BALTEUS Archive   作:猪のような

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さっさと本編に入りたい…今のままじゃ絡める生徒が少な過ぎる…つかバルテウスあんまり出せないのヤバくない?タイトル詐欺にならないこれ?


Chapter3 ミレニアム初のご友人

 

 

 

 

────ミレニアムの新たな委員会、その名もPCA委員会。治安維持を目的としており、ミレニアムの自治区の警備ロボの開発、指揮、管理を担うその委員会は、突如として現れた一人の編入生によって活動していく事になった。

 

この事はクロノススクールを通じてキヴォトス全体に知れ渡り、数日の間でトリニティやゲヘナはPCA委員会の調査を開始していた。そして…

 

「…これが、明日からミレニアム自治区に配備される機械ね?」

 

リオとバルテは、ミレニアム自治区に新たに増築されたPCA委員会の施設で開発された機械の確認をしていた。今、二人の目の前にはバルテが作った機械がズラリと並んでいる。

 

「はい。マッスルトレーサー…通称MT。本来ならもっと大きな機械ですが、我々と同じくらいのサイズでも問題無いと判断しましたので、サイズダウンしました。武装に限ってもレーザー系の武装は搭載しておりません」

 

「配慮に感謝するわ。PCAは設立直後で予算にも限界はあるし、今はこれが限界かしら?」

 

「そうですね。実績を積み、予算を獲れば…このMT以外にも、私のデータにある様々な兵器を開発、量産していく事が可能だと思います」

 

「そう…期待しているわ。そういえば、奥の方に少し大きな機械が幾つか見えるけれど、あれは?」

 

「ああ、あちらは四脚タイプのMTです。少数ですが製造してみました。二脚タイプのMTで対処出来ない時はアレを出すつもりです」

 

バルテは開発した兵器をリオに説明し、二人はこれからの事を話し合いながら準備を進めていったのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『コード23、現着……コード5、標的を発見。攻撃開始』

 

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「な、何だコイツら、今までのガードメカとは違うぞ!?」

 

「に、逃げろー!」

 

『標的が逃走を開始、追撃します』

 

結果から言うと、PCAの仕事ぶりはそれは見事なものだった。ミレニアム自治区で問題が発生するとすぐさまMTが現場に現れ、迅速に対応していった。

 

「K小隊はそのまま目標を追跡、P小隊は先回りして挟み撃ちに。B小隊とT小隊は現場に合流を、O小隊は一旦補給に入れ。その他の小隊は通常通り巡回を続行…いや、N小隊は一旦Tの12地点に向かってくれ。」

 

『了解』

 

PCA委員会室でバルテは数台のパソコンの画面と睨めっこしながらMT達に指示を出す。

 

「ふぅ…後は自動指揮AIに任せても大丈夫でしょうか…私は今のうちに今日の戦闘で得た実戦データの確認を…」

 

『コード31、指示を要求します』

 

「どうかしましたか、C小隊」

 

『現在、ミレニアム生に装甲を触られています』

 

「?」

 

バルテがMTのカメラ映像を画面に出すと、カメラを至近距離で覗き込むミレニアム生の顔が画面を埋めた。

 

「この生徒は…コード44、情報を照会」

 

『確認しました…ミレニアムサイエンススクール、エンジニア部所属。一年生、白石ウタハさんです』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これがPCAが開発した警備ロボか…なるほど、興味深い…」

 

ウタハはMTの装甲をペタペタと触りながら至近距離でじっくりと観察していた。

 

『現在巡回任務中です、離れてください』

 

「そんな釣れない事を言わないでおくれよ、私は君達が一体どういう構造をしているのか気になっているだけなんだ」

 

『…指示を確認。巡回ルート変更…ルート情報の更新完了、離脱します』

 

「あ、待ってくれ!もう少しだけ…!」

 

『離脱します』

 

MT達はホバー移動でウタハから逃げるようにその場を去っていった…

 

「むぅ、機動力も中々高いな…私では追いつけそうに無い…まぁ、見た目から取れるデータは大体取れたから良しとしよう。となれば…」

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後……

 

「頼もーーー!」

 

「……まさか直接いらっしゃるとは…」

 

