魔法少女まどか☆マギカ〜2人の救世主〜   作:SS好きのヨーソロー

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第一章 第三話 最初からやり直し

『中沢くん、魔法少女について具体的なことを教えるわ。この地点に来てちょうだい』

『ほむほむが住所を送信しました』

暁美さんからLINEが来た。というか名前ほむほむなんだ・・・可愛いなおい。

なんてくだらないことを考えながら家にたどり着く。

 

そのまま中に招かれたが・・・何だこれ???

 

白い空間に、ディスプレイが複数設置されている近未来的建物だ。

「・・・ゆっくりしていて。今、飲み物を入れてくるわ」

「わかった。・・・そうさせてもらう」

そのディスプレイに書かれてる情報を見ていると、奇妙なものを見つけた。

 

ワルプルギスの夜・・・?

巴先輩が話していた、魔女という存在だろうか?

「・・・それは、ワルプルギスの夜。

貴方も彼女から聞いたんじゃないの?魔女という存在について。・・・その魔女は・・・って、どうしたの!?」

「え、え?な、何だ?」

「何で泣いてるのよ!?」

「え?泣いて、いる?」

顔を拭うと確かに水気を感じる。

 

なぜだろう、なぜか泣いているのだ。

けれど、その涙は止まらない。

「・・・これは、何なんだ?」

次の瞬間、頭に映像が流れてくる。

 

激しく動き回る時計の針。

複数の映像。

 

三つ編みにメガネの暁美さんに、まだ見ぬ赤い髪の少女。

頭を食べられて死ぬ巴先輩。

魔女のようになり赤髪の少女と死ぬ美樹。

そして、終焉を告げるように吹き荒れる嵐。

佇む鹿目に、1人立ちすくむ暁美さん・・・・・・!!

 

何なんだ、何なんだこの記憶は!!

 

 

「・・・くん・・・ざわくん!・・・中沢くん!!」

暁美さんに揺らされながら、目を覚ますと俺はソファに寝かされていた。

「・・・暁美、さん」

「・・・急にどうしたのよ」

俺は、目の前の少女を抱きしめた。

「ちょっと、中沢くん!?」

「君は・・・君はずっと、1人で戦い続けてきたんだな」

ぽつり、ぽつりと声が漏れる。

「えっ・・・!?」

「断片的に、複数の記憶が頭に流れてきた。

・・・君がキュゥべえ・・・インキュベーターを殺そうとしている理由がよくわかったよ」

「・・・みたの?」

「・・・あぁ。モノには、人の記憶が結びつきやすいんだ。

この情報は君が今まで貯めていたモノだろう?

それを見たとき、君の記憶が頭に流れてきた。

通常はその記憶を見るためには魔法を使う必要がある、しかしそれすらもせずに記憶が頭に流れてくるということは、よほど強い意志、記憶が残っていたということ。

・・・永久にも似た時の中で君は1人、戦い続けたんだろう。その気持ち、計り知れない」

「・・・まさか、そんなことがあるなんて・・・貴方は本当にイレギュラーなのかもしれないわね」

「・・・君の記憶の中に、俺や俺の仲間が映ってなかった。

俺は魔導士だ。・・・しかし、君が体験してきた世界では俺は魔導士じゃないんだろう?」

「ええ、そうよ・・・」

「・・・・・・つまり、今回はイレギュラーであり・・・チャンスでもあるのか」

「ええ、否定はしないわ」

「・・・チャンス、か。役に立てないとな」

「・・・手伝って、くれるの?」

「君の記憶を見てしまった。・・・俺は苦しむ君の横で何までしなかったんだろう?でも今は、母さんに・・・賢者に、そして・・・漆黒の魔導士に託されたこの力がある。

俺には、俺のやるべきことをやりたい」

そういうと、目の前の少女は涙を流していた。

今まで誰にも理解されず、苦しんできたのだ。

 

