遊戯王×プリキュアオールスターズ 世界を超えた絆 作:風森斗真
ありすからの厚意に甘え、その日は四葉邸に泊めてもらうことになった遊里とソラたち。
その晩は遊里と未来を中心に、デュエルモンスターズのゲームに興じた結果、一見複雑そうで実は複雑なルールに頭を悩ませていたソラも、感覚でルールを覚えることができていた。
「これで最後です!
「あぁっ?! う~ん、
「いえいえ! ましろさんや皆さんが丁寧に教えてくれたからです!」
友達同士だからこそ、勝っても負けても楽しいのだろう。
二人の顔には明るい笑みが浮かんでいた。
その一方、少し離れたところではマナたちが神妙な面持ちで話し合っている。
「やはり、連絡がつきません……」
「どうしたんだろう? のぞみさんやみゆきちゃん、めぐみちゃんだったら、気づかなかったなんてことあるかもしれないけど」
「何かあったのでしょうか?」
「わからないわ。でも、きららから何の返事もないのはやっぱりおかしいと思う」
「最悪のケースも想定しておく必要がありそうですわね」
今起きていることについて、遊里たちとの顔合わせをするという意味も込め、プリキュアの仲間たちに集まってもらい、対策を練ろうとしていたのだが、いくつかのチームから連絡がこないのだ。
どこか抜けている部分がある子もいるため、もしかしたらメッセージそのものを見れていない可能性も考えられなくはないのだが、それでも心配なものは心配だ。
「あまり時間に余裕はないのかもしれません。いま連絡がついている皆さんとだけでも、この状況を共有することにしましょう」
「それがいいね……ごめんね、遊里さん、未来さん。こっちから提案したことなのに全員揃わなくて」
マナが申し訳なさそうに遊里と未来に謝罪する。
本当なら、この世界と唯一、船舶での往来が可能な異世界、トランプ王国へ向かい、異世界転移に関するヒントを得ることができないかと考えていた。
だが、いまの状況を説明するにしても、先に話を聞いたものからまた聞きするよりも、状況の真っただ中にいる人間から直接聞いたほうが正確性は増すことになる。
こうして分割してしまうと説明のために余計な時間と手間を増えることになってしまうことを申し訳なく思っているのだろう。
だが。
「気にする必要はないさ」
「あぁ。それぞれに事情もあるだろうさ……心配だってことに変わりはないけどもな」
「えぇ……」
「滅多なことはないと思いたいですが……」
「さすがに、色々と巻き込まれてるからね……」
遊里と未来の言葉に、ありすと亜久里、真琴は顔を曇らせる。
自分たちの力で乗り越えたとはいえ、一歩間違えれば世界が滅亡してしまうような事件に巻き込まれたことは多くある。
こうして連絡がつかないということ自体が、その事件がすでに始まっている予兆なのではないか。
そんな予測が彼女たちの胸によぎっているのだろう。
「いまは、皆の無事を祈るしかない……俺たちがあれこれ考えてもしかたがないさ」
「だな。それに、仮に仲間たちが巻き込まれているなら、助け出す」
未来はともかく、遊里はかなりの人間嫌いだ。
よく知りもしない赤の他人がどうなろうと知ったことではないし、自分がどうにかできるとは思っていない。
だから助力するつもりは最初からないし、助力を乞うならば相応の対価を請求するところだ。
だが、少しでも世話になった人間がかかわっているとなれば、それなりに心配はするし、恩義を返すために助力する。
それが遊里の信条であり、矜持だ。
そのことをわかっている未来はからかうように遊里に軽く肘うちを仕掛ける。
その様子に、マナたちもどうやら信頼してもよさそうだと感じたのか。
「そう、だよね……」
「そう信じよう。みんなきっと大丈夫だよ」
マナと六花の言葉に、ありすたちは力強くうなずく。
きっと無事でいる。
それを信じることができるほど、彼女たちとほかのプリキュアたちとの絆は強いようだ。
そのことを肌で感じた遊里と未来は、自然とその顔に笑みが浮かんだ。
「で、ほかの子たちとの話し合いは?」
「明日、皆さん、こちらに来てくれることになっています」
連絡がついたメンバーとの対談については、問題なく行えそうであることをありすが告げてくる。
いまのところ、そのメンバーは無事、ということなのだろう。
「そうか」
「ひとまず、その子たちの分だけでもカードを作っておく必要はありそうだな」
「えぇ。それと、ルールのマニュアルのようなものを作っていただけると、皆さんに説明するときに手間が省けると思います」
マナたち曰く、今回、集合することになったチームの大半は、それなりに成績が優秀であったり、学業の成績こそあまり振るわなくとも地頭がよく、頭の回転も早かったりする子たちが多いらしい。
だが、やはりその複雑さにより混乱する可能性もなくはないため、マニュアルのようなものを作っておいた方が無難ということらしい。
ありすの提案に、遊里と未来はうなずきあい、さっそく、マニュアルの草案を互いに作り合い、翌日に備えることにした。