デュエルアカデミア月一試験最終組。既に試験が終わっている生徒が大多数を占める中、そんな生徒達が注目している一戦。
デュエルアカデミア中等部からの編入組の中でもトップを行く。即ち現在デュエルアカデミア一年生のトップと言っても過言ではないオベリスクブルーの万丈目準、それと戦うのは外部から試験を受けて入学した外部試験組の中でトップの成績で合格したラーイエローの三沢大地。
このデュエルは正に編入組と外部試験組それぞれのトップの一騎討ちと言っても過言ではない戦いだった。
「俺の先攻、ドロー!」
そしてその一戦で先攻を取ったのは三沢。彼は勢いよくカードをドローすると六枚の手札を吟味、その中の一枚を手に取った。
「俺はモンスターをセットし、永続魔法[補給部隊]を発動! カードを二枚セットしてターンエンドだ」
「補給部隊……あれってたしか」
「自分のモンスターが戦闘・効果で破壊された時、デッキからカードを一枚ドローするカードです……」
観客となっている取巻の呟きに彰子が答える。彰子がモンスターの地力が足りず戦闘破壊されやすいからと少しでもアドバンテージを増やそうと保険として使っているカードだ。
「俺のターン、ドロー!」
後攻となった準がカードをドロー。こちらも六枚の手札を見るとよしと頷いた。
「俺は魔法カード[予想GUY]を発動! このカードは俺の場にモンスターが存在しない場合に発動でき、デッキからレベル4以下の通常モンスター一体を特殊召喚する! 俺はデッキからレベル4の[神竜ラグナロク]を召喚! 続けて[融合呪印生物-闇]を召喚!」
神竜ラグナロク 攻撃力:1500
融合呪印生物-闇 守備力:1600
一気に準の場に二体のモンスターが出揃い、準はちらりと融合デッキを見ると鋭い目を見せた。
「融合呪印生物-闇の効果発動! このカードを融合素材の内一体として俺の場に存在する闇属性の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスター一組を生贄に捧げ、生贄に捧げたモンスターを融合素材とする闇属性の融合モンスター一体を融合デッキから特殊召喚する! 俺は融合呪印生物-闇と神竜ラグナロクを生贄に捧げ――」
融合呪印生物が神竜ラグナロクに触手を伸ばして絡みつき、二体のモンスターが闇に包まれる。
「――(力を貸してくれ、兄さん達!)来い、[竜魔人 キングドラグーン]!」
竜魔人 キングドラグーン 攻撃力:2400
準の叫びと共に闇が弾き飛ばされ、その中から身体を虹色に煌めかせる竜魔人が姿を現した。
デュエルアカデミア高等部の入学祝いとしてリスペクトする兄達から受け取った新たな切り札、そのベールを脱ぐに相応しい相手だと三沢を認めているかのような竜魔人の威光に三沢はぞくりと身体を身震いさせていた。
「竜魔人キングドラグーンの効果発動! 一ターンに一度だけ、手札からドラゴン族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる! 来い、[
竜の騎士 攻撃力:2800
竜魔人が右手に握る、竜を模した小型の笛を吹き始める。その音色に導かれるかのように騎士甲冑を身にまとう竜が姿を現した。
「一気に攻撃力2000オーバーが二体……」
「いくぞ三沢! 俺はキングドラグーンで守備モンスターを攻撃! トワイライト・バーン!!」
「くっ……だが、補給部隊の効果発動! 一ターンに一度、自分フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された場合、俺はデッキからカードを一枚ドローする!」
竜魔人の放つ波動に三沢の場の守備モンスター――尻尾に小さな火を灯したきつねのようなモンスター――がなすすべなく破壊されるが、三沢は己の場の補給部隊の効果で手札を補給。
「(あの守備モンスター……面倒な…)…続けて竜の騎士でダイレクトアタックだ!」
「ぐあああぁぁぁぁっ!!」LP4000→1200
準は一瞬見えたそのモンスターの姿に顔をしかめた後、竜の騎士に追撃を指示。龍の騎士の振り下ろす大剣が三沢のライフを一気に大幅に削る。
「やった! まずは万丈目さんが先制!」
「一気に押し切れるか!?」
その大ダメージに加えて三沢の場のモンスターが全滅、対して準の場には切り札となり得る攻撃力や効果を持つモンスターが揃っている。このまま一気に押し切れるかと取巻と慕谷が歓声を上げる。
しかし三沢はむしろ不敵な笑みを見せていた。
「作戦通りだ! 俺はこの戦闘ダメージを受けた瞬間、トラップカード[フリッグのリンゴ]を発動! このカードは自分フィールドにモンスターが存在せず、自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる! 受けたダメージの数値分だけ自分のライフポイントを回復し、その回復値と同等の攻撃力・守備力を持つ[邪精トークン]一体を特殊召喚する!」
「なに!?」
