【呪術廻戦✕ワンパンマン】ハゲの代わりに呪われた人達がやって来た 作:サクラン
それではお楽しみ下さい。
「あの人…」
今までメグミの救出役に徹していたフラッシュ。“最速のヒーロー”とも謳われる者が遂に戦いの場に出て来た事で、モニタールームのヒーローも湧いていた。
しかしユウジは別の点に興味を持っていた。それは先のS級会議にての出来事。
『俺も参加する。宿儺の器ってのも気になるしな…』
フラッシュの目元から出現した口と別の声。おそらくではあるがフラッシュはユウジと同じように別の存在を体内に宿している。あの感じからして宿儺程の邪悪とは思えない為、参考にできる事もあるかもしれないと、ユウジは画面に集中した。
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「━━━━━」
メグミによって魔虎羅が召喚され、フラッシュという救出役がいない為サトルが代わりに無下限で守る。当然魔虎羅の剣も無下限によって止められ、魔虎羅は解析を開始する。
ズバッ!!
「!!」
しかし横からいつの間にか接近していたフラッシュが魔虎羅を斬り付ける。斬り付けると同時に魔虎羅の身体に電気が走り、身体を痺れさせる。
「━━━━━ッ!!」
魔虎羅が麻痺から復帰し、剣をフラッシュに向けて振るうが、既にその場にフラッシュはいない。
バヂィ! ズバババン!!
「!?」
そして次の瞬間には魔虎羅の身体に複数の傷と電気が迸る。魔虎羅も剣を振るって反撃するが、麻痺による行動阻害が致命的でフラッシュの動きに付いて行けてない。
ズバババ!! ドガガガ!! バヂィ!! ドゴォ!!
斬られ殴られ蹴られ、姿どころか残像も捉えられず魔虎羅は一方的にダメージが蓄積していく。しかし攻撃が積み重なるという事は―
ガコンッ
「━━━━━」
―その分解析に必要な情報も多く手に入るという事だ。適応して傷を回復させた魔虎羅に対してフラッシュは一度攻撃を止めて様子見する。
(溜まった電荷はリセットされていない…ここは…)
「さて、どう出る?」
パリッ
フラッシュが剣の先から呪力を放ち、電気を走らせる。すると―
ボパン!!
「!」
―魔虎羅の腕が弾け飛んだ。大きな傷と隙を生んだが、フラッシュは追撃を仕掛けようとはしなかった。それは先の攻撃に対する魔虎羅の反応だ。
(今の反応…頭部に炸裂させるつもりだったが進路上に腕を置く事で防御したか…少なくとも反応速度は向上しているな)
速度に最も秀でたフラッシュは、相手の動きから情報が読み取る事が非常に上手い。魔虎羅が自身の攻撃に対応して見せた事から、適応による影響を見取っていた。
フラッシュは
呪力を発した状態で触れるとそれだけで帯電し、攻撃を食らえば防御の上からダメージで受ける。
そして先程の攻撃―電気と同じ性質をした呪力である為、プラスの電荷とマイナスの電荷、二種類の電荷を宿している。フラッシュは対象に攻撃を加える度にプラスの電荷を移動させ、電荷が十分に蓄積すると自身の身体に蓄えたマイナスの電荷を地面への放電をキャンセルしつつ対象へ誘導する。自身の体外での操作となる為、かなり精密な操作を要求されるが、極限まで極めることができればどうなるか。
―領域を展開するまでもなく回避不能、必中の稲妻となる。
しかしそれは必中ではあるが、必殺となるわけではない。
稲妻による攻撃は対象に直撃させた時点で炸裂する為、頭を狙われていたとしても間に腕を置いて防御すれば被害は腕一本で済む。
しかもフラッシュは中にいる存在と比べると電荷を移動する際の呪力の操作練度、ロスや指向性、威力などは数段劣っており、あくまで決定打ではなく行動阻害として利用している。
魔虎羅は適応によって電気を帯びた呪力を視認できるようになったのか、電荷を誘導する刹那の合間に腕を置く事で被害に最小限に留めたのだ。
(あの反応ができるという事は相応に素早さも向上してそうだな。…少し速くするか)
「!」
そう言うとフラッシュがその場から掻き消える。魔虎羅は少し驚いた様子を見せるが、それもすぐに収めて同じように姿を消した。
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「速い…センサーでも追えない」
「本当に速いね。フラッシュ君としてはこれでも全速力じゃないっぽいんだから恐ろしいよ」
観客席で見ているS級もフラッシュの速さに驚いていた。ジェノスもセンサー類で捕捉しようとはするもののほとんど追えず、上位陣以外の者はもはや完全に追えていないようだった。
バヂィ!! ドガガガ!! ガギィン!! ドゴォ!! ザン!!
