遅れてごめんなさい…ライブ感で書いたせいであまりにも盤石になってしまったアビドスのせいで全然展開が思いつかないっぴ…ので無理矢理押し通す事にした。後、最近うちのホシノの髪型はポニーテールでも良い気がしてきた。
バルテは目の前にいる大人…黒服を警戒し、睨みながら口を開く。
「お前の事は知っている…ホシノを狙っているカイザーの人間…一体何のつもりだ?」
「まぁまぁ、落ち着いてください。古帯バルテさん、危害を加えるつもりはありません」
「その言葉をどうやって信用しろと?アビドスへの襲撃を手引きしていたのはお前たち企業、更には砂漠での動き…今回の話し合いの結果次第では、私はカイザーと事を構えることも辞さないぞ」
「クックックッ…たかが一生徒がカイザーと戦争…ですか…普通ならあり得ない話ですが、貴女は違う…もし本当にそんな事になれば、貴女は自身の持つ力の全てを持って、カイザーを叩き潰すでしょうね」
「……お前、カイザーの人間では無いのか?」
「…ふむ、何故そう思ったのですか?」
「カイザーの事をどこか他人事のように話しているように感じるし…何より、お前は少しだけ…
バルテはそう言うと、黒服は再び笑ってその言葉を肯定する。
「ええ、貴女の言う通りですよ。私はカイザーの人間ではありません。私はゲマトリアという組織に所属する…いわゆる研究者です」
「研究者…私の正体を知っている辺り、その方面の事も詳しいのだろうな…つまりカイザーが砂漠でやっている事は…」
「ええ、それも貴女の想像通りですよ」
「…やけに素直だな…またホシノを狙っているのか?」
「ククッ…確かに私は小鳥遊ホシノさんに非常に強い興味を抱いており、彼女を手に入れたいと思っています…しかし、残念ながらそれはもう諦めました」
「ほう?」
「以前であればともかく…今のアビドスは容易に手を出せる学園ではありません。今やキヴォトス最大の治安組織とも言われるPCAと同盟を結んだアビドスは、裏でコソコソと手を回し、不良生徒に襲撃させる程度では何の意味も無いほどに強い学園となりました」
「では何故襲撃を続ける?意味は無いんだろう」
「私はともかく、カイザーは未だに諦めていないようです。アビドスの事を鬱陶しく思っているのでしょうね」
「あのプレジデントがそこまでアビドスに固執する訳が無いだろう…理事の独断か?」
「ええ、その通りです」
「浅はかだな」
「クックックッ、否定はしません…そろそろ本題に入りましょう。今回、内密にこの場を設けたのは、私と交渉をして頂きたいと考えての事です」
「話だけは聴いてやる」
「では早速…」
「如何でしょうか?」
「……怪しい」
「と、言いますと?」
「そちらが得る物が少な過ぎる。フェアとは言えないな……」
「随分と警戒されますね…」
「お前に関する情報はほぼ無い…そのゲマトリアとやらも聞いたことが無い。警戒するのは当たり前だ…何を考えている?」
「クックックッ……貴女は自分の価値をもう少し理解された方が良い」
「その上で言っているんだ」
「そうでしょうか?今回私が差し出すものは貴女に直接的な利益を齎すものではありません」
「だがお前が得られる利益も正確には分からない」
「私はもうアビドスから撤退するのです。その前に今までの損失を少しだけでも取り戻す為の、苦し紛れの行いです。まあ、賭けになるのは分かっていますが。それで、返事を聴かせて欲しいのですが」
「……本当にコレだけで良いんだな?」
「はい」
「カイザーはどうする?」
「プレジデントには上手く言っておきます。もし
「………」
バルテは顎を手に置き、時折黒服の方を見ながらどうするか考える。そして……
「う、うぅ……?」
ハルカは目を覚ますと、見慣れない天井が目に映った。