「さらにチェーンしてトラップ発動[閃光弾]! 相手モンスターの直接攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けた時に発動! このターンのエンドフェイズに強制的に移行させる!」
「なっ――くっ……!」
三沢の発動したカードから突然眩い光が放たれ、思わず左腕で顔を覆って閃光を防ぐ。するとその左腕に装着していたデュエルディスクから突然ブザー音が響き、普段ならライフポイントがメインに表示されている液晶に「End Phase」と表示される。
バトルフェイズが強制終了、それどころかメインフェイズ2が吹き飛ばされエンドフェイズへと強制移行されたのだ。
「エンドフェイズに俺は墓地の[きつね火]の効果発動! フィールド上に表側表示で存在するこのカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られたターンのエンドフェイズ時、このカードを墓地から特殊召喚する!」LP1200→4000
きつね火 守備力:200
邪精トークン 攻撃力:?→2800
「チッ、くそ。ターンエンドだ……」
三沢の場にモンスターが一気に二体出現。さらにさっき与えた大ダメージも一気に回復され、準は小さく悪態をついてターンエンドを宣言した。
「……これは厄介ね」
観客の明日香が腕組みをしながら呟く。その呟きが聞こえたのか周りの十代や翔、取巻達といったメンバーの視線が明日香に向けられた。
「きつね火はさっき見た通り、戦闘破壊されたターンのエンドフェイズに復活する再生能力を持つ。恐らく三沢君はあのカードを補給部隊とのコンボで、戦闘において使い減りしない壁とドローソースに利用している。そしてダイレクトアタックも結果的に回復という形でうまく回避しつつそのダメージと同じ攻撃力を持つ邪精トークンに繋げてみせた……さらに閃光弾の奇襲。あれで万丈目君は伏せカードを伏せる間もなくターンを終える事を余儀なくされた」
三沢はボードアドバンテージの消費を最小限に抑えつつ、この後も利用できるドローコンボの下準備を整えてさらにカウンター攻撃の準備を整えてみせた。
しかも準にとっては基本的に相手の攻撃を迎え撃つ防御に使用する伏せカードを伏せる隙を与えられず、無防備を晒したまま三沢のターンに回っていた。
「俺のターン、ドロー! 俺は[オキシゲドン]を召喚!」
オキシゲドン 攻撃力:1800
三沢の場に現れる、その身を酸素で形作った恐竜。その攻撃力は準の場のモンスターには到底及ばない。
「俺は魔法カード[運命のウラドラ]を、ライフ1000ポイントをコストに支払って発動! 相手ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力は1000アップする!」LP4000→3000
オキシゲドン 攻撃力:1800→2800
しかし三沢が発動した魔法カードの効果により、一気にその攻撃力が跳ね上がった。
作戦がうまくいった結果、相手の場に伏せカードはない。攻め時はここだと三沢は準の場のドラゴンを指さした。
「邪精トークンで竜の騎士を攻撃!」
邪精トークンが竜の騎士に攻撃を仕掛け、同等の攻撃力故に同時に破壊される。だがそれこそ三沢の望むところ。
「邪精トークンが破壊された事で補給部隊の効果によってデッキから一枚ドロー! そしてオキシゲドン! 竜魔人キングドラグーンに攻撃だ! オキシ・ストリーム!!」
「くっ…(…すまない、兄さん達……)」LP4000→3600
酸素の恐竜の放つブレスに竜魔人が粉砕され、準はライフを削られながら兄さん達が思いを込めて託してくれたカードをあっという間に破壊された事に兄達へ心の中で謝罪する。
「この瞬間運命のウラドラの効果! このカードの効果を受けたモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時に発動でき、自分のデッキの一番下のカードをお互いに確認し、デッキの一番上または一番下に戻す……」
三沢はそう言ってデッキボトムを確認。それを見てニヤリと笑った。
「デッキの一番下のカードは[ウォーター・ドラゴン]! 俺はこのカードをデッキの一番下に戻す。そして確認したカードがドラゴン族・恐竜族・海竜族・幻竜族モンスターだった場合、その攻撃力1000につき一枚、自分はデッキからドロー。その後、自分はドローした数×1000LP回復する! ウォーター・ドラゴンは海竜族! 攻撃力は2800! よって俺はデッキからカードを二枚ドローし、ライフを2000ポイント回復する! 俺はカードを二枚セットしてターンエンドだ!」LP3000→5000
「俺のターン、ドロー!」
防御の隙が出来たところを一気に猛攻。準の場のモンスターを全滅させただけではなくドロー加速とライフポイントの回復までこなしてみせる。完全に三沢が押している状況の中、準は気迫だけは負けてなるものかと気合いを入れてカードをドローした。
(……前のターン、崩界の守護竜を伏せて三沢が何を出してきても竜の騎士を生贄に破壊して対処するつもりだったが、予定が狂ったな……ボードアドバンテージを考えても、このカードを無理に確保しておく必要もないか……?)
