【呪術廻戦✕ワンパンマン】ハゲの代わりに呪われた人達がやって来た   作:サクラン

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来年には呪術終わるってマ?改めて言葉にされるとすっごい悲しい…この小説いつ終わるんだろう…

それではお楽しみください。


第十六話 S級特訓会―弐―

 砲門から放たれた業火によって切られたジェノスと魔虎羅の戦い。ジェノスはS級の中では新参だが、その実力は決して見劣りするものではない。

 巨大隕石との一件で災害レベル“竜”の凄まじさやS級最強格であるサトルの戦いを直に見れた事はジェノスにとって確かな経験となっていた。

 

「これ程の火力…流石だ。クセーノ博士」

 

 ジェノス自身も、小手調べの火力でこれ程の物を仕上げてくれた自身の恩師に感謝を述べる。サトルの戦いのデータを持ち帰り、可能な限りこの男の出力に近付けてくれという無茶振りに対し応えてくれた博士にはつくづく感謝してもしきれない。必ずやこの戦いでまた新たな成果を持ち帰ると、ジェノスは意気込んでいた。

 

 

 

 

 

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「大したもんだねえ、あの火力」

 

 観戦席に座っているツクモも、ジェノスの火力には驚いていた。S級のメタルナイトや駆動騎士のようにサイボーグタイプのヒーローもいる事は知っていたが、ジェノスも見劣りしない性能の高さだ。

 

「本当にのう、彼もまだまだ若いんじゃ。これから成長して行くじゃろうし、余生の楽しみが増えたわい」

 

 シルバーファングもジェノスの成長に期待を高める。まだ現役のヒーローではあるが、もうかなりの老体故に伸び代は少ない。だからこそ彼は伸び代のある若手ヒーローに期待を寄せていた。

 

「確かに大したもんではあるな。だが―」

 

 シルバーファングの隣に座っているアトミック侍も、彼らの意見を否定はしない。彼から見ても、ジェノスの強さは確かに大したものだ。(当然、自信の方が強いという絶対的な考えは揺るがないが)

 

 

 

 

 

「魔虎羅は―レベル“竜”はあの程度じゃ死なねえ。ここからどれだけできるかが、見所だな」

 

 アトミック侍は、鋭い瞳でジェノスを見据える。その強さを、内心で見極めながら。

 

 

 

 

 

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「━━━━━━━━━━ッ!!」

 

 アトミック侍が言い終わったと同時に、ジェノスは魔虎羅が姿を顕すのを待つことなく背中のブースターを起動し、空中に飛び上がった。そして上がり続けていた爆煙が晴れると、中にいた魔虎羅が姿を顕した。

 

「━━━━━」

 

 小山程度なら跡形もなく消滅させられるであろうジェノスの焼却砲をもろに食らったにも関わらず、多少の焼け跡ができた程度でほぼ無傷だった。

 

(やはり様子見程度の火力ではまともに傷は負わせられないか)

 

 しかしジェノス自身も今の攻撃でダメージが与えられるとは思っていなかった。むしろ与えられたら拍子抜けしたぐらいだ。

 

(問題はここからだ。これからの戦闘を見るに恐らく奴は…)

 

「━━━━━」

 

 ジェノスが魔虎羅の挙動に注視していると、魔虎羅が軽く身体を屈める。それを視認すると同時にジェノスは一気に加速してその場から離脱した。すると―

 

 

 

 

 

「━━━━━━━━━━ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 ―魔虎羅が姿を消したかと思うと、ジェノスがいた場所を右腕に装備した剣で貫いていた。圧倒的なスピードにより、遅れて来た衝撃波が空中に吹き荒れた。

 

「結火焼却砲」

 

 空中に無防備に滞空している魔虎羅に向かって、ジェノスは右腕から焼却砲を放つ。最初に放った左腕から放った放射状の焼却砲とは違い、今回は一点に集中させたレーザーのような焼却砲だった。

 

 ゴオオオッ!!