「!は、ハルカッ、目を覚ましたのね!?」
「あ、アル様…?ここは…」
首を少し動かして周囲を確認すると、どこかの学校の保健室のようだった。
「ここはアビドスの保健室よ。あの後、対策委員会と先生が助けてくれたの」
「そ、そうなんですか、良かった…うっ…」
「ま、まだ動いちゃダメよ!貴女の怪我が一番酷かったんだから…!」
「そうだよ〜、パイルバンカーの直撃喰らったんだから〜」
「む、ムツキさん、カヨコさん…」
ハルカは両隣のベッドに目を向けると、ムツキとカヨコも同じように横になっていた。
「ま、社長が軽傷なのが不幸中の幸いだね」
「だね〜、アルちゃんまでやられたら本当にヤバかったもん」
二人はため息を吐いて天井を眺めていると、保健室の扉が開く。
「皆、怪我はどう?」
「あ、先生…それに対策委員会も…」
先生と対策委員会のメンバーが現れ、シロコがパンパンになった買い物袋をアルに渡す。
「コレは…?」
「ん、食料や飲み物」
「え?」
「今日は泊まっていきなよ、今日はもう遅いし、怪我人が三人もいる訳だし」
「えっ!?そ、それは…」
ホシノの言葉にアルは一瞬渋そうな表情を浮かべるが、ベッドに横になっている三人を見て息を呑むと、ホシノを見る。
「貴女の言う通りね…お言葉に甘えて今日はお世話になるわ。ありがとう」
「うん、じゃあもうアビドスを襲うのは辞めてね」
「なっ…わ、分かったわ…」
アルが肩を落とし、落ち込んでいる間に他の三人が感謝の言葉を述べていると、カヨコが先生を見る。
「先生、あの後アルプトラオムは…」
「ゲヘナに帰ったよ、皆の事も諦めてもらったから安心して」
「そっか…ごめん、多分何か交渉したんでしょ?」
「ちょっとだけね、皆は気にしなくても大丈夫だよ」
「……まあいいや、今は怪我を治すのが先決だし…」
そうして暫く会話した後、先生達は保健室を後にした…
先生達は対策委員会の部屋に戻ると、オールマインドのドローンが中に居た。
「オールマインド、こっちの問題は終わったけど、そっちはどう?」
『皆様、お疲れ様です。今のところ得られた情報では、カイザーは砂漠で何かを探しているそうです』
「何かって何よ?」
『それはまだ調査中ですが、カイザーの事ですし碌な物では無いかと、ビナー用の大隊も用意している辺り、何があっても見つけ出すつもりかと』
「そっか…バルテはどうしてる?」
『───バルテ様は現在、別件で席を外しています。暫く連絡するのは難しいかと。ユメ様なら居るので繋ぎましょうか?』
「いや、もう暗くなって来たから今日は解散しよっか」
「そうですね、もっと情報が集まってから話し合った方が良さそうですし」
「フェアはどうしますか…?」
「問題無いようならそのまま調査を続けてもらおうかな…フェアに通信で訊いてみて」
「分かりました!」
アヤメは端末を操作してオフェアリスと通信を取る。オフェアリスは調査続行しても問題無いと言った。
「じゃあそのまま続けてもらおうか」
そうしてその日は解散し、アビドスの一日が終わりを迎えたのだった…
そして真夜中、アビドス砂漠にてオフェアリスとオールマインドのトランスクライバーはカイザーPMCの基地を見つからないように眺めていた。
『オールマインド、どうですか?』
『探しているのは…兵器…でしょうか』
『兵器?』
『少なくとも金銀財宝の類いではありませんね……ん?オフェアリス、基地に接近する車両を複数確認』
『…確認しました。護衛車両もいる辺り、カイザーの重要人物が乗っているのでしょうか?』
車両はカイザーPMCの基地の中に入っていく。
『一応、潜伏中のステルス機で確認しましょう』
オールマインドはそう言ってステルス機を操り、車両から出て来た人物を確認する。すると…
(バルテ様…!)
