【呪術廻戦✕ワンパンマン】ハゲの代わりに呪われた人達がやって来た   作:サクラン

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あけおめことよろ。今年もしっかり頑張って行きます。

それではお楽しみください。


第十七話 S級特訓会―参―

 攻撃に適応し、傷を完全に修復した魔虎羅と、刀を構え、準備万端の状態で待ち構えるユウタ。両者睨み合った状態で最初に仕掛けたのは―

 

 

 

 

 

「━━━━━━━━━━ッ!!」

 

 

 

 

 

 ―最強の式神こと、魔虎羅だった。大地を砕く程に踏み込んでユウタを排除せんと剣を振るう。

 

「━━━━━」

 

 ズババン!!

 

 だがユウタは身体を逸らす事で剣を躱すと、お返しと言わんばかりに魔虎羅の身体を斬り付ける。

 しかし今度は適応されている為初撃程のダメージは入らず、身体の表面に浅く傷を残す程度で終わってしまった。

 

「━━━━━ッ!」

 

 ドオッ!!

 

「〜〜〜〜〜ッ!」

 

 魔虎羅はユウタの攻撃を意に介さず突進し、ユウタを吹き飛ばす。二メートル以上ある魔虎羅の突進をまともに受けるとなるとユウタも無傷ではいられず、ダメージに歯を食いしばりながら体勢を立て直す。

 

「ゆぅたあぁあああ、だいじょおおぶうぅうう?」

 

 すると当然ユウタの側に墨を垂らしたような黒い亀裂が発生し、そこからおどろおどろしい声が響く。それは幼い少女のような口振りだった。

 

「…大丈夫だよリカちゃん。ちょっとびっくりしただけだよ」

 

 ユウタは口の端の血を拭い。向かって来る魔虎羅を確認すると、刀を鞘に収めて居合の構えを取る。

 

「…居合・神風(カミカゼ)

 

 ユウタが呟くと身体から立ち昇る呪力が完全に途切れた。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

「呪力の防御を解いた…?」

 

「完全にノーガードだね。構えからしてシン・陰の“抜刀”みたいなカウンター技なのだろうけど、タイミングを間違えれば痛いじゃ済まないね」

 

 観客席で観戦しているジェノスとツクモは訝しげに目を細めた。

 超人揃いのS級と言えども、基本的に呪力で身体能力を強化して戦っている。そうしなければ怪人相手に勝てない、というのも勿論だが、呪力による防御も大きい。元の身体能力がある程度低くとも、呪力操作に長けていれば十分補う事が可能だ。

 ユウタはその最たる例であり、彼自身の素の身体能力はS級の中でも低い方だが、タツマキに次ぐ底無しと謳われる程の呪力量、優れた呪術センスによって呪力による身体能力の強化の幅を引き上げているのだ。

 

 それを解くという事は、強化による恩恵を全て捨て去る事と同義だ。今のユウタはその状態であり、もしタイミングが少しでもズレれば良くても重傷、下手を打たなくともコンマの差で死ねる。

 だが、そんな暴挙を今際の際の悪足掻きではなく、こんな訓練の場で行うという事は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。ジェノスとツクモはそれが分からない程馬鹿ではない。

 ジェノスはこの先ユウタがどう乗り切るのかに興味を持ち、ツクモは若き有望株に期待と好奇心を込めた視線でユウタを見詰める。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

「━━━━━」

 

 ユウタは突進してくる魔虎羅を睨み、タイミングを見計らう。その表情からは何も読み取れないが、内心では神経を研ぎ澄ませていた。

 

(ただ斬るだけで満足しちゃダメだ…自分の思い描く“最強”を…今の自分の“最高”を越える)

 

 思い起こすのは二人の恩師。今剣を鍛えられている師は呪力量は自身の方が上回っているにも関わらず、単純な剣術では勿論、真っ向勝負でも勝てた事がない。

 そして最初に自分を救ってくれた恩師は未だに規格外だ。初めて会った時からずっと変わらず、“最強”の座をタツマキと共に戴いている。

 “自分では敵わない”。心の何処かでずっとそう思っていた。というより当然だと思っていた。サトルに至っては攻撃を当てる事自体が凄まじいハードルを誇るのだから、正攻法で勝つ方法なと正直思い付かない。

 にも関わらず、追い付くどころか勝つ事を諦めていない師の思考は理解し難いものがあった。ユウタにとって戦闘とはあくまで手段であって、意味を見出す事はない。だから、ある日聞いてみた。何故勝とうとするのかと。その時に返されたのは―

