剣姫に兄が居るのは間違っているだろうか   作:Fina

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第2話です!
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第2話 再会

??視点

 

「すごい高い……」

 

僕は今知り合いのおじさんの馬車をおり大きな壁の前に居た。

ここは迷宮都市オラリオの入口。

ずっと憧れて、行かなきゃと思っていた場所。

 

「ベルここで別れることになるが気をつけろよ」

 

「ありがとうございます!おじさん!!」

 

僕はここまで馬車を引いてくれた村のおじさんに感謝の言葉を言って、別れた。

そして長蛇の列が出来ているオラリオに入るための検問所に行くために並ぶのだった。

 

「次の人〜」

 

「はっはい!よろしくおねがいします!」

 

30分くらいだろうか。それくらい並んだくらいでやっと自分の番になった。

 

「あの、よろしくおねがいします」

 

「そんなに緊張しなくていいよ〜」

 

検問所に入って待っていたのは、可愛らしい女性だった。

 

「私の名前はアーディ・ヴァルマ。あなたは?」

 

「ベル・クラネルです!」

 

なるべく明るく、いい印象を与えるようにいった。

 

「クラネル君ね……珍しいね」

 

「そうなんですかね?」

 

「オラリオにはどこいった目的で?」

 

「10年会ってない知り合いに会うのと、冒険者になろうと」

 

本当のことだ。

 

「ふぅーん。どこかのファミリアには所属してる?」

 

「いえっ!ずっと祖父と一緒だったので入ってません。」

 

「無所属っと。ごめんね?持ってる物見させてもらっていいかな?結構な荷物だから軽くだけど」

 

「大丈夫ですよ!」

 

僕はそれなりに大きいカバンを床に置き、見せるように開く。カバンの中には少しの衣服とおじいちゃんから貰ったナイフ二刀、本くらいだ。

 

「英雄譚すきなの?!私もなんだよぉ。 機会があったら語り合おうね」

 

「はいっ!」

 

おじいちゃんオラリオの人は積極的って本当だったんだね……アイズも昔と変わってるかも。

少し不安になる。 アイズがあんなに色々な男性に積極的だったらって考えると寒気がする。

 

「最後なんだけど、背中見せてくれないかな?」

 

「え?」

 

「外の神様の恩恵貰ってるかもしれないからね」

 

「はい」

 

僕は後ろを向いて、背中を出す。

 

「これって」

 

アーディさんが驚いたような声を出す。

 

「本当にファミリアには入ってないんだよね?」

 

「?そうですけど」

 

「(これってゼウスファミリアのエンブレム。 でもこの子はファミリアには入ってないって言ってた。この子が悪い子にも見れない)」

 

「ちなみになんだけど、会う人の名前って言える?」

 

少し震えて言うアーディさんに疑問を抱きつつ僕は、1番会いたかった人たちの名前を言う。

 

「アーク・ヴァレンシュタインとアイズ……アイズ・ヴァレンシュタインです」

 

「っ!?そっか!じゃあもういいよ! 頑張ってね未来の第1級冒険者!」

 

「はいっ!ありがとうございました!!」

 

2人の名前を言ったら、ほっとしたような顔をして笑顔を返してくれた。

そして僕はやっとオラリオの中へと足を踏み入れるのだった。

 

「アーク君達が知り合いなら安心かな」

 

 

 

辺りには僕が住んでいたところでは見た事のないような高さの建物が沢山だった。

「ここがオラリオ……やっと会える!」

ついに来れたことに対しての感動と、さっき2人の名前を言ったことで、早く会いたいという気持ちが僕の中で強くなる。でも2人がどこにいるか分からない。 というか最初どうすればいいのかも分からない。周りをキョロキョロ見渡していると、おじいちゃんに言われたことを思い出した。

 

――あっ確かおじいちゃんがオラリオに着いたら手紙を見ろって……

 

「そこの少年!オラリオは初めてかい? 良かったらお兄さんが案内してあげよう」

 

カバンの中を見ようとしたら後ろから男の人の声後聞こえる。オラリオってこんな僕ににも優しくしてくれる人が居るんだなぁと思ったのと同時に後ろを振り向く。

 

「ほんとです……か?」

 

