魔法少女まどか☆マギカ〜2人の救世主〜 作:SS好きのヨーソロー
オリバーたちとの会議を終え、俺は元の世界へと帰ってきた。
ここは見滝原市。いわゆる地方都市と呼ばれる街だが近年は都市開発にかなり力が入っており、最新技術も遺憾無く組み込まれており、近未来型都市である。
当然、魔法とは無縁な街だ。
「・・・魔法はいいものだが、むやみやたらにあっていいものじゃない、しな」
それに、この感じる魔力は何か嫌だ。
自身の語彙力のなさを痛感するが、本当に不快感だけを感じる。
やれやれ、と頭をかきながらも俺は部屋の引き出しからとあるものを取り出す。
魔法指南書マジックマスターと魔法の杖<ラビリンス>だ。
このラビリンスは母親の愛用の武器だった。
迷い・・・か。母親が模索した結果、残してくれたこのラビリンス、活かしてみせようと目を見開くと鞄にマジックマスターと共に仕舞い込む。
シャワーを浴び、朝食を食べている最中テレビでのニュースを見てついため息が漏れる。
最近の怪奇事件についてだ。
人が次々に消えるという、見つかってもそこには惨たらしい死体があるというのだ。
その死体と共に、行方不明者も増加しているという話がある。
確か・・・共通は皆学生だったか?
魔法が関連していると考えた方が良いだろうか。
少なくとも以前ジャイロが話していた謎の死体はおそらくこのことに関係しているだろう。
パンを齧り、コーヒーで流し込むと食器を洗う。
洗い終え、鞄を取って制服を着るとそのまま家を出た。
見滝原中学校という自分の通う中学校に歩いていると、声をかけられた。
「あ、おーい!中沢くーん!」
「おいーっす、おはよう中沢ー!」
「おはようございます、中沢さん」
1番最初から鹿目まどか、美樹さやか、志筑仁美、全て俺のクラスメートだ。
「ん、おぉ。おはよう鹿目、美樹、志筑」
「うん、おはよう!」
「・・・お、鹿目、そのリボン」
よく見ると、鹿目の髪は綺麗な赤いリボンで結ばれていた。
「え、あ、うん・・・変かな?」
気恥ずかしそうに聞く鹿目。正直に答えていいものか悩むが、美樹たちも理解してくれるだろう。
「いや、すごく似合ってる、可愛いと思うぞ。
うちの隠れ鹿目ファンが黙っちゃねえな」
「え、えぇ!?お母さんと同じこと言ってるよぉ!」
「そうなのか?お前のお母さんとは話が合いそうだ」
「中沢が言うから間違いないってー!自信持ちなよ!」
「そうそう。事実ここの3人組は結構評価高いぜ?
その分俺の評価がやばいがな・・・」
そう、3人とも美人だ。つまり必然的に絡んでる俺に対する殺意がすごい。あいつら目つき超怖え
「・・・もしかして、迷惑だったりする?」
「あー、なわけねえだろ。事実こう話してるのは楽しいんだ。・・・逆に3人はいいのかよ?」
「うん、なんか中沢くんは話しやすいって言うか」
「あ、わかるわかる。絡みやすいわよねー」
「ええ、勉学でもお世話になってますし・・・」
「・・・おぉ。まあ嫌がられてねえならいいわ」
つい照れくさそうに頬をかく。
その後、3人と共に登校する。
席に着くと、案の定揶揄われた。
「おいおい中沢ー、朝っぱらから羨ましいぞー?」
「そーだそーだ、羨ましいぞー!」
「うるせえなお前ら、羨ましいも何もそんな関係じゃねーっての。釣り合わなすぎて土下座するぞてめえ」
「おぉう、自虐もそこまで行くともはや恐怖だな」
「清々しいほどだな・・・」
なんてことない会話をする。
「あとなぁお前ら。・・・逆に俺は同情して欲しいね」
そう言うと、ドアが開かれ先生が来る。
すんごい不機嫌そうに。
「はい皆さん席についてー!
