BALTEUS Archive   作:猪のような

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お待たせ

「だから間空きすぎやって」

仕方ないやろ忙しいんだから。

「ホントは?」

黄泉さんでそこら辺の雑魚斬りまくるの楽しー!!スタル最高ー!!

「お前さぁ……因みに対策委員会3章やったか?」

やってない

「くたばれ」


Chapter11 銀行強盗

 

 

 

 

仲良くなった生徒達が今から襲撃するアビドスの生徒達だと気付いたアルは、葛藤しながらも傭兵のバイト達を集め、アビドスに向けて進軍した。しかし…

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「な、何だこのAC…!」

 

「また来るぞー!!」

 

ドゴォォォォォォォン!!

 

『先生、指示通り目標地点へ攻撃しました』

 

「ありがとうオールマインド。アヤネ、MT第三小隊を突撃させて。ノノミ、2時の方向に居る生徒達に一斉掃射」

 

「了解しました!」

 

「は〜い☆」

 

絶賛、返り討ちにあっていた。

 

「ど、どういう事!?滅茶苦茶強いじゃない!」

 

「あのAC、アリーナにも登録されてない…PCAの私兵か…!」

 

「あはは〜これ結構やばいんじゃな〜い?」

 

「あ、アル様、どうしましょう…」

 

「ぐ、ぐぬぬ…」

 

便利屋68の誤算は三つあった。一つ、先生の指揮能力の高さを知らなかった事。二つ、ACやMTばかりに目を向け、対策委員会の事を甘く見た事、三つ、トランスクライバーの戦闘力を見誤った事。

 

「…リーダー、撤退した方がいい。バイト達の定時も近いし、士気も駄々下り、このまま戦っても勝ち目は無いよ」

 

「ぐ、ぐぬぬ…け、けど…」

 

カヨコの提案にアルは苦悶の表情を浮かべ撤退するのを渋っていると…

 

ガシャン!

 

『オフェアリス、只今帰還しました』

 

「あ、オフェ!遅いわよ!」

 

「ん、けどナイスタイミング。これから突撃するから先導して」

 

『了解』

 

オフェアリスが現れ、対策委員会と共にバイト達を蹂躙し始めた。

 

「…リーダー」

 

「……あ、うう…こ、これで終わったと思わない事ね、アビドス!!」

 

「あはは、アルちゃん、完全に三流悪役のセリフじゃんそれ」

 

「うるさい!逃げ……じゃなくて、退却するわよ!」

 

そう言うとアル達は逃げていき、バイト達もそれに続くように引いていったのだった…

 

「逃げ足が速いな…」

 

『ホシノ様、追撃しますか?』

 

「いや、いいよ。お金に困ってるらしいから、今回みたいな襲撃は無いでしょ。それより、MTの被害状況とか確認しよう」

 

『了解』

 

こうして、便利屋によるアビドス襲撃は特に問題無く解決したのであった…

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまり、アビドスの自治区の殆どがカイザーに売られていた…って事?」

 

「どうやらそのようです。マコト議長から聞いただけですが、嘘を吐いているとは考えにくいですし…」

 

バルテとユメはPCAの委員会室でアビドスの自治区に関する話をしていた。

 

「…取り敢えず、ホシノちゃん達にも伝えて…」

 

「いや、一旦C&Cの報告を待ちましょう。何かカイザーに関する情報が入ってくるかもしれませんし、報告と合わせて正確な情報をアビドスに…ん?」

 

バルテのスマホに電話が入り、バルテはスマホを手に取って電話に応える。

 

「もしもし?ああ、オールマインドかどうした……

 

 

 

 

 

 

え?ブラックマーケットの銀行を襲う?C&Cも一緒?」

 

 

 

 

 

 

時は遡り…

 

 

 

セリカを誘拐したヘルメット団が使用していた兵器の型番がブラックマーケットから流れている物であると判明したアビドスの面々は、ヘルメット団に兵器を流している存在の正体を確かめる為にブラックマーケットに来ていた。

 

『しかし、トリニティの生徒と此処で遭遇とは…想定外でした』

 

