BALTEUS Archive   作:猪のような

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何かいつの間にか長くなった…え、イチカ実装?私体操服ハルナの所為で石無いんですけど、あの…


Chapter4 軽騎兵と狐達

 

 

 

 

「ウタハさん。如何でしたか、LCの戦闘は」

 

LCとMTによる戦闘が終了し、戦闘が行われた部屋の中央にはLCが佇んでおり、その周囲には破壊されたMT達の残骸が散らばっている。

 

「………」

 

「…ウタハさん?」

 

「!あ、ああいや、すまない。あまりにも凄かったものだから、少し呆けてしまったよ…うん、本当に凄かった」

 

「それは良かったです」

 

「MTも中々の性能をしているけど、LCは別格だね…長時間の滞空能力にあの機動力…自由に宙を舞う姿には目を奪われたよ…アレが量産化されるって、本当なのかい?」

 

「はい。もう暫く時間を要するでしょうが、そうですね…私達が二年生の間には確実に量産化に成功していますよ」

 

「はは、それは…とても楽しみだけど、同時にPCAの事が少し怖くなったよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は本当に良いものを見せてもらったよ。ありがとう」

 

「いえ、何時ものお礼ですので」

 

「君は本当に真面目だね…じゃあね、また明日」

 

「はい、また明日……さて、次は…」

 

ミレニアムに戻り、ウタハと別れたバルテは学校の中を歩き、ある場所を目指す。やがてある部屋の前に辿り着き、ノックする。

 

「入って」

 

「失礼します……お待たせしました、リオ会長」

 

「いえ、時間通りよ…それじゃあ、報告を始めてちょうだい」

 

「はい、現在PCAは────」

 

部屋の中ではリオが待ち構えており、バルテはPCAの活動に関する事を報告し始めた。

 

「────。以上で報告を終わります」

 

「ご苦労様……ふぅ…廃墟の調査もかなり進んでいるわ。新型が調査に投入されれば、きっと廃墟に何があるかも直ぐに分かる筈よ。引き続きお願い」

 

「それは勿論、全力を尽くさせていただきますが…リオ会長、最近働き詰めではありませんか?」

 

「PCA関連で対応に追われているだけよ、気にする必要は無い…とは言えないわね。ゲヘナやトリニティを始め、複数の学校の諜報員がミレニアムに出現しているわ…今はまだ確認出来ていないけれど…」

 

「連邦生徒会も動くでしょうね…寧ろ動かなければキヴォトスの危機管理能力を疑っていたところでした。それで、連邦生徒会が動くとなればやはり…」

 

「SRT特殊学園が出て来る筈よ…狙うとするなら…」

 

「PCAの工廠…」

 

「どうするつもり?データを渡す訳にはいかないから、追い返すのは確定として、問題は…」

 

「PCAの不信感をどうやって払拭するか、ですね…」

 

「ええ…このままPCAが警戒され続ければミレニアム全体に影響を及ぼしかねないわ…どうにかして信用を…」

 

「…ですが、PCAが抱えているものは…」

 

「全て話す訳にはいかない内容よ…けれど隠し続ければ他校に敵意があると捉えかねない…」

 

二人はあれこれ話し合うが、PCAのイメージを良くする方法は中々思いつかない。

 

「…一先ずはいずれ来るSRTに専念します。リオ会長もお休みになられてください」

 

「…そうね、そうさせてもらうわ…ところで貴女、睡眠が必要無いのよね?」

 

「ええ、まぁ」

 

「……偶にはちゃんと休みなさい。貴女もここ最近は毎日徹夜だったでしょう?精神的な疲労も考えなさい」

 

「肝に銘じます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「FOX4、どうだ?」

 

「ドローンで見た感じ、MTを作ってる工場とは別の…多分テスト用の施設かな?それが一つある感じ。警備もそっちの方が多いみたい」

 

「FOX2、ハッキングは?」

 

「駄目だね、MTは相当強固なシステムをしてるみたい。どうする?」

 

PCAの工廠を調査する任務を与えられたSRTで最も優れた小隊…FOX小隊は施設の周囲に潜みつつ、ドローンによる索敵などを行っていた。

 

「…狙うならテストをしている施設だな。そこからMTに関するデータもある筈だ…古帯バルテは?」

 

「確認出来てない。今はいないんじゃない?」

 