 

 

 

 

 

『逆に聞くがお前、精神年齢小学生以下の目隠し男と身勝手な見た目小学生女児にS級トップ張らせたいか?』

 

 

 

 

 

 ―そんな身も蓋もない答えを返された。ユウタはS級の皆を尊敬しているし純粋に好んでいるが、人間として見ると癖のある者達なのは否定できない。

 …そう言うアトミック侍自身もプライドが高く、中々に唯我独尊なのだが、流石にそれを指摘する事はなかった。

 だが、その後に続いた言葉にはユウタも耳を傾けざるを得なかった。

 

『それに、俺達ゃヒーローだろが。“誰が負けようと最強のアイツらがいるから大丈夫”で済ませて良いわけねえだろ。特に、S級(俺達)は“勝って当たり前”、“負けりゃ終わり”って立場なんだからよ』

 

 その言葉を聞いた時、ユウタは改めて自分の立場を思い出した。

 その時には自分が抱えていた大きな問題を解決して多少マシにはなっていたが、ユウタは基本的に自己評価が低い。自分にとっての恩人と言った特別な人物を神聖視する一面があり、それは戦闘者として年季が浅いが故の悪癖だった。

 だが“S級ヒーロー”となった以上、そんな事は言ってられない。位置付けとしては“例外”、“斜め上”と言った理由が主だが、それでも全ヒーローの中で最高位の位置付けである。民衆からも絶大な知名度を誇り、協会からの信頼も厚い。それだけに、のしかかる責任も重い。

 S級ヒーローは皆身勝手で個性の強い者達ばかりだが、皆自分なりのヒーローとしての矜持がある。身勝手さは、ある意味責任感の裏返しとも言える。

 そしてそれはアトミック侍にも言える事。プライドが高く、他のヒーローとの衝突もちょくちょく起こすが、その分自分の強さに対する姿勢も非常にストイックだ。妥協や誤摩化しを決して許さない。

 

『お前もヒーロー続けるって決めたんだろ?じゃあそんなナメた姿勢は許さねえぞ。少なくとも、俺の弟子を名乗る以上はな。サトルやタツマキを越えるぐらいの心意気でいろ』

 

 それは自らの愛弟子に対しても同じ。厳しい言葉だがそれは決して侮蔑の言葉などではなく、期待しているからこその言葉だ。ユウタも短い付き合いながら、それを理解していた。

 

『…はい!でもそれじゃあ、僕が師匠を越えても文句は言わないって事で良いですか?』

 

『ハッハッハッ!言うじゃねえか、やれるもんならやってみやがれ。まだ若僧に負ける程甘くねえぞ俺は』

 

 そう言って二人は互いに笑う。何の変哲もない、平和な一日の一時。それでも、ユウタの中でヒーローとしてのスタンスが明確になった瞬間だった。

 

「━━━━━」

 

 そして閉じていた目を開くと、魔虎羅が前方二十メートル辺りにいるのが見えた。それを確認するとユウタは鞘から僅かに刀身を覗かせる。

 すると呪力を放出していないにも関わらず、辺りの空気が張り詰める。観客席にいるS級も、モニター越しに見ているヒーロー達も、誰一人言葉を発する事はなかった。

 そして魔虎羅とユウタとの距離が十メートル程に縮まった瞬間―

 

 

 

 

 

「━━━━━━━━━━ッ!!!」

 

 ズバァン!!!

 

 

 

 

 

 ―抜刀すると同時に呪力を一気に解放し、魔虎羅を横薙ぎに一閃した。その攻撃は“適応”を経て上がった魔虎羅の防御力すら貫通して両断し、それでも止まらなかった斬撃はタツマキのバリアによってようやく受け止められた。

 いくら耐性を得たと言えど、流石にこの攻撃は魔虎羅も破壊できただろうと、モニター越しに見ていたヒーローのほとんどが確信した。実際真っ二つにされた身体は今にもズレ落ちようとしている。そして遂に身体が完全に離れる―

 

 

 

 

 

「━━━━━」

 

 

 

 

 

 魔虎羅はがしりと自らの頭部を抑え付ける。頭頂部の法陣は今にも動き出そうと震えている。

 

「━━━━━━━━━━ッ!!」

 

 だが、それを黙って見ているユウタではない。魔虎羅に一瞬で肉薄すると抑えていた半身を蹴飛ばし、更にまた一瞬呪力を抑え、一気に解放して刀を振るい、魔虎羅の身体に夥しい数の斬撃を叩き込む。それは奇しくも彼の師を象徴する技と瓜二つだった。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