後ろを振り向くと、金髪で身長が高い人。 僕はこの人みたいな特徴を持った知り合いを知っている。

 

「アーク……さん?」

 

「よう!ベル久しぶり。大きくなったな」

 

「アークさん!!」

 

思わず抱きつく。 10年ぶり久しぶりに会った憧れていたお兄ちゃん。とても大きくなっててかっこよくなっている僕の姫のお兄ちゃん。

 

「僕……ぼく…」

 

今までの事を思い出す。 気がついたらおじいちゃんと二人っきり、アイズやアークさんと会いたくても無理だと一掃されてとても寂しい思いをしてた。 おじいちゃんから課される修行を沢山して紛らわしてた。 そんな10年間を思い出して涙が出そうになる。

 

「あぁ、見た感じ頑張ったんだな」

 

アークさんは僕の状態を見て判断してくれた。

 

「うん」

 

――そうなんだよ。 頑張ったんだよ僕。

 

「ベルのことずっと待ってた。 お前が、アイズの英雄がここに来るのを」

 

「ねぇ、アイズは」

 

アークさんからアイズという名を聞いて思わず聞く。

 

「元気にしてるよ。 でもベルのことをあの日のモンスター達に殺されたと思い込んでる。 実際俺もぜう……お前のおじいさんから手紙が来るまで分からなかったしな」

 

「そっか……」

 

おじいちゃんがアークさんに手紙を送ってたの初めて知った。 それだけ僕は外からの情報を閉ざされていたんだと感じた。おじいちゃんがなにかの目的を持って僕を育ている感じ。でもそこにはしっかりと愛情があったから特に何も思ってない。

 

「とりあえずベルはこの後どうする?」

 

「えっと……おじいちゃんから手紙を持たされてて、着いたら見ろって」

 

「ん〜じゃああそこのベンチで見るか」

 

アークさんは少し遠くにあるベンチを指さし「いくよ」と僕に行って歩き座った。

 

「手紙って?」

 

「えっとぉ、これなんだけど」

 

僕は少し折れ曲がってる手紙を手にとった。

 

そして封を切って手紙を見る。

 

ベルか?

ワシじゃ愛しのおじいちゃんだ。

これを見ているということはオラリオに無事ついたみたいじゃな。恐らくお前は、何をすればいいか分かってないであろう?安心せい!

アークにお前のことを伝えといた。色々紹介してくれるだろう。 そしてこの手紙と一緒にロキという神宛に手紙をつけとく。それをロキに渡したらファミリアに入れてくれるだろう。 そしたらお前さんは冒険者じゃ!

いつかベル、アーク、アイズでワシに顔を見せに来い。約束じゃ。

 

愛しのおじいちゃんより

 

 

「おじいちゃん……」

 

「おじいさんも考えたな。 これだったらファミリアに入れる。」

 

「ほんと?!でもロキファミリアって?」

 

誰も知らない場所でしっかり冒険者できるのか不安になる。アークさんやアイズがどこに所属してるかなんて分からないし。

 

そんな不安を抱いていた。

 

「俺もアイズも所属しているこのオラリオの2トップのファミリアのひとつだぞ」

 

「え、アークさん達もいる?」

 

「あぁ」

 

一気に緊張の紐が解けたような感覚がした。

安心したんだ。

 

「よかったぁ」

 

「なんだよ、俺とか居ないと思ったのか?」

 

「だってぇ」

 

久しぶりに会ってこんな弱々しい声を出すなんて思わなかった。 できるなら強くなったところを見せたかったのに。

 

「安心しろ、できる限りの事はサポートする。」

 

「ありがとうございます」

 

「じゃあ早速だけど、俺たちロキファミリアのホーム《黄昏の館》に行こうか」

 

「はいっ!!」

 

そうして僕はアークさんに案内されて、初めての道を歩くのだった。

 

神様視点

 

「アークさん先に行きますよ!あそこですよね!!」

 

「そんな急がなくても大丈夫だって!ここからだと歩いて10分くらいなんだからそれくらい我慢しなって」

 

「いやっ!先に行きます!!」

 

ベルはアークにそういい一瞬でアークとの差を作った。

 

「おっおい!(はやっ!!この速さ普通にベート以上なんじゃ……レベル4位か?)」

 