「そうか…それで、問題はどうやって建物内部に侵入するかだが…」

 

「四脚MTも居るじゃない。流石にアレとやり合うのは厳しいわよ…」

 

「MTの注意を逸らす必要があるな…一旦、建物の近くまで移動するぞ。FOX3、先導してくれ」

 

「了解。じゃあ行くわよ」

 

FOX小隊は巡回しているMT達から隠れつつ、テスト施設のすぐ側までやって来た。施設の直ぐ近くには四脚MTが配置されており、ジッとしながら警備していた。

 

「FOX4」

 

「了解」

 

ユキノが合図すると、オトギはドローンを操作して四脚MTに向けてレーザーを当てる。

 

『コード15。敵襲』

 

『標的を確認、所属不明のドローンと推定、排除開始』

 

MT達は空を飛ぶドローンに向けて一斉に銃弾を放つ。その様子を尻目にFOX小隊はこっそりと施設内に侵入していった…

 

「ふぅ…なんとか中に入れたな…」

 

「あ、ドローン落とされた。いや〜恐ろしいね…」

 

「それで?ここからどうするの?」

 

「……FOX2、監視カメラは?」

 

「ある、けど…大丈夫、カメラはハッキング出来るみたい…それに…今のところ施設内にMTは確認出来ない」

 

「トラップも何も無いわよ、盗聴器の類いも無し」

 

「何…?妙だな…よし、手当たり次第に部屋を調べていくぞ」

 

「「「了解」」」

 

施設内に警備がいない事を確認しながらFOX小隊は調査を進める。

 

「これは……活動記録ね」

 

「こっちは…MTの製造費とかの明細だ」

 

「これはただの備品の数ですね…」

 

「…怪しいものは無いか…次に行くぞ」

 

次々と部屋を調べていくFOX小隊。しかし重要そうな情報は見つからず。やがて殆どの部屋を調べつくしてしまう。

 

「後はどこだ?」

 

「えーっと…後は、実際にテストをする大きな戦闘用の部屋と、それを観戦出来る部屋が…」

 

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

 

「「「「!?」」」」

 

調査も終わりに近付いてきた頃、ユキノが残りの部屋をハッキングして確認しているニコに訊くと、突如警報が鳴り響き、廊下に隔壁が降りる。

 

「っ、FOX2!」

 

「そんな、監視カメラの映像は…!」

 

『ええ、ハッキングされたままですよ』

 

状況を確認しようとすると、FOX小隊に放送で話しかける声が響き渡る。

 

『ようこそ、SRT特殊学園の皆様。ここは関係者以外立ち入り禁止の場所ですが、歓迎させて頂きます』

 

「古帯バルテ…!」

 

『私の事は…まぁ、知っていて当然ですね』

 

「どうやって私達の存在を知る事が出来た?」

 

『外でドローンが落とされた時に何か起こるとは思いました。狙うならこの施設というのも予想はついていました。それで、監視カメラの映像には異常が無いにも関わらず、どうやって皆様の存在を認識したか、という質問に対しては、この施設にあるもう一つの侵入者感知システムのお陰ですね』

 

「何…?」

 

『この施設の床全体は体重計の様になっていまして、皆様が立っている場所の重さから位置を特定しました』

 

「は?それって…」

 

「最初から、気付いていた…?」

 

「…泳がされたか…何のつもりだ」

 

『皆様がこの施設に来た理由は分かります。PCAというあまりにも怪しい組織の事を調べに来たのでしょう』

 

「自分で言うんだそれ…」

 

『皆様がここに来るのは至極当然な事です。それをする理由は十分にありますから。その理由を作ってしまった私と致しましては、お手を煩わせてしまい申し訳ありませんと、謝罪させて頂きます』

 

「だったら、大人しく情報を渡してくれないかな?そうしたら私達も直ぐ帰れるからさ」

 

『……重ねて謝罪を、すみませんがそれは出来ません。PCAに関するデータはその殆どが機密情報。安易に漏らす事は絶対に出来ません』

 

「そっか、残念」

 

「なら私達は調査を続けるしかないな。それで?この隔壁はどういうつもりだ?何故か一方向にだけ道が続いているが…」

 

『私としては、皆様に諦めて帰って頂くのが一番なのですが…しかし、立ち入り禁止の場所に無断で侵入し、PCAの物に手を出したのです。お咎め無しで帰るのは、不公平と思いませんか?』

