チート転生者ただ1人の精霊を思いて   作:悲報神

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少し間が空きましたが九話です


第九話 ジーニアス

士道side

士道「十香!」

 

十香「シドー、無事か? 怪我はないか?」

 

士道「あ……あぁ。おかげさまで」

 

 

 

 士道は目の前に聳える玉座をを見上げながら答えると、十香はバツが悪そうに目を泳がせ、少し震えた声で言葉を続けた

 

 

 

十香「その……なんだ、わ、悪かった……いろいろと」

 

士道「え……?」

 

十香「だから……! 私が、よくわからないことで苛ついてしまって……その、シドーに礼も言えず……迷惑をかけた、だからずっと、謝りたかったのだ……」

 

士道「や……あれは、俺が悪いんだし」

 

 

 

 本当は丁寧に否定をしたかった士道だが、今は時間はない

 

 

 

士道「十香、頼みがある」

 

十香「ぬ? なんだ、改まって」

 

 不思議そうに首をひねっている十香に対して、士道はためらうことなく深々と頭を下げた

 

 

 

十香「し、シドー?」

 

士道「頼む、俺に力を貸してくれ。こんなこと、おまえに頼むのは筋違いだってのはわかってる。でも、俺は──あいつを、四糸乃を救ってやらなきゃならないんだ……っ!」

 

 

 

 士道の言葉をきいた十香は、少しの沈黙の後、小さな声で言葉を紡ぐ

 

 

 

十香「四糸乃というのは…あの娘のことか?」

 

士道「あぁ」

 

十香「……そうか。やはり、あの娘が大事なのだな。──私、より」

 

士道「……っ、誰がそんなこと言ったよ」

 

十香「え……?」

 

 

 

 士道は顔を上げて十香の事を真っすぐ見た

 

 

 

士道「違ぇよ、そういうことじゃねぇんだ…あいつは…十香、おまえと同じなんだ」

 

十香「同じ……?」

 

士道「あぁ、四糸乃は、お前と同じ精霊なんだ」

 

十香「……っ!? あの娘が?」

 

 

 

 士道の言葉を聞いた十香は、怪訝そうな声を発した

 

 

 

士道「それだけじゃない。あいつも、おまえと同じように、自分の意思じゃどうにもならねぇ力を持っちまってるばかりに、ずっと苦しい思いをしてきたんだ……!」

 

十香「…………」

 

士道「俺は、あいつと約束したんだ。俺がヒーローになるって。俺が、お前を救ってやるって。……でも、俺だけの力じゃ、あいつを追う事すらできない……ッ」

 

 

 

 そして士道は深々と頭を下げる

 

 

 

士道「頼む、十香。力を……貸してくれッ!」

 

 

 

 少しだけ沈黙が流れるが、すぐに深呼吸のような音が聞こえてきた

 

 

 

十香「……っ、はは……あぁ、そうか。そうだったな。なぜ忘れていたんだろう。私を救ってくれたのは、こういう男だった」

 

士道「十香……?」

 

十香「あの娘を、追えばいいのだな?」

 

 

 

 雨のせいで十香が何て言ったのか聞き取れなかった士道だが、十香は何も答えず。バッと身を翻した

 

 

 

士道「……ッ、十香!」

 

十香「それ以上は言うな。時間が惜しい」

 

 

 

 十香は数歩移動してから、鏖殺公をガンッ! と蹴った

 

 蹴られた玉座は前方に倒れながら、その形を微妙に変化させていった

 

 

 

士道「こ、これは…」

 

十香「乗れ。急ぐのだろう?」

 

士道「あ、あぁ……」

 

十香「シドー、しっかり掴まっていろ」

 

 

 その言葉と同時に、鏖殺公はすさまじい加速で凍った地面を滑り始めた。

 

士道side end

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

士道の尾行を辞め、帰って昼寝をしていると空間震警報が鳴ったので再び町に出ると町中至る所が凍っていた。

 

「四糸乃の仕業か…出遅れたな」

 

 

霊力の感じた場所に向かうと吹雪が綺麗な半球の結界のようなものが形成されており、その前に士道が居た。どうやらASTを十香に任せて四糸乃の方は士道がなんとかする作戦らしい…

 

 

「(しかし…今の士道ではあの結界を突破するのは厳しそうだ…仕方ない手を貸すか)」

 

士道「四糸乃…」

 

「まったく…世話の焼ける男だ…」

 

士道「?!、お前は!なんで此処に!」

 

 

驚く士道を無視して右手を結界に向けて霊力を放出させ結界に穴を空ける

 

 

「行け…五河士道」

 

士道「お前は一体…どうして俺を…」

 

「チッ…くだらん質問をしてる暇があるならさっさと行け!この、ノロマ!!」

 

士道「えっ!?ちょっ…あっ…あぁぁぁぁぁ…」

 

 

そう言って士道の胸ぐらを掴んで結界の中へ投げ入れた。

 

 

「よし…後はASTの相手でもするか。」

 

そして十香とASTがやり合っている場所に飛んで行った

 

「よう、プリンセスの嬢ちゃん、また会ったな。」

 

十香「むっ、貴様は何時ぞやの…」

 

「少しばかり手を貸してやる」

 

十香「何?!」

 

AST「あれは、〈ジーニアス〉!!」

 

隊長「プリンセスとジーニアスに攻撃!」

 

「(ジーニアス?俺の事か?こりゃあまた変な識別名が付けられたな…まぁいいか)」

 

 

 

異空間から鋼の剣を出しそれを中段に構える

 

 

ウインド・ブレイド(裂 空 斬)…!」

 

剣を薙ぎ払うように振るうと放たれた空間の歪みがASTへと向かう

 

 

AST「きゃぁぁぁ」

 

数人が吹き飛び反撃と言わんばかりに攻撃してくるが全てを躱す

 

「ふむ…十香と俺で上手くASTを分散させれたな後は士道だが…ん?」

 

 

そんな中、雨は上がり、太陽が顔を出した。どうやら四糸乃の霊力封印が成功したらしい。そして空には虹がかかっていた。

 

「(虹か…できる事なら万由里と…いや、それは夢のまた夢だ)」

 

 

虹を見上げそんな事を考えた後、一度身を隠して帰路につく。

 

 

「この調子で頑張れよ、五河士道…」

 




オリ主の識別名はいろいろ悩みましたが考えてる内にどうでも良くなりましたw

四糸乃編はこれで終了です、次回からは皆さんお待ちかね(色んな意味で)の狂三編です
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