実は防御に使えるカードを握っていたが、それを伏せるチャンスをワンターン奪われただけで一気に戦略が狂わされた。そして準は自分の手札を見ながら戦略を考え直す。
「俺は速攻魔法[手札断殺]を発動! 互いのプレイヤーは手札を二枚捨て、新たにデッキから二枚ドローする」
まずは必要のなくなったカードを使って手札を交換。手札に揃った三枚のカードを見てよしと呟くと、その中から一枚を取った。
「魔法カード[融合]を発動! 俺は手札の[暗黒騎士ガイア]とドラゴン族[光と闇の竜]を融合! 現れろ、[天翔の竜騎士ガイア]! 天翔の竜騎士ガイアが特殊召喚に成功した事で効果発動! デッキ・墓地から[
天翔の竜騎士ガイア 攻撃力:2600
「出たぞ! どんな壁も一気にこじ開ける! 万丈目さんの切り込み隊長!」
準の場に現れた竜を駆る騎士。その姿を見た取巻が歓声を上げると共に竜騎士も宙を駆る。
「バトルだ! 天翔の竜騎士ガイアでオキシゲドンを攻撃! そしてこの攻撃宣言時に効果発動! その相手モンスターの表示形式を変更する!」
「くっ……」
オキシゲドン 攻撃力:2800→守備力:800
まだ高い攻撃力は維持されていても守備力は低いまま。準はその弱点を冷静に突いていた。
「いけ! 天翔のドラグーン・チャージ!」
「少しばかり想定外だったが、リバースカードオープン! 永続罠[DNA改造手術]を発動! 種族を一つ宣言し、このカードがフィールド上に存在する限り、フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターは宣言した種族になる! 俺が宣言するのは炎族!」
オキシゲドン 種族:恐竜族→炎族
「なに!?」
天翔の竜騎士ガイア 種族:ドラゴン族→炎族
三沢の発動したカードの効果により、場の全てのモンスターの種族が炎族に切り替わる。
そして炎族となった事によってか突進する竜騎士ガイアの武器である槍に炎が纏われ、しかしもう攻撃が止まることなく炎の纏った槍がオキシゲドンを貫いた。
「螺旋槍殺の効果により、俺の[暗黒騎士ガイア][疾風の暗黒騎士ガイア][竜騎士ガイア]が守備表示モンスターを攻撃した場合その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与え、この効果の適用によって[竜騎士ガイア]が相手に戦闘ダメージを与えた事で効果発動! 俺はデッキから二枚ドローし、その後手札を一枚選んで捨てる!」
「天翔の竜騎士ガイアは自身のカード名を竜騎士ガイアとして扱うためその効果の適用範囲内という事だったね……ならばこちらも戦闘ダメージを受けたことでリバースカードオープン[ダメージ・コンデンサー]! 自分が戦闘ダメージを受けた時、手札を一枚捨てて受けたそのダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスター一体をデッキから表側攻撃表示で特殊召喚する! 俺が受けた戦闘ダメージは1600! よって攻撃力1400の[巨大ネズミ]を特殊召喚! そして――」LP5000→3400
巨大ネズミ 攻撃力:1400 種族:獣族→炎族
突然の貫通攻撃にも三沢は冷静に対応。そして不敵な笑みを準に向けた。
「――万丈目、酸素に炎が触れるとどうなるか。知らないとは言わせないぞ」
「なに!?」
「特殊効果発動! オキシゲドンが炎族モンスターとの戦闘によって破壊された時、お互いのプレイヤーは800ポイントのダメージを受ける!」
炎が純粋な酸素に触れると爆発を起こす。その自然の摂理に従うかの如く、
「くっ……」LP3600→2800
「くぅ……そしてオキシゲドンの破壊により、俺は補給部隊の効果で一枚ドローする!」LP3400→2600
爆発に巻き込まれた二人のライフが同時に削られ、しかし三沢は補給部隊によって手札を補給する。
「俺はカードを一枚セットしてターンエンドだ」
準もしれっと螺旋槍殺の効果によって補充した手札を伏せてターンエンドを宣言した。
「俺のターン、ドロー」
ターンプレイヤーである三沢がカードをドロー。ここまでの攻防の中でも補給部隊によって手札は補給され続け、まだ手札は四枚ある。
「魔法カード[トレード・イン]を発動! 手札のレベル8モンスター[リトマスの死の剣士]を墓地に送り、デッキからカードを二枚ドロー…(…あのコンボへのキーカードは揃い始めた。しかしまだ足りない。ライフは多少想定外に削られている……本来なら[地獄の扉越し銃]とのコンボでオキシゲドンの効果による自分へのダメージも丸ごと相手に押しつける算段だったが、そこまでうまくはいかないか……しかしまだ安全圏。安全策を取って倒せるような相手でもなし、ここは少し踏み込むか…)…俺は[ハイドロゲドン]を召喚!」
ハイドロゲドン 攻撃力:1600 種族:恐竜族→炎族
長考の元、三沢が呼び出すのは酸素から形作られていた恐竜に続いて出現するのは水素で形成された恐竜。しかしその攻撃力は足りず、また強化カードとの併用かと準が身構えた。
「バトルだ! 俺は巨大ネズミで天翔の竜騎士ガイアを攻撃!」
「なに!?」
「多少のダメージは必要経費と受け取ろう! 巨大ネズミが戦闘破壊された事で効果発動! デッキから攻撃力1500以下の地属性モンスター一体を攻撃表示で特殊召喚する! 俺は攻撃力1500の[ディノベーダー・ドクス]を特殊召喚! そして補給部隊の効果で一枚ドロー!」LP2600→1400