「あはは…」

 

オフェアリスはアビドスに残り警護に、オールマインドはドローンのみ同行させていた。そして一行は危険なブラックマーケットでなんとお嬢様学園のトリニティの生徒である阿慈谷ヒフミに出会った。

 

『幾ら限定グッズの為とはいえ、校則で立ち入り禁止になっているブラックマーケットに赴くとは…』

 

「あ、あの、オールマインドさん、私がここに来たことはどうかトリニティには内緒にしていただけますと…!」

 

『トリニティに報告する義務も理由も無いのですが…しかし、流石にバルテ様には報告させていただきます』

 

「あ、あうぅ…」

 

『ご安心ください、バルテ様も態々トリニティに伝えるような事はしない筈です』

 

「だ、だと良いのですが…」

 

ヒフミはブラックマーケットに詳しく、アビドスが探している戦車の型番についてヒフミの案内を受けながら探しているが…

 

「はぁ、しんど…」

 

「もう数時間は歩きましたよね…」

 

「参ったな…あんまり長居はしたくないんだけど…」

 

長時間歩き回り、疲労が溜まって来た対策委員会。するとノノミが屋台を発見する。

 

「あら!あそこにたい焼き屋さんが!」

 

「ホントだ、こんなところに屋台があるなんて…」

 

「あそこでちょっと一休みしましょうか?たい焼き、私がご馳走します!」

 

「え、ノノミ先輩、またカード使うの?」

 

「先生の大人のカードもあるけど」

 

「え、私?いやまぁ払うけど…」

 

「ううん、私が食べたいからいいんですよ☆皆で食べましょう、ねっ?」

 

ノノミがそう言って皆でたい焼き屋に寄る。そしてたい焼きを美味しく頂きながら休憩しながら、ヒフミはアビドスが探している戦車の型番について考えていた。

 

「ここまで情報が無いなんてあり得ません…妙ですね。お探しの戦車の情報…探しても探しても出て来ませんね…販売ルート、保管記録……全て何者かが意図的に隠しているような、そんな気がします。いくらここを牛耳っている企業でも、ここまで徹底してブラックマーケットを統制することは不可能なはず…」

 

「そんなに異常な事なの?」

 

「異常というよりかは…普通ここまでやりますか?という感じですね…ここに集まっている企業は、ある意味開き直って悪さをしていますから、逆に変に隠したりしないんです。例えばあそこのビル。あれがブラックマーケットに名を馳せる闇銀行です」

 

そう言ってヒフミが指を差した先には、大きなビルが建っていた。

 

「闇銀行?」

 

「ブラックマーケットで最も大きな銀行の一つです。聞いた話だと、キヴォトスで行われる15%の盗品があそこに流されているそうです…横領、強盗、誘拐などなど、様々な犯罪によって獲得した財貨が、違法な武器や兵器に変えられてまた他の犯罪に使われる…そんな悪循環が続いているのです」

 

ヒフミの説明を聞いた面々はブラックマーケットの余りの無法っぷりに絶句した。

 

「…そんなの、銀行が犯罪を煽っているようなものじゃないですか」

 

「その通りです。まさに銀行も犯罪組織なのです…」

 

「……」

 

「酷い!連邦生徒会は一体何やってんの!?」

 

「理由は色々あると思う、どこもそれなりに事情は抱えてるし」

 

「現実は、思った以上に汚れているんだね。私たちはアビドスばかりに気を取られすぎて、外の事をあまりに知らな過ぎたかも…」

 

「そうだねー、私も初めてここに来た時はビックリしたよー!」

 

「………待って、今の誰?」

 

先生のツッコミによって対策委員会とヒフミが突然混ざって来た声の主を見ると、いつの間にかすぐ側にメイド服を着た生徒が居た。

 

『…一ノ瀬アスナ様?』

 

オールマインドがそう言うと、対策委員会の面々も意外そうな顔をして突然現れた生徒…一ノ瀬アスナを見つめる。

 

「やっほ〜、奇遇だね、対策委員会の皆!どうしてここに居るの?そっちはトリニティの娘だよね?後は…大人?」

 

