遊戯王×プリキュアオールスターズ 世界を超えた絆   作:風森斗真

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2、プリキュアオールスターズ、全員集合……できてない?!
全員……じゃないけど、集合! プリキュアオールスターズ!


 連絡がつかないメンバーの無事が気になりながらも、連絡がついたチームとの会談に備え、準備を進めた翌日。

 昼食前に二十人近くの中学生や高校生が四葉邸を訪れ、庭は大いににぎわっていた。

 全員が全員、顔見知りらしく、和気あいあいとした雰囲気で談笑している。

 だが、その談笑も。

 

「みなさん、準備が整いましたのでこちらの方へどうぞ」

 

 ありすとセバスチャンの案内で、彼女たちが邸内に招かれたことで終わりを告げる。

 二人の案内で彼女たちは邸の中の大広間へと案内され、用意されている席に適当に腰掛けていく。

 全員が席についたあたりで、ありすがマイクを手に取り、挨拶を始める。

 

「みなさん、本日はお集まりいただき、ありがとうございます。実は昨日、わたくしたちが住む大貝町とソラさんたちが住むソラシド市で、同じような現象が発生しました。おそらく、皆さんもお心当たりがあると思います」

 

 ありすのその言葉に、部屋中に動揺が走る。

 中には。

 

「あんたたちのところも?!」

「やっぱり、ほかの所にも出てたんだ!」

「もしかしなくても、新しい敵?!」

「ぶっちゃけありえなーいっ!!」

 

 と、会議中という意識がないかのように叫び声をあげるものもいるほど。

 この場にいる子たちが全員、プリキュアであることはわかっているのだが、こうしてみていると年相応の女の子であることを感じさせられ、なぜか遊里と未来は安堵する。

 彼女たちの動揺は一分ほど続いたが、徐々にその動揺も静まっていく。

 動揺が完全に静まったことを確認すると、再びマイクを手に話を続けた。

 

「いままで、わたくしたちが戦ってきた敵とはまったく異なる姿。なにより、わたくしたちの技が通用しない、恐ろしい敵でした」

「そうね……」

「はい。なぜかいきなり撤退してくれたので事なきを得ましたが……あのまま戦い続けていたら、わたしたちもどうなっていたか……」

「わたくしたちもそんな状態まで追い込まれましたが、わたくしたちはこちらの不動未来さん。ソラさんたちは風原遊里さんに救われました」

 

 その言葉に、遊里と未来に視線が一斉に集中する。

 その視線に居心地の悪さを感じ、遊里のストレスが一気に上昇するが。

 

「はいっ! おかげで助かりました!!」

「そうだね。改めて、ありがとう、未来さん。遊里さん」

 

 ソラとマナが急にお礼を言い出したため、注目はそれた。

 しかし、今度は気恥ずかしさが二人に襲いかかり、それはそれで居心地の悪さを覚えてしまう。

 そんな二人の気持ちもいざしらず、ありすはその現象を遊里と未来が収めてくれたこと、二人が別の世界から突如、この世界に飛ばされてきたこと。

 そして、自分たちを襲った現象が『ドーマ』という組織によって引き起こされたものであることを説明し、今後、彼らと対立するうえで、自分たちもドーマや遊里と未来と同じような対応を行わなければならないかもしれない可能性を示唆する。

 

「その対応というのが、デュエルモンスターズという遊里さんと未来さんがやってきた世界で行われているカードゲームです」

「えっ?! ゲームの勝敗でどうにかできることなの?!」

「さ、さすがにそれはどうなのでしょうか?」

「……ま、疑問には思うだろうな」

 

 出てくる疑問の声に、遊里はため息をつきながら同意する。

 自分たちがいた世界ならばともかく、この世界では、スポーツやゲームで勝利したからといって、試合前に出した条件を必ず飲んでもらえるとは限らない。

 むしろ、遊里たちがいた世界のように、決闘(デュエル)の結果を重んじ、その決定に従う潔さがあるということが、異常なことなのだ。

 だが。

 

「実際問題、俺たちのいた世界では決闘はそれだけの拘束力を持っている。昨日、ソラシド市を襲撃した決闘者(デュエリスト)も、実際にあのあと、町を攻撃しなかった」

「俺の時もそうだったな。だから、真正面からモンスターと戦うよりも、決闘者に決闘を挑んで勝利するほうが、確実性は高いし、町に被害を出さないですむかもしれない」

 

 実際問題、遊里と未来に敗北した決闘者たちは提示された条件を守り、そのまま町から撤退した。

 確実、というわけではないかもしれない。

 けれども、実績がある以上、試してみる価値は大いにある。

 

「そこで、遊里さんと未来さんに協力していただき、皆さんの決闘盤(デュエルディスク)とデュエルモンスターズのカードを準備することができました。もちろん、ルールについても遊里さんと未来さんがわたくしたちにレクチャーしてくれることとなっています」

「え……そんなに複雑なんですか?」

「まぁ、複雑と言えば複雑だな」

「ちょっとルールを覚えたくらいじゃどうにもできない程度には、複雑だ」

「そ、そんなに複雑なルールなんですか……?」

「いや、ルールよりもカードの組み合わせのほうが問題だな」

 

 黒い長髪をした静かな雰囲気をまとっている、いかにも大和撫子という言葉が似合いそうな少女の問いかけに、遊里と未来が少しばかり視線を明後日のほうへ向けながら答える。

 長い歴史を持つデュエルモンスターズのルールは、その時代その時代で改変を重ね、複雑化していった。

 だが、それは覚えてしまえば問題はない。

 問題なのは、デュエルモンスターズのカードはその組み合わせによって無限の可能性を生み出してしまうことにある。

 その組み合わせは、デュエルアカデミアに通う遊里と未来ですらすべてを把握しきれていない。

 

「だからこそ、ルールを説明した後は自分の好みに合ったカードで組んだデッキを実際に動かして、感覚で覚えてもらうつもりだ」

「もちろん、デッキの構成についてもアドバイスはさせてもらう」

 

 ドーマの襲撃に備えるためには、自分たちもデュエルモンスターズのことを知らなければならない。

 幸いにも、自分たちにはデュエルモンスターズのことを学び、ドーマを退けた実績を持っている遊里と未来がいる。

 

「わたしたちの大切なものを守るためなら!」

「どんとこいよ!!」

「遊里さん、未来さん! ぜひ協力してください!!」

 

 先ほど疑問を呈した黒髪の少女の隣にいる明るい茶髪の少女の言葉を皮切りに、少女たちの士気が一気に上昇する。

 たった一人の言葉で勇気とやる気が満ち溢れたその様子に、遊里と未来は彼女たちの間にある確かな絆を感じ取った。

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