女神の子   作:アキ1113

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 今回は、ハクアが世界を創り変えた後から書いていきたいと思います。

 そして、そんな中で透と道長は……?

 それでは、どうぞご覧ください。


新世Ⅸ:針鼠と牛への愛憎

 side:あかね

 

 「世界は……創り変わったの……?」

 

 ハクア君が世界を創り変えた後、私とアクア君はギリシャの遺跡にありそうな柱が立ち並ぶ、広い空間にいた。

 

 「それに……ここって……?」

 

 「!あかね……あれ……」

 

 「?……あっ!」

 

 そして、アクア君が目を向けた先に私も目を向けると、そこには一人佇むハクア君がいたのだ。

 

 「ハクア君……ここって……?」

 

 「僕たちの強い願いで………世界を創り変えることができた……」

 

 「……!」

 

 「じゃあ……!」

 

 「うん、知恵の樹もある元の世界に戻って―――」

 

 そう言いながら、ハクア君は私たちの方に歩いてきた………けど、

 

 「っ!?」

 

 突然、ハクア君の腕に有刺鉄線が巻き付き……

 

 「っ……!」

 

 「ハクア!?」

 

 「ハクア君!?」

 

 そのまま、ハクア君の身体中に巻き付いて拘束してしまったのだ。私たちはすぐさま駆け寄って、ハクア君を助け出そうとするが……

 

 「来ちゃダメだ!」

 

 「「!?」」

 

 ハクア君自身にそう言われて、足を止めてしまう……。

 

 「やっぱり……こうなったか……」

 

 「え……?」

 

 「……どういうことなんだ?」

 

 やっぱりって……ハクア君はこうなることを……?

 

 「どうやら僕は……完全な創世の神に近づいているみたいなんだ」 

 

 「「……!」」

 

 ハクア君が……完全な創世の神に……?

 

 「お前……完全にって……」

 

 「ねぇ……もし、完全な創世の神になったら………ハクア君は……どうなるの?」

 

 私は、最悪の可能性を思い浮かべながら………恐る恐るそう訊いた。

 

 「うん……自分の意志が消滅して………そのまま、母さんと同じようになるだろうね

 

 「っ……!」

 

 「俺たちとも………会えなくなるのか?」

 

 「……うん」

 

 「そんな……」

 

 このままじゃ……ハクア君は………!

 

 

 

 

 

 

 side:ルビー

 

 「ん……私は……?」

 

 「あ!起きたよ!」

 

 「おはよう、ツムリちゃん!」

 

 ハクアとお兄ちゃん、そしてお義姉ちゃんが世界が創り変えられたと同時に何処かへ消えてしまった後、その場に倒れてしまったツムリさんを連れて、私たちはサロンまで戻ってきていた。

 

 「あの後、どうなって……?」

 

 「ハクアが世界を創り変えたんだよ」

 

 「!ウィンさん……」

 

 「おはよう、ツムちゃん。目を覚ましたようで何よりだ」

 

 そこにウィンさんもやって来て、ハクアが世界を創り変えたことを話した………すると、ツムリさんは周りを見渡して……

 

 「そう言えば………ハクア様たちは?」

 

 ハクアたちを探しながらそう訊いてきたのだ。

 

 「っ……ハクアたちは―――」

 

 私たちは、ハクアが何処かに消えてしまったことを伝えた。

 

 「そう……ですか……」 

 

 「無事だとは思うが……」

 

 「みんな……」

 

 ツムリさんを含めて、みんながハクアたちのことを心配していると……

 

 「!起きたか」

 

 ちょうどよく、道長さんと透さんがやって来たのだ。そして……

 

 「あの場所に行く………誰か一緒に来てほしい」

 

 「分かった。私が行くよ」

 

 そう言われて、私が一緒に例の場所へと向かうのだった……。

 

 

 

 

 

 side:ジット

 

 「さてと……神殺しの力に、創世の女神まで失った訳だが………これからどうするつもりだ、ジット」

 

 デザイアグランプの運営の拠点となっている建物で、ケケラがジットにそう訊いた。

 

 「失ったなら……またデザインすればいい」

 

 「?それは……?」

 

 ジットはツムリが涙を流したときに取った結晶を取り出し……

 

 「女神の結晶だ……こいつで……!」

 

 ドライバーに自身の指紋を認証させて、その結晶にドライバーからの光を当てた。すると……

 