 

 焼却砲が摩虎羅に着弾すると、爆発することなくそのまま空の彼方にまで貫通して行った。

 

「━━━━━ッ!!」

 

 そして勢いをつけて魔虎羅の周囲を囲むように飛行すると、両腕の砲門から焼却砲をガトリングガンのように連射する。圧倒的な連射力によって連鎖的に爆発を引き起こす。

 

「大分優位に立ち回ってるねえ」

 

「大方先の三人の戦いから戦法を練っていたのだろう。もし地上で戦っていれば既に決着は着いていた」

 

 地上でジェノスの戦いを見ていたサトルとフラッシュはジェノスの戦い振りに関心していた。二人の想定としては今のジェノスでは魔虎羅の相手は厳しいと思っていたのだが、自身の飛行ができる点を活かした戦い方は中々見応えのあるものだった。

 

「ただ、魔虎羅の方も()()()()だからね。こっからが踏ん張りどころかな」

 

 サトルは少し目隠しを上げて、蒼い瞳を見せる。その瞳には、爆煙で姿の見えない魔虎羅と猛攻を仕掛けるジェノスの姿が映っていた。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

(方陣の呪力が満ち足りてきた。時間がないな)

 

 一方で、直に戦っているジェノスも魔虎羅に変化が起こる事を見抜いていた。

 今は地面に向かって落ちる魔虎羅にありったけの焼却砲を叩き込んでいる状態であり、魔虎羅は抵抗できていない。

 ジェノスは先に戦った三人を相手にした魔虎羅の戦い方から、まともな飛行手段は持っていない事に着目した。タンクトップマスターとの戦いで“飛行”ではなく“跳躍”という手段で空中に躍り出た時点でそれを確信した。パワーとスピードで圧倒される以上、真正面から挑めば業腹ながら敗北するのは確実だ。

 だが、一度跳躍してしまえばまともに動けない空中ならば。最初に来るであろう圧倒的スピードの跳躍さえ躱してしまえば、飛行手段や遠距離攻撃を持たない魔虎羅はなす術がなくなる。

 

「━━━━━ッ!!」

 

 ジェノスはブースターで魔虎羅に急接近すると、鉄の拳を引き絞る。

 

「マシンガンブロー!!!」

 

 ズドドドドド!!!

 

 叩き込まれるのは鉄の連打。連打で魔虎羅を地面に叩き付けると、ジェノスはもう一度空中へ飛び上がり、両腕を密着させる。

 すると両腕に備わっている砲門が全て開放され、エネルギーをチャージする。

 

「終天焼却砲!!!」

 

 そして放たれるのは極大の焼却砲。スタジアムの戦闘エリアを全て焼き尽くさんとする勢いで放たれたそれは、魔虎羅を呑み込むように向かって行く。

 そして焼却砲は勢いを落とす事なく―

 

 

 

 

 

 ガコンッ

 

 

 

 

 

 ―魔虎羅を呑み込んだ。

 

 

 

 

 

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「勝った!?」

 

 モニタールームで見ていたユウジは思わず席を立った。最後の焼却砲はこの前の巨大隕石の時のものよりも更に巨大なものだった。更に魔虎羅も躱すことなく呑み込まれたのだから間違いなく食らった。あの規模の攻撃を食らってなお立ち上がれるとは到底思えない。

 

「いや…少なくとも勝ちはないな」

 

 だが、そこに待ったを掛けたのはトウドウだった。ユウジは納得行かないと言った様子で聞く。

 

「なんで!間違いなくあれ食らっただろ!」

 

「砲が直撃する寸前にあの法陣が回転した。あの式神の能力を鑑みるに、痛手に至ったとは考え辛い」

 

「え!?トウドウあの式神の能力分かったの!?」

 

 ユウジはトウドウが魔虎羅の能力を見抜いている事に驚く。ユウジとしては「頭の上の法陣が回ったら回復してなんか強くなる」程度の認識であった為既に見抜いているトウドウの観察眼には素直に感心した。(それはそれとしてヤベー奴という意見は揺らがないが)

 

「ああ、恐らくあの式神の能力は―」

 

 

 

 

 

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 地面にできた巨大な大穴。ジェノスはそれを空中から見下ろしていた。一見するとそれは勝利者の佇まいに見えるが、ジェノスの表情は浮かない。

 

(…時間切れか)

 

 ジェノスは内心で呟く。焼却砲が直撃する寸前、法陣が回転したのをジェノスも確かに見ていた。魔虎羅の能力が予想しているものと同じならまずトドメは刺せていない。その理由は―

 

 

 

 

 

「━━━━━━━━━━ッ!!」

 

 ズドギャッ!!