「いきなり質問が多いよ、アスナ。いつの間に…というか、何でブラックマーケットに…?」

 

「あれ、知り合いなの?」

 

「ん、この人は…」

 

『!皆さん、お取り込み中失礼します!そちらに武装した集団が接近中!』

 

「「「!!」」」

 

『気付かれた様子はありませんが…まずは身を潜めた方が良いと思います』

 

アヤネの報告により会話が中断され、ヒフミが武装した集団の姿を確認すると、表情が青ざめる。

 

「う、うわぁ!?あれは、マーケットガードです!」

 

「マーケットガード?」

 

「先ほどお話しした、ここの治安機関でも最上位の組織です。急ぎましょう!」

 

全員が物陰に身を隠し、コソコソとバレないようにマーケットガードの動きを観察する。

 

「パトロール?護衛中のようですが…」

 

「トラックを護送してる…現金輸送車だね」

 

「やっぱり、ここに来た」

 

アスナは現金輸送車の姿を確認すると、通信機を取り出した。

 

「あれ、あっちは…闇銀行に入りましたね?」

 

現金輸送車は闇銀行で止まり、車の中から銀行員が現れ、闇銀行の行員と話し始め、集金確認書類にサインし、その後車は闇銀行の中へと入って行った…

 

「見てください、あの人…!」

 

「あれ、な、何で!?あいつは毎月うちに来てお金を受け取っている銀行員…?」

 

「間違い無いよね」

 

『確認しました、アビドスにいらした銀行員で間違いありません』

 

「え、ええっ!?」

 

対策委員会はブラックマーケット闇銀行に現れたカイザーローンの銀行員に驚いた。

 

「…どういう事?」

 

「ほ、本当ですね!車もカイザーローンのものです!今日の午前中に、お金を支払った時のあの車と同じようですが、なぜそれがブラックマーケットに…!?」

 

「か、カイザーローンですか!?」

 

「ヒフミさん、知ってるの?」

 

「カイザーローンと言えば…かの有名なカイザーコーポレーションが運営する高利金融業者です…」

 

「有名な?悪いところなの?」

 

「あ、いえ…カイザーグループ自体は犯罪を起こしてはいません…しかし合法と違法の間のグレーゾーンで上手く振舞っている多角化企業で…カイザーは私たちトリニティの区域にもかなり進出しているのですが、生徒たちへの悪影響を考慮し、ティーパーティーでも目を光らせています」

 

「ティーパーティー…あのトリニティの生徒会が、ね…」

 

「ところで皆さんの借金とはもしかして…アビドスはカイザーローンから融資を…?」

 

「借りたのは私たちじゃないんですけどね…」

 

「話と長くなるんだ。アヤネ、オールマインド、さっき入っていった現金輸送車の走行ルート、調べられる?」

 

「少々お待ちください……ダメですね、全てのデータをオフラインで管理しているようです。全然ヒットしません」

 

『こちらも駄目です、申し訳ありません』

 

「だろうね」

 

「そう言えば、いつも返済は現金だけでしたよね。それはつまり…」

 

「私たちが支払った現金が、ブラックマーケットの闇銀行に流れていた…?」

 

「じゃあ何?私たちはブラックマーケットに犯罪資金を提供してたって事!?」

 

対策委員会は自分達が返済してきた金が犯罪に利用されていたかもしれないという可能性が出て来た事に表情を曇らせていると…

 

「……一先ず確認する事がある」

 

ホシノがそう言ってアスナの方を見る。

 

「アスナ、ここにはどうせ任務で居るんでしょ?それに恐らく、貴女はあの現金輸送車を追って来た。そうじゃない?」

 

「ん、そうだよ〜?さっき連絡したから、リーダー達もそろそろ…」

 

「おいおいマジで対策委員会じゃねぇか」

 

アスナが喋っているとまた別の声が聞こえ、一行が声がした方を向くと、そこにはまた別のメイド服を着た生徒が三人いた。

 

「C&C…」

 

「久しぶりだな、お前ら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと…つまりこの子達はミレニアムのエージェントなんだ?」