車両から出て来たのは黒服とバルテだった。バルテは黒服に連れられて最も大きな建物へ入っていった…
『オールマインド、どうでしたか?』
『…怪しげな大人が一人、あの大きな施設に入っていきました』
『ふむ…やはりカイザーの要人でしょうか…』
『付近のカイザーの部隊に動きがありました、オフェアリスは一旦そちらを見ていただけますか?』
『了解』
オールマインドの指示を聞いてオフェアリスはその場を離れた。
『……バルテ様…』
そして翌日…
「ほらハルカ、あーん」
「あ、あーん…」
保健室にいる便利屋68の面々は朝食を摂っていた。アルからのあーんをハルカが恐る恐る受け取っていると、アルのスマホが着信音が鳴り響く。
「げっ、もしかしてクライアントかしら…」
「あらら、どう答えるの?」
「失敗したって言うしかないわよ…はぁ……あれ?」
てっきりクライアントからの連絡かと思いきや、スマホの画面を見ると見知らぬ番号が映っていた。疑問符を浮かべつつアルは取り敢えず出る事にした。
「はい、もしもし?」
『………』
「?……あの、もしもし?」
アルは電話に出たものの、返事が帰って来ないアルは悪戯電話かと思った瞬間…
『PCA委員長…』
「え?」
『古帯バルテさんは、アビドス砂漠にあるカイザーPMCの基地に居ます』
「ちょ、ちょっと何を…」
『クックックッ…基地でお待ちしております』
「ま、待ちなさい!あなた一体…」
アルは声量を上げて相手に話しかけるが、既に電話は切れてしまっていた…
「な、なんなの一体…?」
「社長、どうしたの?」
アルの様子見て何かあったと察したカヨコはアルにそう訊くと、アルは電話の内容を伝えた。
「…PCA委員長にカイザーPMC…なんだか妙な話になってるね…」
「ど、どうすればいいかしら?」
「…先生に相談してみよう。もしかしたら、アビドスに関係してるのかもしれないし…」
するとタイミングよく保健室の扉が開き、先生が入って来る。
「おはよう皆、少しは良くなった…って、どうしたの?」
「せ、先生!実は今…」
アルは先生に電話の事を伝えると、先生は険しい表情を浮かべる。
「アル、ちょっと着いてきてくれる?」
「わ、分かったわ」
「バルテがカイザーの基地に?」
対策委員会が謎の電話話を聞くと、ホシノは考え込む。
「うん、ちょっとオフェアリスに確認を取って欲しいんだ」
「え、オールマインドは?」
「いや、セリカちゃん…オールマインド、昨日、バルテさんは別件でいないって言ってたでしょ?」
「…あ、そっか…えっ!?つまりオールマインドは知ってて隠してたって事!?」
「ん、タイミング的に多分そう」
「けど何の為に…?」
「それを確かめる為にも、オフェアリスに聴いてみるんだ」
「…分かりました、アヤメ、フェアに連絡」
「は、はい!」
アヤメがオフェアリスに通信を入れ、対策委員会の部屋に少し緊迫した空気が流れる。
『!アビドスから通信です、少々お待ちを』
『分かりました』
監視と調査を続けていた二機、オフェアリスが通信をしている間もオールマインドは変わらず作業を続けていると、ヘッドパーツの後頭部からカンッと音が鳴り、レーザードローンがトランスクライバーを至近距離で囲み、ロック音アラートが鳴る。
『…何のつもりですか、オフェアリス』
トランスクライバーの両腕を上げながらオールマインドがそう問いかけると、オフェアリスは銃口を向けながら答える。
『今通信で、このような情報が入りました。謎の電話から、古帯バルテ様がカイザーPMCの基地に居ると言われたと…』
『!』
『昨夜、基地に入っていく車両がありましたね?あなたは車両からは怪しい大人が一人降りたと言っていましたが…それは本当ですか?』
『そのような正体も分からない者からの電話からの話を信じると?』
『タイミングが良過ぎるのです、昨日から古帯様は席を外しており、その夜、基地に車両が来た、そして今朝方の電話…もう一度訊きます…本当に車両から降りたのは一人の大人だけだったのですか?』