「フゥー…」
すると突然あちこちで衝撃が炸裂し、最後にはいつの間にか雷に打たれたかのように黒焦げになった魔虎羅と、魔虎羅よりは軽傷だが、衣服のあちこちが焼き焦げたフラッシュが深呼吸をしながら立っていた。
「なんだ!?」
「おおう、派手だねえ」
追えていない者達は突然の衝撃に驚くが、追えていた者達はその軌跡をしっかりと目に焼き付けていた。
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数秒時間は巻き戻り、超高速戦闘を繰り広げるフラッシュと魔虎羅。魔虎羅も適応による恩恵か、今まで手も足も出なかったフラッシュの速度に付いて行く事ができていた。しかし―
「━━━━━」
ガギィ!! ズバババ!!
「━━━━━ッ!?」
―一度の適応で追い付ける程“最速のヒーロー”の称号は軽くない。魔虎羅が剣を振るったかと思った時にはフラッシュはそれを躱し、魔虎羅の身体には傷が刻まれている。
魔虎羅がフラッシュを捉えられないのはその速さが最たる理由だが、それ以外にもフラッシュの技量の高さがあった。
「雷刃脚」
ドゴォ!!
いつの間にか背後に回っていたフラッシュは魔虎羅に蹴りを叩き付ける。ダメージはあったが、呪力特性による感電のダメージは適応により無力化され、即座に剣を斬り返す。
「━━━━━ッ!!」
「流影脚」
しかし剣が当たる直前にフラッシュは複数の残像を残しながら流れるように移動し、魔虎羅の剣は空を斬る。そのまま魔虎羅の背後に回ったフラッシュは剣を構え―
「鳳雷・散閃斬」
ズバババンッ!!
―魔虎羅の側を通り過ぎると同時に魔虎羅を刻み込む。動きを追う事はできても攻撃の瞬間の動きは全く捉えられない。まさに閃光の早業であり、魔虎羅は苦戦を強いられていた。
ガコンッ
「━━━━━」
しかし時間は魔虎羅の味方だ。また一つ適応を進めた魔虎羅は更に速度を上げる。
「━━━━━ッ!!」
「鳳雷・重閃斬」
ガガガギィン!!
そして戦いが始まって初めて魔虎羅の剣がフラッシュを捉えた。しかしフラッシュも突きを超高速で繰り出して魔虎羅の剣撃を相殺する。
「━━━━━━━━━━ッ!!」
「!」
ドゴォン!!
剣を受け止められた魔虎羅は更に力を込めて強引にフラッシュの防御を崩し、そのまま剣を振り抜いて吹き飛ばした。
「━━━━━」
フラッシュはダメージを受けながらも空中で体勢を立て直し、無事に着地して見せた。
「━━━━━━━━━━ッ!!」
しかし眼前には既に魔虎羅が迫っており、フラッシュを仕留めようと剣を振り上げている。
「━━━━━」
フラッシュはそれを危な気なく見切り、魔虎羅から距離を取る。
「━━━━━ッ!」
しかし更なる速度を身に着けた魔虎羅は簡単には逃さない。地面を強く踏み込み、フラッシュに追撃を仕掛ける。
タツマキの張ったバリアをも足場にしながら一人の超人と一体の式神は空中を駆ける。僅かコンマ数秒の間にも互いの武器をぶつけ合ってその軌跡を音と残像として残している。
「━━━━━ッ!!」
ドガァン!!
そして遂に魔虎羅の打撃がフラッシュを捉える。フラッシュも防御は成功させたがもろに攻撃を食らったのは初めてであり、口からは血を流している。
「━━━━━━━━━━ッ!!」
今までと違い体勢も崩して隙を晒している。“
「絶技―」
その時、フラッシュがおもむろに立ち上がる。そして一瞬身体が揺らいだかと思うと―
「―鳳雷・閃光脚」
ガガアアアアア!!!
