだ。周りに人はいないからいいけど………。

 

 「ハクア君だけが不幸になっちゃダメ!」  

 

 「あ…あかね……?」 

 

 「誰も失いたくないのは分かるよ………そうしないと、ハクア君の目指す世界を創ることができないのも……」

 

 「っ……」

 

 「けど……それは自分を傷つけてまで、創るものなの?ハクア君の幸せを……諦めなきゃいけないの?」

 

 「っ……それは……」

 

 「そんな世界……私は絶対に嫌だ……!」

 

 あかねは僕の左手を両手で握り、泣きながらそう言ったのだ。

 

 「……」

 

 その言葉に、僕は思わず黙り込んでしまう………あぁ……こんなにも僕は……。

 

 そして、涙を流し続けているあかねに向かって僕は……

 

 「……あかね?」 

 

 「っ……何?」

 

 「あかねはさ……どんな世界がいいの?」

 

 「……!」

 

 一言、そう訊いた。そして……

 

 「……私はね―――」

 

 「?あか―――!?

 

 突然、抱きしめながら僕の唇にキスをしてきたのだ………それから何秒かして、僕の顔から離れた後……

 

 「……こんな幸せな気持ちが……ずっと続く世界がいい」

 

 微笑みながら、そう言うのだった……それが……あかねの願い………か……。 

 

 「……分かった」

 

 「えっ?」

 

 「その願い……叶えるよ」

 

 「!……ハクア君も……一緒だからね?」

 

 「うん……もちろんだよ」 

 

 創世の神として、好きな人の願い一つ叶えられないなんてこと………あっちゃダメだからね。それに……もし許されるのなら、僕も………って、神様は僕自身か……。 

 

 「ハクア君……?」

 

 「!ごめん、少し考え事……」

 

 「……?」

 

 僕の言葉に、あかねは首を傾げる。

 

 「でも……誰と一緒にやれば……」 

 

 僕はそう呟いた。誰と一緒に戦うにしても、巻き込むことになってしまう……それなら、少しでも強い人の方がいいだろう。すると、それを訊いたあかねが……

 

 「あ、それならもう決まってると思うよ?」

 

 「えっ?」 

 

 「さぁ、帰ろう?アイさんから、今日はぜひ食べに来てねって言われてるから」

 

 「う、うん……」 

 

 僕は少し戸惑いながらも、家へと帰っていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:カミキ

 

 「……明日だ……明日で……!」 

 

 カミキは明日に向けて、気持ちを高ぶらせていた。すると……

 

 「その通りだ。明日を……フォルスの命日にしろ

 

 「言われなくても、そのつもりだよ?」

 

 ジットに後ろから声を掛けられ、カミキ自身もそう答えるのだった。 

 

 「一つ、訊いてもいいか?」

 

 「何だい?」

 

 「何で……フォルスだけにしなかったんだ?フォルス一人にそれ(・・)を使うなら、簡単に終わるだろう?」

 

 ケケラがカミキの持つブラックカードとレーザーレイズライザーを指しながら、そう質問した。それに対して……

 

 「確かに、君の言う通りだろう………だが、もし他の子も来れば……その子たちも殺すことが出来る。それに……」

 

 「……それに?」

 

 「オーディエンスたちにとっては、その方が面白いんじゃないのかい?」

 

 カミキはそう返すのだった。

 

 「アハハハ!いいじゃないそれ……!」

 

 「確かに……それはそれで笑えそうだな……!」

 

 そんな話をしていると……

 

 「何で……何で貴方は、自分の子供を……ハクア様を平然と殺そうとするのですか……?」

 

 拘束されているツムリが、そう言ってきたのだ。すると、カミキは……

 

 「単純な話さ……それが、僕の願いだからだよ」 

 

 「自分の子供を不幸にしても……ですか?」

 

 「……?」

 

 「親というのは、子供を愛するものではないのですか……子供の幸せを願うものではないのですか……?」

 

 今までツムリは、デザグラのナビゲーターをしている中で、家族の幸せを願うライダーたちを何人も見てきた………ハクアはもちろん、アクアとルビーもそんなライダーたちの一人だろう。だからこそ、今のカミキの行動の意味を理解することが出来なかったのだ……。

 

 「確かに、あの子は僕の子供だ。だが、芸能界やデザイアグランプリで成長していくにつれて、価値ある存在になった………ついには、創世の神にまでなった。こんな存在を……殺さない選択肢はないだろう?」

 

 「っ……そんなの……狂ってる……!」

 

 「あと、全ての親が自分の子供を愛しているわけじゃないんだよ?」

 

 「っ……そんな……!」

 

 ツムリは、カミキの言葉を聞いてショックを受けてしまう。そして、ハクアやその家族ばかりに不幸が続いてしまうことに……一筋の涙を流した。

 

 「っ!」

 