『それは…』
『古帯様、先生からの連絡にも出ないようですね。別件とは一体何の事ですか?』
『………』
『オールマインドッ!』
レーザードローンの先に光が集まり始める。すると…
『…その電話の話は本当です』
『!』
『…あの車両にはバルテ様も乗っていました、そして、あの施設に連れていかれました』
そう、答えたのだった…
「…つまり、その黒服って人と何かしらの交渉をして、バルテは連れていかれたって事?」
『はい…黙っててしまい、申し訳ありません』
「そんな…」
「黒服…ちっ…」
「ホシノ先輩…?」
ノノミがイラついた様子のホシノを見ると、ホシノは「ごめん」と言って咳払いをする。
「黒服はカイザーの人間で、私をつけ狙ってた大人。最近は絡んで来なかったから、諦めたと思ったのに…バルテを狙ってたなんて」
「黒服……オールマインド、バルテはどんな交渉をしたの?」
『それは、分かりません…バルテ様は黒服との取引するからPCAは頼む、直ぐに戻ると…』
「そっか…」
「……」
ホシノはオールマインドの話やアルから聴いた電話の内容を思い返す。
(奴等の狙いは砂漠の何処かにある古代兵器…バルテの正体を考えれば多分…)
「……先生、皆、準備して」
「へ?」
「ん、準備って…」
「バルテを連れ戻す」
『!お、お待ちください、バルテ様ならきっと戻って…』
「悪いけど、黒服の事は信用出来ない。たがら基地を襲撃してバルテを救出する」
『し、しかし…電話の相手は待っている、と言ったのです。ここで動けば奴等の思う壺では…』
「そうかもしれない、バルテが何事も無く帰って来る可能性も考えたけど……それでもやっぱり心配だから行くよ」
『ホシノ様…』
「もう決めた事だから…もう私は、
『!……分かりました』
「先生も、手伝ってくれますよね」
「勿論!絶対にバルテを助けだそう!」
「で、ですが…私達だけでやれるんでしょうか…?」
「……オールマインド」
『…何でしょう?』
「バルテがいない今、PCAのトップはユメ先輩だよね?」
『そうですが…まさか…!』
「カイザーを分からせよう、あんまり
そう言うホシノの目は鋭く、その場にいる全員に寒気が走る。
「君にも手伝ってもらうよ、便利屋の社長さん」
「………えっ!?」
ミレニアム・PCA委員会室
「分かった、送れそうな戦力は全部送るね!」
ミレニアム・セミナー
「C&Cを呼んでちょうだい、大至急よ」
トリニティ・ティーパーティー
「バルテさんが…?」
『如何いたしましょう、ナギサ様』
「…ヒフミさんを呼んで来てください」
ゲヘナ・風紀委員会
『先生、来てくれたの…か……何故イオリの足を舐めてるんだ?』
ゲヘナ・
「何っバルテが!?おいイロハ!リュウタロウを呼べ!」
「あ、はい、分かりました」
連邦生徒会・防衛室
「バルテさんが?……分かりました、リン行政官と話してSRTを動かしてみます」
「お待たせしました、では、続きを始めましょうか。クックックックッ…!」
「構わないが…妙に上機嫌だな…気持ち悪い…」
「おや、不快にさせてしまったのなら申し訳ありません。
「……はぁ…契約は果たすが、早く終わらせてくれないか、あまり席を外し過ぎると気付かれるからな」
「ええ、分かっていますよ。ではこちらの装置を……」
既に皆バレているとは知らずにバルテは黒服の検査を受け続ける。そしてこれからこの基地に一体何が起きるのか、唯一知っている黒服は不敵な笑みを浮かべ続けるのだった……
やめて!黒服の策略によって集まった勢力が一斉にカイザーPMC基地を襲ったら、そこにいるカイザーの兵士達や理事なんてあっという間に殲滅されちゃう!
お願い、死なないでカイザー理事!
あんたが今ここで倒れたら、プレジデントやジェネラルとの約束はどうなっちゃうの?(そんなのは無い)
奥の手はまだ残ってる。ここを耐えれば、アビドスに勝てるんだから!
次回「カイザー理事死す」!愉快な遠足の始まりだ!!