―今までの速さが牛歩の歩みと思える程の速さで蹴りを放った。あまりの速さに光を放っているようにも見えたその蹴りは魔虎羅も躱す事ができず、大きくのけ反った。
「絶技―」
そしてフラッシュが剣を構えて姿勢を低くしたかと思うと―
「―鳳雷・閃光斬」
ザン!!!
―次の瞬間には魔虎羅の背後に移動し、魔虎羅の身体には大きな斬撃の痕が刻まれていた。反応すらできなかった魔虎羅はそのまま無防備に落下する。
ガコンッ
「━━━━━」
しかしここに来て適応が完了する。適応は一度してしまえば絶対無敵になるわけではないとは言え、切り札である絶技を見せてしまった事に変わりはない。フラッシュは油断なく剣を構える―
『代われ。ここからは俺がやる』
「! 何をまた勝手な…」
―その時フラッシュの目元から口が現れ、話し掛ける。フラッシュは魔虎羅を凌ぎながら会話を続けるが、三回の適応を経た魔虎羅は流石に片手間であしらえる相手ではなく、少し辛そうだった。
『お前後で教えたりすんだろ?俺はそういうの無理だから今しか機会ねえんだよ』
「下らん言い訳を…戦いたいだけだろう貴様」
『ああ』
「開き直るな」
『別に良いだろ?お前は手合わせとかできるけど俺はよほどの事がねえと出れねえだろ。中々ない上物だ。ここぐらい譲れよ』
「……………」
口と会話を交わし、フラッシュは少しの間考える。その末に出した答えは―
「…分かった。ただし時間は掛けるなよ」
『ハッ、誰に言ってんだよ』
―フラッシュはため息を吐きながら許可を出し、声の主は心底ワクワクが止まらないと言った様子で不敵に笑う。
「フン………━━」
そしてフラッシュが立ち止まり、その場で俯く。それを見た魔虎羅は剣で仕留めに掛かる。事実、今の魔虎羅に対して僅かでも隙を晒す事は死と同義だ。
「━━━━━━━━━━ッ!!」
魔虎羅が剣を振るい、無防備なフラッシュの身体は剣で貫かれる―
「━━━━━━━━━━ッ!!」
バギィ!!
―前にフラッシュが剣を振るう魔虎羅の腕を殴り、自身に直撃した筈の剣を逸らした。それによって魔虎羅の剣はフラッシュのすぐ横の地面を貫く。
「…ククッ」
そしてフラッシュ―否、その男は笑う。それは今までの落ち着いた彼とは違う、好戦的な笑みだった。それに伴って、呪力の感じ方も変わった。フラッシュの呪力は暗殺者らしく波がほとんど無かったが、この男は戦闘者としての威圧感が呪力と共に溢れていた。
「久し振りの全力全開だ。楽しませろよっ!!」
ドガァン!!
男は吼えると同時に駆け出し、魔虎羅を全力で殴り飛ばした。その速さはフラッシュすら上回りかねない程のもの。フラッシュの使用していた剣こそ使っていないが、実力としては遜色ない。
この男―フラッシュに受肉していた呪物の正体は今から数百年前の時代において最強の座に座していた男。呪術全盛とされ、“平安”と呼ばれた時代よりレベルは下がっていたものの、その時代でも油断ならない強者は多く存在した。しかも彼の術式は一度使用すればその時点で命が尽きてしまう為、満足できる強敵に出会う事が無かった彼は一度目の生において生涯術式を使う事は無かった。
つまり彼は、呪力の特性と操作術だけでその時代を渡り歩いて来たのだ。
そして受肉して得た二度目の生。協会の調査だと
協会に所属すると同時に出現した災害レベル“鬼”の怪人を瞬殺。その後も瞬く間に戦果を挙げ、彼が出動した怪人災害において到着から討伐まで15分以上の時間を掛けた事例は存在しない。
その実力はS級の中でも一級品とされ、協会からの評価も高い。
それ程の肉体に彼の鍛え上げた呪力による強化と、防御無視、必中の電撃が加わるのだ。しかも男の呪力操作練度はフラッシュのそれを上回り、電撃を狙った点に直撃させる事も造作もなく可能とし、呪力強化も含めた単純な身体能力ならばフラッシュをも上回る。
「しゃあっ!!」
バリィ!!