 「!あんたは……!?」

 

 「マジか……!」

 

 その結晶は人の形へと変化していき………黒い服装をしたツムリへとデザインされたのだ。

 

 「私は、ナビゲーターのツムリです」

 

 「……あの子に比べて、随分と無表情ね?」

 

 「そりゃあ……生まれたばかりだからだろ?」

 

 「この世界は想定外の変化を遂げた。ツムリ……オーディエンスたちの願いを宿して覚醒しろ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 破壊の女神として

 

 「かしこまりました」

 

 そして……

 

 

 

 

 

 

 「古代人たちに告ぐ……我々は、遥か未来からこの時代に訪れた存在だ」

 

 ジットは、大型のモニターなどを通して、この時代の人々に向かって話し始めた。

 

 「これより、この世界を破滅へと導く……究極のリアリティーショーを始める……!」

 

 ジットはそう言って、この時代の人類に宣戦布告するのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 「っ!」

 

 「ハクア君……?」

 

 「どうかしたのか?」

 

 俺たちは、拘束されているハクアの様子が変わったのを見て、何かあったのかと思って訊いてみたのだが……

 

 「……ジットが人類に宣戦布告した」

 

 「「!?」」

 

 「バッドエンドゲームが……始まる……!」

 

 その口から出てきたのは、予想を上回る言葉だった。

 

 「何だよ……それ……」

 

 「バッドエンドゲームって……何でそんなことを……」

 

 俺とあかねが、そう言葉を零すがハクアは……

 

 「どんな脅威だとしても……僕たちは、立ち向かうだけだよ」

 

 「「……!」」

 

 強い意志を宿した目で、そう言うのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:大智

 

 「元に戻っている……それに、記憶も……!」

 

 世界が創り変えられた後、大智は知恵の樹のある場所へと来ていた。そこには、元の状態へと戻った知恵の樹があった。

 

 「本当にやってしまうとはね……恐ろしい奴だよ……」

 

 ハクアのことをそう言っていると……

 

 「良かったわね~?あんたが一番輝いていた世界に戻って?」

 

 そこに、拍手をしながらベロバとケケラの二人がやって来たのだ。

 

 「っ……君たちがここに何の用だ?」

 

 「それを貰いにきたのよ?この世界を破滅へと導くためにね?アハハハ!」

 

 そう、バッドエンドゲームを進めるためには、知恵の樹が必要なようで……ベロバとケケラはそのためにこの場所に来ていたのだ。 

 

 「ふざけるな!これは僕の発明だ……そう簡単に渡すとでも?」

 

 もちろん、大智が自身の発明を渡すことをしないのは、二人は分かっていて……

 

 「仕方ない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 バッドエンドゲームのために、消えてもらおうか?

 

 KEKERA SET

 

 BEROBA SET

 

 「「LASER ON」」

 

 PREMIUM KEKERA LOADING

 

 PREMIUM BEROBA LOADING

 

 「「READY FIGHT」」

 

 ブラックカードを使った形態へと変わり、大智へと襲い掛かったのだ。

 

 「「ハァ!」」

 

 「ぐあっ!?」

 

 大智は攻撃を避けつつ、逃げていくが……

 

 「うわっ!?」

 

 ジャマトへと変化する力が完全に戻っていないのか、生身の身体に段々と攻撃を加えられ、追い詰められていく。

 

 「あら?鬼ごっこは終わりかしら?」

 

 「っ……何なんだ……バッドエンドゲームというのは……」

 

 「バッドエンドゲームは、この世界を破滅へと導くために俺たちオーディエンスが直接参加することの出来るゲームさ……!」

 

 「あんたは用済みよ?だから……さっさと済ませましょうか?」

 

 「「FINISH MODE」」

 

 「っ!?」

 

 「「LASER VICTORY」」

 

 ベロバとケケラが、大智にとどめの攻撃を放つ。それは大智に当たって、爆発を起こした………かに見えたが……

 

 「「っ!?」」

 

 「君たちは……何で……?」

 

 その攻撃はレイピアによって防がれており、そこにはファンタジーフォームに変身したルビーと、ゾンビフォームに変身した透と道長が立っていたのだった。

 

 「あなたが死んじゃったら、助ける方法が分からないからね」

 

 「お前を許したわけじゃないことは忘れるな」

 

 「そこで大人しくしていろ」

 