ディノベーダー・ドクス 攻撃力:1500 種族:恐竜族→炎族
だが三沢は自爆特攻を指示。リクルーターを自爆特攻させて後続を呼ぶ。リクルーター使いとしての基本に加えて補給部隊によってさらに手札を補充。しかしそれだけでは終わらない。
「続いてハイドロゲドンで天翔の竜騎士ガイアに攻撃! この瞬間速攻魔法[収縮]を発動! 天翔の竜騎士ガイアの攻撃力を半減させる!」
「チッ……このターンで天翔の竜騎士ガイアを破壊できる自信があったから自爆特攻なんて無茶をしたのか……」LP2800→2500
天翔の竜騎士ガイア 攻撃力:2600→1300
「ああ! そしてこの戦闘破壊によってハイドロゲドンの効果発動! デッキから[ハイドロゲドン]一体を特殊召喚する!」
ハイドロゲドン 攻撃力:1600 種族:恐竜族→炎族
ハイドロゲドンが咆哮し仲間を呼ぶ。この新たなハイドロゲドンとディノベーター・ドクスの連続攻撃を受ければ準のライフは尽きる。
「だが! こちらも天翔の竜騎士ガイアが破壊された事でリバースカードオープン[レベル・レジストウォール]! 自分フィールドのモンスターが戦闘または相手の効果で破壊された場合、そのモンスター一体を対象として発動! レベルの合計がそのモンスターと同じになるように、デッキからモンスターを任意の数だけ選んで守備表示で特殊召喚する! ただしこの効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。俺はレベル7の天翔の竜騎士ガイアが破壊された事で――」
準はデッキから一枚のカードを抜き取り、デュエルディスクに叩きつける。同時に彼の場に虹色の光が走った。
「――同じくレベル7の[ダイヤモンド・ドラゴン]を守備表示で特殊召喚!!」
ダイヤモンド・ドラゴン 守備力:2800 種族:ドラゴン族→炎族
準の場に出現するのは文字通り全身がダイヤモンドで出来たドラゴン。その眩い光は虹色に煌めいていた。
「噂に聞いていたパラレルカードか……だがそのステータスはやはり脅威だな。今の俺のモンスター達では太刀打ちできない。俺はここでバトルを終了し、メインフェイズ2に移る」
三沢は自分のモンスター達では攻略できないと潔く切り替えてバトルの終了とメインフェイズ2への移行を宣言。デュエルディスクから一枚のカードを取り出した。
「俺は墓地の[リトマスの死儀式]の効果発動! このカードが墓地に存在する場合、自分の墓地の[リトマスの死の剣士]一体を対象として発動できる。墓地のこのカードと対象のモンスターの合計二枚をデッキに加えてシャッフル。その後、自分はデッキから一枚ドローする。
続けて、魔法カード[儀式の下準備]を発動! デッキから儀式魔法カード一枚を選び、さらにその儀式魔法カードにカード名が記された儀式モンスター一体を自分のデッキ・墓地から選んでそのカード二枚を手札に加える。俺はさっき戻した[リトマスの死儀式]と、リトマスの死儀式にカード名が記された[リトマスの死の剣士]を手札に加える! カードを二枚セットしてターンエンドだ!」
多少の手札の情報アドバンテージは取られたとはいえ手札を補充し、守りを固める。このまま互いに硬直戦になるだろうかと観客は考えていた。
(リトマスの死の剣士……詳細なカードデータは知らないが、レベル8の儀式モンスター。そして三沢の場に生贄となるモンスターは揃っている……このターンに儀式召喚しなかったのはボードアドバンテージが失われる事や不用意に儀式召喚した結果、次のターンに万一除去される事を警戒したか、あるいは……ともかくあまり時間はかけていられないな)
準は三沢から与えられた情報アドバンテージを元に相手の戦略を読み、対策を考えながらカードをドロー。そのカードを見てやむを得ないかという表情を見せた。
「(三沢は敢えて自爆特攻で己のライフを削りつつ、手札を増やして戦略の可能性を広げてみせた。ならば次は俺がその覚悟に答える番か…)…俺は魔法カード[馬の骨の対価]を発動! 通常モンスターであるダイヤモンド・ドラゴンを墓地に送り、デッキからカードを二枚ドロー!」
自身を守る唯一の壁たるダイヤモンド・ドラゴンを自ら崩してドローに変換。その二枚のカードを見て僅かに微笑した。
「俺は[ミンゲイドラゴン]を召喚し、続けて墓地の[輪廻竜サンサーラ]の効果発動! 墓地のこのカードを除外し、自分の墓地のレベル5以上のドラゴン族モンスター一体を手札に加え、その後そのモンスターを生贄召喚できる! 俺は墓地のレベル8[光と闇の竜]を手札に加え、ミンゲイドラゴンを生贄に捧げる! ミンゲイドラゴンはドラゴン族モンスターを生贄召喚する場合、二体分の生贄とする事ができる!」
ミンゲイドラゴン 守備力:200 種族:ドラゴン族→炎族
準の宣言と共にミンゲイドラゴンが光に包まれる。
「来い、[
光と闇の竜 攻撃力:2800 種族:ドラゴン族→炎族
そして眩い光がフィールド内に爆発。その中心では彼の相棒にして切り札である光と闇の竜が羽ばたいていた。
「バトルだ! 光と闇の竜でハイドロゲドンを攻撃! ダーク・パプティズム!!」
「この瞬間、カウンタートラップ[攻撃の無力化]! その攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる!」