 

「…ッ!」

 

 

 

 

 

 ―未だに健在な魔虎羅によって示された。魔虎羅は目にも止まらぬ速さで空中にいるジェノスを貫いた。ジェノスも警戒を怠ってはいなかった為串刺しにされるのは避けたものの、左の手足はあっさりと貫かれてしまった。

 

「━━━━━」

 

 そして空中で()()()()魔虎羅をジェノスは恨めしげに睨み付ける。身体にはダメージが一切見られないが、背中からは一対の翼が生えている。それは召喚された時には無かったものだ。

 

「クッ…!!」

 

 苦し紛れにジェノスは残った右腕から焼却砲を放つが、それらは全て魔虎羅の剣によって斬り裂かれた。その剣さばきはまるで達人のよう。翼が生えた事と言い、明らかに動きのキレが変わっていた。

 

(俺の焼却砲を見切り、空中戦に対応する為に翼を生やした…あの法陣が回転すると同時にだ。単純に攻撃に対する防御力だけでなく、ハッキリとした“対応策”まで編み出した。そして今の焼却砲を斬った時、法陣内の呪力の循環速度が上がった…やはり予測通り、この式神の能力は―)

 

 ジェノスは魔虎羅の能力がどのようなものか確信した。言ってしまえば単純だが、これ以上ない程に厄介なもの。それは―

 

 

 

 

 

(―“あらゆる事象への適応”。これ以外に考えられない。攻撃を受けると適応する為の解析をあの方陣で行い、必要な情報が揃うと法陣が回転し、適応する。そしてそれは防御だけでなく攻撃も同時進行で行われる。あの剣に宿ったエネルギーは最初は正の呪力だったが法陣が回転すると普通の呪力に切り替わった。そして更に厄介なのは解析途中に同じ攻撃を受けると解析が加速し、適応までの時間が短縮される…と言った所か。細かく条件が違う箇所があるかもしれないが、大きく外れている事はない筈だ)

 

 

 

 

 

 考えておきながら「悪夢だな」とジェノスは思った。もし一度適応されてしまった攻撃では絶対に倒せないのなら魔虎羅を破る手段は“初撃決殺”以外にない。一度適応されても別の攻撃で倒す事ができるかもしれないが、そもそも魔虎羅を倒す上での必要火力が凄まじく高い。

 ジェノス自身手数は多い為相性は悪くないが、今のままでは地力不足だ。奥の手である“終天焼却砲”は直撃する前に適応されてしまった為通じるか未確定だが、直前に“マシンガンブロー”や焼却砲をしこたま食らわせても倒し切る事ができなかった為、ダメージは与えられても倒せるかは怪しい所だ。

 

「━━━━━━━━━━ッ!!」

 

 魔虎羅が翼をはためかせてジェノスに突貫し、ジェノスが反応が遅れながらも何とか迎え撃とうとすると―

 

 

 

 

 

 ボチュン!!!

 

「!」

 

 

 

 

 

 ―魔虎羅が見えない何かに叩き潰された。これはつまりタツマキの横槍、戦闘終了を意味する。

 

「おっつー。初めてのわりには大分頑張ったね。どうだった?」

 

「…業腹だが、強力な相手だった。能力や実力を考えると、鍛錬相手には申し分ない」

 

 地上に降り立ち、一息着いている所にサトルが近付き、感想を問い掛ける。ジェノスは自身が劣勢だった事を認めるのは屈辱だったが、ここまでボロボロとなっては認めない方が往生際が悪いと思い、端的に感想を言い放った。

 

「ま、真正面からじゃ敵わないと踏んで空中戦に持ち込んだのは良かったと思うよ。後はやっぱり地力だね。ジェノスは色々と器用だから地力が上がれば上がるだけできる事が増える。頑張ってね」

 

「…ああ、精進する」

 

 ジェノスは更に強くなる事を決意すると、片足で器用に観客席に戻った。戻って来たジェノスに慌てた様子のユウタが話し掛ける。

 

「ごめんなさいジェノスさん!反転術式じゃ機械は治せなくて…大丈夫ですか?」

 

「ああ、問題ない。極端な話コアさえ破壊されなければ全て治せる」

 

「そこがサイボーグの長所でもあり、短所でもあるんだがね。治す側としては見てるだけでヒヤヒヤするし、治すのにも手間が掛かるからね。無茶をするなとは言わんが、自分の身体は大事にしろよ」

 

 ユウタはジェノスの話を聞いてほっとした様子で胸をなで下ろすが、ショウコは煙草を吹かしながら釘を刺す。変わり者として有名な彼女だが、流石に無駄死にを良しとする程腐ってはいない。

 ショウコとしては彼のような人間は見ているだけでヒヤヒヤするのだ。真っ直ぐ過ぎるあまり、自分の痛みにも気付かず壊れていくから。

 

「…分かった。頭に置いておこう」

 

 ジェノスはショウコの真剣な発言をちゃんと受け止めた。彼としても恩師である博士に心配を掛けたくないのは事実だ。今度また好きな物でも奢ろうかと、ジェノスは密かに計画するのだった。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

