ウマ娘Prequel「跳べ、ウラヌス!~ウマ娘オリンピック物語~」   作:空見ハル

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#4-5

 翌日。快晴。少し冷たい風が吹く中、私は再び東京へと向かっていた。

 なぜかというと、騎兵学校に電話があり、呼ばれたからだった。電話の主は、ランタンだった。

 

「見せたいものがあるので、またいらしてください!」

 

 見せたいものとはなんだろう。相変わらず断片的な情報のみで、よくわからないまま電話が切れた。

 トレーナーにそのことを教えると、なんだか納得した様子で、「いいよ、行ってこい」とあっさり了承してくれた。

 

 そして、着いてみると、迎えてくれたのは、あの快活なウマ娘だった。

 

「どうも、ウラヌスさん!」

 

 彼女はバ車を引いて駆け寄ってくる。今日も変わらず、青い陣羽織と笑顔が眩しい。

 どうやら、用があるのはランタンではなく、彼女らしい。

 しかし、何の用……はっ!

 

「あっ、ごめん、お代!」

「え?」

「ほら、昨日のバ車のお代でしょう! そうだ、払っていないのを忘れていた!」

 

 昨日、バ車から降ろしてもらったら、彼女はびゅんとバ車を引いて、車よりも速くどこかへ行ってしまったのだ。財布を出した時にはもう目の前にいなかった。

 

「ごめんなさい、いくらかな。ファレーズの分もだから2人分?」

「あ、いや、私は、ちょっとお連れしたいところがありまして」

「え……」

 

 ま、まさか、お代を払わなかったケジメをつけられる!? 黒い制服にサングラスのお兄さんがいる怖いところに……。

 

「違います! そうじゃなくて、昨日、私が好きな特別な場所に連れて行っていないと思いまして」

「特別な?」

「はい。昨日は少し暗い感じで終わってしまいましたから、そのお詫びです。少し離れて時間もかかりますが、良いですか?」

「え、ええ。いいけれど」

 

 バ車に乗り込む。相変わらず、高級で座り心地の良いシートだ。

 

「よし、行きますよ! ちょっと時間がないので急ぎます!」

「はーいって……ぎゃあ!」

 

 腰を落ち着かせたとたん、急にびゅんといって、シートに体が押し付けられた。

 は、速い! 速すぎる! へたすると、そこらへんの自動車より圧倒的に速い!

 

「いやぁ、昨日走らせてもらった甲斐もあって、今日はずいぶん速く引けるようになりましたよ!」

「いや、速い速い速い!」

 

 バ車が東京の街を縫うように駆け抜ける。流れる景色。人々のざわめき。

 まるで時間だけが私を置き去りにしていくようだった。

 

 ——そして、約30分後。

 

「着きました!」

「うぅ……きもちわる」

 

 まさかバ車で乗り物酔いするとは。

 しかし、技術はさすがのもので、一回もぶつけたりすることはなく辿り着いた。

 

「それで、ここって……」

 

 見渡すと、ここは大勢の人で賑わっていた。

 市街地の真ん中には、大きな建物がそびえたっていて、人々は皆そこへと吸い込まれて行っている。皆の手には、新聞だったり、どこかの料亭から届けられたのだろう重箱などを持っていた。入っていく人は様々で、新聞を真剣に見つめる紳士や、裾の長い着物の婦人もいた。それだけではなく、帽子を深く被った職工や小商人なんかも、皆にこにことして建物へと入っていく。

 建物を見上げる。巨大建造物だ。

 門柱の左右には、和洋折衷の装飾がなされ、和瓦の庇がかかっている一方で、鉄柵の細工は西洋建築を思わせる優雅さがある。木造三階の長い建物があり、そこに人々が上がって何やら歓声を上げていた。

 人が吸い込まれている大きな木造のゲートを見る。ゲートには漆黒の塗装が施されており、金文字で大きく文字が書かれていた。

 

 ”日本ウマ娘競走倶楽部・目黒競走(レース)場”。

 

