剣姫に兄が居るのは間違っているだろうか   作:Fina

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どもども!
ここからが1話になります!

補足などはおいおい説明しようと思ってるのですが、気になる点とか普通に感想はいつでもお待ちしてますっ!


それではお話をお楽しみくださいっ!!


第1話 アーク・ヴァレンシュタイン

 

アーク視点

 

コンコンとドアが鳴る。

 

「あーくん入ってもええか?」

 

今の主神ロキの声が聞こえ俺は反応する。

 

「ロキか……いいよ」

 

ガチャとドアが開くのと同時に手に持っている紙をヒラヒラして言う。

 

「あーくん宛に手紙や」

 

「え?」

 

俺はロキに近づき、その手紙を手に取る。

 

「渡したで。 じゃっうちは戻るわ」

 

「おう……ありがとう」

 

いつもは鬱陶しいくらいのロキが今日はめんどくさい絡みをしてこないで部屋を出る。

 

「珍しいこともあるもんだな」

 

ボソッと声に出す。

まぁそれにしても

 

「誰からだ?」

 

手紙の裏表を見るが、アーク・ヴァレンシュタインへとしか書いていない。 とりあえず俺は手紙の封を切って手紙を見た。

 

「そうか。 もうこんな時期か……ベル」

 

ゼウスよりと書いてある子を見て俺はなんとも言えない喜びを胸に秘める。

 

「生きて……いてくれたんだな」

 

ベルが生きていた。 それは俺にとって、アイズにとってとても嬉しいことでって、アイズに関しては100パーセント死んでいると思っているため嬉しい所の問題ではないだろう。

だからこそ俺は涙腺が爆発しそうになっているのだ。

復讐の炎に燃えている妹を少しでも落ち着かせることが出来る。

今日をきっかけに少しでも明るくなって、年相応の女の子になって欲しいという願いが叶うかもしれない。

 

そんな可能性を胸に秘めて心が踊る。

 

「それにしてもまぁ……」

 

そして手紙の内容を見て絶句する。

内容はこうだ。

 

アーク。アイズも含め元気にしとるか?

この手紙をそっちに送ったってことはそういう事じゃ。

ベルは生きている。 明日にはオラリオに着いているはずじゃ。ベルはワシの恩恵を刻んでいる状態で修行もした。 ステータスは更新し続けているが何も伝えとらん。ロキにはまぁごめんと伝えといてくれ。

いつか顔を見せに来い。約束じゃ

 

ps、ベルには少々特殊な武器を持たせとる

 

「はぁ……もういいや。 」

 

一瞬めんどくさいことが起こりそうだなぁと思いつつ俺は明日が楽しみだなと笑みを浮かべるのだった。

手紙を置いて少し外を見ているとドアからコンコン音が聞こえた。

 

「あのっ!アークさん3週間後の遠征についてフィン団長からお話があるみたいで」

 

「あぁ、わかった。すぐ行くよ」

 

ドア前から可愛らしい女の子、よく知っているエルフの声を聞き、俺はこのロキ・ファミリアの団長の所へ向かうのだった。

 

 

「フィン、アークだ」

 

「待ってたよ。」

 

一言事かけて団長室へ入る。 そこには団長《勇者》フィン・ディムナが居た。

 

「遠征の話ってレフィーヤから聞いたけど?」

 

「そうだ。まぁその前に別のことがあってね。さっき親指が疼いたんだ」

 

「は?」

 

突然意味のわからないことを言い始める。 まぁ今日に限った話じゃないが。 まぁフィンの勘はよく当たるんだけども。

 

「今失礼なことおもわなかったかい?」

 

「いやっ?」

 

――心を読まれた……。

思わず視線をずらす。

 

「まぁいい。 話を戻すけど新しい風が吹く感じがしたんだ」

 

「っ……」

 

――もしかしてフィンは、ベルのことを……

 

フィンのその勘は時々未来を見てきたんじゃないか?と思う時がある。 今がそれだ。

 

「明日……」

 

「ん?」

 

「アイズの英雄が来る」

 

「そうか。じゃあ新しい風ってのはその事かな?」

 

フィンは最初に会った時に言ってた子だね。と言って笑う。

 

「それは分からないけど可能性はある」

 

「会ってみないと分からないね。うちのファミリアに来る予定なのかい?」

 

「多分」

 

ゼウス様の事だからべルにロキ・ファミリアに行けと言っているはずだ。 だけどベルが他に行きたいところがあるならそれを肯定すべきだと思っている。 だからここは曖昧な言葉で返す。

 

「了解だ。 とりあえず明日楽しみにしてるよ。 そして遠征のはなしだが……」

 

 

 

「わかった。 基本的に後衛の援護ね」

 

「あぁ、頼むよ」

 

「了解」

 