 そう言って、三人はベロバとケケラへと向かっていく。

 

 「やぁ!はぁ!」

 

 「くっ……厄介ね……!」

 

 「フッ!ハァ!」

 

 「オラァ!」

 

 「ちっ……邪魔すんなよ……!」

 

 ルビーはファンタジーバックルの能力を駆使しながら、透と道長はゾンビブレイカーで攻撃を加えていく。そして……

 

 「こいつらの相手してる暇ないよ!」

 

 「あぁ……こいつを連れて一旦退くぞ」

 

 「了解……!」

 

 「「POISON CHARGE」」

 

 透と道長は武器のカバーをスライドさせ、エネルギーを貯めた。

 

 「「TACTICAL BREAK」」

 

 そのまま、ルビーの背後から一直線に攻撃を放っていく。このまま行けば、ルビーへと攻撃が当たってしまう……が、

 

 「っ……」 

 

 ルビーは自身の体に、二人の攻撃をすり抜けさせた。

 

 「「っ!?」」

 

 そのまま攻撃はベロバとケケラへと飛んでいき、見事に命中したのだ。その隙に、ルビーたちは煙に紛れて大智を連れていき……

 

 「ちっ……やってくれたわね」

 

 「まぁ、いいじゃねぇか?知恵の樹……だったか?それはありがたく利用できるんだからよ?」

 

 撤退することに成功したのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:ベロバ

 

 透たちによって、大智を始末することが出来なかった二人は、黒いツムリと共に知恵の樹の前へと来ていた。

 

 「あなたの願いは何ですか?」

 

 「大勢の人間をジャマトの肥料にして、とびっきりのジャマトへと成長させるのよ………破滅を招く、世界樹としてね?」

 

 ベロバは黒ツムリに向かって、自身の願いを言った。そして……

 

 「では……願いを叶えるために、あなたのギラギラを頂戴します」

 

 「……好きになさい」

 

 黒ツムリが手を差し出すと、ベロバはその手を掴み握手をした。すると、ベロバのギラギラが黒ツムリへと流れていく……。

 

 「では、祈りましょう………ベロバ様の願いを叶えるために」

 

 「しっかし、肥料は大分あるようだな………こいつらには、世界の破滅のために消えてもらうとするか」

 

 「アハハハ!ゾクゾクするわ~!」

 

  

 

 

 

 

 side:透

 

 俺たちは、襲われていたナッジスパロウを連れて、サロンへと戻ってきていた。

 

 「ベロバとケケラの相手を同時にするのは、命懸けだ………それにしても……君たちに助けられるとはね……」

 

 そのナッジスパロウはというと、ルビーちゃんに怪我の手当てをされていた。

 

 「ベロバとケケラは、バッドエンドゲームによって世界を破滅へと導くつもりだ……」

 

 「だとしても……やる事は変わらない」

 

 「あぁ……相手が誰であろうと………ぶっ潰すだけだ……!」

 

 俺たちは、ベロバたちのいる場所へと行こうとするが…… 

 

 「ちょ、待ってよ!いくら何でも二人だけじゃ……」

 

 ルビーちゃんに止められてしまう……。

 

 「これは……俺たちが引き起こしたことだ」

 

 「だから………ケジメはつけるよ」

 

 「っ!だったら私も一緒に―――」

 

 「来るな!」

 

 「っ!?」

 

 ルビーちゃんも俺たちと一緒に行こうとするが、道長がそれを止める。そして……

 

 「気持ちだけもらっておくよ………でも、これは俺たちの問題だ」

 

 俺はそう言い残して、道長と共にベロバたちのいる場所へと向かうのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 「兄さん……透さんと道長さんのところに行って」

 

 「え?」

 

 「行けって……何かあったのか……?」

 

 急にハクアにそう言われて、俺たちは戸惑ってしまう。

 

 「その二人が、ベロバたちのいるところに向かっている………自分の幸せを捨てて、命を懸けてまで……みんなを救おうとしている」

 

 「「!?」」

 

 あの二人……ベロバと決着をつけようと……!

