BALTEUS Archive   作:猪のような

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リュウタロウ「文句を言います!」

いきなりだな…どうぞ。

リュウタロウ「前回は記念すべき僕のお披露目会なのにシースパイダーのせいで影が薄かったです!」

何かごめん…


Chapter15 海蜘蛛

 

 

 

 

ズドォォォォォォン!!

 

赤き光は轟音を響かせ、巨大な砂煙を巻き上げながらカイザーの基地を襲った。

 

「な、何だアレ…?」

 

『えっと…アレもカイザーの新兵器?』

 

『な訳あるか』

 

白い巨大な兵器が突然現れ、基地を攻撃した姿は反対側に居た先生達からも視認出来た。

 

「先生、これは…」

 

「ちょっと待ってて…先に中に居る皆が無事か確認しないと…皆、大丈夫!?」

 

先生はシッテムの箱の通信機能で呼びかけ始めた。

 

 

 

 

 

「そんな…」

 

その時、モエは絶望した表情を浮かべていた、先ほど放たれた光が、地上に居た皆に直撃したのを目撃したからだ。

 

「皆…」

 

「モエちゃん、しっかりして!とにかく反撃するよ!」

 

「はい、皆さんなら大丈夫です!」

 

「はぁ!?今喰らって大丈夫な訳…って、え?」

 

砂煙が晴れ、皆が居た場所が視認出来るようになると、そこには…

 

「危なかった…皆、無事?」

 

傷一つ無い生徒達と、それを守るように前に出て盾を構えたホシノが居た。

 

「わ、私生きてる!?生きてるよな!?」

 

「落ち着いてくださいRABBIT2、皆生きてますよ…」

 

「ホシノ先輩ナイス!」

 

「ん、助かった…」

 

「てか何で防げるの?おかしくない?FOX3同じこと出来る?」

 

「ふざけないで、あんな攻撃真正面から受け切れる訳無いでしょ!?」

 

ホシノは全員無事なのを確認して少しだけ笑う。

 

「ククッ、アレを防ぐとは、流石はキヴォトス最高の神秘の持ち主ですね…!」

 

「お前に褒められても全く嬉しくない」

 

「それより、あのふざけた兵器は一体何だ?ビナーのお仲間か?」

 

突然現れた白い機械に反撃するユメ達武装ヘリ組と、LC部隊。白い機械は赤いレーザーを機銃の様に連射し、赤い光を噴射して飛ぶミサイルを大量に放って対抗する。

 

『皆、大丈夫!?』

 

「先生、こちらは大丈夫だ。バルテも確保したし、予定通り離脱といきたいが…」

 

「あれ相手には厳しそうだね。さっきの火力が連発されたら流石に守りきれないかも」

 

『……分かった、正面側の皆を向かわせる。トリニティの子達にも通信しておくから、砲撃の合図はしっかり聴いてね!』

 

「了解した。皆聞いたな?予定には無いがあのイレギュラーを撃破、または撃退するぞ」

 

「撃破って…」

 

「こちら側の高火力兵器を当て続ければ可能な筈だ。正面側の部隊も合流する」

 

「んじゃやるしかねーか…うし、じゃあ先ずは…」

 

ネルは拘束されている黒服に銃を突き付ける。

 

「おい、アイツについて吐け」

 

「いきなりですね…残念ながら、私もあれについて知っている事は殆どありません。アレが発見されたのは少し前…カイザーの対デカグラマトン大隊がビナーとの戦闘中に乱入してきたのです。アレはビナーと交戦し、カイザーの部隊はそれに巻き込まれて甚大な被害を受けました」

 

「つまり、最近この基地に人が増えていたのは、アレに対抗する為だった…って事?」

 

「その通りです小鳥遊ホシノさん」

 

「…つまり、この状況も全て想定内か?」

 

「…古帯バルテさん、それはどういう事ですか?」

 

「お前が何故、私がここにいる事を漏らしたのか…それが気になっていた…皆をアレと戦わせる為だったんだな…!」

 

バルテは顔を怒りで歪ませると、黒服の首元を掴んで持ち上げる。

 

「貴様、よくも…!」

 

「落ち着いてください、古帯バルテさん。確かに私は情報を漏らしました、皆さんをここに呼び込むのが目的だったのは認めます。しかし、アレがここに現れたのは私の意思ではありません。ただ、アレは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。ただそれだけなのです」

 

「………っ!」

 

バルテは黒服を離すと、オフェアリスとトランスクライバーが現れる。

 

