どうせ一度は死んでいるのだから   作:みかん汁だったライター

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 ダイヤちゃんの冬服衣装がすり抜けで出たので投稿します。
  
 前話はギャグ要素が入ってしまったので、シリアスを書こうと思います。理事長の過去です。

 次の話は絶対に曇らせてやるからな…!

 ギャグと独自解釈、史実改変のタグを付け足します。




理事長と深海トレーナーの過去 前編

 

 トレセン学園の理事長に就任して、心労が絶えなかった。

 

 「休んでくださいよ、理事長」

 

 そう他のトレーナーに心配されても、私は仕事をした。

 

 ウマ娘は、私にとって、秋川やよいにとって全てだ。

 

 そして、私は人が嫌いだ。

 

 自分に利益が出るように記事を書くマスゴミ、自分のことしか考えない家族達、皆々嫌いだ。

 

 そして、私は私自身も嫌いだ。

 

 トレーナー時代に一人のウマ娘を一人、足を悪くさせてしまい、引退に追い込んでしまった。

 

 だから私は、一人で頑張ってきた。秘書を雇わず、一人で。

 

 そんな私が荒れていた時期だった。

 

 彼女…深海静トレーナーに会ったのは。

 

 祖父の愛人が孕んだ娘として、彼女を紹介された。

 

 祖父はこれでも実家の…秋川家の主、誰も逆らうものがいなかった。

 

 彼女は私の4~5歳ほど若く、祖父が今までよく隠せていたと思った。

 

 彼女は表情筋が死んでいるのか、無表情だった。

 

 彼女は一応私の叔母になるのだろうか…

 

 「…よろしくお願いします」

 

 彼女は、目に光がなかった。

 

 「…よろしく」

 

 会釈なんてものをせずに私は挨拶をした。

 

 そのあと、すぐに大人達は酒をのみに行った。

 

 そして部屋には彼女と私の二人きり。

 

 私は話しかけるなオーラを出していたのだが…

 

 沈黙を破ったのは彼女の方だった。

 

 「…やよいちゃんさ、眠れてないですよね?」

 

 「…は?」

 

 その時の私は、睡眠不足でイライラしていた。

 

 「当たり前でしょ。こっちの了承無しにトレセンの理事長にさせられて毎日書類仕事やってるんだから!」

 

 「…じゃあ、こっち来なよ。膝枕してあげるから」

 

 「…は?」

 

 こんなことを初対面の奴に言うの、罠だと思った。

 

 だけど脳が限界だったのか、言う通りに寝てしまった。

 

 

 彼女の太ももの上に頭をのせて、目を閉じると彼女は頭を撫でてくれた。

 

 次第にどんどん意識が沈んでいき、いつのまにか眠ってしまっていた。

 

 

 

 「…ぅ」

 

 「…起きた?やよいちゃん」

 

 彼女は私が寝ている間、ずっと頭を撫でてくれていたようだ。

 

 いつのまにか毛布も掛けてある。

 

 「…ありがと」

 

 お礼を言って、この部屋から出ようとするも手を掴まれ引き留められる。

 

 「ストレスも、溜まってるでしょ?言葉にして吐き出しちゃいなよ」

 

 このままだと、元に戻れなくなりそうだった。でも…

 

 「…良いの?」

 

 私は立場なんてかなぐり捨てて、文句を吐き出した。

 

 親類のこと、URAの上層部のこと、トレーナーの面接のこと。

 

 全部吐き出してスッキリして、不味いと思った。

 

 今親類は宴会の真っ最中、だが彼女が告げ口してしまったらどうなる?

 

 最悪の場合、絶縁されるだろう。そうすれば、トレセン学園理事長と言う仕事もなくなる。

 

 生き甲斐が、なくなってしまう。

 

 どうする、どうすれば良い。そう考えていた私に、彼女はこう言った。

 

 「大変だったね…でも、私も来年トレセン学園のトレーナーとして入るから、辛くなったら私に押し付けても良いからね?」

 

 嬉しいお誘いだった。

 

 どう見ても無表情な彼女に、私は『信じられる』と感じた。

 

 だから、私は彼女がトレーナーになってから、甘えるようになった。

 

 

 あの日だって、彼女が死んだことを知らずに、『今日も愚痴を聞いて貰おう』なんてのんきなことを考えながら。





 曇らせ成分が足らんので明日にはたぶん理事長が曇る現場が視られると思います。

 明日の作者に期待しててください!
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