ウタハはPCA委員会室に訪れた。バルテは巡回しているMT達の状況に目を向けると。

 

「まぁ、今日は今のところ何も起きていないのでいいでしょう。少々お待ちください、今お飲み物を用意いたしますので」

 

「おお、突然の訪問なのにすまないね」

 

バルテは飲み物を二人分用意して向かい合うように座る。

 

「それで、本日はどのような要件でこちらに?」

 

「ああ、お願いがあるんだが、良いだろうか?」

 

「…内容によります」

 

「PCAが開発したあのMTという機械のデータを見せて欲しいんだ!」

 

「申し訳ありませんが、PCAで管理している機械のデータは機密情報としてリオ会長以外にはお見せする事が出来ません」

 

「そんな!もし見せてくれれば私がMTを今より素晴らしい物に改良「結構です、お引き取りください」くっ、手強い…」

 

ウタハはそこからバルテをあの手この手で説得しようとしたが、バルテは淡々に対応し、最終的にウタハはPCA委員会室から追い出されてしまった…

 

「私は諦めないぞ!絶対にデータを見せてもらうからね!」

 

「またいらっしゃるのは構いませんが、データに関しては諦めてくださるとありがたいです」

 

しかしそこからウタハはバルテの行く先々に現れた…

 

「また来たよ、古帯さん!」

 

「いらっしゃいませ、白石さん。すみません、今立て込んでいるので暫くお待ちください」

 

ある日は再びPCA委員会室を訪れ…

 

「古帯さん見てくれ!この武装、MTに付けてみないかい?」

 

「不要です」

 

またある日はエンジニア部の部室で古帯に自身の発明品を見せつけ…

 

「古帯さんはそれだけでいいのかい?もっと食べた方がいいと思うのだが…」

 

「活動に支障はありません。これで十分です」

 

「大きな身体に見合わない燃費だね…」

 

気付けば食堂で同じ卓を囲んで食事を摂っている事が当たり前になっていた…

 

「…そういえば、何回か会って気付いた事があるのだが」

 

「何でしょう?」

 

「古帯さんはいつも一人だね」

 

「…仕方ない事でしょう…突然設立されたPCAをたった一人で管理している正体不明の編入生…それが私です、普通近付こうとは思いませんよ。白石さんが例外なんです」

 

「私はそんな事よりMT達の方が気になるだけだよ。けれど、PCAの活動は至極真っ当なものじゃないか、きちんと成果も出しているし…」

 

「ちゃんと活動しているだけで、裏では何かをやっているという可能性もあります」

 

(実際そうですし…)

 

「ふーん……確かにPCAは怪しさしかない委員会だ、けれど、少なくとも私は古帯さんは悪い人ではないと確信しているよ」

 

ウタハがそう言うとバルテは食事を進めていた手を止めた。

 

「何故ですか?」

 

「何故って…古帯さんは私を強く拒絶した事が無いからだよ。必ず話は聞いてくれるし、業務の途中でも歓迎してくれるじゃないか。部室に招待したら絶対来てくれるし」

 

「それは…白石さんに悪意が無いと判断しているからですよ。それに、白石さんと話すと丁度いい息抜きにもなります。発明品も中々興味深い物がありますからね」

 

「おお、そんな風に思っていてくれたのかい?良かったよ……因みにだけど、もしその事に有り難みを感じているならデータを…」

 

「それとこれとは話が別です」

 

その後も二人は食事をしながら雑談していると、他のミレニアム生達が遠巻きに二人を観察しながらヒソヒソと話し合っていた。

 

「白石さん、編入生と仲良さそうだよね…」

 

「白石さん良い人だし、編入生も悪い人じゃないのかな…?」

 

「…実は私、この前機材を運んでいたら古帯さんが手伝ってくれたんだ、古帯さん力持ちで凄く助かったよ…」

 

「私も実験に失敗して研究室が爆発したんだけど、MTが直ぐに助けてくれたんだ」

 

「PCAって今のところ悪い噂とか聞かないし…」

 

「「「良い委員会なのかなぁ…??」」」

 

少しずつではあるが、着実にバルテとPCAはミレニアム内での印象を良くしていった。

 