光と闇の竜が闇の波動を放って攻撃を仕掛けるも、その波動は時空の渦に吸い込まれて無力化される。
「カウンタートラップではスペルスピードの関係上光と闇の竜で無効化する事は出来ない……上手くかわされたか。俺はリバースカードを一枚セットし、ターンエンドだ」
「俺のターンだ! ドロー!」
自信のある攻撃だったがスペルスピードの関係上光と闇の竜で防げる範囲外にあるカウンタートラップによって対処され、準はカードを一枚セットしてターンを終了。
そして三沢のターンとなり、カードを引いた彼が思案を始めたのを見て準も相手がどう来ても対応してみせるという心構えが出ているのか身構える。
「俺は[オキシゲドン]を攻撃表示で召喚!」
オキシゲドン 攻撃力:1800 種族:恐竜族→炎族
まず彼が呼び出すのはさっきも種族変更からのバーンダメージによるコンボで準にダメージを与えた酸素の恐竜。
「儀式魔法[リトマスの死儀式]を発動! 自分の手札・フィールドからレベルの合計が8以上になるようにモンスターをリリースし、手札から「リトマスの死の剣士」を儀式召喚する!」
「血迷ったか三沢!? リトマスの死儀式の発動にチェーンして光と闇の竜の効果発動! 自身の攻撃力・守備力が500以上の場合、相手の魔法・罠・モンスター効果の発動を無効にし、このカードの攻撃力・守備力を500ダウンする! 光と闇の竜の攻撃力・守備力と引き換えにリトマスの死儀式の発動を無効にする!」
だが次に三沢はなんとストレートに儀式魔法を発動した。
準の場には魔法・罠・モンスター効果を尽く無効にする彼の切り札――光と闇の竜が存在している。その効果を三沢が知らぬはずがないと思っていた準は三沢の行動に驚愕の声を上げつつも、容赦はしないとばかりに光と闇の竜の無効化効果の発動を宣言、光と闇の竜も三沢が執り行おうとしている儀式魔法をかき消そうと雷をチャージする。それを見た三沢が不敵な笑みを浮かべてこくりと頷いた。
「勿論、その効果は知っているさ。だが、既に俺の場には勝利の方程式が揃っている!」
「バカな!? 仮にそのカードを無効にするために光と闇の竜の攻撃力・守備力がダウンしたとしても、お前の場のモンスターでは光と闇の竜を攻略する事は不可能――」
三沢の不敵な笑みでの言葉に準が声を上げて彼の場に揃う五体のモンスターを見る。
その時、準は何かに勘付いたように目を見開いた。
「――ま、まさか!? そんなバカな!?」
「どうやら気づいたようだな万丈目! だがもう遅い! 俺は光と闇の竜の効果発動にチェーンして、リバースカードオープン!!」
明らかに狼狽する準に対して三沢も堂々と頷いて声を上げ、その掛け声に合わせて彼の場に伏せられていたカードが翻る。
「トラップカード[風林火山]を発動!!!」
彼のキラーカードがその姿を現した。
「な、なにぃ!? 嘘だろ、風林火山!?」
「あ、あんな使いにくいカードをデッキに入れてるなんてマジか!?」
観客としてこのデュエルを見ていた取巻と慕谷も、三沢が発動したカードを見て信じられないとばかりに騒ぎだし、周囲の他の生徒も(主にブルーの生徒や一部のイエローの生徒が)ざわつき出す。
「な、なに? あのトラップカードが一体どうしたんすか……?」
「あのカードはかなり厳しい発動条件が課せられたカードなの……」
件のカードをよく知らないのか翔は不安そうに声を漏らし、明日香が説明しようと口を開く。
「風林火山、あのカードは風・水・炎・地属性モンスターがフィールドに全て存在する場合に発動できる」
「俺で言えばフェザーマン、バブルマン、バーストレディ、クレイマンを並べろって事か……そんなややこしい事するくらいならとっとと皆を融合して戦った方が早そうだな……」
「ええ。相手の場のモンスターの属性も参照できるとはいえ、ただでさえ四つの異なる属性のモンスターを並べるのも手間だから、大抵の場合は[
明日香の説明を聞いて自分のデッキで想像するもすぐ諦めて頭をかく十代の言葉を明日香は肯定すると三沢の場を見る。
彼の場には
「ま、まさか風林火山の発動条件を正々堂々と満たしちゃうなんて……」
「ふひゃー。一体どこまで計算ずくのデッキ構築や戦術をしておるのじゃ……」
彰子が三沢のプレイングを見て唖然とし、百合も秀才と名高い三沢の頭脳派デュエルの神髄といわんばかりのデッキ構築と戦術に感嘆していた。
「風林火山。それは地水火風になぞらえた四つの効果を持つ。一つ、相手の魔法・罠を吹き荒らし破壊する風の効果。一つ、相手の手札を破壊し戦略を崩す水の効果。一つ、相手のモンスターを侵略し破壊する火の効果。一つ、自身の手札を増やし戦略を盤石に整える地の効果。俺はこの中の火の効果を選択! 万丈目、お前の場の全てのモンスター――光と闇の竜を破壊させてもらう!!」
結果的にはここまで大層なカードを使ってやる事が光と闇の竜という一体のモンスターの破壊のみ。
しかしブルーでもトップを走る万丈目準の最大の切り札にして圧倒的な制圧能力を持つ光と闇の竜。その制圧効果を潜り抜け刃を届かせた一手に会場がどよめく。
そして風林火山のカードから燃え上がる炎が噴き出し、三沢の執り行おうとしていたリトマスの死儀式を封じんとばかりに飛ぶ雷を炎の壁となってかき消すととともに渦巻き、まるで炎の竜のような姿に変貌すると光と闇の竜へと襲い掛かった。
[ギャアアアァァァァッ!!]