「いや、流石にオーバーキル過ぎじゃ…」

 

 既に致命傷を負った魔虎羅に対してあまりに血も涙もない猛撃を叩き込んだユウタに対して、ユウジは若干引いていた。周りのヒーロー達も、ユウジと同じような反応をしている者が少なからずいた。

 

「いや、ユウタは無駄な攻撃や相手を甚振るような攻撃はしない。何か意味がある筈だ」

 

「!(あの人、TVで見た事ある…)」

 

 だがそんな中、異を唱えた者がいた。そのヒーローは西洋騎士のような鋼鉄の鎧を身に纏い、腰には刀を帯刀していた。ユウジはそのヒーローに見覚えがあった。実力師揃いのA級ヒーローの中で、二番手に位置するヒーロー。

 

“A級2位 イアイアン”

 

「なんだ、同門としてのシンパシーか?」

 

「共に鍛えていればある程度の性格は把握できる。そんな大層なものではないさ」

 

 トウドウがイアイアンに対して聞くと、イアイアンは軽く笑いながら答える。同門、という言葉からも分かるが彼もまたアトミック侍の弟子なのだ。

 

「ともあれ、まだ終わる事はないだろう。決着は近いと思うがな」

 

 イアイアンは鎧の隙間から、弟弟子の奮闘を捉え続けていた。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

(まだ破壊できない…まあ師匠やクロビカリさん、フラッシュさんやファングさん達でも破壊できないんだから当然か)

 

 魔虎羅に対して猛攻を加えたユウタはその頑丈さに驚きつつも、更に追い込むべく自分のすぐ前にある残った方の左半身に狙いを付ける。まだ法陣は回転していない。仕留めるチャンスはもう残り僅かだ。

 

「━━━━━━━━━━ッ!!」

 

 そして今度は連撃ではなく、一太刀に莫大な呪力を込めた一振り―居合を放つ。その斬撃は魔虎羅であっても両断できる程の一撃。音どころか雷すら置き去りにされるであろう斬撃は魔虎羅の身体を捉える―

 

 

 

 

 

 ガコンッ

 

 ガギィン!!!

 

「!」

 

 

 

 

 

 ―前に法陣が回転し、適応した魔虎羅の剣によって受け止められた。

 

「━━━━━ッ!!」

 

「グッ…!」

 

 そして魔虎羅はそのままユウタの刀を押し返して弾き飛ばした。ユウタは反転術式で身体を治癒しながら体勢を立て直し、魔虎羅は追撃するべくユウタに向かって突進する。それによって第三ラウンドが幕を開けたかと思われたが―

 

 

 

 

 

 ボチュン!!!

 

「!」

 

 

 

 

 

 ―魔虎羅が潰されてしまった事によって、戦いは終わりを告げた。

 

「えっと…僕まだやれますけど…」

 

 ユウタは遠回しに「何故中断させたのか」という疑問を伝える。この辺りで他人を刺激しないような言葉が選べるところが、ユウタの性格を物語っている。

 

「僕もまだ見てたいけどさー、ユウタがこれ以上消耗しちゃったら後半手が回らないかもだからさ。そうなるとショウコがぶーたれるからここでおしまい」

 

「おい、私を面倒くさい女みたいな言い方をするな」

 

 サトルの言葉にショウコがジト目で抗議するが、サトルは何処吹く風と言った様子でのらりくらりと躱す。その様子に尻目にユウタは疲れを吐き出すように深呼吸をしながら観客席に戻って行った。

 

「おい」

 

「!」

 

 そんな中、アトミック侍がユウタを呼び止める。ユウタも聞く姿勢となり、その場で足を止める。

 

「良い戦いだった。よくやったな」

 

 そして端的に、しかしこれ以上ない言葉でユウタに労いの言葉を送る。ユウタもにへらと笑顔を作り、この後に戦う師に激励の言葉を送る。

 

「ありがとうございます。…もっと凄い戦い、見せて下さいね」

 

「ああ、きっちり粉微塵にしてやるから期待して見てろ」

 

 その言葉を受け取り、アトミック侍は不敵に笑う。弟子があれだけの戦いを演じたのだ。これで火が着かないようでは師としての名折れ。アトミック侍は戦意を高めて刀を見せた。

 シルバーファングやツクモは、その様子を微笑ましげに見ていた。

 

「さて、順番に行けば次はクロビカリ…なんだけど、先豚神行ける?」

 