「ここ、レース場?」

「そうです! 市街地の中なのに立派でしょう。今日は特別競走があるんですよ」

 

 人波が流れ、屋台の呼び声がこだまする。子どもたちが肩車され、空には揚げ凧すら舞っている。

 

「それじゃあ行きましょう!」

 

 彼女はそう言うと、バ車を自動車のところに置いて行こうとする。

 

「あ、そうだ、お金!」

 

 私は、もうこの前のような無礼はしないと、すぐに財布を出した。

 

「あ、良いんですよ! 本当に!」

 

 しかし、彼女は受け取らなかった。

 

「私、車夫ではありませんから! お金なんてもらったら、お師匠様から怒られてしまいます!」

「……え?」

「ほらほら、もう始まるみたいだから行きますよ!」

 

 そう言って、彼女はゲートに入っていってしまったから、私も慌ててそれに続いた。

 

 レース場はすごい数の人で埋まり、熱気の嵐だ。あちこちには特別競走と書かれたのぼりが立っているけど、それも倒れんばかりだ。

 皆これから開かれるのだろうレースに向けて、誰それが勝つ、いいやあいつが勝つなどと激論を交わしていた。

 私と、車夫ではないらしい彼女もその波の中に加わるため、スタンドに登る。ちょうどよい空き場所があったから、そこから視線をレース場の奥に向けた。

 

 もうすでに6名ほどの勝負服を着たウマ娘たちが、レースのスタートラインのまわりでウォーミングアップをしているところだった。

 数本のロープが並ぶようにしてできている発バ機の前で、険しい表情でバ場を睨んでいるようだった。

 その中でもひときわ目立つ、鹿毛のウマ娘。その名の通り、淡い緑を中心として桜色をふくんだ制服風ポレロの優雅な勝負服は、かわいらしさがありつつも、私が着ている陸軍の軍服よりも強く気高い印象を受けた。

 人々は、彼女が構えたのを見てワァッと歓声を上げた。

 

「あれがワカクサか!」

「やはり今年もワカクサが一番だろう」

「さすが現役最強バ。風格が違うねえ」

 

 彼女は佇むだけで空気を換える。人々の視線や気が、バ場の風景が、彼女を中心に引き寄せられていくのが分かった。

 

「ワカクサ姉さん」

 

 私の隣の彼女は、そうつぶやいた。

 

「……え?」

「妹なんです、私。あの、ワカクサ姉さんの」

 

 私は日本のレースに詳しいわけではないけど、それでも流石にわかる。

 あれだけの風格を持ち、注目されているのだ。間違いなく一流では足りないほどの競走ウマ娘なのだろう。

 

「ここ、すごいでしょう。日本で一番のレースが開かれる場所なんですよ。だから、一流のウマ娘が集う場所でもあるんです」

「わかる気がする。これだけの人が集まっているものね。今日のレースも特別なの?」

「はい。特別競走ですよ。最近は重賞とも言いますが……勝てば人生が変わるほどのレースです。それを何個も勝つようなウマ娘もいますけどね」

「もしかして、それが、あなたの姉?」

「はい。ワカクサ姉さんは本当にすごいですよ。特別競走をいくつも勝っています。横浜特別、中山特別、帝室御賞典などいくつも競走ウマ娘が憧れるレースはあって、ワカクサ姉さんはそんな競走を勝っていますけど……その中でも特に凄かったのが、ここ、目黒で開かれる”連合競走”です」

「連合競走?」

「はい。たしか、正式名称は”各内国バ連合競走”というんですが、春と秋に2回開催されるんです。参加できるのは、前のシーズンの初戦で勝ったウマ娘だけ。つまり、そのシーズンで一番強いウマ娘が決まる競走。それが、連合競走なんです」

「それに、あなたのお姉さん……あそこにいるワカクサが勝ったの?」

「はい。去年の秋のことですよ。距離は3200m。ワカクサ姉さんが最後の直線に入ると、わあっと2番手のパンジーさんや、そこに並んでいたケンコンさんを突き放したんです。ぐんぐんと距離は開いて行って、最終的には8バ身も突き放して勝ったんですよ」