「
その炎の竜に吞み込まれ焼き尽くされる光と闇の竜。その姿を準は信じられないとばかりに見ているしか出来なかった。
「光と闇の竜! 討ち取った! そして! 光と闇の竜が効果処理時にフィールドに存在しない事で光と闇の竜の効果は不発! よって俺はリトマスの死儀式を執り行う! 俺はレベル2のきつね火とレベル6のディノベーター・ドクスを儀式の贄とし、[リトマスの死の剣士]を儀式召喚!!」
「ッ――まさかこの奥の手を使わせるとはな! 光と闇の竜が破壊された事で、光と闇の竜の最後の効果発動! 自分の墓地に存在するモンスター一体を選択し自分フィールド上のカードを全て破壊! そして選択したモンスター一体を自分フィールド上に特殊召喚する! 光と闇の竜! お前は死してなお俺と共にある! その気高き魂を受け継ぎ、戻ってこい[ダイヤモンド・ドラゴン]!!」
ダイヤモンド・ドラゴン 守備力:2800
準の最大の切り札を撃破した高揚感からか拳を握り勝鬨を挙げる三沢に対し、万丈目も負けじと宣言。光と闇の竜の最後の力に導かれ、虹色に輝くダイヤの身体を煌めかせ、ダイヤモンドの竜が再び準を守るために現れる。
「リトマスの死の剣士の効果! 罠カードがフィールドに表側表示で存在する場合、このカードの攻撃力・守備力は3000アップする! そして俺は墓地の[シャッフル・リボーン]を発動! 墓地のこのカードを除外し、自分フィールドのカード一枚を持ち主のデッキに戻してシャッフルし、その後自分はデッキから一枚ドローする。ただし、このターンのエンドフェイズに俺は手札を一枚除外する。俺は補給部隊をデッキに戻し、シャッフル。そして一枚ドロー! 速攻魔法発動[エネミーコントローラー]! この効果でダイヤモンド・ドラゴンの表示形式を変更する!」
リトマスの死の剣士 攻撃力:0→3000
「くっ!?…(…ダイヤモンド・ドラゴンの弱点、最上級モンスターとしては低い攻撃力を突かれたか……いやだが、光と闇の竜の効果で墓地に送られたカードは[光の護封霊剣]。ダイヤモンド・ドラゴンを戦闘破壊されたとしても光の護封霊剣によって直接攻撃は防げる……手札はないが、とりあえずこのターンはしのげるはずだ。ターンさえ回れば意地でも逆転のカードを引き当てる!)」
ダイヤモンド・ドラゴン 守備力:2800→攻撃力:2100
DNA改造手術が赤い光を放つと共に、それに呼応するようにリトマスの死の剣士が赤いオーラに包まれ攻撃力が跳ね上がり、さらにダイヤモンド・ドラゴンの表示形式が強制的に変更される。
それに対し準は怯むも、まさかエースであり最大の切り札である光と闇の竜がやられるとは思わなかったがその仇は取るとばかりに準は燃えていた。
「万丈目! この効果が通った時点で俺の勝ちは決まった!」
「なんだと!?」
しかし三沢は己の勝ちを確信したかのように勝利宣言を放つ。
「俺は魔法カード[ボンディング-H2O]を発動! 自分フィールド上に存在するハイドロゲドン二体とオキシゲドン一体を生け贄に捧げ、自分の手札・デッキ・墓地から[ウォーター・ドラゴン]一体を特殊召喚する!
