遊戯王×プリキュアオールスターズ 世界を超えた絆 作:風森斗真
まぁ、最初の決闘ということもあるので、あまり苦戦せずに勝たせるつもりですが
姿を見せる敵
デュエルモンスターズのことについて。ひいては自分のいた世界について、遊里が色々と説明を終えると、ひとまず、遊里は空いている部屋へと通された。
自由に使ってもいい、と言われたものの、持っていたものといえば、
あとは多少のお金くらいなもので、着替えの類はない。
ひとまず、それらをそろえるところから始めなければならず、遊里はソラとましろと一緒に再びソラシド市の街へと向かった。
なお、エルを抱っこしてあやしていたウィンダも、半透明状態の姿で同行している。
「それにしても、賑わってるな……ここはいい街のようだ」
「はい! みなさん、とてもいい人たちですよ!」
「そうだねぇ……あ、メンズ用品はこのお店がおすすめだよ」
ソラシド市に長く住んでいるましろがそういいながら、一軒の店を指さし、遊里を引っ張り、ソラと一緒に店内へ入っていく。
数十分、遊里を着せ替え人形に、ああでもない、こうでもないとましろとソラが遊里の服を選んでいた。
選び終えて、遊里はようやく二人の着せ替え遊びから解放され、げんなりとした様子で店の外へ出る。
なお、支払いはヨヨが立て替えてくれたため、遊里の懐は痛んでいない。
さすがにそれは、と遊里も抵抗はしたが。
『右も左もわからない世界に突然迷い込んだんだもの。色々と困惑するのはわかるけど、遠慮せずに頼っていいのよ』
と、是が非でも協力させろ、と圧をかけられ、ひとまず、お言葉に甘えることにした。
なお、どういうわけか、遊里が持っているD-ホイールの運転免許証は、ヨヨやましろ、あげはが見ると、この世界で言う自動車運転免許証に見え、持っているお金もこの世界の通貨に見えるのだそう。
なお、ネオ童実野シティもソラシド市も日本に存在する都市であるため、通貨は『円』が使用されている。
しかし、世界が異なるためか、デザインが微妙に異なっており、下手をするとおもちゃか贋金扱いされてしまいかねない。
その点で言えば、通貨や免許証といった身分証明に必要なものの認識がゆがめられていることはありがたいところではある。
遊里の衣服以外にも、少々、買い足さなければならないものがあったため、遊里もその買い物に同行していると、突然、霊体化状態のウィンダが遊里に耳打ちしてきた。
《マスター。近くに精霊の力を感じます。それも、さきほど対決したものと同じ気配です》
その言葉に、遊里の眉がひくりと動く。
小声でウィンダにどこから感じるのか問いかけた瞬間、店の外で爆音が響き、店内にも爆発の衝撃が伝わってくる。
「なっ?! なんですか、いったい??!!」
「な、なになに??!!」
突然のことにうろたえるソラとましろだが、遊里は二人のわき目に、店の外へ出て、外の様子を確認する。
周囲を見回し、爆発が起きた場所を確認すると、そこにはさきほど町で暴れていた『闇魔界の覇王』が暴れまわっている姿が目に入った。
先ほどと異なるのは、覇王の手には緑色の皮膚を持つ顔から刃が生えた斧が握られているところだろう。
――あれは、装備魔法『デーモンの斧』……ということは、やはり覇王を召喚した
そう考え、周囲を見渡すが決闘者らしき姿は見られない。
本当なら、決闘者に直接
だからといって、このまま攻撃力が3000まで上昇した覇王をほうっておくわけにもいかない。
それは、遅れてやってきたソラたちも同じことで。
「ましろさん!」
「うんっ!!」
ソラと同時に、ましろは羽根のような飾りがついたペンを取り出す。
「「ヒーローの出番ですっ/だよっ!!」」
「スカイミラージュ! トーンコネクト!! ひろがるチェンジ! スカイ!」
「プリズム!!」
二人のペンから小さな石が飛び出し、ペンがマイクのようなもの――スカイミラージュへと変わる。
飛び出してきた石をスカイミラージュに装着すると、ソラが持つミラージュには『SKY』、ましろの持つミラージュには『PRISM』の文字が浮かび、光が二人を包み込んだ。
「無限に広がる青い空! キュアスカイ!!」
「ふわり広がる優しい光! キュアプリズム!!」
「Ready……Go!」
「「ひろがるスカイ! プリキュア!!」」
光の中から、ソラとましろ――キュアスカイとキュアプリズムが姿を現し、闇魔界の覇王へと向かっていく。
この場は二人に任せて避難誘導するべきか。
一瞬、遊里はそう考えたが、先ほどの戦闘を思い出し、その案を却下した。
――攻撃力2000の状態でも、ソラたちは苦戦した。なら、やはりこれしか手段はない!!
そもそも、この世界とは別世界の存在であるデュエルモンスターズの精霊をプリキュアたちと戦わせるわけにはいかない。
そう決意し、背中に隠していた決闘盤に手を伸ばし、左腕に装着し、腰のデッキホルダーから取り出したデッキを決闘盤のデッキホルダーに装填する。
さらに、デッキの上から五枚のカードを引き抜く。
「手札の『
デッキから飛び出してきた二枚のカードうち、一枚を手札に加え、もう一枚を決闘盤にセットする。
その瞬間、遊里の目の前にウィンダと同じ色の羽毛に包まれた鷹が姿を現し、遊里の肩に乗り、顔をすりよせてきた。
遊里は顔に笑みを浮かべ、右手でガルドをなでるが、すぐにその手を離し、左手に持つ手札から一枚のカードを手に取る。
「『ガスタ・ヴェルズ』を守備表示で召喚! ヴェルズの効果! 召喚、特殊召喚に成功した時、デッキから『ガスタ』モンスター1体を墓地へ送ることで、手札から『ガスタ』モンスターを特殊召喚できる! 『ガスタの神裔ピリカ』を攻撃表示で特殊召喚!」
手札から一枚のカードを決闘盤にセットすると、今度はピリカが姿を現す。
「マスター。またあいつ?」
「あぁ。おまけにどういうわけか、装備魔法まで用意して暴れてやがるんだ。さすがに、さっきみたいに赤の他人に任せるわけにはいかない。力を貸してくれ」
「わかった」
ピリカが遊里の言葉にうなずくと、遊里はシンクロ召喚を宣言しようとした。
「おっと、それをさせるわけにはいかないよ」
「なにっ?!」
突然、建物の間の暗がりから声が響き、奥から遊里と同じく、決闘盤と思われる機械を装着したフードをかぶった人間が姿を現した。