「それは……」

 

 圧倒的だ。8バ身。レースを走ったことがない私でも、その距離の開きがどれほど大きいかは分かる。

 

「連合競走の優勝者は、そのシーズンの競走界のすべてを手にすると言って良いです。賞金は5000円。それに莫大な栄誉もついてくる」

 

 5000円……それに少し足せば、トレーナーが私をスカウトできるくらいの金額だ。つまり、ウマ娘一人の人生をまるっきり変えてしまうほどの金額が、優勝したウマ娘とトレーナーに与えられるレース。それだけじゃない、そのシーズンの”最強バ”の証も手に入れたも同然というわけだ。

 なるほど、シンプルで分かりやすい。それは憧れだろう。そのために走るのか。

 

「でも、ワカクサ姉さんもですけど、あの競走に勝ったウマ娘の多くは、そういったものだけを欲して走っているわけじゃないと思うんですよ」

「……え?」

 

 彼女が姉に目を向けたとき、ちょうどスタートの合図が鳴った。

 発バ機のロープが上がる。その瞬間、空気が爆ぜた。

 ——ウマ娘たちが。ワカクサたちが、一斉に走り出した。

 

 バ場の地面が震えた。全員が一糸乱れぬ動きで、前傾姿勢から一気に加速へ。砂を跳ね上げる蹄鉄の音が、熱気のうねりと混ざって空を割る。観客の誰もが声を上げた。まるで、それぞれが自身の魂を預けたかのような熱狂だった。

 ワカクサは中団。前には逃げや先行を打った数人のウマ娘。注目のワカクサは、冷静に、何も焦らず、前を見据えている。

 その姿を、妹はただ黙って見つめていた。

 

「私、ワカクサ姉さんのことには憧れていたんです。私のお師匠様にも、”お前もいつかあの姉のようになるんだぞ”と言われてきました。真剣に、でも楽しそうに走る姉さんを見て、ずっとああなりたいと思っていました。長い間そうだったんですけど、去年の連合競走で、初めて、本当の”ワカクサ姉さん”の凄さにやっと気がついたんです」

「本当の、凄さ?」

「はい」

 

 私の横で、彼女の声がふっと柔らかくなった。

 

「私、ワカクサ姉さんのような競走ウマ娘に憧れて、お師匠様のもとでトレーニングを始めたんです。お師匠様のトレーニングは辛くて……走り込みも相当やりますし、よくバ車なんかを引かされています」

「あ、まさか、バ車を引いていたのって」

「はい。あれはトレーニングの一環でそうしているんです!」

 

 なるほど、だからずっと人力車やらバ車やらに重りを載せたりして走っていたのか。

 もしそうだとしたら、今はあんなに速く引いて走れるのだから、トレーニングの成果が出ているのだろう。

 

「でも、だんだんそれが大変で辛くなっていって、自分はなんでこんなに走っているのか、わからなくなった時があって。その時お師匠様に聞いたんです。『なんでワカクサ姉さんたちは、あんなに走るのか』と。『なんで、お師匠様は、競走ウマ娘を育てているのか』と。そしたら、お師匠様が言ったんです」

 

 彼女は、スタンドの柵に手をかけて、姉を見つめた。

 ワカクサたちは既にコース1週(だいたい1800mくらいだろうか)を超えて走っている。未だ先頭は別のウマ娘だけど、ワカクサはまだまだ余裕そうに後を追っていた。

 

「『今、世の中は苦しい。不景気に戦争、皆が皆、暗い顔をする時代だ。でもそんな時代でも、お前たちウマ娘は、神様に祀られた、唯一無二の存在なんだ。走るウマ娘には、人を幸せにする力がある。それを見た者を笑顔にすることができる。だからこそ、走るんじゃないか』と」