・・・さて、目玉焼きはかた焼き派ですか半熟派ですか!はい中沢くん!!」
察したかのようにあいつらから、と言うかほとんどのやつらから同情される。
またかよこれ、またなのかよ。とりあえず答えるか。
「え、えぇ?・・・えーっと、そんなんどっちでもいいんじゃないんすかね・・・つかあれっす、男は出されたもん喜んで食えと言うかなんと言うか」
「そう、そう!その通りです中沢くん!解答も完璧です!皆さんも文句を言う男はやめましょう!中沢くんのようなことを言いましょう!!」
「朝っぱらから大声で名前連呼すんのやめてもらえますかねぇ!?」
「あ、それと転校生が来ていますよ!」
「ねえ待って早乙女先生!そっちが先!そっちが先!」
「うるさいですねぇ中沢くん」
「誰のせいだと思ってんだよマジで・・・・・・!!」
がっくし、と項垂れる。
ほんと、毎回この流れだ。不憫すぎてままならんぞ俺。
まあ、三ヶ月保ったならまだマシか?
・・・最初の方、すごい楽しそうだったよなぁ。なんて思い出してしまった。
そう考えていると、向こうから転校生が入ってくる。
長い黒髪にすらりとした体型。
そう、めちゃくちゃ美少女だった。
「では、自己紹介をお願いします」
「はい。・・・暁美ほむらです。どうかよろしく」
淡々と言い退けた彼女。
確かにぶっきらぼうな部分もあるが、それもまた魅力的に思えてしまう。
「彼女は元々心臓に病気を抱いていたようです。皆さん何かあれば手助けしてあげましょうね!
席は・・・そうですね、中沢くんの横で」
おぉう、俺の横かい。
「こっちです」
手を挙げると、本人が横へ来た。
「初めまして、俺は中沢和人だ。・・・心臓に病気があると聞いたが、今は大丈夫なのか?」
「ええ、治ったから学校に通えるようになったの」
「そうか、何かあればぜひ声をかけて欲しい。俺もこのクラスの奴らもいい奴が多いからな。
あと、体調が悪くなったら・・・あそこのピンク髪の美少女、彼女が保健委員の鹿目まどかだ。彼女に声をかけるといい」
「美少女って・・・・・・」
「おっと、すまんすまん。・・・本人には言わんでくれよ?なんて言われるかわからんからな」
「彼女はそんなこと言わないでしょう」
さも当然、と言うふうに言う彼女につい驚く。
「・・・何かしら」
「あ、いや。・・・まるで知ったように言っていたからさ」
俺がそう言うと目を見開いた、怖い怖い。
「・・・それがどうかしたかしら」
「ん?あぁ、いや。君はすごいなと思ってな。彼女は確かに人一倍優しい。それを見ただけでわかるなんて君は人を見る目があると思ってね、すごいなぁと・・・」
人を見る目というのは大切だ。なので素直にすごい、と思っていると彼女はファサッ、と髪を撫で別にそんなことはないわ、と言っていた。
その様子がなんだか可愛らしくて、つい微笑んでしまう
「・・・なによ」
「何もないさ、悪い悪い」
「あら、中沢くん?ダメですよ唾つけたら」
「だから教師がいっちゃいけねえ単語言ってますから!違うから!
おい待てお前ら!俺をやましいものを見る目で見るのやめろ!やめてくださいマジで!?」
ったく、なぜこう笑われることになる。
ちなみに休み時間では俺のことについて暁美さんが質問責めされてた。勘弁してくれよ・・・
「ま、まあまあ・・・みんな。暁美さんにも中沢くんにも悪いからやりすぎちゃダメだよぉ・・・」
「あ、ちょうどよかった鹿目さん。私、保健室に行きたいのだけれど・・・」
「あ、うん。送るね」
なんて一幕がありました。
「ありゃりゃー、振られちゃいました?」
「残念ながらまだ告白してすらないんだよなぁ。俺の知らん範疇で告白して振られてて草も生えないんだが」
「あっはっは、面白いことになってるねー中沢?」
「おい美樹、楽しんでるだろお前、すんごい楽しんでるだろお前・・・」
ほんと、堪えるぜ・・・。
やれやれ、と思いながらも昼休み、気分を変えて飯を食おうと屋上にやってきた。
ここで感じる風がまた気持ちの良いものなのだ。
弁当を食べながらゆっくり風を浴びる。
ここで背を伸ばし、床に倒れるのが気持ちいいのだ。
「っはー、いい眺めぇー・・・・・・えっ」
くはぁ、と背を伸ばし床に倒れる。けどそこにあったのは青白い綺麗な空ではなく・・・パンツだった。
は?パンツ?白?なんで?足?ホワッツ?