 

 「さぁ、早く……!」 

 

 「でも……ハクアは……!」

 

 この状態のハクアを置いていけるはずもなく、俺はそう言ったのだが……

 

 「これは、兄さんにしか頼めない……誰もが幸せになれる世界には、みんながいないと意味がない………だから、頼むよ」

 

 「……!」

 

 ハクアにそう返されてしまう。すると……

 

 「あかねも、ここから離れて」

 

 「え……?」

 

 あかねにも、ここから出るように言ったのだ。

 

 「な、何で……?」

 

 「ここにはジットも来るかもしれない……そうなったら、今の僕じゃどうすることもできない」

 

 「「……」」

 

 「だから、あかねも戻って………大丈夫、僕もこれを何とかして戻るから……ね?」

 

 あかねは、悲しそうな表情をしながらも…… 

 

 「っ……分かった。けど……必ず、戻ってきてね?」

 

 「うん……約束だ」

 

 「!……うん」

 

 ハクアとあかねは互いに微笑みながら、そう言った。そして、俺は透さんと道長さんのところへ……あかねは自分に出来ることをするために、サロンへと戻っていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:透

 

 俺たちは、ベロバとケケラのいる場所へとたどり着いた。

 

 「この世界は、お前たちの遊び道具じゃない」

 

 「あら?いらっしゃい、二人共」

 

 そこには、知恵の樹の前で何かを話している二人がいたのだった。

 

 「お前の顔も見飽きた………ここで決着をつけるぞ」

 

 「あんたたち救世主気取り?似合わないことしちゃって……」 

 

 救世主……か……確かに、今の俺たちには似合わないな……

 

 「それで自分たちの罪が晴れるとでも?」

 

 さらに、ベロバにそう言われてしまう………が、

 

 「俺たちはなにも、許されようとは思ってるわけじゃない……」

 

 「俺たちは……俺たちのぶっ潰したい奴を、ぶっ潰すだけだ……!」

 

 俺たちは、そう言い返したのだ。そうだ……俺たちは……俺たちの好きにぶっ潰す。だから………今はこいつを……!

 

 「いい機会じゃねぇか?推しと同じ墓に入れるぞ?」

 

 「アハハ!……そんな趣味ないわよ

 

 「おっと……これは失礼……」

 

 ベロバとケケラがそんなやり取りをしていると……

 

 「俺たちと勝負しろ………ベロバ……!」

 

 「っ……」 

 

 道長がそう言うのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺たちは広い場所へと移動し、互いに向かい合った。そして……

 

 「「DESIRE DRIVER」」

 

 「LASER RAISE RISER」

 

 「手加減なしで行くわよ……!」

 

 「BEROBA SET」

 

 「変身」

 

 「LASER ON」

 

 「BEROBA LOADING」

 

 「READY FIGHT」

 

 ベロバは、ブラックカードではなく通常のカードを使い、仮面ライダーへと変身したのだ。

 

 「へぇ……ベロバの奴、どうやら本気のようだな?」

 

 本気……か。なら……!

 

 「お前……それは……!」

 

 俺はゾンビゼロバックルを取り出して構えた。

 

 「あいつがデザインしたこいつで、終わらせてやるよ……!」

 

 「!……あぁ!」

 

 SET

 

 「SET」

 

 「「……変身!」」

 

 GRAB CRUSH OUT ZOMBIE

 

 「GRAB CRUSH OUT ZOMBIE」

 

 俺たちは、それぞれのバックルを使って変身すると同時に……

 

 POISON CHARGE

 

 「POISON CHARGE」

 

 武器についているカバーを足で蹴ることで下げた。そして……

 

 「「「ハァァァーー!!」」」

 

 TACTICAL BREAK

 

 「TACTICAL BREAK」

 

 互いに攻撃をぶつけ合うのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:ルビー

 

 「神山透…それに吾妻道長も、可哀想な人間だね?」

 

 「え……?」

 

 私がその言葉を疑問に思っているのを余所に、五十鈴大智は話し続ける……

 

 「誰もが幸せになれる世界を創ろうとしているのに……自分たちが不幸になる道へと進んでしまっている」

 

 「……不幸になんてならないよ」

 

 「これまで犯してきた罪が……彼らにもあるのに?」

 

 確かに、誰かを殺めてしまった罪は消えないだろう……けど、

 

 「ハクアが創ろうとしているのは……そんな世界じゃない………それに、私たちも同じ気持ちだから」

 

 「……」 

 

 私のそんな言葉に、五十鈴大智は黙り込んでしまうのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 side:透

 

 「ハァ!」

 

 戦い始めてから、ベロバは上から俺たちに向かって攻撃を放ってくる。それを俺たちは……

 

 「フッ!ハァ!」

 