「? 別に良いけどなんで?」

 

 一方でサトルは次の選出順について豚神と相談していた。豚神は持って来ていた食糧を変わらずムシャムシャと貪りながらも話を聞く姿勢を取る。

 

「折角ならレベルの高い戦いを最後の方に回したいと思っててさ、S級の中でも特に武闘派の人達は後回しにしようと思ってね。いや別にそれ以外が弱いってわけじゃないんだけどさ」

 

「んー、良いよ。腹ごなしの運動もしたかった所だし」

 

「俺は正直戦闘自体勘弁願いたいんだがな…」

 

「ここまで来たら順番なんてどうでも良いですよ」

 

 そして残るS級の内戦闘面では上位には届かない者達―豚神、ゾンビマン、童帝は各々様々ながらも肯定の意で返す。

 

「そっちは後回しになっちゃうけど良い?」

 

 サトルは今度は残った―戦闘力に特化した者達に問い掛ける。

 

「ああ!後に回る程注目度が増すからな!」

 

『構わねえよ。どんな順番だろうと勝つからな』

 

「…フン」

 

「ま、俺達ゃ初めてじゃねえしな」

 

「んん、こんな老いぼれが有終の美を飾って良いのかという気はするが…そうとなれば、やるしかないかのう」

 

 当然否定する者はいない。誰もが自分の実力を疑っておらず、実際非の打ち所が無い。自他共に認める、一級品の実力を持つ者達だ。見応えのある戦いにしてくれるだろう。

 

「良いね。やる気十分ってわけだ」

 

 サトルが楽しげに笑うと同時に豚神が観客席から跳躍し、バトルエリアまで飛び降りて来た。

 

「腹の空きは?」

 

「十分。空っぽだよ」

 

 豚神は口周りの食べカスを舐め取ると、特に構えも取らずそのまま待機する。

 

「よし、じゃあメグミー!!お願いー!!

 

 サトルの合図によって魔虎羅が喚び出されると、細かくは違えど“神”の名を冠する者達の戦いが幕を開けた。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 ―数十分後―

 

「……………」

 

「……………」

 

 観客席でもモニタールームでも、一切誰の声も上がっていなかった。バトルエリアでは身体中に切り傷を作った豚神と、魔虎羅の法陣だけが転がっていた。

 何が起こったのか。結論から言うと勝負自体はタツマキの介入によって終わりを告げた。つまり引き分けである。

 だが、それだけならこんな微妙な雰囲気にはならない。こんな雰囲気に陥ったのは―豚神の戦闘スタイルにあった。

 

 フラッシュがメグミを救出して離脱すると、豚神は猛スピードで魔虎羅に齧り付いたのだ。魔虎羅は齧り付いて来た豚神を剣で突き刺して引き剥がすと、トドメを刺す為に剣を振るった。豚神はその攻撃に対し―

 

 

 

 

 

 ―なんと大口を開いて魔虎羅の腕を飲み込んだのだ。

 

 

 

 

 

 特訓会で見慣れていたS級ヒーローや戦闘スタイルを見たことのある者達はともかく、見聞でしか知らなかった者、初めて見た者はそのあまりに常識外れの戦闘スタイルに思考停止してしまったわけである。

 なお、魔虎羅もされるがままでは終わらず、飲み込まれる最中に抗って適応すると、自らの腕を切断した後に距離を取り、自らのスピードを活かしたヒット&アウェイの戦闘スタイルに切り替えた。

 自重故に小回りが利かない豚神は超スピードで動く魔虎羅を中々捕まえられず、ダメージだけが蓄積されていき、ダメ押しで更に適応した魔虎羅に大ダメージを負わせられそうになった所をタツマキの介入によって救われたのだ。

 

 今までのS級ヒーローの戦いは度肝を抜かれるものばかりだったが、それはそれとして物理特化の戦いがほとんどであった為にまだ理解が追い付いた。だが豚神の食事スタイルは初見の者達には脳の理解が追い付かなかった。S級ヒーローも見慣れてはいても絵面のインパクトが強過ぎるが故に何も言葉を発する事ができなかったわけだ。

 

「…怪人って美味しいのかな?」

 

「味以前に体調を崩す可能性を考慮した方が良いと思うっすよ!?」

 

「あ、そっか」

 

 あまりのショックに一周回って冷静になったユウジはふと疑問には思った事を口にするが、ミズキにストレートなツッコミをされた事で正気に戻った。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