『皆様、ご無事で!』

 

「フェア!」

 

「大丈夫ですよ〜!」

 

『バルテ様…!』

 

「オールマインド…すまない、苦労を掛けたな…さて、アレを倒す算段をつけるか」

 

「ククッ…あの兵器は先日、カイザーで名前が付けられました。シースパイダーと名付けられたようです」

 

「海蜘蛛…確かに似てるな。オールマインド、LCを一機こっちに寄越せ、コイツを外に連れて行かせろ」

 

『かしこまりました』

 

直ぐさまLCが一機現れ、黒服の首根っこを掴むと飛んで行った。

 

「ククッ、ちょっと運び方が雑──」

 

すると入れ替わる様にヒナ達正面組がやって来た。アルプトラオムがヒナを、リュウタロウがイオリを抱え、便利屋68はカタフラクトに乗っている。

 

「カタフラクト?特務機体までいたのか」

 

「全員、無事みたいね…アレは…」

 

「シースパイダーと言うらしい、今はユメさん達が相手をしている」

 

『うひゃーおっきいー…アレ倒すんだよね?火力足りそう?』

 

『AC組は輸送機から補給シェルパを飛ばしたので、一旦補給しましょう。バルテ様の武装もありますよ』

 

「ありがとう」

 

『要注意すべきなのはあの上にある砲台だな。遠くからみてもかなりの威力だと分かったぞ』

 

「足元に近付けば射角的には砲台と機銃は使えないだろう。ミサイルは降ってくるだろうがな」

 

「ん、フェアはどう思う?」

 

『そうですね…巨大な敵というのはビナーで慣れてはいますが…あれとは違って全方位をカバー出来るのが厄介ですね…弱点も分かりませんし…取り敢えず、足を潰すのがおすすめでしょうか』

 

「じゃ、いつまでもヘリ組に任せるのも悪いし、行こうか。指揮は誰が取る?」

 

「ヒナかユキノで良いんじゃねーか?」

 

「ヒナは火力要員として仕事がある。私がやろう」

 

「では、行動開始だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユメはシースパイダーのレーザー機銃を回避し、反撃でグレネードを放つ。命中した部分が大爆発を起こし、三機のヘリが様子を伺うと、赤いレーザーが爆煙を切り払うよりに放たれる。

 

「二人とも、回避!」

 

指示を飛ばしつつ避けると、薙ぎ払うように放たれたレーザーはLCを何機か消し飛ばした。

 

「もぉー硬いなぁ!これだけ喰らわせてるのに損傷があれだけって…!」

 

「私達だけでは倒し切れませんね…あ」

 

するとシースパイダーの胴体に青いレーザーが直撃する。地上を見るとカタフラクトが近付いて来ていた。

 

「地上の皆が来たよ!」

 

「やっと〜?コイツ抑えるのキツかったよ〜…」

 

「まだ終わってません、引き続き攻撃しましょう!」

 

ヒナはカタフラクトの上に乗ってシースパイダーに接近していた。ある程度距離が近付くとデストロイヤーを構え、発砲する。ズガガガガガッ!っと銃弾がシースパイダーの足の一本に命中し、装甲に傷を付けていく。

 

「硬いわね…」

 

『耐久性はビナーより上か…再生能力は無いと思いたいですが…』

 

『それも叩いてみなければ分からんだろう。オールマインド、リュウ』

 

『フルチャージ、撃ちます!』

 

『任せてー!』

 

トランスクライバーのエネルギーライフルのフルチャージ射撃と、リュウタロウのグレネードキャノンが放たれ、大爆発を引き起こす。他のメンバーも次々と攻撃をし始めた。ユキノは射撃が来ない距離まで近付いてから通信を取る。

 

「各員、状況の報告を」

 

「対策委員会、今のところ手ごたえはあまりないかな…ん、シロコのミサイルドローン攻撃は結構効いてるかも、これは骨が折れるね」

 

「C&C、こっちは結構良い感じだぜ、10分ありゃ──」

 

するとシースパイダーは6本の足のうち、2本を大きく振り上げた。

 

「!C&C、退避しろっ!!」

 

「マジかっ!?」

 

振り上げた2本の足先からレーザーの爪が伸びて勢いよく振り下ろされる。

 

ズガァァァァァァァン!!