「キャアァァァァァ!?!?!?」
「うわぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」
反射的にバッと起き上がる。
後ろを振り返るとそこにいたのは黄色い髪のすげえおっぱいがでかい人。
と言うか、服装を見た限り先輩だ。
「え、えとその・・・あの・・・」
「え、えっち!!」
パァァンッ!!とすごい破裂音と共に頬に衝撃が来ました。
これ、ちゃうんす先輩。不可抗力なんす・・・・・・
不幸だ・・・と項垂れながら飯を食いましたとさ。
「・・・な、中沢。何があったの?」
思わず美樹が声をかけるくらい頬が赤くなってる。
事故なんだ、これは・・・これは事故なんだ。
「・・・ハハッ、サボテンの花が花をつけている」
「中沢ー!?!?」
「っはははは!!パンツ見てビンタされたって!何それ、ちょっと中沢・・・そりゃないわ!!www」
ゲラゲラゲラとすごい楽しそうに笑う女が目の前にいますよ、うん。
「ふ、ふふ・・・確かにそれは、事故ですわね・・・」
「ち、ちょっと二人共・・・ふ、ふふ・・・笑っちゃ、悪いよ・・・ふふふっ」
いや待て。待て鹿目、お前も笑ってるから。みんな笑ってるから。
美樹にガチ心配されてファーストフード店に寄り道し、説明すると3人笑ってます。泣くぞ、本気で泣くぞこら
「仕方がないだろ・・・見るつもりなかったんだ。屋上で寝転がろうとしたらまさか目の前にパンツがあるとは思わんだろ普通。女の人のガチビンタは痛えってことをよく学んだよ・・・」
これはオリバーに教えないといけないなぁ。
「ったく、これから怖いわねー?」
「本当だよ、見た感じすげー綺麗な先輩だったし、彼氏さんとかいそうだから俺殺されそうなんだけど」
「葬式何がいい?」
「おい待て殺そうとすんな。・・・コーラは欲しいな」
「あんた本当コーラ好きだよねぇ」
「当たり前だろ、コーラは正義だ正義」
「へーへーそーですかー。あ、ねえねえ。まどか、なんか言いたいことあるんじゃなかった?」
「あ、うん。・・・あの子、夢の中であったような気がして」
「あはははは!こっちは電波少女か!?」
ほんと楽しそうだね君。
しかし・・・夢、か。
具体的に話す彼女の会話を聞き、俺はつい目を見開く。
崩壊するビル、変わった格好。
まさか・・・まさか、魔法が関係しているのか?
いや、しかし夢と言っていたか。
・・・オリバーも俺も、似た経験をしている。アリシアと母が、そしてジャボーが出てきた夢を見たことがあるはずだ。
つまり何かしらのメッセージがある?
彼女が何かしらに巻き込まれる・・・かもしれない、ってことか?
「・・・わ・・・ざわ・・・中沢!」
「うぉっ!?み、美樹・・・どうした?」
「どうした、じゃないよ。仁美が稽古で帰るから、あたしらもそろそろ行くわよ!」
「あ、あぁ。そうか志筑、無理しすぎないようにな。頑張ってくれ」
「ええ、ありがとうございます。では失礼しますね」
と言うわけで志筑が帰宅、俺たちはCDを見に行くことになった。
と言っても上条への差し入れだから俺は特にやることもない。
あれこれを物色していると、突如鹿目たちが移動し始めた。
「あの二人・・・おいおい、あそこは立入禁止区域だぞ!?何をしてるんだ!」
まさか、と思い中に入っていく。
彼女らを追いかけるとそこで見た光景は何度も珍妙なものだった。
黒髪の少女・・・暁美ほむらが拳銃を持ち、動物を襲おうとしている光景、それを止めようとしている鹿目と美樹と言う光景に。
そして、もう一つ驚きなのは、彼女から感じる魔力だった・・・・・・