そんな彼の戦闘スタイルはシンプルな肉弾戦。フラッシュのように忍術を使用する事はない。しかし呪物化する前から鍛えて来た呪力による強化が加われば、クロビカリには劣るものの呪力特性も相まって無視できないパワーとなる。
「━━━━━」
バシン!!
「!」
しかし呪力特性は適応によって耐性を得た魔虎羅には通用しない。男の拳が魔虎羅によって受け止められ、魔虎羅はカウンターとして剣を振るう。
しっかりと腕は掴まれたままであり、距離を取っての回避も不可能。魔虎羅の剣が男の身体を貫く―
「フッ━━━」
―前に男は空いた方の掌を向かって来る魔虎羅の剣の側面に添えるようにして当てると、僅かに押す。その手つきは叩くような仕草ではなく、優しく子どもを撫でるような手つきだった。
「━━━━━ッ!!」
バゴォ!!
そしてそのまま魔虎羅の剣を
「見様見真似ではあるが…悪かねえな」
魔虎羅を吹き飛ばした男は殴った感触を確かめるように軽く拳を握る。
今の技術はS級ヒーローの内の一人が極めた武術だ。フラッシュのような忍術は男の戦闘スタイルには合わず、クオリティもフラッシュのそれには遠く及ばなかったが、武術は中々どうして男とガッチリ噛み合う所があった。
男は普段表に出て来る事は許されておらず、心の中、正得領域でおとなしくしている事が義務付けられている為、中々に暇だ。
しかしその中からでも器の視界を通して外の景色を見ることはできる。となれば当然これまでフラッシュが参加して来たS級特訓会での戦闘も全て確認している。
男はそこで密かに修行を重ね、彼のクオリティには及ばないが、実戦で扱うには十分なレベルまで鍛え上げた。
「━━━━━」
吹き飛ばされた魔虎羅はダメージこそ受けていたが大きな傷にはなっていなかった。
(俺の呪力特性は適応されてもう通用しない。打撃も効果は薄いな。つまり俺に残された攻撃手段でコイツを倒すのは術式を使わない限りは不可能だ)
男は冷静に現状を整理する。打撃はフラッシュが何回か使用した事で効き目が薄く、決め手となる呪力特性は完全に適応されてもう通用しない。
魔虎羅は一度適応した攻撃では何をしようと倒される事はない。全身をミンチにされようが、粉微塵にされようが時間は掛かるが再生してまた適応する。
(後はどれだけ俺が粘れるか、適応が重なってやられるかの勝負だな)
よって、後はどれだけ戦えるか、長く渡り合えるかの勝負となる。曲がりなりにも魔虎羅はフラッシュの絶技を食らっている為、残された時間が少ないのは間違いない。
(―それは雑魚の思考だ)
しかし、男はそれを否定する。自身にとっての強敵を渇望していた彼だが、敗北を望んでいるわけではなかった。むしろそれを乗り越え、更に強くなるつもりだった。
(何度俺の攻撃に適応しようと!必ず
男は魔虎羅を睨み付けると、一気に呪力を解放する。あまりの出力に呪力が周囲の地面を焼き貫く。
「フー…」
そして男は拳を構えて魔虎羅を待ち構える。速さでは上回っているが、適応によってその差が縮まっていく以上真っ向勝負は下策だ。故に武術を軸として攻め立てる事を決めた。
「━━━━━━━━━━ッ!!」
そんな男の考えを知ってか知らずか、魔虎羅は真っ直ぐに男に向かって突っ込む。
「シッ!!」
ドガガガ!!
男は真っ直ぐ貫こうとして来た剣を受け流すと、ガラ空きになった魔虎羅の顎に連打を叩き込んだ。人間であれば脳震盪を起こして下手をすれば気を失ってしまう攻撃。しかしそれは式神である魔虎羅には起こらないもの。
「━━━━━━━━━━ッ!!」
吹き飛ばされた魔虎羅はそのまま両手を組むと男に向かって思い切り振り下ろした。
「っ!」
今の自分では受け流せないと判断した男は横に飛ぶことで避けて側面から魔虎羅の胴体を蹴飛ばす。
「━━━━━」
ガコンッ
しかし魔虎羅も適応しながら体勢を立て直して真っ直ぐに男に向かって突っ込む。その速さは適応が進んだ事もありフラッシュの全速力に匹敵する速さだった。
「目ェ逸らすなよ!!これで最後だ!!」
男は闘志を昂らせて吼えると呪力を一気に解放し、魔虎羅に襲い掛かる。
「━━━━━━━━━━ッ!!」
魔虎羅もまた剣を構えて最速の速さで振るう。それは奇しくもフラッシュの閃光斬と瓜二つの技だった。
そして二人の技が交差し―
ズドオオオオオン!!!