 

轟音が鳴り響き、地面が揺れて砂が舞う。

 

「C&C!」

 

「あー大丈夫だ、当たっちゃいねぇよ。それよりまだくるぜ!」

 

シースパイダーは直ぐスラスターを吹かして跳躍し、距離を離すと機銃と砲台に光が集まる。

 

「射撃が来るぞ、気をつけろ!……先生、トリニティに支援要請を!」

 

『もうやってるよ、皆は自分の安全を優先して!』

 

「了解っ…!」

 

赤いレーザーが生徒達に襲いかかり、基地が更に破壊されていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハスミさん、先生から支援要請です。お願いします!」

 

「分かりました。砲撃準備!」

 

掛け声が響き、トリニティの生徒達がいつでも撃てるように備えると、ハスミは望遠鏡を覗いて暴れ回るシースパイダーを視界に収めると、距離や方角を指示する。そして砲撃準備が完了すると、ハスミは左手を上げる。

 

「砲撃、よーい!」

 

近くにいるヒフミは耳を塞いで口を開ける。そして…

 

「てぇーっ!!」

 

L118牽引式榴弾砲の一斉掃射が、放たれた。

 

 

 

 

 

 

ユキノは頭の耳をピクリと動かせると、空を見て通信を入れる。

 

「砲撃が来る。航空戦力は一旦退避、皆も巻き込まれるなよ!狙撃能力持ちは支援を!」

 

『了解!』

 

「やば、ちょっと近付き過ぎたかしら!?」

 

「ほら社長行くよ!」

 

砲撃に巻き込まれないように少し距離を取り、シースパイダーが砲台にエネルギーを溜め始めた瞬間…

 

ドゴゴゴゴォォォォォォン!!!!

 

榴弾砲が一斉に降り注ぎ、シースパイダーに襲いかかった。大量の爆破により砂煙が舞い、シースパイダーの姿が消える。

 

「…誰か、目標の様子が分かる者はいないか?」

 

『こちらRABBIT1、RABBIT4が目標を捉えました、現在ターゲットは体勢を大きく崩しています』

 

「了解した。オールマインド、後続のMT部隊は?」

 

『もう間もなく到着します』

 

「今の内に一斉攻撃を仕掛ける、行くぞ!」

 

ユキノの合図と共にそれぞれが一斉に動き出し、カタフラクトと武装ヘリ三機の攻撃が砂煙を晴らし、倒れたシースパイダーの姿が露わになる。

 

「今だ!総員攻撃!」

 

『あ、私近付くので当てないでくださいね』

 

『私も接近する』

 

『あー二人とも接近戦じゃないと火力出ないもんね〜』

 

「良いから早く撃て!』

 

生徒たちやACが一斉に射撃すると同時にオフェアリスとアルプトラオムがアサルトブーストで突撃し、パイルバンカーやレーザーダガー、レーザーショットガンをチャージして撃ち込んでいく。

 

『!そろそろ持ち直しそうだな』

 

「二機とも、もうMT部隊も攻撃を開始する。戻って来い!」

 

『『了解』』

 

後続のMT部隊も到着し、攻撃を開始するとシースパイダーは立ち上がり、機銃やミサイルで反撃に出る。

 

「これもう一回懐に入らないといけない感じ?」

 

「いや、これならMT部隊と合わせて射撃戦に持ち込んだ方が良い。そうすれば支援砲撃がし易く…」

 

『ユキノ、不味い!』

 

「どうした、バルテ?」

 

『砲台にエネルギーが集まっているが…こっちを向いていない!』

 

「!」

 

バルテからの報告でユキノかシースパイダーの砲台を見ると、確かに全く別の方向に向けて攻撃しようとしていた。

 

「トリニティを狙ったか…!先生、今すぐトリニティの部隊に退避するよう通信を…」

 

『いや、それでは間に合わない!陸八魔アル、手伝え!』

 

「え、わ、私!?」

 

アルプトラオムがそう言いながらアルを抱えてアサルトブーストで飛ぶのをユキノは遠目で捉えた。

 

「何をするつもりだ?」

 

『私とコイツの攻撃で奴の攻撃を逸らす!』

 

「ええっ!?」

 

 

アルプトラオムは左手でアルを抱えながらシースパイダーの砲台が狙える位置に移動した。

 

『陸八魔アル、砲身を狙撃しろ!』

 

「そんないきなり…!」

 

『早くしろ、もうレーザーが放たれる!』

 

「ああもうっ!」

 

半ば自棄になりながらアルは銃を構えて撃つと、アルプトラオムもリニアライフルをチャージして放った。その瞬間ジェネレーターの限界が訪れ1機と一人はゆっくりと落ち始める。

 