「さて、順位順なら次はユウタなんだけど…どうする?やる?」

 

 サトルは観客席にいるツクモに目を向ける。彼女もジェノスと同じで今回が初参加。戦う時期としては頃合いだと思ったのだ。

 

「フフン、良いね。確かにそろそろ身体を動かしたいと思っていた頃だ。それに、先陣を切ってくれた彼らがあんなに頑張ってくれたんだからね。私好みの戦いだった」

 

 ツクモは席を立つと軽く手足を伸ばして準備運動をした。そして軽く拳を鳴らす。

 

「試合形式とは言え決着が着けられなかった彼らも大なり小なり無念だったろうからね。ここでいっちょ、お姉さんがリベンジしてあげよう」

 

「いや、お姉さんってよりは実年齢的にはオバ―」

 

「んー?なんて?」

 

「お口隠し!!」

 

 サトルがツクモの実年齢について触れかけると、ツクモが目の据わった表情でサトルを睨み付けた。その流れを見ていた他のS級達は、(そう言えば何歳なんだコイツ…?)と疑問に思ったが、流石にそれを口に出す愚行はしなかった。

 

「さて、久し振りの戦いだよ“凰輪(ガルダ)”。気張って行こう」

 

「ギチチチ…」

 

 ツクモが話し掛けると、ふと何処からか無機質な式神が現れた。その式神はまるで木の皮のような色と質感をしており、身体の周りには結晶のようなものが浮いている。式神はツクモの身体を守るように、周囲を回遊していた。

 

「んじゃ、メグミー!!頼んだよー!!

 

 サトルが大声で叫ぶと、メグミによって魔虎羅が喚び出された。そして魔虎羅の側にいたメグミをフラッシュが救出する。

 

「“凰輪(ガルダ)”」

 

 ツクモが式神に声を掛けると、式神は身体をボールのように丸めて固まる。ツクモはそれを軽く手に取り子どもがサッカーボールでするリフティングのように足で軽くもて遊ぶ。

 

(先の戦いを見るに“初撃決殺”しか破る方法がないように思えるが…あの法陣が適応の鍵なら法陣を破壊するのも良いのかな?だがこれまでの戦いで魔虎羅自身に傷が付くことがあっても法陣に影響は無かった…不確定要素を考慮すると、やはり身体を消し飛ばすのが確実かな)

 

 メグミに狙いを定めて突貫する魔虎羅の頭部に、ツクモは狙いを付ける。そして遊んでいた“凰輪(ガルダ)”を一際高く打ち上げ、右足を後ろに引く。

 

「フーッ…」

 

 右足に呪力を籠めて、落ちて来る“凰輪(ガルダ)”を待つ。誰もが息を呑んで見守る中、遂にツクモの目の前まで“凰輪(ガルダ)”が落ちて来た。

 ツクモはそれと同時に駆け出し右足で―

 

 

 

 

 

「━━━━━━━━━━ッ!!!」

 

 ボンッ!!!

 

「「「!!」」」

 

 

 

 

 

 ―思い切り“凰輪(ガルダ)”を蹴飛ばすと、メグミを攻撃せんと剣を振り上げていた魔虎羅の頭部をあっさりと貫き、破壊した。

 その光景を見ていた他のS級のほとんどが驚きで目を見開く。魔虎羅を破壊可能なS級もいるにはいる。だがそれは何かしらの技術を極限まで高めた上位クラスのS級のみであり、まさか彼女もそれが可能なヒーローの内の一人とは思わなかった。

 ツクモはヒーロー協会設立当初から所属している古参ヒーローの内の一人だが、その概要のほとんどが謎に包まれていた。かつてまだヒーローランクがA級までしかなかった時、桁並外れているヒーローが何名かいるという話題で持ち切りになり、S級ヒーローというランクの設立に繋がったのだが、何を隠そう彼女もまた“桁並外れたヒーロー”の内の一人だったのだ。その神出鬼没さと活動頻度故に、実力を見たことのある者はほとんどいなかったのだが、改めて実力の高さを見せつけた形と言える。

 

「ふむ、やはり私の術式は相性が良かったね。結局“適応前に屠る”というのが、魔虎羅を相手にする上での最適解だったのかな?」

 

「いやー凄いね。随分パワータイプじゃん」

 

「ふふん、華奢な女性としての良さはスタイルと顔で十分だからね。ならそこにパワーも加われば最強ってわけさ」

 

「違いないね」

 

 サトルとツクモは気軽に話を交わす。ツクモとしても魔虎羅を破壊できる自信があったらしく、特に驚いている様子は無かった。

 

「まだやる気はある?」

 