 

『はい、他の学園の調査や潜入などを行なってきたスペシャリストです』

 

C&Cと合流した一行は、軽く自己紹介をしたり、オールマインドが先生やヒフミにC&Cの事を教えていた。

 

「先生…って呼べばいいのか?C&C、コールサインダブルオーの美甘ネルだ、よろしくな」

 

「改めて、コールサインゼロワン!一ノ瀬アスナだよ、よろしくね〜!」

 

「コールサインゼロツー、角楯カリンだ」

 

「コールサインサインゼロスリー、室傘アカネと申します。以後お見知りおきを、先生」

 

「うん、皆よろしくね」

 

「で?何でお前らここに居んだ?そっちのトリニティの生徒もそうだが…」

 

「それは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから対策委員会と先生はC&Cと情報交換を行った。

 

「なるほどな、つまり目的は私らと一緒って事か」

 

「やっぱり、そっちも?」

 

「バルテから依頼でな。戦車を探していたんだが、全く見つからねえってなって、次にカイザーに探りを入れていた」

 

「カイザーに?」

 

「バルテはカイザーが怪しい思ってたみたいでな…結果は…見ただろ?あの現金輸送車」

 

「「「………」」」

 

一同は現金輸送車が入って行った闇銀行に目を向ける。

 

「アビドスの借金を回収してるあの車が何故闇銀行に入ったのか。調べる必要がある。だろ?」

 

「そうだね、何か証拠を…」

 

「そ、それでしたら!さっきサインしてた集金確認の書類…それを見れば証拠になりませんか?」

 

「流石」

 

「確かにそれが一番良いだろうね」

 

「けどその書類、闇銀行にあるんだろう?どうやって手に入れるんだ?」

 

「た、確かにそうですね…」

 

「…アカネ、何か他に方法は?」

 

「そうですね…現状では情報が少ないので、他の方法は少々時間が必要かと…」

 

「う〜ん、じゃあやっぱり何とかして書類を確認した方がいいんじゃない?」

 

どうやって闇銀行の中にある集金確認の書類を手に入れるか皆で、悩みながら話しているが、上手く案が出ない。すると…

 

「皆、他に方法は無いよ」

 

シロコがそう言い、全員がシロコの方を見る。

 

「ホシノ先輩、ここは例の方法しか」

 

「…まあ、確かにそれが一番手っ取り早いか…」

 

「ええっ?」

 

「あっ!そうですね、あの方法なら…!」

 

「あ?お前ら何を…」

 

「何?どういうこと?……まさか、あれ?まさか、私が思ってるあの方法じゃないよね?」

 

セリカがそう問いかけると、シロコはゆっくり頷く。

 

「う、嘘っ!?本気で!?」

 

「…あ、あのう、全然話が見えないんですけど…あの方法ってなんですか?」

 

「残された方法はたった一つ」

 

するとシロコは懐から何かを取り出し、そして…

 

「銀行を襲う」

 

そう言って取り出した覆面を被った。

 

「はいっ!?」

 

「銀行を…襲う…!?」

 

「あはは!良いね〜面白そ〜!」

 

「いえアスナ先輩、犯罪ですよ!?」

 

シロコの宣言を区切りにアビドスの面々は次々と覆面を被る。そしてヒフミも巻き込まれ、たい焼きの紙袋を被らされていた。

 

「で?そっちはどうするの、ネル」

 

「り、リーダー…」

 

「何時もなら全然構わねえけどよ」

 

「リーダー!?」

 

「ん、何か躊躇う理由があるの?」

 

「……いくら闇銀行とはいえ、バルテに銀行強盗をして情報を掴んだとか報告したら、ぜってぇー怒られる」

 

その一言にアビドスの面々は固まる。

 

「…確かに」

 

「バルテさん、犯罪には凄く厳しいのよね…」

 

「私とアスナは経験あるから言っとくけどな、アレはマジでキツいぜ、マジで」

 

「リーダーがそんなに言うなんて…二人は何をしたんだ?」

 

「任務の被害金額が多すぎて怒られた」

 