 

「………」

 

『安心してください。皆様にはテストに付き合って頂くだけです。道を進み続ければテスト用の広い部屋に着きます。そこにいらしてください』

 

「ふざけるな、誰がそんな見え見えの罠に…」

 

『であれば、爆弾を使って無理矢理にでも施設から脱出しますか?確かに皆様であれば可能でしょうが…施設から脱出した後は、どうなるでしょうね?』

 

「…ちっ…」

 

「FOX1……」

 

「…すまない。行くぞ」

 

ユキノは渋々といった様子で道を進み始め、他の隊員もそれに続く。やがて鉄で出来たスライド式の自動ドアの前に辿り着くと、FOX小隊の背後に隔壁が下ろされる。そして同時に目の前のドアが開いた。

 

『中へどうぞ』

 

FOX小隊が中に入ると広大な空間が広がる戦闘室が視界に映る。小隊が部屋の様子を確認していると、ユキノは高い場所に窓があるのを発見し、その窓の向こう側にバルテの姿を確認する。

 

「古帯バルテ…!」

 

『今回はテストへのご協力、真にありがとうございます。SRTの皆様との戦闘データ…間違いなく有益なものになると思っております…ですが、皆様は無理矢理参加されたテストにうんざりしている事でしょう。出来れば皆様と良い関係を築いていきたいと思っております』

 

「だったら普通に帰しなさいよ!」

 

「それか情報ちょうだーい」

 

『ですので…皆様がこのテストでの戦闘に勝利した際には……()()P()C()A()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「「「「!!」」」」

 

『これで、モチベーションは上がったでしょうか?』

 

「…その言葉に嘘は無いな?」

 

『ありません。もしこの言葉を破ったなら、MTのデータでもなんでも渡しましょう』

 

「…さっさとテストを始めろ」

 

『準備は十分のようですね…それでは、皆様のお相手を紹介しましょう』

 

するとユキノ達の反対側のドアが開き、機械の足音が複数響く。そしてFOX小隊は入って来た兵器の姿を見た。

 

「っ!?」

 

「何よ、あの兵器…見た事無い…」

 

「MTじゃ、無い…?」

 

「まさか…!」

 

『今から皆様にはこの新型…LCを4機、相手をしていただきます』

 

『コード5、標的を確認』

 

「新型だと…!?」

 

『それでは、テスト開始』

 

FOX小隊が新型であるLCの出現に戸惑う様子を無視して、バルテは戦闘を開始し、それと同時にLC達はホバー移動で距離を詰め始める。

 

「FOX1!どうするの!?」

 

「FOX4、射程に入ったら取り敢えず撃て。遮蔽物も何も無いんだ、正面からの殴り合いになる。FOX3、私が合図したら盾のフラッシュを使え。敵が動きを止めたら私とFOX2で乱戦に持ち込むぞ」

 

「「「了解!」」」

 

ユキノは

 

(新型…武装が違うな…盾持ちが2、ショットガンが1、スナイパーが1…)

 

「盾持ちのライフルにはグレネードランチャーが付いているな。ショットガンも肩に何か乗せている。十分に注意しろ。FOX4、ショットガン持ちは狙えるか?」

 

「任せて」

 

コトギは狙撃態勢に入り、スコープを覗き込んでショットガン持ちのLCに標準を合わせる。

 

「スゥ……フッ…!」

 

対物ライフルの12.7mmの弾丸がショットガン持ちLCに真っ直ぐ飛び、そして…

 

『回避します』

 

「はっ!?嘘でしょ!?」

 

LCはそれを()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「何よ今の動き!」

 

「落ち着け、どうやら横方向に一瞬だけ強くスラスターを吹かして回避したようだ。…今だ、FOX3!」

 

「これでも喰らいなさい!」

 

ユキノの合図と同時にクルミが盾の前面をフラッシュバンの様に発光させると、LC達は足を止めた。

 

「行くぞ、FOX2!」

 

「了解!」

 

怯んでいる間にユキノとニコが接近し、ユキノは走りながらアサルトライフルを盾持ちのLCに向けて発砲する。LCが盾を構えながらユキノに向けてライフルを放つと…

 

「捉えた…!」

 

ユキノに気を取られている間にニコが盾持ちのLCの真横からショットガンで狙う。盾持ちLCが僅かにニコの方に顔を向けると同時に散弾が放たれ。

 