「皆を、笑顔に?」

「はい。本当に強いウマ娘は、皆を笑顔にするのだと。最初、私はぴんときませんでした。でも、その言葉にやっと心から理解できたんですよ。それが——」

「ワカクサの、連合競走の時だった?」

「はい。それまで、よくわかっていなかったんです。お師匠様の言葉も、ワカクサ姉さんの本当の凄さも。でも、最後の直線、ワカクサ姉さんが集団の中から一気に駆けて出てくるのを見ました」

 

 その瞬間だった。

 

 ワカクサが、動いた。

 

 集団の切れ目から、音もなく前に出る。速度が一段階、跳ね上がった。逃げを打っていたウマ娘たちが一瞬振り返る。だが、次の瞬間には、もう並んでいた。いや——もう抜いていた。

 観客席は爆発するように沸いた。

 

 ワカクサだ!

 突き放したぞ!

 すごい、まだ脚がある!

 

「どこまでもどこまでも、後続を突き放していく」

 

 最後の直線。追いすがる影は、もうなかった。空気が変わっていた。

 彼女の走りは、美しかった。それはフォームだけではない。彼女を取り巻くすべてをもって、人はここまで美しくなれるのかと、そう思える走りだった。

 

「そして、ゴールした時——」

 

 ——ゴール。

 

 静かだった。ゴールの瞬間、一瞬だけ、世界が音を失ったような気がした。

 そして次に来たのは、爆音のような歓声だった。割れんばかりの拍手、歓喜。

 

 すごいぞワカクサ!

 今日も最高の走りだったよ!

 ありがとう!

 ありがとう、ワカクサ!

 

「周りを見てみると、たくさんの人の笑顔で溢れていました」

 

 人々の声が重なり、波のようにスタンドを揺らす。

 ワカクサは、手を挙げて応えた。小さな、でも確かな、誇りに満ちた笑顔で。

 人々はそれに、最高の笑顔と嬉し涙で、叫んだ。

 それは、他のウマ娘を応援していた人々もそうだった。

 

「ワカクサ姉さんの走りは、誰もを笑顔にする。走りだけで、ですよ? まるで、魔法みたいだと私は思いました。それで、お師匠様の言葉が分かったんです。ああ、これかと。ワカクサ姉さんは、だからこんなにも”強いウマ娘”なのだと」

 

 気がつけば、私は目を見開いて立ち尽くしていた。

 初めて見た、本物の、圧巻のレース。でも、それだけではない。

 間違いなく私は、ワカクサの走りに魅せられていた。

 

「……走るだけで、誰かを笑顔にする、か」

 

 思わず、口に出していた。

 ウマ娘にとっての走る理由。私で言えば、跳ぶ理由。それは様々だろう。さっき言ったような、お金や栄誉のために走るウマ娘だっているだろう。

 でも、競走するウマ娘にとって、飛越するウマ娘にとって、共通して持つ”強さ”があるのだ。

 ”最強”とは何か、”日本一”とは何か、最強に、日本一になりたい私は何のために走るのか。それをずっと自問自答してきた自分の中に、今の話は、不思議とすっと入ってきた。

 

 なるほど、単純な話だったんだ。

 

 喫茶店で、私を見て、ランタンが目を輝かせながら言った。

 「ウラヌスさん、私、応援してます!」

 あの時の瞳は、まるで魔法のように澄んでいた。

 

 初めてトレーナーの前で飛越をしたとき、トレーナーは言った。

 「ありがとう、信じてくれて」

 そして、芝の上に座り込む私の頭をぽんと優しく叩いて撫でてくれた。

 

 ピネロロでも、あのどこか不愛想だった前のトレーナーも、そういうときがあったかもしれない。

 もしかしたら、初めて家の塀を飛び越えたあの時も、お母さんとお父さんにも……そう思ってほしかったのかもしれない。

 

 そうだ。私の走りを、跳躍を見て、誰かが笑顔になってくれたら。

 私の走りが、誰かの心に届いたなら。

 今の世界に、少しでも笑顔が増えたのなら。

 

「……ありがとう」

 

 私は小さく、そうつぶやいた。

 

