遊戯王×プリキュアオールスターズ 世界を超えた絆 作:風森斗真
敵の名前はまだしばらくお待ちください
謎の黒衣の男との
当然、あげはやツバサにも事情は説明し、ヨヨも交えて今後のことについて話し合う場が設けれらることとなる。
「とはいえ、どうしましょう……」
「こっちから追いかけることができなかったし、かといってあの人、顔も隠してたから特徴がわからないし」
「黒衣って特徴があっても、それを脱がれたら追いかけることもできないしねぇ……」
「どうしましょう……」
「エルゥ……」
その場にいた五人は頭をひねる。
そんな中、遊里は紙に何かを描いていた。
「……ヨヨさん。この紋章に見覚えはありませんか?」
「……これは?」
紙片に描いたイラストをヨヨに見せる。
そこには、男が着ていた黒衣に装飾されていた、円の中にひし形と矢じり型の記号を重ねた紋章が描かれていた。
「俺たちを襲ってきた男が着ていた黒衣に描かれていた紋章です。何かの手がかりになるんじゃないかと思いますが」
紋章というものは所属する団体を象徴するものとしても描かれる。
この紋章から何か手がかりを得ることができるのではないかというのだが。
「ごめんなさい。記憶する限り、これと同じ紋章を見たことはないわ……」
「そう、ですか」
「けれど、わたしの学者友達なら、何か知っているかもしれないわ。ちょっと、聞いてみるわね」
「よろしくお願いします」
遊里は頭を下げながらヨヨにそういうと、ヨヨは笑みを浮かべて自分の書斎へと向かっていった。
そもそも、ヨヨは博学者ではあるが、この世界の歴史学や考古学、文化学にはあまり明るくないらしい。
そこで歴史学者や文化学者、考古学者などに心当たりがないかあたるつもりらしい。
「ひとまず、何か手がかりがあるかどうかはヨヨさんにお願いするとして……」
「そういえば、遊里さん。もしかして、なんですけど……」
「一緒に穴に入ったお友達と連絡を取ることってできるんじゃないですか?」
「え?」
確かに、ソラたちには自分がこの世界に来た経緯を話した。
その際に、親友である未来と一緒にこの世界に来たことを話したため、ソラたちは未来の存在を知っている。
同時に、未来もこの世界に来ている可能性も考え付いたらしい。
「それに、その生徒手帳って、通信機能もあるんだよね?」
「スマホ、みたいなものみたいですし、もしかしたら普通に電話も可能なんじゃないですか?」
あげはとツバサが言うように、デュエルアカデミアの生徒手帳はスマホのような多機能性を供えており、その機能の中にはメッセージの送受信や通話機能、動画撮影、写真撮影も含まれているため、これ一台でパソコンいらず、という状態になる。
むろん、通話もできなくはないのかもしれないが。
「この世界に来てから開いてないから、圏外かどうかがわからないんだが……」
そもそも、世界が違うのだ。
使用している電波の種類や通信システムそのものがそもそも違っている可能性が高い。
そのため、圏外であるだろう、と勝手に予測し、生徒手帳を開くことをいままでしていなかった。
だが、もし万に一つの可能性があるとすれば。
「物は試し、か」
遊里はいままで開いていなかった生徒手帳を手に取り、通話機能を起動させ、未来の生徒手帳につなぐ。
しばらくコールが続いた後。
『遊里?! 遊里かっ??!!』
「未来っ! よかった、無事だったか!」
『あぁ……いま、お前はどこにいるんだ?』
「ソラシド市って町だ。お前は?」
『俺はいま大貝町って場所……え? あ、あぁ。すまん、世話になっている人が変わってほしいって言ってるんだ。できれば、スピーカーにしてほしいっていうんだが』
「え? あ、あぁ……わかった」
遊里は未来の頼みを聞き、テーブルに生徒手帳を置き、スピーカーモードに切り替える。
すると、ぽわぽわとした雰囲気の少女の声が聞こえてきた。
『初めまして、風原遊里さん。わたくしは四葉ありす。未来さんに助力をお願いしているものです』
「初めまして。親友が世話になったようで……ところで、なぜ俺と。いえ、俺たちと対話を?」
なぜ、スピーカーモードにするよう、未来に指示したのか。
その意図を測りかね、思い切って聞いてみることにした。
すると。
「ありすさん?!」
「久しぶり! 元気してた?」
ソラとましろがまるでありすと知り合いであるかのように声をかける。
その声に反応してか、生徒手帳の向こう側で。
『その声はソラちゃんとましろちゃん?!』
『久しぶりね!』
『久しぶり。こっちはみんな元気よ』
『もしかして、ツバサくんとあげはさんもそちらにいらっしゃるのですか?』
ありす以外の四人の少女の声が聞こえてくる。
どうやら、同席している人間がその場にいるようだ。
『みなさん。遊里さんが困惑しておりますわ……すみません、遊里さん』
「い、いや……なぁ、未来。もしかしなくても、お前も会ったのか?」
『会った? 何に?』
「『フォーチュンレディ』とか『マドルチェ』とか『マジシャンガール』みたいな格好した中学生くらいの魔法少女、プリキュア」
プリキュア、の単語を聞いた瞬間、電話の向こうで騒いでいた四人の少女たちに動揺の悲鳴が上がる。
その態度だけで、遊里は四人がプリキュアと何か関係があることは察しがついた。
そして、未来もそのことに気づいたのか。
『……なるほど、お前もか』
「あぁ」
『そのことについては、おそらく、俺が今いる場所で話した方がいいだろうな』
「なら、情報交換をかねて」
『あぁ。ありす、すまないがこの場所を借りてもいいだろうか?』
『うふふ。もちろん、最初から遊里さんとソラさんたちをお招きする予定でしたので』
『ということだ。都合がいい日をこっちから連絡する』
「わかった。なら、その時に」
『おう。じゃあな』
「あぁ。じゃあな」
そう言って、遊里は通話を切る。
こうして遊里と未来の再会と、ソラたち――スカイたち以外のプリキュアとの邂逅が急遽決まったのだった。