「ああ、そういえばそうだったね…」

 

「……や、やめとく?」

 

先生が遠い目をしているネルとアスナを見てアビドスの面々に本当に銀行強盗をするのか問うと、先ほどまでノリノリだった対策委員会は悩み始めた。書類を手に入れる為には銀行強盗が最も効率的。しかし、あのネルが思い出しただけで意気消沈しているバルテの説教が待っているかもしれないという恐怖がその決断を止めていると…

 

『でしたらバルテ様に直接聞いてみたらいかがでしょう?』

 

オールマインドがそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

「で、私に連絡してきたと?」

 

『はい』

 

「そもそも私は対策委員会と先生がブラックマーケットに行っている事を知らなかったが…?」

 

『?おかしいですね、確かにバルテ様に報告を出した筈なのですが……あ、申し訳ありません、バルテ様の端末ではなく、ユメ様の端末に報告が行っておりました』

 

「え、嘘…」

 

ユメは慌てて自分の端末を確認すると、表情を歪ませる。

 

「ごめん、気付かなかった…」

 

「………」

 

「バルテちゃん、今『オールマインドもそうだけど、この人もポンコツだよな』って思ったでしょ?」

 

「で、銀行強盗だったか」

 

「無視!?」

 

『はい』

 

「……ふぅ…」

 

(普通なら却下するが…状況が状況だ…他に有効的な手段が無い。それに条約の事を考えれば、面倒事は早めに処理しておきたいからな…しかし…)

 

「むぅ……」

 

『………』

 

バルテは額に手を当て、少し考えると、やがて口を開ける。

 

「分かった、許可しよう」

 

『ありがとうございます』

 

「ただし、当然だが書類以外には手を出すな。それをやったら問答無用で説教だと伝えておけ」

 

『かしこまりました』

 

 

 

 

 

 

 

 

『許可が出ました』

 

「マジかっ!?」

 

オールマインドの報告にネルは驚き、他の面々も意外そうな顔をしている。

 

「ん、許可が出たなら後は簡単」

 

「そうだね、手早く済ませよう」

 

「じゃあ作戦通り、私とアカネは先生と一緒に外で準備している」

 

「おう、頼んだぜ」

 

C&Cのメンバーは先程アスナが買って来たピエロの仮面を顔に装着する。

 

「じゃあ先生、例のセリフを」

 

「銀行を襲うよ!」

 

こうして銀行強盗は始まったのであった…

 

 

 

 

 

「全員その場に伏せなさい!持っている武器は捨てて!」

 

「言うこと聞かないと、痛い目にあいますよ☆」

 

「あはは〜!皆伏せて伏せて〜!」

 

闇銀行を停電させ、ライトが復旧する前に警備員を片付けた強盗団は闇銀行をあっという間に制圧してしまう。

 

「ここまでは計画通り…次のステップに移ろう!リーダー、指示を!」

 

「あ?私か?」

 

「スカジャンじゃない、ファウスト!」

 

「えっ?ファウストって、私ですか!?リーダーですか!?私が?」

 

わちゃわちゃしながらも初犯とは思えないほどに慣れた動きで行動する一行。するとその一行を眺めるある集団が闇銀行に居た。

 

「あれ、あいつら…」

 

「アビドス…?」

 

その集団とはつい先日アビドスを襲撃した便利屋68の面々だった。彼女達も伏せながら一行の動きを観察する。

 

「監視カメラの死角、警備員の動線、銀行内の構造、全て頭に入ってる。無駄な抵抗はしないこと。さぁ、そこのあなた、このバッグに入れて。少し前に到着した現金輸送車の…」

 

「わっ、分かりました!何でも差し上げます!現金でも、債券でも、金塊でも、いくらでも持っていってください!」

 

「そ、そうじゃなくて、集金記録を…」

 

銀行員はパニックになり差し出されたバッグに金を詰め込もうとする。すると…

 

バンッ!!