「え?」

「あなたたちのおかげで、分かった気がする」

 

 彼女は驚いたように目を見開いていたけれど、私の言葉の意味がわかったのか、すぐに柔らかく笑った。

 

「そうですか。それなら、ここに来て良かった」

 

 ワカクサは、バ場を一周し終えて、勝者のウマ娘としてスタンドに手を振っていた。

 スタンドの誰もが、彼女に手を振り返す。その中には、子供も、大人も、女学生もいた。

 

「ねえ、お姉さんに憧れてトレーニングってことは、あなたも走るの?」

「ええ、もちろん」

「そうなんだ。……ねえ、やっぱり、不安?」

「ええ、もちろん、誰だってそうですよ。さっき言ったように、前までトレーニングさえ辛かったんですから。でも、ワカクサ姉さんの走りを見てからの、今は、それ以上に——」

 

 彼女は、着ていた青い陣羽織を脱ぎ捨てた。

 

「楽しみで、仕方ないですよ」

 

 それは、まだ幼くも、姉に負けないほどになりそうな、輝きある姿だった。

 

 彼女は、モスグリーンに金ボタンを基調とした華やかな衣装に身を包んでいた。

 直線的なラインや肩章のようなデザインが盛り込まれていて、陸軍の制服にも少し似ている。袖口は袖口に赤茶色の革ベルトのような意匠があり、背中には短くカットされたハーフケープのようなマントがひらめいていた。

 何よりも目を引いたのは、胸元の、スカーフ状の飾りだった。それはまるで、欧州転戦の時にイギリスで見た、紳士のネクタイのようにも見えた。

 

「えへへ、これ、勝負服なんです。実は私、今年の秋に初出走なんですよ」

 

 「勝負服は特別競走にしか着ないのに、お師匠様ったら気が早くて」と恥ずかしそうにしつつも、彼女はくるりと回って見せた。

 

「私、絶対にワカクサ姉さんのような……ううん、ワカクサ姉さんよりも強い、”日本一”のウマ娘になるんです」

 

 私は、彼女がとても眩しく見えた。でも、今なら、私だって負けるわけにはいかない。そう思える。

 

「ええ、そうね。それなら、私も負けてられないわ」

 

 私も、自分のチェッコ式の軍帽をきちっと整えた。

 

「私、大事な用事ができたから、そろそろ行くわ」

「ええ、そうですよね。私はこの後、ワカクサ姉さんへ挨拶にいかなければいけないので、帰りは……」

「いいわ。なんだかね、走りたい気分なの」

「なるほど。それでは」

「それじゃあ。ありがとね」

 

 そう言って、私は出口のゲートへと向かう。

 一刻も早く、騎兵学校へと帰りたかった。そして、練兵所に行きたかった。

 

「あ、そうだ」

 

 ふと、今まで大事なことを聞いてなかったことに気づき、くるりと回って、勝負服の彼女の方を向く。

 彼女は笑う。

 

「バ車のお代なら、いりませんよ」

「それもあるけど……今更ながら、名前を聞いていなかったわ」

「ああ、私は——」

 

 彼女は、にやりと笑って言った。

 

「”アスコツト(アスコット)”といいます。お師匠様……尾形トレーナーの競走ウマ娘です」

 

 私は、その顔を見て、なんとなく、また会うことになりそうだと——それも、他人ではない形で——そう思った。

 

「それじゃあ、また会いましょう、アスコット」

「ええ、ウラヌスさん……あ、そうだ」

 

 思いついたように、今度はアスコットが言う。

 

「バ車のお代はいりませんが、代わりに、今度聞かせてください。”オリムピック”の、ロサンゼルスのお話を」

 

 彼女に、私は思いっきりの笑顔で答えた。

 

「ええ、もちろんよ。必ず話す。それも、金メダルの話をね」




※史実解説『跳べ、ウラヌス!史実紀行』の第4話はこちら

#4「ロス五輪前夜その2~予選会、いざロサンゼルス~」
https://note.com/hal_sorami/n/n3d2f8762d243
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