遊戯王×プリキュアオールスターズ 世界を超えた絆   作:風森斗真

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さて、黒衣の決闘者の情報が開示される……かもしれないわけですが、まだ名前は出しません
察しがついてる方はとっくに察しがついてるとは思いますが


紋章の手がかり

「初めまして! わたし、相田マナ! 大貝第一中学の生徒会長です!」

「マナの同級生で、同じく、生徒会長の菱川六花です」

「二人の同級生で剣崎真琴です」

「わたくしは円亜久里。こちらは、わたくしの双子の姉妹で」

「レジーナよ。よろしくね」

 

 ともに異世界に飛ばされた未来が世話になっている四葉邸の庭に、元気な自己紹介の声が響いた。

 どうやら、この少女たちが未来との通話の時に一緒にいた少女たちらしい。

 

「あ、あぁ……よろしく」

「でだ。遊里、お前も遭遇したか? 町でデュエルモンスターズを暴れさせている決闘者(デュエリスト)に」

 

 マナと名乗ったピンク色髪の少女を筆頭に始まった自己紹介を勝手に切り上げ、未来は遊里にこの世界で決闘者と遭遇したか問いかけてくる。

 その問いかけに、遊里は表情を引き締め。

 

「あぁ……俺の所は闇魔界の覇王を使っていたが、おそらく、メインのデッキじゃないだろうな」

「やっぱか……俺も俺が遭遇した決闘者と決闘(デュエル)をしたんだが、どうにもちぐはぐで本気で戦っているという印象はなかった」

「てことは威力偵察?」

「ありえなくはないだろうな。だが、何が目的だ? デュエルモンスターズを広めるため、だとしてもこんなやり方はかえって恐怖を植え付けるだけだと思うんだが」

「あるいは、この世界の侵略か?」

「その根拠は? この世界にはプリキュアがいるんだろ? わざわざ魔法少女みたいな連中に喧嘩を売るようなことするか?」

「それがな、数がそろえばどうなるかはわからないが、攻撃力2000の通常モンスターに苦戦している感じだったから、個々の戦闘能力があまり高くないと思う」

 

 情報交換を兼ねて自身の所感を話し合う。

 その中でプリキュアの単語が出てきたせいか、ソラやマナたちも聞き耳を立て始めた。

 

「そういえば、未来。お前はどうしてプリキュアの存在を知ったんだ? 俺はたまたま現場に居合わせたからなんだが」

「あぁ、俺も似たようなもんだ。もっとも、俺の時は降ってきた隕石を破壊してる現場にたまたま居合わせたって感じなんだが」

「いやちょっと待て、隕石ってなんだよ? 地球に降ってくる隕石ってのはだいたいが月の引力に引き付けられるから、対処する必要があるような規模の隕石は降ってこないんじゃなかったのか?!」

「その隕石が、デュエルモンスターズのカードだったんだよ」

「まじかよ……まさかと思うが、ワームだった、なんてことないよな?」

「ワームだった……」

「おぉう……」

 

 ワームと言うのは、遊里が操るガスタと同じく、デュエルモンスターズにおけるテーマの一つだ。

 宇宙からの飛来物に付着していた単細胞生物が増殖、適応、進化し、不時着した星を侵略するという性質を持つ一族、というバックストーリーを持っており、その姿は爬虫類という種族ながら、まるでスライム(水族)や悪魔族、アンデッド族をかけ合わせたような不気味な姿をしているものが多い。

 そんなものが町に出てきたとなれば、大混乱になってしまう。

 おまけに、ワームは先述の通り、スライムのような姿をしているものもおり、下手に戦闘すれば、プリキュアたちにその粘液がかかってしまう可能性もある。

 あられもない姿を見ることは、さすがに気が引けたのだろう。

 実際に対峙したのだろうマナたちはワームの姿を思い出し、苦笑を浮かべているあたり、未来が先陣を切ったことは、英断であった。

 

「そういや、ワームを使ってた決闘者だが、こんな紋章がついた黒衣をまとってなかったか?」

 

 未来の英断を評価しつつ、遊里は思い出したように一枚の紙を取り出し、未来に差し出す。

 差し出された紙を見た未来は、ひくりと眉を動かし。

 

「お前の所にも来たのか」

「あぁ。いま、俺が世話になってる家の家主が学者仲間に聞いてくれている」

「そうか。一応、四葉のデータベースでも検索をかけてもらっているんだが、特定にはまだ時間がかかるらしい」

 

 未来はそう言いながら、確認するようにありすに視線を向ける。

 視線を向けられた本人は少しばかり申し訳なさそうにしながら。

 

「いまも検索を続けているのですが、なかなかヒットせず……協力者の方にも連絡してはいるのですが」

「そうか……だとすると、この世界と俺たちがいた世界の紋章じゃない可能性も出てくるんだな……」

「なら、こころあたりがあるかどうか、遊里が聞いてみればいいじゃないか」

「俺が? 誰に?」

 

 未来の言葉に、遊里は眉を顰め、首をかしげる。

 まるで自分にこの紋章について心当たりがある人物とコネクションがあるような言い方であるが、遊里にはまったく心当たりがなかった。

 が、未来は遊里の右肩あたりに人差し指を向け。

 

「いるだろ? ウィンダやピリカ、ガスタの精霊たち(お前の家族)が」

「……あぁ、そういうことか」

 

 未来の指摘に、遊里は納得できたらしいが、マナたちは首をかしげていた。

 デュエルモンスターズの精霊の存在を知っているソラたちも。

 

「けど、ウィンダさんたちはデュエルモンスターズの精霊、なんですよね?」

「確かに別の世界の存在かもしれませんけど、この紋章について知っている可能性はあるんでしょうか?」

 

 と疑問を呈していた。

 だが、この世界にも元居た世界にも情報がない以上、第三の世界の存在であるウィンダたち以外、この紋章を知っている可能性がある存在はいないことも事実だ。

 ダメもとで、ウィンダのカードを決闘盤(デュエルディスク)にセットし、ウィンダを召喚したうえで、紋章を見せてみると。

 

「……たしかに、この紋章は見たことがあるような気がします……けれど、これはわたしよりも妹のウィンのほうが詳しいかもしれません」

 

 と、心当たりがあるかのようなことを口にした。

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