 その涙が床へと落ちてしまう前に、ジットがそれを掴み取る。それは手の中で、水晶のように固まっていった。

 

 「お前はここで……神殺しの瞬間を観ていればいい」

 

 「……」

 

 そして、遂にその日を迎えるのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:アイ

 

 私は、ハクアとアクア、ルビー、あかねちゃんたちと一緒に、最終戦が行われる場所へと向かっていた。その先頭を歩くのは、ハクアと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのお兄ちゃんであるアクアだ。最終戦では、ハクアとアクアが一緒に戦うことになった……というのも、昨日……

 

 

 

 

 

 『ハクア』

 

 『?……何?』

 

 『俺の願い……一つ叶えてくれないか?』

 

 『……願いって?』

 

 『俺も一緒に、戦わせてほしい』

 

 『……いいの?』 

 

 『とっくに……覚悟はできてる』

 

 『……分かった。叶えるよ……その願い』

 

 

 

 

 

 どうやら、あかねちゃんの説得は成功したようで……ハクアはアクアと一緒に戦うことにしたのだった。そして、アクアが一緒に戦うことになった肝心の理由だけど……

 

  

 

 

 

 『結構前になるけど……ジャマトの迷宮で戦った時あったじゃん?』

 

 『あぁ……あの時の……』

 

 『あー…あれか……』

 

 『うん、ママも見たと思うけど、その時のハクアとアクアのコンビネーション……あれなら……!』

 

 『なるほどな……』 

 

 『それに、今のフォルスの動きに付いていけるのは……シリウスしかいないだろうな……』

 

 『……分かった。俺がハクアと一緒に戦う……それでいいか?』

 

 

 

 

 

 ルビーの提案とアクアのその言葉に、ほとんどの人が頷いたことでアクアに決まったのだ……理由は納得はできるけど…母親としては、自分の子供が二人も戦うことになるなんて………どうしても、不安になってしまう……。

 

 そして……

 

 「!……来たようだね?」 

 

 私たちの前に、ヒカル君が現れた。アクアとルビーたちから聞いていたけど……本当に、ヒカル君が……!

 

 「おや?久し振りだね……アイ」

 

 「ヒカル君……」

 

 ヒカル君が私に向かって声を掛けてきた……。

 

 「こうして君と再会できるとは、思ってなかったよ」

 

 「私も……こんな風にまた会うとは思わなかったよ?」

 

 私はヒカル君に向けて、冷たくそう言い放った。すると……

 

 「話はもういいでしょ?」 

 

 「……さっさとやろうか?」

 

 「「DESIRE DRIVER」」

 

 ハクアとアクアがそう言いながら、ドライバーを装着した。

 

 「へぇ……二人が来るのか………うん、そうだね。始めようか……!

 

 ヒカル君も黒いカードを取り出し……

 

 「あれは……?」

 

 「なるほど……あれがあるから、この勝負を……」

 

 それを何かに入れてから、銃の持ち手のようなものにセットした。

 

 GYAGO SET

 

そして、合体させた銃を前に出してから引き金を引いて……

 

 LASER ON

 

 GODKILLER GYAGO

 

 READY FIGHT

 

 黒い霧と黒いツタのようなものに包まれながら、全身がまるでジャマトのような鎧をつけた姿へと変身したのだ……その姿を見ると、殺気?のようなものがこちらにまできていて………私は、得体の知れない恐ろしさを感じた……でも、

 

 「「「……」」」 

 

 私たちの前に立つハクアやアクア、隣にいるルビーは動じることなく、ヒカル君を見据えていた……あかねちゃんも怖がるような表情をしていたけど、すぐに戻してヒカル君を見据えていた……そうだ、私も見届けないと……この戦いを……! 

 

 その後、私とルビー、あかねちゃんが後ろに下がってから……

 

 「……行くよ」

 

 「……あぁ」

 

 X BOOST

 

 SET IGNITE

 

 SET AVENGE

 

 「「……変身!」」

 

 「REVOLVE ON」

 

 DAYBREAK BOOST

 

 BLACK GENERAL

 

 FALSE X

 

 BUJIN SWORD

 

 二人は変身して、それぞれの武器を構える………そして……

 

 「「READY FIGHT」」

 

 「「「ハァァァーー!!」」」

 

 戦いが、始まっていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 デザイアグランプリルール

 

 

 創世の神が死亡した場合、

 

 この世界はバッドエンドへと向かう。

 

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございました。

 遂に、カミキとハクアたちとの最終戦が始まりました。神殺しの力を持つカミキに、二人は勝つことができるのか……そして、無事にツムリも助け出すことができるのか……。

 本当は一話で決着まで書きたかったのですが、長くなったので次回で決着をつけさせます。
 

 良ければ、感想や評価、あれば「ここすき」の投票もよろしくお願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。
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