遊戯王×プリキュアオールスターズ 世界を超えた絆   作:風森斗真

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というわけで、遊里の精霊登場です
次回あたりから決闘挟むことができたらいいなぁ……


精霊との顔合わせ

 ネオ童実野シティから突然、謎の光の穴に突入してしまったがためにソラシド市にやってきてしまった遊里。

 衣食住の問題は、ソラシド市に住む老婆ヨヨの厚意でどうにか解決し、目先の問題が一つ片付いたことに安堵していたのだが。

 

「あのぉ……一つ、聞いていいですか?」

「ん?」

 

 恐る恐るといった様子でましろが手をあげながら遊里に問いかけてきた。

 素っ気ない態度ではあったが、どうしたのか視線で問いかけると。

 

「そもそも、デュエルモンスターズって何?」

 

 おそらく、遊里と遭遇してから最初に感じていた疑問なのだろう。

 デュエルモンスターズのことについて、説明を求めてきた。

 どうやら、この世界にはデュエルモンスターズが存在していないらしく、あげはやツバサ、ソラも、ましろの疑問に同意するようにうなずいている。

 その様子に、遊里は自分が持っているデッキを四人の前に置く。

 

「デュエルモンスターズというのは、俺がいた世界で最も影響力を持っているカードゲームだ。市政や会社の方針決定なんかの重要な採決や交渉に関してはさすがに影響力は皆無だが、デュエルモンスターズのプレイヤー……決闘者(デュエリスト)同士の間でのもめ事は、その結果によって解決することがほとんど、というくらいだ」

 

 それだけでなく、デュエルモンスターズのカードに描かれているキャラクターをモチーフにした商品やキャラクターをイメージした食品の販売など、経済面でも強く影響力がある。

 人生でデュエルモンスターズに関わらないという選択肢がほぼ不可能なほど、遊里がいた世界にはデュエルモンスターズが浸透していた。

 

「え……てことは、あんな怖い化け物が街の中を暴れまわるような現象がいつも……?」

「いや、それはない。この機械……決闘盤(デュエルディスク)決闘劇場(デュエルステージ)みたいな特別な機械や場所を使えば、演出で立体幻影映像(ソリッドヴィジョン)による映像が投影されることはあるが、あれはあくまでも映像だ」

 

 一応、質量を持った立体幻影映像、「現実的立体幻影映像(リアル・ソリッドヴィジョン)」という新たな立体幻影映像が開発されているという話はある。

 遊里も、デュエルアカデミアの授業で一度だけ、触れたことはあるのだが、まだ決闘盤にそのシステムを落とし込むことができていない。

 まして、デュエルモンスターズが存在していないうえに、科学技術も自分がいた時代よりも遅れているこの世界に、そのようなものは存在するはずもない。

 そのため、遊里は正面から、真面目な顔で否定した。

 だが、その返答のせいでさらに疑問が深まってしまったらしく。

 

「え……じゃあ、あれはいったい?」

「……ま、まさか……」

「イラストのモンスターがほんとに出現した、なんてわけじゃ……」

 

 映像が実際に壁や道路を破壊する。

 そんな現象は発生するはずがないということに、恐怖を覚えるソラたちだったが。

 

「……ちょっとオカルトな話になるから、信じてもらえるかは微妙なんだが、こんな話はある」

 

 一つの答えとなりうる言葉が出てくると感じたのか、ソラたちはその言葉が聞こえた瞬間、遊里の方へ視線を向ける。

 一斉に視線が集まってきたため、軽く恐怖を覚えた遊里だったが、気を取り直して、説明を始めた。

 

「デュエルモンスターズには、モンスター以外に魔法、罠と種類が存在する。その中でもモンスターカードには精霊が存在するって話がある」

「精霊?」

「精霊、ですか……」

 

 プリキュアに変身できる。スカイランドという異世界を知っており、その世界からこの世界にやってきた。

 それらの、夢物語(フィクション)のような出来事を実体験しても、やはり精霊や妖精といった存在は信じることが難しいようだ。

 そう感じた遊里は、目の前に置いたデッキの中から、一枚のカードを引き抜き、デッキの横に置いた。

 そのカードには、『ガスタの巫女ウィンダ』という名が記され、若緑よりもさらに明るい緑の長い髪をポニーテールにまとめ、白く長い杖を手にした少女が描かれている。

 そのカードが来たことは予想通りだったのか、遊里の顔に笑みが浮かぶ。

 

「……出てきてくれ、ウィンダ」

 

 そう口にすると、遊里の隣にカードのイラストと同じ姿の少女が姿を現した。

 誰かが部屋に入ってきた場面は誰も見ていないし、何より、誰かが入ってきたのならばエルが真っ先に気づいて声をかけるはず。

 なのに平然と、しかも最初からこの場にいたかのように振る舞う少女に、ソラたちは思わず警戒するが。

 

「あ、ご安心ください。わたしは遊里さん……マスターが扱うカードの精霊です。マスターの願いでこうして顕現しました」

「ま、マスターの願い……?」

「顕現したって……」

「え、えっと……どゆこと?」

 

 ひとまず、敵意がないことだけは理解できたのだが、情報量が多くなってしまったためか、遊里とウィンダ以外の面々がポカーンとした顔つきになってしまっていた。

 唯一、エルだけが構ってほしそうにウィンダの方へ手を伸ばしている。

 ウィンダは、触れても大丈夫なのか、判断を仰ぐように遊里に視線を向けるが、遊里はただうなずくだけで何も返答はしなかった。

 だが、ウィンダは遊里の意図を察したのか。

 

「あの、ヨヨさん。エルちゃんが構ってほしそうにしているんですが……触っても大丈夫ですか? むしろ抱っこさせてほしいんですが」

「えぇ。エルちゃんもそうしてほしいみたいだから、ぜひ」

 

 ヨヨからそう言われ、ウィンダは早速、エルの脇に手を伸ばし、抱き上げた。

 エルは自分がそうしてほしいと思っていたということもあってか、抵抗することなく、ウィンダに抱き上げられる。

 その顔には笑みが浮かんでいることから、危険な存在ではないと、ソラたちは感じたらしい。

 さきほどまで張り詰めていた空気が一瞬で和み、その場にいた全員が笑みを浮かべる。

 

「……紹介する。いま、エルを抱き上げてるのが、俺に力を貸してくれてる精霊『ガスタの巫女ウィンダ』だ」

「え?! 幻影立体映像ってやつじゃないんですか?!」

「はい。わたしはいま、自分の力でこうして顕現しています。だからこうして、エルちゃんを抱っこすることもできるんですよ~」

「エ~ルン」

 

 ウィンダがエルを抱き寄せると、エルは嬉しそうに笑みを浮かべた。

 その愛らしさに、ソラたちはさらに笑みを浮かべるが。

 

「見てわかる通り、ある程度、力を持った精霊であれば、こうしてそのカードを扱う決闘者が力を分けることで実体化することができる。おそらく、さっきの闇魔界の覇王も同じように決闘者に力を分け与えられて顕現したんだろう」

 

 だが、そうなるとわからない部分がある。

 決闘者から力を借りた、というのならば、その決闘者の目的は何なのか。

 自分と未来以外の決闘者がなぜ、どうやってこの世界にやってきたのか。

 

――謎は深まるばかりだな……

 

 目の前の問題は解決したが、新たに問題が浮上してきたことに、遊里はため息を禁じ得なかった。

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