 「っ!ハァ!」

 

 避けたり、武器で弾きながら足を止めることなく駆けていく。

 

 「ちっ……ちょこまかと……!」

 

 そして、ベロバのところまで接近し……

 

 「「ハァ!」」

 

 「っ!」

 

 上へと登っていきながら攻撃を仕掛けていく。

 

 「ハァ!」

 

 「オラァ!」

 

 「っ……ハァ!」

 

 「「ぐあっ!?」」

 

 だが、ベロバに中々ダメージは入らず、そのまま腕を払われることで吹き飛ばされてしまう。

 

 「あんたたち、他人のために命懸けで戦おうとして………案外ナルシストなのね?自分に酔っちゃって」

 

 「っ……黙れ!」

 

 「350歳にもなって、幼稚な遊びをしているよりは……ずっといいだろ!」

 

 そう言い返して、再び二人でベロバに攻撃を仕掛けていく。

 

 「っ……歳のことを………言うんじゃないよーー!!」

 

 「ハァ!」

 

 「オラァ!」

 

 俺たちはゾンビブレイカーで、ベロバは銃や頭の角で攻撃を加え合っていく………そして……

 

 「ハァ!!」

 

 「「ぐああああ!?」」

 

 俺たちはベロバの攻撃を食らい、地面を転がりながら吹き飛ばされてしまう。

 

 「今、ようやく分かったわ……」

 

 「あ?」

 

 「何がだ?」

 

 「あんたたちにとっての、最大の不幸………志を遂げることも出来ずに、無駄死にすることよ!

 

 無駄死に……か……。

 

 「力を求め続けたあんたらが、自分の無力さに絶望しながら息絶える……これ以上ない、最高の瞬間じゃない!」

 

 なるほど……確かにそれは不幸だ………けど……!

 

 「やれるもんなら………やってみろよ……!」

 

 「そう簡単に……倒れると思うなよ……!」

 

 俺たちは、ベロバを見据えながらそう言い返した。

 

 「っ!いいわよ……この手で推したちを葬って………ゾクゾクさせてもらおうじゃないの!!」

 

 ベロバは俺たちの言葉を聞いて、浮かせた岩をこちらへと撃ち込んでくる。そして……

 

 「例え死んでも……」

 

 「この命が尽きても……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「「お前をぶっ潰す!!」」

 

 飛んできた岩を斬りながら、俺たちは口をそろえてそう言った。

 

 「FINISH MODE」

 

 ベロバは銃のレバーを倒し、更に上へと浮かんでいく………それを見た俺たちは走りながら、バックルの鍵の部分を捻ってゾンビの手によって飛び上がる。

 

 「LASER VICTORY」

 

 ZOMBIE STRIKE

 

 「ZOMBIE STRIKE」

 

 「「「ハァァァーー!!」」」

 

 そのまま、ベロバと俺たちの技がぶつかり合う。

 

 「ハァァァーー!!」

 

 「「ぐっ……!」」

 

 俺たちはベロバの攻撃に耐えきれず、徐々に押されてしまっていた………が、

 

 「「っ……!」」

 

 「FEVER ZOMBIE ZERO

 

 「FEVER ZOMBIE」

 

 俺たちは残していたそれぞれの力を使い、姿をジャマ神の状態へと変えていく………そして……

 

 「HYPER ZOMBIE VICTORY

 

 「HYPER ZOMBIE VICTORY」

 

 「なっ!?」

 

 「「ハァァァーー!!」」

 

 「ああああああ!?」

 

 ベロバに勝利することができたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「うっ……」

 

 「「はぁ……はぁ……!」」

 

 ベロバはそのまま地面に叩き落とされて倒れており、俺たちも立ってはいたものの満身創痍だった。 

 

 「まさか……持っていたとはね………『仮面ライダーをぶっ潰す力』と……『最強の仮面ライダーの力』を……」

 

 「「……」」

 

 「あんたたちが初めてよ………ここまで……私を……興奮させたのは……!」

 

 ベロバは、息も絶え絶えにそう言ったが……

 

 「ははっ……嬉しくはないな」

 

 「あぁ……何とも思わねぇな」

 

 俺たちは、そう言い返した。そして……

 

 「あんたらと……一緒の墓に………絶対……入ってやるんだから―――」

 

 「……そんなにゾクゾクしたいなら……一人で不幸になってろ……!」

 