その姿を見て、俺はこの子を守りたい・・・そう思えたのだった。

「・・・取り乱してしまったわ」

「気にしないでくれ。・・・とりあえず、君が伝えたい魔法少女のことはよくわかった。あとは俺の力も説明しないといけないな・・・キッチンを使ってもいいかな?」

「キッチン?」

「あぁ。調理魔法という魔法があってね、それで夕食を作ろうと思ったのさ。よかったら召し上がれ。味は保証するぜ」

「・・・そう、お願いするわ」

 

というわけで、キッチンにて調理魔法を用い、軽くカレーを作る。

「早いわね、本と杖、ルーンだけでできるのかしら」

「あぁ、このマジックマスターという本に書いているルーンを杖で描くことで使える。どうぞ」

「・・・いただきます」

恐る恐る食べる暁美さん。

一口食べると目を見開き、ガツガツ食べてくれる。

「あはは、気に入ってもらえてよかった・・・いただきます。

うん、我ながらマシな味になったな」

「んん、おかわりをもらえるかしら?」

「はいはーい、お任せあれ!」

久しぶりに、誰かと晩飯を食べた気がした。

「・・・美味しかったわ」

「よかったよかった。・・・"時よ戻れ"!」

そう述べると使った皿が一気に綺麗になる。というか使う前に戻る。

「・・・本当に便利ね」

「まあ、この時よ戻れはかなり前に戻せるから調整が難しいけどね。

さて、まずは説明だね。

 

まず、俺たちがいるこの世界は一ノ国と呼ばれている。

その一ノ国と繋がっている別世界がある。

それが二ノ国だ。二ノ国ではこの世界のように科学が発展していない。バスや車もね。・・・イメージ的には中世をイメージしてもらったほうが早いか。

その代わり、二ノ国では魔法という概念が存在する。

向こうで魔法を使う者を魔導士、もしくは魔法使いと呼ぶ。

選ばれし者はこの魔法指南書マジックマスターというものと魔法の杖を授かる。

ちなみに俺が一ノ国の人間なのに魔法が使える理由は母が二ノ国の人間であり、その中で高度の魔法使いだったからだ。その血筋を引いている俺は運良く魔法を使うことができ、母の願いを叶えるために二ノ国に旅立ったんだ」

「願い・・・?」

「母の友人にアリシアという人がいる。この人は二ノ国の中でももっとも魔法に適している者・・・大賢者と呼ばれる人間であり、彼女の息子オリバーと共に二ノ国を脅かす脅威を倒し、二ノ国を救い、アリシアを助けるといった願いだった。・・・残念ながら、アリシア様はすでにお亡くなりになっていたが二ノ国を守ると言う役目は全うしてみせたんだ」

「つまり、もう1人いるということね」

「あぁ、オリバーは俺の相棒だ。偶然にも親戚に近しい人間が見滝原にいるようで、こちらへくる予定があるようだ。君とのことも彼にいうつもりだ」

「け、けれど・・・」

「大丈夫、彼はとても優しい心の持ち主だ。きっと君の助けになってくれるさ。まあ無論俺も戦う予定だがな。

さて、リスクの話をしよう。

はっきりいうと魔法少女の魔法とは仕組みが違う。

願いを叶えることもできない、その代わり魔女になる可能性もない。魔力数値をMPと呼ぶのだが、それがなくなれば単に魔法が使えなくなるだけ。そうなれば二ノ国のMPを回復するためのアイテムを使えばいい。さっき使ったこれだな」

「このジュエル・・・中身は、コーヒー?」

「ばっちりコーヒーだ。MPを30ほど回復してもらえる。

・・・ちなみに、目覚めのエスプレッソという高位回復アイテムを向こうの国王からもらった」

「こ、国王?」

「あぁ。ゴロネール王国という国があってだな、そこの国王から貰った。というのも先ほど脅威から二ノ国を守ると言ったが、俺とオリバーは2度向こうの世界の危機を救ってるんだよ。まあ理解されにくいとは思うがな、だから俺とオリバー、そして仲間たちは救世主と呼ばれている」