 

「ひぃっ!?」

 

銃声が一発響き、銀行員の頭の横を通り抜けて後ろの壁に命中する。

 

「おい、勝手に動くんじゃねぇ。テメェはちゃんと指示を聞いて言われた物をそのバッグに詰めればいいんだよ。余計な物は入れんじゃねぇぞ?」

 

「は、はいぃ!」

 

ネルが仮面越しに銀行員を睨みつけながらそう言い、その後、シロコが集金記録だけをバッグに入れるように指示した。銀行員は動揺しながらも言われた通り集金記録だけをバッグに入れた…

 

「あの、シロ…い、いや、ブルー先輩!ブツは手に入った?」

 

「うん、確保した。さっきはありがとう、ダブルオー」

 

「気をつけろよ、バルテの説教は勘弁だからな…」

 

「それじゃ逃げるよ。全員撤収!」

 

「アディオ〜ス☆」

 

「じゃあ、ばいば〜い!」

 

「け、怪我人はいないようですし…すみませんでした、さようなら!」

 

そして強盗団は銀行から出て行った…銀行員は強盗団が出て行った後にすぐさまマーケットガードに連絡を入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、ここから手早く行くぞ。お前ら!遅れんなよ!」

 

「アヤネ、マーケットガードは?」

 

『もう動いています!』

 

「オールマインド、先生との合流地点までの案内は任せた。先生は戦闘指揮を頼むぜ」

 

『了解しました』

 

『任せて!』

 

「アヤネもいつも通り、支援をお願い」

 

『分かりました!』

 

「よしそれじゃあ先ずは…」

 

『マーケットガード!全方位から接近中です!』

 

「来やがったな…アカネ!」

 

『お任せください♪』

 

 

 

「急げ!強盗団はこっちだ!」

 

「ブラックマーケットの銀行を襲うなど、なんて命知らずな…」

 

マーケットガード達がシロコ達を追跡する。

 

「居たぞ!あそこだ!」

 

そして遂に目視で発見し、突撃しようとした瞬間…

 

 

 

ドドドゴォォォォォォォン!!

 

 

 

「ぐわァァァァァァァ!?」

 

「な、何が…!?」

 

突然シロコ達を追っていたマーケットガード達が居た場所が爆発し、マーケットガードは混乱に陥る。

 

「くっ!爆弾が仕掛けられている…!おい、待ち伏せしている部隊聞こえるか!?こっちは爆破で手一杯だ!追い付くのに時間が掛かる!」

 

『了解!奴等を足止めする、早く来いよ!』

 

 

 

 

「なんて奴等だ…銀行を襲撃した手際に加え、追撃部隊を爆破で混乱させる入念さ…相当な手練だぞ、コレは…!各員、状況はどうだ!?」

 

「もうとっくに配置に着いてます!戦車も既に砲撃準備完了!」

 

「よし、奴等が出てきた所を一気に…ガッ!?」

 

次の瞬間、部隊を指揮していた隊長の頭に弾丸が命中し、隊長は地面に倒れ伏した。

 

「た、隊長がやられた!?」

 

「そ、狙撃だ!」

 

「一体何処から!?」

 

「さ、探せ!」

 

部隊が混乱に陥り、バラバラに行動して周囲を警戒すると、重苦しい銃声が響き、次の瞬間には部隊の戦車が爆発した。

 

「戦車がやられた…!?」

 

「対物ライフルだ、当たったらひとたまりも…!き、来たぞ!」

 

狙撃によって混乱する待ち伏せ部隊。そこに突撃してくる強盗団に向けて、マーケットガードはヤケになりつつも、銃を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「前々から気になっていたんだけどさ、ネルちゃんとホシノちゃんってどっちが強いんだろう?」

 

「ふむ……」

 

シロコ達からの報告を待つ間、暇にしていたバルテとユメ。ふとユメがそんな疑問を口にすると、バルテは少し考えると口を開いた。

 

「単純なデータだけ見ればややホシノが有利ですが…ネルの真価は単純なデータでは測れない部分にありますからね…甲乙つけ難い」

 

「そっか…うーん…気になるなぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

(な、何なんだ、コレは…)

 

地面に倒れ伏すマーケットガードの一員は、目の前に広がる光景に絶望していた。

 

「オラオラァ!その程度かぁ!?マーケットガードも大したことねぇなぁ!!」

 

「ダブルオー、調子に乗らない。さっき戦車の砲撃に当たりそうになったでしょ」

 

「アレはお前が間に入るって分かってたんだよ、実際そうだったしな!」

 

「全く…」

 

(こ、コイツら、化け物だ…!特にあの一番の覆面と龍柄のスカジャンを着たピエロ…!あの二人だけで部隊の半分がやられた…!)