 ベロバは最期までそう言いながら、消滅していったのだった……。 

 

 

 

 

 

 

 side:ケケラ

 

 ベロバが消滅する瞬間を見た黒ツムリは……

 

 「残念です。ベロバ様の願いは無効となりました」

 

 淡々とそう言いながら、ケケラと共に透と道長の方へと近づいていく。

 

 「これは……笑えねぇ結末だな?古代人の分際で、俺たちに盾突こうとはな……!」

 

 「ケケラ……!」

 

 「と……あれはツムリか……!?」

 

 透と道長は、目の前に現れた黒いツムリに驚いていた。

 

 「俺が……直接、始末してやるよ……!」

 

 「「っ!」」

 

 KEKERA SET

 

 ケケラはレーザーレイズライザーにライズカートリッジをセットして構え、引き金を引こうとした………その時、

 

 「やめろ!」

 

 「なっ!?」

 

 「ハァ!」

 

 「くっ!」

 

 そこにギリギリのところでアクアが現れ、ケケラの手からレーザーレイズライザーを蹴って落としたのだ。そして、すぐさまアクアは二人の下へと駆けていき……

 

 「おい、二人共大丈夫か!?」 

 

 「アクア君!?」

 

 「何で、お前がここに……?」

 

 何でアクアがここにいるのか疑問に思った二人がそう訊いてくるが……

 

 「おいおい、一体なにやってんだ?」

 

 「……?」

 

 「お前は本物の仮面ライダーだ……そいつは、お前が倒すべき存在だぞ?それに、フォルスと協力してあいつを倒しやがって……一体、どういうつもりだ?」

 

 ケケラはアクアに向かって、そう言ってきたが……

 

 「お前の思い通りになるかよ?それに、この二人は俺たちの仲間だ……倒すべき存在なわけないだろ?」

 

 「……お前をここまで育ててやったのは、誰だと思ってやがる?思い上がってんじゃねぇぞ!!」

 

 「そもそも……『本物の仮面ライダー』ってのは、お前の理想の押し付けだろ?」

 

 「……何っ?」

 

 「もう……お前の理想を演じる気はない」

 

 「っ……そうか………なら、とっておきのバッドエンドゲームでお前を葬ってやる………覚悟しとけよ?」

 

 「……」

 

 そう言い残して、ケケラは黒ツムリと共にこの場から去っていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 side:アクア

 

 ケケラと黒いツムリが俺たちのところから去っていき、透さんと道長さん、後から合流したルビーと五十鈴大智と一緒に、知恵の樹の前へと来ていた。

 

 「おい、さっさと方法を教えろ」

 

 「……仕方ないか……これは、ジャマトの侵食を抑える血清「よこせ」……」

 

 俺は五十鈴大智の説明を最後まで聞くことなくそれを取って、すぐさま知恵の樹にかけた。すると……

 

 「っ……」

 

 「おっと……」

 

 かけた場所から、あの時にジャマトとなって倒された人が出てきたのだ。これで……ジャマトにされて倒された人を救うことができるだろう。

 

 「良かった……!」

 

 「……あぁ」

 

 「だな」

 

 ルビーたちもその様子を見ながら、そんなやり取りをしていた。

 

 「おい、あるだけ全部よこせ」

 

 「分かってるよ……ほら」

 

 そして、追加の血清も使って全員を助け出すことができたのだった……。

 

 

 

 

 

 side:ハクア

 

 「!……良かった。これで、みんな助かる……」

 

 透さんと道長さんがベロバを倒し、兄さんが五十鈴大智が持っていた血清を知恵の樹にかけたことにより、ジャマトにされた人々が助け出されていく………これで、パラサイトゲームは本当に終結したと言ってもいいだろう………そんなことを考えていると……

 

 「―――!?」

 

 突然、右手が固まったような感じがしたのだ。そして、右手に目を向けてみると……

 

 「っ……やっぱりか………」

 

 文字通り、右手の方から石像のように少しずつ固まっていたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 デザイアグランプリルール

 

 

 創世の力を宿した者は、

 

 いずれ意志が消滅する。

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございます。

 遂に、透と道長がベロバとの決着をつけ、ジャマトにされた人々も助け出すことが出来ました………が、ハクアが徐々に……。

 良ければ、感想や評価、あれば「ここすき」の投票の方もよろしくお願いします。

 それでは、次回もよろしくお願いします。
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