『どうだ!?』

 

攻撃が砲身に命中した瞬間、赤いレーザーは放たれた。

 

「!皆さん、伏せてください!」

 

ハスミが咄嗟に叫んだ瞬間、赤い閃光は砲撃部隊のギリギリ横を通過していき、後方で大爆発を引き起こした。

 

「ひ、ひぃ…!」

 

ヒフミがここまで攻撃を届かせたシースパイダーに恐怖していると、ハスミは望遠鏡を覗いて驚愕する。

 

「二回連続…!?」

 

 

『連続で撃つつもりか!?』

 

「ちょ、ちょっと不味いわよ!もう一回飛んでちょうだい、ここからじゃ届かないわ!」

 

『待て、着地したばかりでエネルギーが…!』

 

そしてシースパイダーが二回目のレーザーを放とうとした瞬間…

 

ズガガガガガガッ!!

ドドドドォォォン!!

 

砲台に大量のミサイルと銃弾が襲い掛かり、レーザーを放つ前に爆発した。アルプトラオムが空を見ると、シロコのミサイルドローンにぶら下がるヒナが居た。

 

「砲台を破壊したわ」

 

『流石風紀委員長!僕たちに出来ない事を平然とやってのける、そこに痺れる憧れるぅ!!』

 

「ホントに何で出来るんだよ…」

 

「ああっ!?私だってやろうと思えばやれるっ!!」

 

「リーダー、張り合わなくていいですから」

 

「取り敢えずコレで向こうの主砲は潰した、後は数の有利と支援砲撃でこのまま…」

 

その瞬間、シースパイダーはスラスターを強く噴射し始めた。

 

「な、何!?」

 

「砂が…くっ…!」

 

シースパイダーは徐々にその巨体を浮かせ、上昇する。

 

『え、嘘でしょ?』

 

「はぁ?そんなのあり?」

 

そうして空高く飛び上がったシースパイダーは足を傘のように開き、浮遊し始めた。

 

『──と、飛んだァァァァァァァ!?』

 

「あははっ!松ぼっくりみたーい!」

 

「蜘蛛の次は松ぼっくりって、面白いね〜アルちゃん!」

 

何人の生徒がそんな絶叫を響かせ、アスナとムツキがその形状を見て笑うと、シースパイダーが胴体の下の先を開くと、エネルギーが集まっていく。

 

 

 

『先生、大変です!』

 

「アロナ?」

 

『シースパイダーに今までよりも強力なエネルギーが検知されました!』

 

「!」

 

 

 

『皆、今すぐ離れて!』

 

「先生?」

 

生徒達は通信越しに伝わってくる先生の焦りに少し戸惑う。

 

『今までよりも強力なエネルギーが感知されてる!そいつはそこを消し飛ばすつもりだ!!

 

「っ!全員基地から撤退するぞ、急げ!」

 

ユキノ指示が飛ぶと同時にそれぞれが動き出し、基地の外を目指す。

 

『LCはまだ残っています、近くの生徒はLCに運んでもらってください!』

 

「社長、早く!」

 

「またコレに乗るの!?」

 

『へい彼女、乗ってく?』

 

「こんな時までふざけるな!!」

 

『あ、言っとくけどMTの次に遅い機械僕だから間に合わなかったらごめん』

 

「は?いやお前それはぁぁぁぁ!?いきなり加速するなぁぁぁぁぁ!?」

 

そして全員が基地の外に向かっている時、シースパイダーのチャージが完了し───

 

 

赤い雫が落ちていった

 

ドォォォォォォォォォォォン!!!

 

シースパイダーが放った雫は、地面に着弾した瞬間凄まじい大爆はを引き起こし、赤いエネルギーが水面に落ちた一滴の雫が生み出す波の様に地面に広がっていく。

 

「っ……!」

 

トランスクライバーに抱えられ空中に避難したバルテは、赤いエネルギー波がMT達を飲み込み、破壊していく様を見つめた。するとリュウタロウとイオリが必死に逃げてるのが目に入る。

 

「お、おい!これ間に合うのか!?」

 

『ダメかもしんない』

 

「はぁっ!?」

 

『だってアサルトブーストしてもこれ以上出ない…あ、そうだ』

 

するとリュウタロウは武装を全てパージした。

 

『よし、間に合えぇぇぇぇぇ!!』

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

武装をパージした分速くなったリュウタロウは速度を上げ、そして間一髪で飲み込まれる前に正面ゲートを抜けて外に出た。

 

『よし、間に合──』

 

バァァァァァァァン!!