「なっ…!?」

 

盾持ちLCは今度は後ろにクイックブーストして回避する。すかさずユキノが追撃するも、LCは上昇して回避した。

 

「飛行能力もあるのか…!?…FOX2、狙撃警戒!」

 

「!」

 

狙撃銃を持ったLCの狙撃をニコは走って避ける。オトギがカウンタースナイプで狙撃型を狙うも、もう一機の盾持ちLCがそれを防いだ。

 

「いや硬っ、対物ライフルだよこれ?」

 

「もー!何なのよコイツら!」

 

するとショットガン持ちLCが上昇し、FOX小隊を空中から見下ろすと肩に乗せた武装から音が響く。

 

『ミサイル、発射』

 

すると肩の武装からミサイルを発射した。

 

「ちぃ…!FOX3、援護を頼む!」

 

「ああもう!」

 

ユキノはアサルトライフルを構え、ミサイルを撃ち落として迎撃する。狙撃型LCがその隙にユキノを狙うが、クルミが間に入ってユキノを守る。ミサイルの爆煙が広がり、空中にいるLCの姿が見えなくなる。

 

「今の内にリロード…」

 

「!FOX3、危ない!」

 

オトギがリロードしようとした瞬間、ニコが叫ぶと爆煙から盾持ちLCが飛び出し、オトギにライフルを向け、グレネードランチャーの榴弾を放った。

 

「っ!しまっ」(弾切れ…!)

 

ユキノが即座に榴弾を撃とうとするがミサイルを迎撃した際に弾切れしてしまった。するとクルミが盾をふっと手放し…

 

「ふんっ!!」

 

と掛け声と共に勢いよく脚を振り、盾を蹴った。盾は勢いよく飛びオトギに向かっていた榴弾と交通事故の様に衝突し、爆発で吹き飛んだ。

 

「助かった!ありがとFOX3!」

 

「いいから早くリロードしなさい!」

 

「スモークを焚く、一旦立て直すぞ」

 

『…一時撤退』

 

ユキノがスモークグレネードを何個か床に転がし、LC達の視界を遮る。LC達も一旦下がり、様子を見る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふむ…」

 

バルテは煙幕によって左右に仕切られたLC達とFOX小隊を見ながら考え込んでいた。

 

(自由な飛行能力にクイックブーストによる回避…LCの様な敵はキヴォトスには存在しなかった事でしょう…今までの常識を覆す敵…さて、どうしますか、SRTの皆様)

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、どうする?このままじゃ一方的に撃ち下ろされて負けちゃうよ?」

 

「…敵の動きは大体分かった。盾持ちは前衛と狙撃手を護衛する役割で別れている。狙撃手と護衛は後回しでいい。FOX4、出来る限り狙撃手と護衛に出来るだけ圧を掛けてくれ」

 

「了解」

 

「ショットガン持ちはミサイルと合わせて攻撃の起点を作る役だ。先ずはアイツから潰す」

 

「前衛の盾持ちは?」

 

「それは私が引き受けよう。ショットガン持ちは…FOX2、FOX3。お前たちに任せる」

 

「「了解!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

煙幕が晴れ、LC達は装備を構え直すと、オトギ以外の三人が縦に並んでクルミを先頭に突っ込んで来る。

 

『攻撃開始』

 

狙撃型LCがクルミにスナイパーライフルを向けると、護衛LCが前に現れ、狙撃型LCに向かって来た弾丸を防ぐ。

 

「邪魔はさせない…!」

 

オトギの狙撃が狙撃型LCに集中し、その圧で狙撃型LCは護衛LCの後ろに隠れる様に立ち回る。すると並んでいた三人の列から突然ユキノが横に逸れていき、前衛の盾持ちLCに向けて発砲する。前衛LCはシールドを構えながらユキノに反撃すると、他の二人は反対側に逸れ始め、ショットガン持ちLCに向かって突撃する。

 

「FOX3!来るよ!」

 

「分かってるわよ!」

 

ショットガン持ちLCは再びミサイルを放とうと肩の武装を起動する。クルミはその様子をジッと見つめながら走り…

 

『ミサイル発射』

 

「今!」

 

ショットガン持ちLCがミサイルを放とうとした瞬間、クルミの盾が光り、視界を白く染めてミサイルのロックを麻痺させる。そしてその状態で放たれたミサイルはあらぬ方向に飛んで行った。クルミは更に接近しながら拳銃を発砲するが、カンっと音がして弾かれる。