「うーん、一先ずはこれで良いよ。機会はまだあるだろうし、あまり私の為に時間を取っては後に待っている彼らに迷惑だからね。勉強させてもらうよ」

 

「そっか、んじゃまた」

 

 ツクモは“凰輪(ガルダ)”を労いながら観客席に戻り、それと入れ替わりでユウタが降りて来た。

 

「じゃ、次はユウタね。条件はいつも通りで、頑張りなよ」

 

「はい!」

 

 若干緊張した面持ちのユウタにサトルは激励の言葉を掛ける。ユウタがそれに答えて頷くと、サトルは観客席にいるアトミック侍に視線を向けた。

 

「おーい!()()としては弟子に何か一言ぐらい無いのー!?」

 

 サトルの質問に対し、アトミック侍は少し笑うと、自信のある笑みで答えた。

 

「そいつはやる時はやる奴だ。今更俺の言葉が必要な程、甘ちゃんじゃねえよ」

 

 そしてアトミック侍はユウタに視線を向けると頷き、ユウタもそれに応えるように頷いた。言葉は交わさなかったが、確かな信頼と信用がそこにはあった。

 

「それじゃあメグミ君ー!フラッシュさんー!お願いしまーす!」

 

 そしてユウタが合図の大声と手を振ると、メグミが魔虎羅を呼び出し、フラッシュが救出する。魔虎羅はメグミを叩き潰さんと腕を振るうが―

 

 

 

 

 

 ギィン!!

 

「!」

 

 

 

 

 

 ―いつの間にか懐に潜り込んでいたユウタが魔虎羅の剣を弾き返した。その表情は先程までのどこか気の抜けた少年のものではなく、淡々と目の前の敵を殺す為の薄ら寒さを感じさせる無表情だった。

 

「━━━━━」

 

 そして振り抜いた刀を一旦鞘に収め、姿勢を低くして構える。攻撃を邪魔された魔虎羅は、先に障害であるユウタを排除せんと、その剣を振るう。

 魔虎羅の剣がユウタの脳天に直撃する―

 

 

 

 

 

「!!」

 

 ズバァン!!

 

 

 

 

 

 ―寸前にユウタの姿が搔き消え、魔虎羅の背後に移動したかと思うと、魔虎羅の身体に複数の斬撃の跡が刻まれた。そのダメージはかなり大きいらしく、魔虎羅は破壊までには至らなかったものの、大ダメージを負ったらしく血を流しながら膝を付いた。

 そしてユウタが返す刀で魔虎羅の胴体を両断しようとした時―

 

 

 

 

 

「ユウター!()()()()()()()()()()

 

「!」

 

 

 

 

 

 ―サトルから意図を含んだ言葉が掛けられる。ユウタはそれを聞くと刀を止めると、バックステップで魔虎羅から距離を取った。そして少し魔虎羅を見ていると、法陣が震えた。

 

 ガコンッ

 

「━━━━━」

 

 そして法陣が一つ回転し、傷が治癒した魔虎羅は起き上がり、ユウタはそれを見て構えた。

 現代の異能と最強の式神。その戦いの第2ラウンドが幕を開けた。




はい、今回はここまで。書いてるとパワーバランスの違い書くのが難しい…


・ジェノス
大分頑張ったけど流石にまだ魔虎羅には勝てない。けど格上と当たった割にはまだ軽傷じゃないかなって(当社比)。

・ツクモ(九十九由基)
アニメでの色気がヤバい人。原作でのインフレはヤバいけどなんやかんやこの人のゴリラ力は高いと思う。魔虎羅も破壊できるんじゃないかなって。適応後の魔虎羅と殴り合う描写も考えてたけどそれはまた今度。

・ユウタ(乙骨憂太)
戦闘モードの時の表情が完全に敵側の前作主人公。魔虎羅と戦う時はちょっとした“縛り”有りで挑んでます。まあ原作読んでる人なら丸分かりだけど。今作だとアトミック侍の弟子です。そうなった経緯や奮闘はまた今度。

・魔虎羅(まこーら)
強そうに見えるけどやってる事はサンドバッグ。自爆召喚じゃなくて強い相手と戦えて良かったね。<まこーら「違うマコ…そうじゃないマコ…」


こんなもんかな。次次回辺りでVS魔虎羅は決着着けたいなって。

評価、感想もよろしければお願い致します。

それでは次回をお楽しみに。

明かされた全貌!殺し合いはどっちが強い?

  • 五条悟(不意打ち虚式なし、縮小領域アリ)
  • 宿儺(完全体、十種、術式情報なし)
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