遊戯王×プリキュアオールスターズ 世界を超えた絆 作:風森斗真
デュエルモンスターズに登場するモンスター『闇魔界の覇王』が知らない町で、これまた見知らぬ恰好をした少女たちを相手に暴れている光景を目にした遊里。
ネオ童実野シティにいたはずの自分がなぜここにいるのか、その謎が解けないままではあるが、一介の
「手札から『ガスタ・ヴェルズ』を攻撃表示で召喚!」
闇魔界の覇王の覇王と、五人の少女たちが戦っている場所までD-ホイールを走らせながら、遊里は右ハンドル近くにある手札ホルダーからカードを引き抜き、正面のディスクにセットする。
その瞬間、黄緑色の羽毛を持ち、ヴァイキングのように二本角の装飾が施された兜をかぶる小柄の鷹が姿を見せた。
「このカードが召喚に成功したとき、デッキから『ガスタ』と名のついたモンスターを墓地へ送り、手札の『ガスタ』モンスター1体を特殊召喚できる! デッキから『ガスタ・ガルド』を墓地へ送り、手札の『ガスタの
ガスタ・ヴェルズと呼ばれた鷹が甲高い声をあげる。
その瞬間、デッキから一枚のカードが飛び出してきた。
遊里はそのカードをディスクの手前に取り付けられているホルダーに挿入し、手札ホルダーから一枚のカードを引き抜き、ディスクにセットする。
その瞬間、ヴェルズの隣にサイドテールで束ねられた翡翠とオレンジの髪を持ち、背丈ほどの杖を抱えるように持っている、愁いの表情を浮かべる幼い少女が姿を現した。
その少女は遊里の方へ視線を向け、意思があるかのように口を開く。
「マスター。ここ、どこ?」
「わからない。だが、デュエルモンスターズの精霊が暴れている以上、見過ごすことはできない。力を貸してくれ!」
「わかった。わたしたちの力、いつも通り、存分に使って!」
「ありがとう。ピリカが召喚、特殊召喚に成功したとき、墓地から風属性チューナーを1体、特殊召喚できる! 『ガスタ・ガルド』を特殊召喚!! フィールドに舞い戻れ! ガルド!!」
ピリカが杖を掲げた瞬間、杖の先端に施された宝玉から光が放たれた。
その光の中から、ヴェルズに似ているが、羽毛の色がヴェルズよりも明るく、かぶっている兜も二本角でなく中心線に沿って複数の突起がついた兜をかぶった鷹が姿を見せる。
「レベル3のガルドに、レベル3のピリカをチューニング!!」
遊里がそう叫んだ瞬間、ガルドは三つの光の輪に姿を変え、ピリカがその中をくぐる。
光の環の中で、ピリカの体は消滅し、代わりに三つの星が姿を見せた。
「湿原をかける風まといし戦乙女。星の力交え、攻め入る敵を迎え撃て!!」
三つの星が強い光を放ち、光輪の中で一本の光の柱となる。
その光柱から、ピリカよりも背の高い、杖を持った人影が出現した。
「
手にした杖を両手で回し、歌舞伎の見切りのような決めポーズを取る、中央に青白く輝く宝玉が施された金色の額宛てをした、背中を覆うほどの長さを持つ髪をした少女が遊里の隣に出現する。
「スフィアードがS召喚に成功したとき、墓地の『ガスタ』と名のついたカード1枚を手札に戻すことができる! 俺はピリカを手札に戻す!」
「マスター!」
「いくぞ、スフィアード!!」
スフィアードの呼びかけに答え、遊里はD-ホイールを加速させる。
闇魔界の覇王との戦闘でボロボロになった少女たちの隣を駆け抜け、遊里は闇魔界の覇王へと向かっていく。
「バトル! スフィアードで闇魔界の覇王に攻撃!!」
「はぁぁぁぁぁっ!!
攻撃宣言をした瞬間、スフィアードの持つ杖の先端に備えられている青白い宝玉から光が放たれ、杖を包み込む。
杖全体が光に包まれると、スフィアードは杖を逆手に持ち、闇魔界の覇王へ向かって投げつけた。
杖は
体を貫けれた覇王は怒り狂ってその杖を手に、スフィアードへ向かっていくが。
「スフィアードは戦闘では破壊されず、俺のフィールドに表側表示で存在するガスタが戦闘したことで発生するダメージは相手に反射される!!」
「
逆にスフィアードが杖を取り返し、覇王の姿が光の粒子となって消えていった。
ひとまずの戦闘が終了したことで、遊里は一度ブレーキをかけ、周囲を見回す。
決闘の進行手順が適用され、スフィアードとの戦闘、効果も適用されたということは、一連の流れは決闘と同じ。
とすれば、近くに覇王を召喚した決闘者がいるのではないかと思ったのだが。
――いない、か
少なくとも、遊里の見える範囲にその決闘者は存在していないらしい。
スフィアードに視線を向けるが、彼女も首を横に振るばかりで、手がかりらしい手がかりはないようだ。
「……釈然としないな……ありがとう、スフィアード」
「いえ……ですがマスター。まだ問題は山積みです」
「そうだな……」
スフィアードに指摘され、遊里は陰鬱なため息をつく。
ここがどこで、なぜこの場にいるのか。一緒に飛び込んだはずの未来の安否は。
そして何より、自分は元の場所へと戻ることができるのか。
解決しなければならない問題は山積している。
どうしたものか、と考えていると。
「あ、あのぉ……」
青い髪をしたサイドテールの快活そうな少女が恐る恐るといった様子で声をかけてきた。