「んー、豚神はやっぱり圧勝かジリ貧負けかの二択になっちゃうね。強いて言うなら機動力どうにかしようね」

 

「…腹減った」

 

 サトルのアドバイスを聞いているのかいないのか、豚神は身体の怪我を気にする事なく空腹を訴えていた。そのままのしのしと観客席に戻り、治療を受けながら食糧を貪っていた。

 

「よし、じゃあ次はゾンビマンだね」

 

「…フゥー」

 

 サトルが名を呼ぶと同時にゾンビマンはふかしていた煙草を手の甲に押し付けて消火しながら立ち上がった。

 

「勝ちの目は?」

 

「正直全く無いな。…ま、傷を与えられれば大金星ってとこだ」

 

「そうか、期待しているよ」

 

 ツクモと二、三言軽く言葉を交わすと、観客席の手すりを掴んで飛び降り、サトルの元まで歩いて向かった。

 

「できるだけ攻撃は避けるようにしてね。年季の浅い子には少し刺激が強いかもだから」

 

「…無茶を言う」

 

 ゾンビマンは表情を歪めながらも背中に隠し持っていた剣を抜き取り、片方の手には銃を構えた。

 そしてメグミによって魔虎羅が喚び出されると、先手必勝と言わんばかりに銃で魔虎羅の頭部を撃ち抜く。並の怪人であれば呪力で強化した銃は十分に効果が期待できる。

 

「━━━━━」

 

 しかしレベル“竜”に匹敵する魔虎羅が相手ともなればそうも行かない。まともに食らったにも関わらず痕も残らず、魔虎羅としては「軽く何かが当たった」程度でしかないようだ。

 だが儀式に横槍を入れた時点で魔虎羅の標的はゾンビマンに変わった。表情の分からない無機質な白い身体でゆっくりと歩んで来る。

 

「…相変わらずうんざりする硬さだな。泥試合になるが…やるしかねえか」

 

 ゾンビマンは魔虎羅の硬さに毒づきながらも武器を構え直す。魔虎羅との距離が縮まる中、一触即発の空気が流れる。そして―

 

 

 

 

 

 ドゴォン!!

 

 

 

 

 

 ―魔虎羅が消えたかと思うと次の瞬間にはゾンビマンが地面をバウンドしながら吹き飛ばされていた。ようやく止まって姿が見えるようになると、首が180度捻じれた上に半分程が吹き飛び、手足もあらぬ方向に曲がっていた。

 決着が着くどころか、生命すら尽きたのではないかと、モニタールームで見ていたヒーロー達はざわめき始め、下位のヒーローに至ってはゾンビマンの凄惨な状態に顔色を悪くしたり、軽く悲鳴を上げている者もいた。

 

「……………」

 

 その時、ゾンビマンの死体がピクっと動いた。それに気付いたのは、S級と一部のヒーローだけだった。




はい、今回はここまで。豚神の戦闘カットは本当に申し分ないです…こうでもしないと進まねえ!!


・ユウタ(乙骨憂太)
有言実行と名演技しかできない男。原作だと特級の中ではフィジカル最弱(当社比)だったのが今作だとアトミック侍によってアトミック斬みたいなのができるまで成長。実戦だとこれにリカちゃんの支援+五分限りの術式コピー+元からある反転術式、無尽蔵の呪力、奥の手の領域で殴り掛かって来ます。(なおこれでもまだタツマキやサトル、宿儺に比べたら有情)

・アトミック侍
毎回当たる相手との相性が悪過ぎる男。なんやかんやユウタとは良い関係みたいです。原作で強いとこ早く見せて…

・イアイアン
アマイマスクとの関係好き。さわやかナイスヒーロー。他の弟子二人は来てないです。何気にボロスが来てないので頭の鎧もそのまま。

・豚神
見た目と戦闘スタイル以外完璧なヒーロー。何気にアトミック侍と並んで一撃決殺だと思います。

・ゾンビマン
出オチでミンチに。死んだな(確信)

・魔虎羅(まこーら)
潰されて斬られて食われて散々なまこーら。そう言えば最近公式でまこーらが生まれたらしいね(VTuberにわか)。


こんなもんかな。前回次次回ぐらいで終わらせたいって言ったけど絶対終わらんわ…せめて見飽きないような話作りしていきます。

評価、感想もよろしければお願い致します。

それでは次回をお楽しみに。

明かされた全貌!殺し合いはどっちが強い?

  • 五条悟(不意打ち虚式なし、縮小領域アリ)
  • 宿儺(完全体、十種、術式情報なし)
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