話を聞くといつもなら中衛で前と後ろを行き来するのだが次の遠征はずっと後ろらしい。

前にいるよりは窮屈になる。

 

「でもアークには臨機応変に対応してもらう。 頼むよ期待のレベル6」

 

「その言い方やめてくれ。 最近伸び悩んでるんだから」

 

俺は今レベル6。 都市内でもファミリア内でも最強の一角……らしい。 最近ステータスの伸びが悪いこともありそれを聞くと少しとモヤモヤする。

ていうかうちは別にレベル6が少ない訳では無い。他に比べれば多い方だ。

 

「まぁ、とにかく頼んだよ」

 

「ん」

 

そうして俺は部屋を出た。

 

 

「あ、あの!アークさん!!」

 

少し廊下を歩いていると後ろの方から声が聞こえた。

 

「お、レフィーヤ。さっきはありがとね」

 

振り向いて言う

 

「いえいえ!」

 

レフィーヤは両手を振りながら言った。

この子はレフィーヤ。 エルフで魔力お化け。 レベル3でリヴェリアの後釜。

この子はほんとに仕草のひとつひとつが女の子って感じがする。アイズも年頃なんだからもう少し女の子感を出して欲しい。私服もあんまり持ってないらしいし。

 

「次の遠征、後衛の援護になったからよろしく」

 

「ほんとですか?!足を引っ張らないよう頑張らさせていただきます!」

 

レフィーヤは謙遜をする。

正直レフィーヤは十分強いし力になってくれてる。

この子は要するに自分に自信がないんだ。

どれだけみんなが褒めたりしても自分を下に下げる。

 

「レフィーヤは充分仕事をしてくれてるよ。 少し贅沢言うなら平行詠唱はできるようになって欲しいけどな」

 

全て本音だ。それは笑い事のように言う。 平行詠唱の習得は一応難しいだけどできるだけで助かる場面は絶対出てくる。リヴェリアの後継者なら尚更だ。

ちなみに俺は平行詠唱は余裕でできる。

 

「ぅぅぅぅ……練習してるんですけど実践になるとどうしても」

 

「ふーん……じゃあ遠征の時覚悟しときなね」

 

少し考えたあと、俺はこの子に自信をつけて欲しいということで、遠回しの練習に付き合うよと伝えた。それが伝わっているかは分からないけど

 

「本当、ですか?」

 

どうやらすぐに伝わったらしい。

さっきまで少し曇ってた表情がパァっと明るくなった。

 

「さすがにずっとは無理だけどな」

 

「よろしくおねがいします! 早速今から色々勉強とか準備しないと!失礼しまーす!!」

 

「お、おーう。頑張れよぉ(?)」

 

レフィーヤと俺は別れた。 というかレフィーヤが少し耳を赤くして食堂の方へ行ってしまった。

 

 

『相変わらずマスターも隅におけませんねぇ』

 

(なにが)

 

『ナンデモアリマセン』

 

突然話しかけてく、ふふふっと笑っているクリスタルに対して塩対応をする。

なんかめっちゃウキウキしてたし、そういう時のこいつとロキほどだるいものは無い。

ていうかクリスタルはなんで俺をいじる時ウキウキし始めるのだろうか。ていうかさっきの会話のどこにいじる要素があったのかが分からない。

 

「というかなぁ」

 

俺はレフィーヤに関して少し思うことがあった。

 

――あの子は今のままのスタイルがいいと思うんだよなぁ。

 

レフィーヤからちょくちょく聞く理想系。あの子はリヴェリアの後継者。 俺の戦闘スタイルである魔法剣士には合ってないと思う。憧れているのは嬉しい。だけどあの子の良さを引き出すなら……

 

「はぁ、とりあえず明日の準備するか」

 

俺は色々考えていたがそれを1回放棄して部屋に戻るために歩く。

 

――――――――――――――――

神様視点

 

「アークさんに、あのアークさんに並行詠唱のご教授を願えるなんてっっ!!」

 

「良かったじゃんレフィーヤ。でもさ少し落ち着こ?」

 

食堂にてレフィーヤと同室のヒューマンエルフィと話していた。

レフィーヤは少々興奮しているようで、その話すテンションでエルフィは引いていた。

 

「だって!あのアークさんだよっ?!」

 

「そうだよねぇ、アークさんの戦闘スタイルが目標だもんねぇ」

 

「はい!!」

 

レフィーヤはとびっきりの笑顔で返す。

 

アーク・ヴァレンシュタイン。

《剣姫》アイズ・ヴァレンシュタインの兄であり、神々からは《守護者》と書いてガーディアンという2つ名が与えられているレベル6の第1級冒険者である。

彼の戦闘スタイルは、魔法剣士。 剣術にも魔法にも長けておりまさにオールラウンダーと呼ばれるものだ。

そんなアークのことを魔道士のレフィーヤは目標としているのだ。というかレフィーヤはヴァレンシュタイン兄妹を尊敬している。

 