水素二つと酸素一つを結合し、現れろ! ウォーター・ドラゴン!!」
ウォーター・ドラゴン 攻撃力:2800 種族:海竜族→炎族
水素と酸素が組み合わされた水となる。まさしく化学で説明される通り三沢の場に水のドラゴン、どこか先ほど光と闇の竜を焼き尽くした炎の竜に似た姿の海竜が姿を現した。
「ウォーター・ドラゴンの効果! このモンスターが場にいる限り、フィールドの炎属性モンスター及び炎族モンスターの攻撃力は0になる!」
「DNA改造手術によってフィールドのモンスターは全て炎族になってる!?」
「つまりフィールド全部のモンスターの攻撃力が0になっちまうって事か!?」
「く……」
ダイヤモンド・ドラゴン 攻撃力:2100→0
三沢の宣言を聞いた取巻と慕谷が驚く中でウォーター・ドラゴンが大波を起こし、その波を受けて怯んだのかダイヤモンド・ドラゴンが弱り攻撃力が0になる。しかしウォーター・ドラゴン自身も、いや三沢の場のモンスターも全て同じ。炎族となった以上例外なく攻撃力は0になる――
「……」
ウォーター・ドラゴン 攻撃力:2800→0
リトマスの死の剣士 攻撃力:3000
――はずだった。
「なに!? 何故リトマスの死の剣士の攻撃力は変わらない!?」
「リトマスの死の剣士はモンスターゾーンに存在する限り、罠カードの効果を受けず、戦闘では破壊されない! よってDNA改造手術の効果は受けず、種族は戦士族のまま! そしてリトマスの死の剣士は闇属性! 炎属性でも炎族でもないリトマスの死の剣士はウォーター・ドラゴンの効果を受けつけない!」
「しまった……」
攻撃表示となったダイヤモンド・ドラゴンの攻撃力は0、対してリトマスの死の剣士の攻撃力は3000。さらに先ほど三沢は「リトマスの死の剣士はモンスターゾーンに存在する限り、罠カードの効果を受けない」と言っていた。つまり――
(光の護封霊剣が使えない……)
「バトルだ! リトマスの死の剣士でダイヤモンド・ドラゴンを攻撃!!」
最後の防御手段も失われ、準はもはや何も出来ず、ダイヤモンド・ドラゴンに斬りかかるリトマスの死の剣士の姿を見るしかない。
[タアアアァァァァッ!!!]
[ギャアアァァァッ!!!]
そしてリトマスの死の剣士の双剣がダイヤモンド・ドラゴンのダイヤモンドの鱗を易々と斬り裂く。
「ぐあああぁぁぁぁっ!!」LP2500→0
その斬撃によって生じた衝撃波が万丈目を襲い、このデュエルを終わらせる決定打となるのだった。
「それでは。これにて今回の月一試験、全てのテストの終了を宣言します」
それから他の実技テスト最終組の実技テストも終わり、デュエルアカデミアの校長である鮫島から月一試験終了の宣言がされる。
「それでは今回の月一試験の結果により、この時点で寮の昇格が決定した生徒をお知らせしましょう」
もちろんこれは前もって昇格の候補に挙げられていた生徒が教員内で決められただけの成果をあげた場合や明らかに昇格に値する成績を残した生徒が表彰の意味も兼ねて呼ばれるものであり、微妙な生徒はこれから教員間の会議によって決められるし、当然だが明らかに悪い成績で降格が決まった生徒に対しても降格する生徒への配慮によってこの場で晒される事はない。
「今回、昇格が決定した生徒は二人います。まず一人、オシリスレッドの遊城十代君」
「アニキ!?」
鮫島はまず十代の名を呼び、翔が驚いた顔で十代を見た。
「君のデッキへの信頼感、モンスターとの熱い友情、そして何よりも勝負を捨てないデュエル魂。その素晴らしい心を見せてもらいました。君はラーイエローに昇格です!」
最底辺と見下されるオシリスレッドから最速でのラーイエローへの昇格。それに周囲はざわめくものの、すぐに「おめでとう!」と歓声が上がり拍手が十代へと送られる。
「続きましてもう一人はラーイエロー。そしてこのデュエルアカデミア高等部に外部入学する際に最優秀の成績を修めた――三沢大地君」
「!」
その言葉に、十代に拍手を送っていた三沢が驚いたように鮫島へと顔を向けた。
「入学試験の優秀な成績は言うまでもなりません。今回の月一試験における学科の成績も素晴らしい。そして実技テストにおいても発動する事すら難しい風林火山の発動に成功する緻密な戦略、複数のカードを利用して相手モンスターを纏めて無力化する豪快かつ繊細なコンボ。それを成すデッキ構築を見せてもらいました。このデュエルアカデミアの最高峰、オベリスクブルーへの昇格に文句をつけられる者がいましょうか。いやいません。君のオベリスクブルーへの昇格を認めましょう」
その言葉にまたも生徒達が、特にラーイエローから大きな歓声が上がる。中等部からデュエルに関する専門教育を受けてきた編入組の中でも指折りのエリートが入学時からの所属を許可されるオベリスクブルー。それに外部から入学した生徒が最速で昇格というのは恐らくデュエルアカデミアの歴史でもそうはない快挙なのだろう。
だが三沢は自分が昇格するとは考えてもいなかったのか呆然とした顔を見せていた。
「フ。そう驚く事もないだろう」
しかしそれに対し、準が控えめな拍手を三沢に送りながら答える。
「君は仮にもオベリスクブルーのトップである俺に勝ったんだ。学科の成績も素晴らしいと言われている以上、オベリスクブルーへの昇格という評価は不思議な事でもない……少なくとも君に負けた俺は君の昇格に異論を挟む道理はない」