「・・・すごい話ね」

「ワルプルギスの夜、というのがどれほどかわからないが・・・少なくとも例えるなら俺たちの戦ったボス級モンスターレベルだろう。多少の戦力にはなれそうだ。

 

・・・確か、君の記憶では今後美樹や赤髪の女の子・・・佐倉杏子という子が魔法少女になるんだよな?」

「・・・ええ、そうよ」

「・・・鹿目以外の魔法少女が4人か。人数が減るたびに勝率は?」

「もちろん、下がるわね」

「・・・とりあえず、鹿目だけは絶対阻止、だな。あの子は多分犠牲にしても戦おうと言い出しそうだし」

「・・・ええ、そうね」

「とりあえずは早急に佐倉だったか、彼女に接触することだな。俺はまず巴先輩の方につく。死なせるわけにはいかないからな」

「・・・わかったわ」

「・・・暁美さん、明日の魔女戦、一緒に戦ってくれないか?」

「それは構わないけれど・・・」

「キュゥべえを殺すのは待ってくれ。契約の阻止はOKだ。とりあえずは美樹たちの好感度を上げたほうがいい」

「・・・でも、いつも無理だった」

「諦めたらそこで終わるぜ?だから俺がいるのさ。

二ノ国の魔法の強さ、わからせてやろうじゃないか」

「・・・ありがとう」

「気にするな、やりたくてやってるだけさ」

「・・・あ、ねえ中沢くん」

「ん?どうした?」

「・・・迷惑でなければ、暇な時でいいから弁当を作ってもらえないかしら」

「・・・調理魔法はあまり使いすぎちゃいけないんだ」

「・・・・・・そう」

「だから俺自身の調理でも構わないか?」

「!・・・ええ、お願いするわ」

「はは、わかった。じゃあまた明日、渡すよ」

 

というわけで、家に帰ると身支度を済ませてそのまま就寝する。

 

彼女を苦しみから救うには、本格的にやり直しをする必要がある。

 

俺にできることを、精一杯やって見せようと思えた一幕であった。

 

 

「・・・で、なんで転校生が来てんのよ」

「あ、ほむらちゃん。・・・おはよう」

「・・・おはよう。・・・美樹さやか・・・いいえ、美樹さん」

「・・・何よ」

「昨日はごめんなさい。・・・貴方たちに危害を加えるつもりはなかったの」

「・・・昨日の今日で、何があったのよ」

「・・・ねえねえほむらちゃん。なんでキュゥべえを傷つけようとしたの?」

「・・・それは」

「何、まだ何か隠してるの?」

「・・・美樹さん、今はまだ言えない。けど、いつか絶対説明するわ。・・・待って、くれないかしら」

「・・・そ、そんな泣きそうにならなくていいじゃん。

別に、いじめたいわけじゃないし」

「ね、ねえほむらちゃん。なんで急に謝ってきたのかな・・・?」

「・・・・・・貴女たちと、仲良くなりたいから」

「・・・わ、ほんと!?なんだか嬉しいなぁ」

「・・・転校生・・・ほむら!理由がなんであれマミさんを傷つけたのは事実だ!だからマミさんに一回は謝れ!

・・・マミさんが許すなら、別にあたしは気にしないし」

「・・・ええ、もちろんよ」

ぶっきらぼうにいう美樹も、暁美さんの様子を見てそこまで責めるつもりが無くなったのか追及はしなくなったようだ。

「あら、まどかさんにさやかさん・・・それに明美さんでしたかしら、これは一体・・・」

「よぉ志筑」

「中沢くん、おはようございます」

「おはよう。・・・これはまあ、やり直しみたいなもんさ」

 

 

ふっ、と微笑むと前に歩き出す。

やり直しは、ゆっくりと始まっていく。

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