遊戯王×プリキュアオールスターズ 世界を超えた絆   作:風森斗真

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ショッピングモールの穏やかなひと時

 急遽、神奈川県横浜市はみなとみらいへ遊びに行くことが決まり、未来と遊里はD-ホイールを駆り、先導する桃色のリムジンとハマーの後ろを走っていた。

 むろん、急な決定に何も思うところがないわけはなく。

 

「もうちょっとこう、都合とかあるだろうに……」

「まぁ、あの目をされたら俺もさすがに引くことはできないって」

「だな……アキさんとか御影さんとか龍可(ルカ)姉さんに睨まれたかと思ったぐらい怖かった……」

 

 ありすの微笑みに、自分たちの住む世界で知る限り、怒られたことがある人物の名が遊里の口から漏れ出てくる。

 なお、龍可というのは遊星と同じく、赤き竜に選ばれし神官(シグナー)の宿命を背負った、最も幼いメンバーであり、遊里と同じく、デュエルモンスターズの精霊と交信することができる稀有な才能を持った人物だ。

 大学を卒業した現在は、双子の片割れである龍亜(ルア)の専属マネージャーとして活動しているため、決闘(デュエル)からは少し離れているが、その実力は高く、その能力のこともあり、遊里が姉と呼んで慕っている唯一の人物でもある。

 

「ありすだけは絶対に敵に回したくないな……」

「まったくだ……そのうち、この世界と俺たちのいる世界をつなげる技術を生み出して」

《ぜひこちらの世界でデュエルモンスターズの普及に一役買ってくださいな》

「とか言い出す……おい、ちょっと待て」

 

 未来と遊里が走りながらD-ホイールに搭載されている通信機能を使い、会話をしていると、なぜか突然、ありすの声が聞こえてきた。

 遊里は眉間にしわを寄せながら画面(ディスプレイ)を見てみると、そこにはにっこりと笑みを浮かべているありすの顔がある。

 

「なんでお前が俺たちの通信に割って入ってきてるんだ?」

《マジカルラブリーパッドの通信機能を使ってお話しできないか試していたのです》

「まじか……」

「もう何も驚かんぞ……」

 

 まさかプリキュアたちのアイテムで自分たちのD-ホイールと通信することも可能だったとは思ってもみなかった。

 もはやなんでもありのような気がしてきて、考えるだけ、思考回路の無駄遣いであることを悟り、遊里はため息をついてこれ以上、このことについて考えないことを宣言する。

 その様子に、ありすはくすくすと笑みを浮かべていた。

 

 

 

 そんなやりとりがありながら、しばらく運転していると一行はみなとみらいにあるショッピングモールに到着した。

 様々な専門店が所狭しと並んでおり、ウィンドウショッピングをするだけでも十分楽しめそうな場所である。

 さすがに、未来が興味を持ちそうな機械類や工具類を扱う専門店は存在していないが、遊里の趣味である紅茶やハーブの専門店はいくつか存在しており。

 

「ちょっと、そっちのほうへ行ってくる」

「わかった。何かあったら連絡してくれ」

「おう」

 

 遊里はそそくさとその場から離れ、紅茶専門店の方へと姿を消してしまった。

 

「な、なんというスピード……」

「遊里はハーブティーと紅茶に凝ってるところがあるからな。買うつもりもあるんだろう」

 

 時々、寮の遊里の部屋に遊びに行く未来は、顔を出すたびに紅茶を振る舞われたことを思い出したのか、薄く笑みを浮かべていた。

 その後、プリキュアたちはそれぞれに自分の好きな場所や興味がある場所へとばらけていく。

 その中には、遊里と同じく、ハーブや紅茶に興味があるメンバーもおり。

 

「あれ? 遊里さんもこのお店に?」

 

 ハーブ専門店で、遊里がじっとハーブが入っている瓶に目を通していると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 遊里がそちらへ視線を向けると、そこにはましろと。

 

「ん? ましろか。それに……」

 

 濃桃色の髪を二本にまとめている少女と、眼鏡をかけた長い黒髪の少女がいる。

 どちらも四葉邸で植物族のテーマを扱おうとしているグループにいたことを思い出し。

 

「たしかつぼみとゆりだったか」

「は、はい」

「そうよ。さすがに名前は憶えてもらえたようね」

「まぁ、つぼみはともかく、君は知り合いによく似ているからな」

「あら、そうなの?」

 

 遊里の言葉に、ゆりと呼ばれた少女は目を丸くする。

 実のところ、遊里と未来はプリキュアたちの中に自分たちの同級生とうり二つの顔をしている少女がいることに気づいたとき、ゆりと同じように目を丸くしていた。

 だが、彼女が選んだカードはその同級生とは違い、レベル8植物族を主軸に、X召喚を狙うもの。

 デッキを作る姿を見るだけで、ゆりがその同級生とは全くの別人であることは理解できたし、納得もした。

 が、やはり視覚からの情報には抗いがたく、今も少しだけ困惑している。

 

「ところで、あなたはどんなハーブを探しに来たのかしら?」

「ん? レモングラスとかレモンバーム……まぁ、シトラス系の香りがあるタイプのを」

「なら、ペパーミントのような鎮静効果があるハーブも一緒にどうかしら?」

「紅茶も、香りがあまり主張しない、すっきりした味わいのものと合わせるとちょうどいいと思います!」

「詳しいな……なら、それを買ってみるかな」

 

 自分の好みについての知識を持っているからか、それとも顔立ちが同級生に似ているからか、遊里はソラたちよりもすんなりとゆりとつぼみのアドバイスを受け入れ、言葉を交わしていた。

 その後も、遊里はましろとつぼみ、ゆりの三人と一緒に紅茶やハーブティーの専門店や書店、コスメショップなどにも立ち寄り、それなりにショッピングモールを楽しんでいた。

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