 

「四脚MTよりは柔いと思うけど、やっぱ45口径じゃ無理ね…!」

 

ショットガン持ちLCは上昇し、二人から逃げようとすると、ニコが立ち止まり、グレネードを投げる。

 

『迎撃します』

 

ショットガン持ちLCは散弾を放ち、それを迎撃すると中から煙幕が溢れ出し、ショットガン持ちLCを覆う。

 

『上昇し、煙幕から脱出を…』

 

「行くよ、FOX3!タイミング合わせてね!」

 

「敵が上昇する前に決めるわよ!」

 

ニコが再び駆け出すと、クルミはニコに向けて盾を坂道を作る様に向けていた。ニコが盾を登り、ジャンプすると同時にクルミは盾をジャンプ台の様にしたから押し上げ、ニコは勢い良く煙幕に跳んで突っ込んだ。

 

「届いた、もう逃がさないよ!」

 

『!』

 

ニコは煙幕の中にいたショットガン持ちLCに接近し、脚をを掴んで器用によじ登り、最終的に肩車の様な状態になりながらショットガン持ちLCの頭部にショットガンの銃口を当てる。

 

バンッ!バンッ!バンッ!

 

「ダウン!……っとと」

 

至近距離からショットガンを頭に3発喰らったショットガン持ちLCは落下し始め、ニコはヒョイっと飛び降りて離れる。

 

「FOX4、こっちは終わったから狙撃手と護衛の方に向かう、FOX1の援護お願い」

 

『了解』

 

ニコとクルミは狙撃型LCと護衛LCの方に向かうと、護衛LCが二人に向けて発砲を始め、狙撃型LCもスナイパーライフルを捨て、普通のライフルに持ち替え交戦を始めた。

 

「ショットガン持ちは仕留めたか、なら…」

 

『FOX1、狙撃型は二人がやるみたいだから援護するよ』

 

「なら私が隙を作る。次の狙撃で仕留めろ』

 

『了解』

 

ユキノはコトギに指示すると、グレネードを投げる。盾持ちLCはそれをライフルで撃って迎撃し、目の前に爆煙が広がると、その中からもう一つグレネードが現れた。

 

『!防御します』

 

咄嗟に盾を構えた瞬間に爆発し、盾に衝撃が与えられ、ユキノに盾を向けながら一度下がろうとクイックブーストした瞬間、同時に重い銃声が響き、盾持ちLCの頭部が吹き飛んだ。

 

「その動きはもう読んだ、それをやっている途中に機動は変更出来ないから、動きが止まる場所に置き弾すれば簡単に当たる」

 

オトギはそう言いながら残った2機の方に銃を向けると、スコープに何故かLCのライフルを持って倒れた狙撃型を撃ちまくるクルミの姿が映る。

 

『LC機体の全機破壊を確認…テスト終了です。お疲れ様でした』

 

バルテの声がそう響き戦闘の終わりを告げる。LCとFOX小隊の戦闘は、FOX小隊の勝利で幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルテは「少々お待ちください、そちらに向かいますので」と言い、FOX小隊は待っていると、LC達が出て来たドアが再び開き、そこからMTを複数引き連れたバルテが姿を見せる。

 

「っ!」

 

FOX小隊は即座に銃を構えると、バルテは両手を挙げる。

 

「ご安心を、このMT達はLCの回収に来ただけです」

 

そう言いながら部屋に入ると、MT達はFOX小隊に目もくれずにLCの回収を始め、バルテはゆっくりと歩いてFOX小隊の前に立つ。ユキノとバルテが視線を少し交わすと、ユキノが銃を下ろし、他の隊員もそれに合わせて銃を下ろす。

 

「ありがとうございます」

 

そう言ってバルテも両手を下げると、次にFOX小隊に頭を下げた。

 

「っ、何を…!?」

 

「重ねて、ありがとうございます。今回の戦闘データは私が予想していた物より遥かに有益なものとなりました。そして改めて謝罪を。皆様がこんな事に付き合わされる事になった原因はPCAを急に立ち上げた私の責任です。申し訳ございません」

 

「……はぁ、もういい。申し訳なく思っているのはもう十分伝わった。それより、約束を果たしてもらおう」

 

「はい…私がPCAで何をしたいのか、でしたね」

 