そんなことをアークは心の中で思い、小走りでホームへ向かう。

そしてベルはまぁまぁ距離があったのにも関わらず3分程で門の前へ立った。そして門番の男に話しかけるのだった。

 

「あのっ!」

 

「なんだ?」

 

「このファミリアに入りたくてきました!」

 

「帰れ帰れ!お前みたいな弱そうなやつ、このロキファミリアに望まれてない」

 

「えっ、でも招待状?だって」

 

男はベルに冷たい態度をとり、それに対してベルは困惑する。それは行く道中で俺の家族は良い奴ばっかりとアークに聞いていたからだ。

 

「そんなわけないだろう!さっさと別の弱小ファミリアに行くんだな」

 

「おい」

 

そこにちょうど合流したアークがいつもより圧強めで声を発する。

 

「なっ!アークさん」

 

「何をしている?」

 

「この小僧がこのファミリアに入りたいと「ならなんでさっきから入れようとしない?」それはこんな弱そうなやつ入れるべきではっ」

 

「それはお前が決めることじゃない。 ロキやフィンだ。 それに入団希望者がきたら入れるようにって言われてるだろお前」

 

「そっそれは!」

 

アークは門番の男を言葉で押しつぶす。

ベルにとってこんなアークは見たことはなくて唖然としていた。

 

「ここの団員だからって調子に乗ってんじゃねぇぞ?」

 

その発言とともに顔を近づけた。

 

「ひっ?!」

 

顔を一気に近ずけ威圧したアークの行動で門番の男は腰を抜かしその場でしりを地面につける。

 

「ベル行くぞ」

 

「え、でも」

 

「いいんだ」

 

「わかった」

 

ベルは少し悲しそうな顔をして門番を見たがすぐにアークについて行った。

そうしてやっと、アークとベルは黄昏の館に入るのだった。

 

 

「ロキはいるぞ」

 

そんな言葉と同時にドアを開ける。

 

「あーくんな。そういうのは1回ノックするもんやで?」

 

「ごめんだけど、今そんなに心豊かじゃない」

 

「ん?どうしたんや?」

 

明らかにイライラしているアークに対してロキは疑問をぶつける。

 

「あの今日の門番についてだけど、この後ろにいる俺の大切な弟のような存在でもあり、アイズの英雄のベルを弱そうっていう理由で追い出そうとしてた」

 

「おっ!その子やな小さい時に言ってた子は」

 

ロキは立ち上がりアークの目の前に立つ。

そしてベルはアークの背中から隠れていた体を見える位置に移動して口を開く。

 

「ベル・クラネルです!」

 

「申し訳なかったなぁベル。 その門番にはそれ相応の対応をさせてもらうわ」

 

「そんな事しなくても「たのんだ」アークさん?!」

 

ベルが門番を守ろうとしたらその言葉をさえぎってアークが言った。

 

「ベルお前の優しいところは変わってないしいい所なんだが、こういう時は人に厳しくなれ」

 

「そっそれは……はい」

 

「まぁまぁ。そんなことよりもベルはうちの入団希望者であっとるか?」

 

「はい」

 

ベルは元気よく返事をした。

 

「おっ、アーク戻ったようだね」

 

そのタイミングでフィンがロキの部屋に入ってくる。

 

「フィン……お前もか」

 

「え?何がだい? そんなことよりさっきは我々の団員が失礼なことをした。団長として改めて謝罪させてもらうよ」

 

あの状況を見たのか、それとも盗み聞きをしてたのか不明だがフィンはロキからの言葉を一言でスルーしベルに謝罪する。

 

「いえいえ!ご丁寧に……えっと」

 

「僕はフィン・ディムナ。このロキ・ファミリアの団長をさせてもらっている」

 

「ベル・クラネルです!」

 

フィンはベルに名乗りベルも名乗った。

 

「ベル、手紙渡さないと」

 

「あっ!そうだった!ロキ様。 僕のおじいちゃんから手紙があって」

 

「手紙?(あぁ、あのクソジジィからか)わかった。貸してみ?」

 

ベルはロキに手紙を渡し、ロキはそれを眺める。

 

「(なるほどなぁ……)ベル!実力テストしよか」

 