 

リュウタロウとイオリが脱出した、瞬間、赤いエネルギー波は基地の防壁にぶつかり、基地を囲っていた防壁を全て吹き飛ばして止まった。

 

『……ま、間に合って良かったね!』

 

「もうやだ…」

 

先生は全員が無事に脱出出来たのを確認してホッとすると、空に浮いているシースパイダーを見る。

 

「あれ、どうしようか…」

 

「砲撃もアレじゃ当たらないでしょうし、かと言って残った航空戦力で撃墜するのは…」

 

「幾ら威力があっても届かないんじゃなぁ…」

 

『先生、シースパイダーが接近してきます!』

 

「!」

 

「うーん…先生、残った航空戦力で足止めするのでここは撤退を…」

 

するとシースパイダーは次に高速回転しながら足のブレードを展開して向かって来る。

 

「殺意高過ぎない!?」

 

「か、回避します!」

 

「ねえちょっとキツいよコレ!」

 

ヘリ組が慌てて回避する、シースパイダーは回転が終了し、減速と同時に機銃とミサイルを放つ。するとカタフラクトがチャージしたレーザー砲を放ちシースパイダーに直撃させた。

 

「地上じゃこれぐらいしか出来ないな…」

 

「…あれ、またエネルギーを溜めてないか?」

 

『え?』

 

するとシースパイダーはまた下に向けて先ほどと同じ攻撃をしようとしていた。

 

「ちょ、不味い不味い不味い!」

 

「逃げるぞ!」

 

「何処に!?」

 

『イオリちゃん、流石に次は無理。ごめんね』

 

「そんな事言うなら乗せようとするなっ!!」

 

そして再び赤い雫が落ちようとした瞬間…

 

ドォォォォォォォォン!!

 

シースパイダーに、強力な黄色のレーザーが直撃した。

 

『!?』

 

全員が驚愕、オフェアリスがレーザーが来た方向を見ると、遠くに見慣れた影が見えた。

 

『ビナー!?』

 

そこには口を大きく開けて、レーザーを放った直後のビナーが居た。シースパイダーはビナーのレーザーに直撃したせいでスラスターが止まり、落下し始める。

 

「!皆、シースパイダーが落下してくる!」

 

「っ、また立て直して飛ぶ前に仕留めるぞ!先生、砲撃を!」

 

「分かった!」

 

落下したシースパイダー。最後にして最大のチャンスを前に一気に攻撃する。

 

『皆ー頑張れー!』

 

「何でお前みてるだけ…あっ、さっきパージしたからか!」

 

「イオリ、敵に集中してください!」

 

「砲撃来るよー!」

 

砲弾の雨が再び降り注ぎ、その後も絶え間なく攻撃を続ける。やがてそれぞれの武器が弾切れやオーバーヒートを起こし、攻撃が止んだ。シースパイダーの姿は砂煙の中に隠れ、長い沈黙が続く。全員が固唾を飲みながら銃を向け警戒していると、やがて砂煙が晴れて、やがてシースパイダーの姿が見えた。

 

「───アロナ」

 

『はい、先生…シースパイダー機能停止しました…撃破成功です!』

 

そこにはボロボロになり、所々装甲が剥がれ、足が2本ほど千切れ、動かなくなったシースパイダーが居た。先生はアロナの言葉を聴いて思いっきりため息を吐く。

 

「…はぁ……皆!シースパイダーは機能停止…破壊されたよ!お疲れ様!」

 

先生の言葉を聴いた瞬間、生徒達も銃を降ろしてため息を吐いた。

 

「つ、疲れた〜!」

 

「はぁ、カイザーと戦うだけだったのに、とんだ災難だったわね…」

 

「………」

 

「アルちゃ〜ん、大丈夫〜?」

 

「放心してるね…」

 

「はぁ…」

 

「お疲れ様です、リーダー」

 

「おう、お前らもな…」

 

「防衛室長にはなんと報告すべきか…」

 

緊張の糸が切れ、その場にへたり込む生徒も何人かいる。オフェアリスは、振り返ってビナーが居た方向を見ると、ビナーは既にいなくなっていた。

 

『………』

 

 

 

「よーし、色々あったけど…取り敢えず帰ろっかー!」

 

先生がそう言い、一行はその場から離脱し始めた。こうして、アビドス砂漠での戦いは、幕を下ろしたのだった…

 

 

 




次でアビドス編ラスト!感想、高評価、お待ちしてまーす!
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