「というかあの二人ってなんだか姉妹みたいじゃない?」

 

「確かに髪色とか似てるし、二人ともカッコいい系だよね」

 

「因みにどっちがお姉ちゃん?」

 

「「「…どっちでも良いなぁ…」」」

 

…何か妙な話題を交えながら、ではあったが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バルテ!工廠に連れて行ってくれるって本当かい!?」

 

「ウタハさん、お待ちしておりました。ええ、本当ですよ」

 

PCAの活動も順調で、バルテもミレニアムに馴染んできた頃、バルテは仲の良いウタハに「いつもこちらが発明品を見せられているので、偶にはこちらからも何かしたい」という理由でPCAの工廠に連れて行く事にした。

 

「では早速コレに乗って行きましょうか」

 

「コレは…四脚MTかい?活躍は聞いているけど、見るのは初めてだよ」

 

「コレもそろそろ巡回に加えようと思っていますから、その内日常生活で見かけるようになりますよ。このMTには特別に操縦席を作ってあるので、私が運転しますからウタハさんは上に乗ってください」

 

「!私が運転しても「駄目です」…そうか…」

 

「申し訳ありません…ですが、今日はウタハさんが喜ぶものを用意しましたから、楽しみにしてください」

 

「…うん、君がそう言うなら、期待させてもらうよ」

 

「はい。では行きましょう」

 

二人はMTに乗ってPCAの工廠に向かって移動した。道中はMTに乗ってはしゃぐウタハによって通行人から注目されたが、特に問題は無く工廠に到着した。

 

「おお、ここが…!」

 

「ようこそ、PCA委員会の工廠に。早速ですが、兵器のテストをしている施設に行きましょう」

 

「テスト?製造してるところは?」

 

「見せられません」

 

「くっ、それも駄目か…」

 

「私としても心苦しいのですが、こればかりは駄目です。そもそも本来はPCA委員会の役員とリオ会長以外は立ち入り禁止なので…」

 

「実質君と会長の二人だけじゃないか」

 

「まぁ、そうですね」

 

そんな会話をしながら二人はテストをしている施設に足を踏み入れた。やがて広い無機質な四角形の部屋を上から窓越しに眺められる部屋に着く。

 

「今回見せるのは兵器同士での戦闘です」

 

「MT同士を戦わせるのかい?」

 

「さて、それはどうでしょう…丁度入って来ましたよ」

 

バルテにそう言われウタハが戦闘を行う部屋に目を向けると、右側の壁からMTが8機入って来た。MT達が横一列に並ぶと、反対側の壁が開き、ウタハが見た事が無い兵器が1()()()()入って来た。

 

「!バルテ、アレは…!」

 

その兵器はMTよりも一回り大きく、何より完全な人型兵器だった。武装はライフルとシールドを持っており、赤いセンサーアイを光らせている。

 

「ご紹介しましょう、ウタハさん。アレはPCAの新型。いずれは量産化され、ミレニアムに正式配備される兵器…

 

 

 

 

 

 

 

LIGHT CAVALRY…略して、LCです」

 

ウタハは、バルテの解説を聞きながら食い入るようにLCを見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ミッションを説明します。今回のミッションは、ミレニアムサイエンススクールで新たに設立された委員会…PCAが保有する工廠の調査です。PCAはミレニアムの新たな治安維持組織として活動していますが、使用しているMTと呼ばれる兵器は今までのミレニアムのガードメカとは比較にならないほど強力で、中でも四脚MTはトリニティやゲヘナに正式配備されている戦車の性能を遥かに凌駕するスペックを有していると報告が上がっています。いきなり作られた委員会…それを一人で管理する同時期に現れた正体不明の編入生…強力な兵器…あまりにも怪しすぎます。ここまで来ると却って何もやましいことは無いのかもしれませんが、調べてみない事には何も判断出来ません。当然ですが、工廠の警備にはMTが多数使用されています。万全な状態で任務に当たってください。それでは、よろしくお願いします───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

FOX小隊の皆さん』

 

 

 

 

 




いやー、何で客観的に見たらこんなに怪しい組織になったんだろうねPCA。というかLCが量産機ってやっぱやばいよね惑星封鎖機構は
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