「テスト……ですか?」

 

「おい!ロキそんなこと今まで「アーク?ロキの話を聞こう」わかった」

 

「そや!この手紙を見て直接実力を見たくなった。もちろん恩恵を更新させてもらう」

 

「どういうことは?」

 

「これからベルはウチらの家族や」

 

ロキからのその言葉にアークは胸を撫で下ろし、ベルは目を輝かせる。

 

「ホントですか?!」

 

「せや?ちなみにお前の爺さんは知り合いの神に頼んでベルに恩恵を刻んでもらってたらしいんや、それも内緒でな?だから改宗っていう流れになるがええか?」

 

「そうなんですか?!よろしくおねがいします」

 

「ちなみにレベルは4らしいな」

 

「っ?!」

「へぇ」

 

その言葉にアークは驚き、フィンはニヤッと笑った。

 

「ベルお前……おじいさんとどんな修行をした?」

 

アークは思わずベルに聞いた。そしてベルは少し考えたあと口を開く。

オラリオのモンスターより弱いのもあって外の世界でそこまで強くなるのは難しい。 あの最高神と一緒にいたとしてもだ、

 

「えっと、アークさんと別れなくならなくなった時の事件からドラゴンが出てきたのは知ってる?」

 

「あぁ」

 

あの黒龍の襲来から、オラリオの外で推奨レベル5のドラゴンが大量発生した。 最初は騒がしかったらしいが知らない間にその話を効かなくなった。

誰かが倒したか、自然消滅したか。当時のアーク達には分からなかった。

 

「それをひたすら1人で倒してた。」

 

「「「は?」」」

 

思わず3人の声が揃った。

 

「僕魔法とか使えないから大変だったんですよぉ〜」

 

「純粋なステータスや技術のみであのドラゴンをやった……やと?」

 

「あはは……面白くなってきたじゃないか」

 

ロキは純粋に絶句し、フィンは笑う。

 

アークはと言うと

 

「あのベルが逞しくなって……」

 

少し涙を零していた。

アークにとってはあの、弱虫兎のベルがそこまで強くなっているという事実が誰よりも嬉しいのだ。

 

「とっとりあえず、恩恵刻もか。そこに上裸で寝っ転がって欲しいんやけど」

 

「あっはいっ!!」

 

ロキはアークがいるということで今回は変なことをせずに普通に作業をしていた。

そんな無言が続くかかフィンが口を開いた。

 

「僕がベルの相手で構わないよね?」

 

と。

 

「「え?」」

 

「え?!フィンさんですか?!」

寝っ転がっているベルがすぐに反応する同時にアークと、ロキは間抜けな声を出した。

 

レベル6の第1級冒険者《勇者》フィン・ディムナがベルの相手をすることになった。

これはロキ・ファミリアにとって新たな風が吹くということを予期しているのはこのパルゥムしか居ないだろう。

 

続く




〜クリスタルと??の設定紹介のコーナー〜

「皆様どうもクリスタルです。今回もアーク・ヴァレンタイン……マスターの魔法についてひとつ説明させてもらいます。」

《色彩の記録》カラーメモリー


超短文詠唱のチート級魔法のひとつ
効果は色から連想される属性を纏うこともできる。連想するものによって魔法は変化する。
発動中、常に魔力が消費される。

発動文例》  の記憶   の力を解き放て


「これも私の加護によって発現した魔法なんですが、かなりのチートですね。 ただかなりの知識がないとこの魔法は強力にならないので、小さい時からたくさんの本を読んで知識があるマスターだからこそ使える魔法と言ってもいいかもしれないですね。ちなみにこの魔法使うとマスターの目の瞳やクリスタルウィングに埋め込まれてる結晶がその色に変化します。マスターのお気に入りは炎らしいですね。この魔法があるからこそマスターは魔法剣士として最強と言われてるんです。説明文には纏うって書いてますけど色によって回復したりもできるんですよ。 言ってしまえば魔法の拡張ですね」

「それではこれで以上です。次回第3話は《兎と少女》ベルさんがあのフィンさんと戦って…?!ちょっ!アイズちゃんどうしちゃったんですか?!みたいなはなしになってます。それでは次回また会いましょう!」



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