準はそう言い、クールな笑みを三沢に向けた。
「ようこそ、オベリスクブルーへ。だが機会があれば次こそ、さらに磨き上げたタクティクスで君に勝ってみせる」
「ああ、その、それはありがとう……」
準の、三沢の昇格を心から祝うような言葉に対し、三沢は妙に歯切れ悪く答えて頬をかいて準に近づいた。
この場での昇格決定の報告も終わり、今は鮫島が月一試験終了の挨拶をしており他の生徒も一度拍手や歓声は止めて鮫島の挨拶に耳を傾けている。そんな他の人が聞いていない隙に三沢は準に耳打ちした。
「俺はまだオベリスクブルーに行く気はない。申し訳ないがこの後鮫島校長に昇格辞退を申し出るつもりだ」
「そうなのか? まあ、そういう人もたまにいるとは聞くが、君の実力なら謙遜しなくともオベリスクブルーで充分やっていけると思うが……」
「謙遜というわけでもなくてね……俺はオベリスクブルーに上がるのなら、その前にどうしても倒しておきたいと思っている奴がいるんだ」
三沢の告白に準が驚きつつも声を潜めて返すと、三沢はそう答えてちらりとある方を見る。準も彼の視線の先に目を向けると、そこには鮫島の挨拶中にも関わらず翔と私語を話している十代の姿があった。
「一番君、遊城十代。彼のデュエルの実力には俺の計算を上回る何かがある……俺はオベリスクブルーに上がる前には、同じ外部入学組として彼を越えたい。そう思っているんだ」
「成程。まあ、俺に君の決定に文句をつける理由はない……ただ――」
準は三沢のそんな覚悟を首肯した後、彼にジト目を向けた。
「――
「ハハハ、それは申し訳ない」
準のジト目での言葉に三沢は困ったように笑いながら答え、準も悪戯っぽく笑うと肩をすくめる。
「冗談だ。文句を言ってなんだが面子やら何やらにはそこまで興味はない……君が遊城に勝ったら教えてくれ、オベリスクブルーへの推薦を俺からクロノス教諭にお願いしてみよう。一生徒からの推薦願いなど判断材料になるかも分からないが、ないよりはマシだろう」
「ハハ、その時は頼むよ」
なんだかんだ言って三沢の実力は認めている様子の準の言葉に三沢は爽やかに笑って答える。
そんなこんなで月一試験の日は過ぎていくのであった。
《後書き》
今回は月一試験実技テストの後半戦、万丈目VS三沢。
今回は万丈目敗北回です。色々考えた結果こうなりました。一度やってみたかった、ウォーター・ドラゴン&DNA改造手術(炎族)のコンボで全モンスター纏めて攻撃力0化&罠カードの影響を受けないため弱体化しないリトマスの死の剣士による無双コンボ。無双と言いながら活躍は最後のターンでバトルも一回だけですが。
ちなみにこの三沢戦、最初考えていた構成と大分変わりました。
まあ構成もクソも締めを「光と闇の竜の効果を掻い潜って出したウォーター・ドラゴン&DNA改造手術のコンボで光と闇の竜の攻撃力を0にする事で無効化効果を封じ、そこにリトマスの死の剣士を降臨させて今回みたいに攻撃し終わらせる」って感じくらいしか考えてなかったんですが……なんか構成考えてたら「あれ?これ三沢が使うモンスターを一部いじれば風林火山いけなくね?」って思いついてしまったので折角なのでやりました。その結果、光と闇の竜は風林火山に除去される事になりました。ロマンコンボだから仕方ないよね!そしてこれを思いついたテンションで一気に書き上げましたw
ちなみに各属性のモンスターはなるべく三沢が使用したモンスター(きつね火は漫画版で使用)を使いましたが、地属性は元々マスマティシャンが担当する予定だったんですけど構成の関係上「あ、これきつね火(レベル2)と地属性担当の二体だけを儀式の生贄にしてリトマスの死の剣士出すようにしないと手札足らねえわ……」となって急遽考え直した結果、「この状況を変にかき乱さないしデッキに入っててもまだ言い訳が利く」という理由でディノベーダー・ドクスが選ばれました。(なおその前は「キャッスル・ゲート」が選ばれてましたが「これあの時点の三沢の思考ならわざわざウォーター・ドラゴンや風林火山狙うまでもなく、相手の攻撃防ぎながらハイドロゲドン射出した方が効率いいって考えそうじゃね?」と思いついてしまった結果没りましたwww)
そして実はこのデュエル、ストーリーの構成を考えてた時は最後の最後までどっちに勝たせるか迷ってました。
いやぶっちゃけ、当初の予定(光と闇の竜VSリトマスの死の剣士展開)で万丈目勝たせるなら最後のターンに伏せカード残してそれを「魔法・罠を破壊出来る系トラップカード(例:砂塵の大竜巻)」だった事にでもしてリトマスの死の剣士の攻撃に合わせて発動してDNA改造手術破壊するなりなんなり、勝たせる手段はいくつかあるんですよ。
というかその場合
―――――
三沢「リトマスの死の剣士で、光と闇の竜を攻撃!」
万丈目「この瞬間トラップ発動!」
三沢「無駄だ!リトマスの死の剣士にトラップカードは通用しない!」
―――――
って感じの掛け合いも思いついてたくらいで。
ただ……勝った場合のストーリーと負けた場合のストーリーの構成考えると「これ負けた方がストーリー組み立てやすいな」と判断したので万丈目負けさせる感じで今回のデュエル構成を考えました。
それでは今回はこの辺で。ご指摘ご意見ご感想はお気軽にどうぞ。それでは。