「(まぁ、レフィーヤは憧れとか目標とか言ってるけど、アークさんに対する想いは絶対ほかの感情があると思うんだけどなぁ……明らかにアイズさんとは少し違う)」

 

恋愛ガチ勢エルフィは心の中でエルフの少女を見ながら思うのだった。

 

 

翌日

アーク視点

 

「よしっ行くか」

 

普段の服装。ダンジョンに行く時には着ない私服を着てホームを出る。

 

「おっ!今日はおしゃんやーん」

 

「げ、ロキ」

 

「げとはなんやげとは」

 

ホームの玄関へ向かうために歩いているとロキと会う。

 

「ちょっとね」

 

「ふーん……楽しみにしてるで」

 

「っ!!」

 

ニヤッと笑って俺の横を通る。

 

「ベルのこと言ってなかったと思うんだけど?」

 

後ろのロキを見てボソッと言う。 あの主神はほんとに何が見えてるのかが分からない。

 

「とりまっ、出ますかぁ」

 

「お兄ちゃん……お出かけ?」

 

「んお?アイズ」

 

背伸びをしてまた歩き始めると次はアイズと出会う。

愛剣を腰にぶら下げている。

そのまま話しながら外へ繋がるホールへとむかう。

 

「いや?ちょっと知り合いにね」

 

「そっか。」

 

「アイズは?」

 

「素振り……しようと思って」

 

昔みたいな明るい感じは無くなったが、アイズは余り変わらない。 朝起きて素振りをする。その後にダンジョンに入り浸るが追加されただけだ。 まぁそれが問題なんだけど。

 

「いつも通りね。 今日はダンジョンに行かないでホームにいな」

 

「え、どうして?」

 

アイズは顔を傾けた。

まぁ理由はまだ言わない方がいいと思ってるから「なんでも」といってゴリ押しでいく。

 

「わかった……」

 

「ん、偉い。 たまには休むのも大切だからな。 遠征も近いし」

 

「うん」

 

アイズは縦に頷いた。

そして他愛のない話をしていたらホールにつき、ドアを開いた。そして憎悪と復讐の炎で少しの感情を燃やされたアイズは少し微笑んで言う。

 

「行ってらっしゃい」

 

「ありがとアイズ。行ってきます」

 

アイズは俺に対して行ってらっしゃいという時だけ前みたいに微笑む。

昔みたいな明るさは少し無くなったけどこうやって変わらないところを見ると、落ち着く。

 

アイズはそう言うと歩いていつもの訓練場所へ向かった。

それを見送り、いなくなった所を確認して俺はオラリオの入口に向かうのだった。

 

 

「それにしても……いつ来るのか分からないんだよなぁ」

 

門前のベンチに座って絶望する。

ここに座って1時間くらいが経過した。一応朝早くから来てみたが案の定それっぽい子は見当たらない。早く来すぎたのだ。

 

白い髪に紅い瞳。まるで兎のような特徴な彼はわかりやすいはず……少し背とかは伸びてるかもしれないけど特徴的な髪とかは変わってないはず。だからそれを目印にして正門から検問を終わらせて入ってくる人を眺める。

 

「ん〜……ん?」

 

特徴に当てはまる子が周りの人が怪しむほどキョロキョロ周りを見ながら検問所からでてきた。

 

――あれだ!

 

ベンチから立って、近くまで寄る。近ずいて行くと少し低くなった声が聞こえる。

 

「ここがオラリオ……やっと会える!」

 

そんなことを声に出して言う。

そして俺はその子に対して言うんだ。

 

「そこの少年!オラリオは初めてかい? 良かったらお兄さんが案内してあげよう」

 

と。

 

続く




〜クリスタルと???の設定公開のコーナー〜

「みんなさんお久しぶりです!クリスタルです!今回でもここの枠を貰ってマスターやそのお仲間さんたちの紹介をしていこうとおもいます!!え?なんか1人少ないって? あの子は今後ろで待機中です! 早速ですが今回は、マスターの魔法を一つだけ簡単に説明させていただきますよ!」

魔法名…クリスタル
詠唱……輝け《シャイン》
効果……付加魔法。 精霊の光を身にまとう。全ステータスの大幅上昇。
攻撃をすればするほど周りの光の粒子は光を増し、光線として放出することができ攻撃に使うことが出来る。


「こちらですね!これは付与魔法。 マスター自身を強化するものになってます! 魔法名が私の名前だって? そうなんですよ!これは私がマスターと契約した時に与えられた加護の1つで、とても強力なものとなってます! 強化だけではなく攻撃をすればするほどマスターの周りで輝いてる光の粒子が大きくなって光線としてつかえるんです。遠くからの攻撃も可能としている万能魔法になってます! それではっ今日はこれで終了です。 次回第2話は《再会》です!お楽しみに」

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