 

「うわ〜…なんか最早可哀想ね…」

 

「あはは、楽しそ〜!」

 

「あ、あわわ…す、凄いです、まるで正義実現委員会の委員長みたい…」

 

『皆さん、そろそろ追跡部隊が体制を整えます。離脱した方がよろしいんかと』

 

「そうですね☆もうここにいる人達も殆どやっつけましたし、早く行きましょう!」

 

「ん、二人とも、そろそろ行くよ!」

 

「あ?んだよもう終わりか?」

 

「これ以上はやり過ぎ。早く行こう」

 

戦闘を終えた強盗団は追跡部隊が追いつく前にその場を離脱して行く。

 

(くそ、化け物、共め…)

 

マーケットガードの一員はその後ろ姿を見ながら意識を失ったのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

『封鎖地点突破、並びに先生との合流完了です!皆さん、お疲れ様でした!』

 

「皆、お疲れ様〜」

 

「先生、先生も指揮お疲れ様」

 

「おう先生!指揮、良かったぜ。バルテが高く評価して理由が分かったぜ」

 

「ありがとう、ネル」

 

シロコ達は先生と強盗し一息つく。すると少し遅れてカリンとアカネが現れた。

 

「皆さん、お疲れ様です」

 

「上手くいったな」

 

「カリン、アカネ。お前たちも良くやった、お陰で撤退も順調に進んだしな」

 

「けど正直ホシノ先輩とネルさんがいただけでどうとでもなったわよね…」

 

「そ、そうですね…」

 

「シロコ、集金記録の書類は?」

 

「ん」

 

シロコはバッグを下ろし、中から集金記録を取り出す。

 

「よし、バッチリだな。それじゃさっさとここを離れ…」

 

『待ってください!何者かがそちらに接近しています!」

 

「!追手のマーケットガード?」

 

『い、いえ、敵意は無い様子です』

 

『確認しました、アレは…便利屋68の陸八魔アル様ですね』

 

「便利屋68?何だそりゃ」

 

「確か、ゲヘナで有名なテロリスト集団だったかと…最近、アビドスを襲撃したとか…」

 

取り敢えず一行は覆面やらピエロの仮面やらを身につけ、先生は少し離れて物陰から観察する。そして追い付いて来たアルだったのだが…

 

「銀行の襲撃、見せてもらったわ…!ブラックマーケットの銀行をものの5分で攻略して見事に撤収…あなた達、稀に見るアウトローっぷりだったわね…!」

 

アルは銀行強盗をしたシロコ達を絶賛し始めた。シロコ達はあまり状況が飲み込めずにいると、アルがシロコ達の組織名を教えてとお願いする。

 

「正式な名称じゃなくてもいいから…私が今日の雄姿を心に深く刻んでおけるように!!」

 

(…何か、凄い勘違いしてる…)

 

(り、リーダー、どうするんだ?)

 

(いや、どうするって…)

 

あまりに真っ直ぐでキラキラとした目にたじろいでいると、ノノミが前に立つ。

 

「はい!おっしゃることは、よーく分かりました!」

 

(ちょ、ノノミ先輩!?)

 

「私達は、人呼んで…()()()()()()()()!!」

 

(何言ってんだアイツ!?)

 

「……覆面メイド水着団…!?やばい!超クール!カッコ良すぎるわ!!」

 

(何処が!?)

 

「本当はメイド服に水着を中に着ておくのが正装なんだけどね〜。今日は緊急だったから四人しかメイド服を用意出来なかったんだ〜」

 

(アスナ先輩!?)