「ああ…さっさの新型も然り、お前は何の目的でこんな組織を立ち上げ、強力な兵器を作り出しているんだ?」

 

「私がPCAを立ち上げた最大の目的……それは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「何?」

 

「今はまだ難しいですが…私はいずれ、各学校に向けて治安維持の為のMTを販売する事業を始めるつもりです」

 

「えっ、アレ売るの?」

 

「はい。LCはダメですが、MTならば良いだろうと会長からも許可は頂きました。ですが、販売を始めたところで今のままでは信用の無さで誰も買ってくれないでしょう」

 

「そりゃそうよ、客観的にみたらいつ爆破するか分からない爆弾を買うようなものよ?」

 

「ですので、色々と方法は考えているのですが、難航していまして…このままでは販売開始までに間に合うかどうか…っと、この話はあまり関係ありませんね。という訳で、私がPCAで成したい事は話しました。満足いただけましたか?」

 

「……FOX1、どうする?」

 

ニコがユキノに指示を仰ぎ、クルミとコトギもユキノを見つめると…

 

「…作戦は終了だ、これ以上無理をする必要は無い。帰投する」

 

「…そっか、了解」

 

「はぁ…何だかどっと疲れたわ…」

 

「ホント、あの新型ヤバすぎでしょ…」

 

「褒めていただき有難い限りです。出口まで皆さんをお送りいたします」

 

そう言ってバルテと共にFOX小隊は施設を出て出口に向かう。MT達はFOX小隊を見ても気にせずに巡回をしており、やがて出口に着く。

 

「本日は誠にありがとうございました」

 

「あんな戦闘はもう懲り懲りよ…」

 

「私はもっとあのテスト部屋には遮蔽物とかあった方が良いと思うな〜」

 

「確かに、それが有ったらもっと狙撃しやすかったな」

 

「なるほど…貴重なご意見、ありがとうございます」

 

「何でちょっと仲良くなってるのよ…」

 

「私はもっと仲良くしたいです。そう言えば、皆様の名前を教えてくださいませんか?」

 

「はぁ?何でよ」

 

「皆様は私の名前を知っているのに、私だけ知らないのは不公平ではありませんか?」

 

「あはは…私達はSRT特殊学園のFOX小隊。私はコールサインFOX2、ニコだよ。よろしくね、バルテちゃん」

 

「え、教えるのっ!?」

 

ニコが真っ先に名前を教えてしまい、オトギもそれに続く。

 

「私はFOX4、スナイパーのオトギだよ、よろしくね〜……ほら、次はFOX3だよ」

 

「はぁ!?何でよ!」

 

「私とニコは言ったんだから当然でしょ?」

 

「意味分かんない!私は言わないわよ!」

 

「………」

 

バルテはジッとクルミを見つめると、クルミは顔を逸らしつつも気まずそうにする。やがてため息を吐き…

 

「…FOX3、クルミよ」

 

と、観念したように呟いた。

 

「そして最後に…ほら、FOX1」

 

「……小隊長を務めている。FOX1、七度ユキノだ。古帯バルテ」

 

「はい?」

 

「SRTとしては、PCAはまだ信頼に値しない。恐らく今後も、機会があれば調査に乗り出すだろう」

 

「………」

 

「…だが、私としては、お前の話を聞いて、少し信じてみたいと思っている」

 

「!」

 

「キヴォトスの治安が良くなるなら、私は大歓迎だ…頑張るんだぞ」

 

「…ありがとうございます、七度ユキノさん。今日は本当に良き出会いに恵まれました。皆様が更なるご活躍をされるよう、お祈りしています」

 

こうして、FOX小隊とPCAのいざこざは幕を下ろした。FOX小隊はSRTにはPCAに関して特に怪しい物は無かったと報告したが、安全を保障する様な証拠も無かったので、一先ず判断は保留し、再び調査の機会を設ける事になった。

 

「ふぅ……」

 

数日後、バルテはいつものように治安維持の指揮を取りながら、机の上にある資料に目を向ける。その資料の内容は……

 

『PCAから各学校に向けての技術提供の為の新型開発』

 

と、書かれていた…

 

 

 

 

 

 

 




特殊部隊とかの描写ってくそ書きづらい。ていうか今回の話マジでバルテちゃん悪役サイドやったな、ごめん…あ、アンケート投票よろしくね!
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