 

(何か変な設定付け足してる!?)

 

「そして私はクリスティーナだお♧」

 

「だ、だお♧…?き、キャラも立っている…!」

 

「あはは!目には目を、歯には歯を、無慈悲に、孤高に、我が道が如く魔境を行く。それが私達のモットーなんだ〜!」

 

「な、何ですってー!?」

 

 

 

その後、暫くアルの相手をした後にシロコ達はその場を離れ、アビドスに帰っていったのだった…

 

 

 

 

 

 

「うーし、じゃあ帰るか!」

 

「C&Cの皆さん、今日はありがとうございました!」

 

アビドスに辿り着き、情報を色々と整理し終わり、解散することになった。

 

「気にすんなって、こっちも仕事だった訳だし。楽しかったしな」

 

『集金記録に関しては後ほど私は書類をスキャンしてバルテ様に転送しておきます』

 

「おう、頼んだぜ。そんじゃまたな、お前ら!」

 

C&Cの面々は対策委員会に別れを告げて去って行った。

 

「よし、柴関行くか」

 

「お、いいね〜」

 

「仕事の後の柴関ラーメンか…最高だな」

 

「因みにお支払いは?」

 

「バルテに聞いたら今回の報酬のオマケで出してくれるってよ」

 

「「「「「ちょっと待て(待ってください)!!」」」」」

 

解散するかと思ったが、結局皆で柴関ラーメンに行く事になったのだった…因みにアビドスの分もバルテが出す事になった。

 

 

 

 

「ずるいずるいずるい!私も皆と柴関ラーメン食べたい!」

 

「はい、ユメさん、コレお願いしますね」

 

「うわーんバルテちゃんの鬼ー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ…」

 

銀行強盗から数日。ゲヘナ学園の風紀委員会の部屋にて、一人の生徒がある報告書に目を通していた。暫く報告書と睨めっこしながら考え込むと、その生徒…天雨アコは、通信端末を取り出し、誰かに連絡を取る。

 

「………()()()()()()()。今、時間を頂いてもよろしいですか?」

 

 

 

別の場所…ゲヘナ自治区のある場所に、一機のACがMTの部隊を引き連れて立っていた。

 

『行政官殿か、要件は?』

 

『少々、相談したい事がありまして…』

 

『私に?委員長殿は?』

 

『ヒナ委員長には、少し相談し難いといいますか…』

 

『ふむ…了解した、が、少し待ってくれ。今…』

 

するとACの近くで爆発が発生し、目の前にボロボロになったゲヘナの給食部のトラックと5人の生徒が吹き飛ばされてくる。

 

『悪いが3分…いや、2分くれ』

 

吹き飛ばされた生徒の一人…黒館ハルナは、ACの姿を確認すると、冷や汗を掻きながら笑みを浮かべる。

 

「アルプ、トラオム…!」

 

『直ぐに終わらせる』

 

ガチャン、と左腕のパイルバンカーを鳴らしながら、そのACは美食研究会の前に立ち塞がった。

 

AC アルプトラオム

 

機体構成

 

頭部 HD-012 MELANDER C3

 

コア BD-012 MELANDER C3

 

腕部 AR-012 MELANDER C3

 

脚部 LG-012 MELANDER C3

 

武器構成

 

右手 LR-037 HARRIS

 

右肩 BML-G2/P03MLT-06

 

左手 PB-033M ASHMEAD

 

左手2 MG-014 LUDLOW

 

ゲヘナ学園のACでありアリーナランクトップのACだが機体構成はマシンガンにライフル、ミサイルと近接武器のオーソドックスな構成。どのような距離でも戦闘を問題無く行えるが、万能と捉えるか器用貧乏と捉えるかは人による。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 




何かこの世界の強盗団やばい事になってるな…結果的にファウストの評価もやばい事になってくぜ。そして祝!二機目登場!アルプトラオム君ね、使い手次第よね、正直。カタフラクトボコすのは簡単やったけどなぁ。

「因みにお前ってACどんくらいやり込んでるん?」

トロコンしてる。ネストはAランク帯です。

「きしょ」

え?
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