―雷が落ちたような音と共に激突した。
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「フー…若干の賭けだったが効果はあったな」
最後の一撃。男は魔虎羅の攻撃を受け流しつつ自身の拳にプラスの電荷とマイナスの電荷を集めて魔虎羅の身体を捉えたタイミングで一気に放電させた。言葉にしてしまえばこれだけだが、魔虎羅が呪力特性に適応したにも関わらず、何故これ程のダメージを与える事ができたのか。
男は魔虎羅が適応したのは“電荷の蓄積”ではないかと推測したのだ。魔虎羅を殴った際に電荷を移動させようとしても魔虎羅の身体はまるで絶縁体であるかのように阻んだ。
しかし男はこれまで魔虎羅の受けた攻撃から、放電した際の爆発には適応していない。あるいは適応が薄いのではないかと考えた。そこで自身の呪力による攻撃は自身に対して効果が薄い事を思い出し、本来ならば自爆に等しい真似ができたというわけだ。
もし自身の身体への影響がもう少し強ければ殴った腕が消し飛びかねなかったが、幸いにも黒焦げになるだけで済んだ。
それよりも、男にとっては大事なことがあるのだから。
「効果はあったが…クソっ、破壊できなかったか」
ガコンッ
「━━━━━」
男の言葉に答えるかのように魔虎羅の法陣が回転し、傷を回復させた魔虎羅が起き上がった。自身への賭けには勝ったが、どうやら電熱による爆発に適応していないという賭けには負けてしまったらしい。
「ま、だからって止める気はねえけどな」
しかしそれだけで諦める程男は潔くない。この手段で駄目ならば別の手段を模索するまでだ。男は焦げてしまった腕を物ともせずに構えて迎撃体勢を取る。
「━━━━━━」
魔虎羅もまた姿勢を低くして今にも一触即発の空気が流れる。そして―
ボチュン!!
「あ?」
―戦いが始まる前に、タツマキの横槍によって戦闘が終了した。男は心底不愉快だと言った様子でタツマキとサトルを睨み付ける。
「…どういうつもりだ?」
「長さ的にはもう十分でしょ。それにそれ以上やるとショウコとフラッシュがキレかねないし君が表に出て来るのはあまり良くないからさ」
「実際にはまだ数秒程度だし良いだろ!?」
「ダ〜メ」
サトルと男がギャアギャア言い合っていると、突然男が黙って俯く。そして―
「…もうここまでだ」
「おっ、おかえり」
―フラッシュが呆れた様子で顔を上げた。どうやら強引に男を押しのけて戻って来たようだ。
「お疲れ様。途中からカシモに代わって有耶無耶だったのもあって、あんまり言う事ないんだよねー」
「フン、自分のやるべき事ぐらいは把握している。お前に言われるまでもない」
「相変わらずプライド高いなー」
フラッシュはそう言い残すと、腕の調子を確かめながら観客席に戻って行った。
「さて、もう残り二人、大詰めだね」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「おっしゃ、次俺だな」
フラッシュが戻って来たのを見届けると、アトミック侍が抱えていた刀を脇に差して立ち上がった。
「頑張って下さいね」
「ったり前だ。きっちりぶった斬って来てやるよ」
ユウタからの激励を受け止めながら、アトミック侍は戦闘エリアに向かった。
「心意気の方は?」
「弟子があんだけ奮闘したってんだぜ?これで気張らねえ方が野暮ってもんだろ」
「そっか。じゃあ、期待してるよ」
サトルとの短い会話を終わらせると、メグミが魔虎羅を召喚し、メグミを仕留めんとする魔虎羅の剣をサトルが無下限で受け止める。
ザザン!!
「━━━━━ッ!」
そして魔虎羅の身体に複数の斬撃が叩き込まれる。魔虎羅が攻撃された方向を振り返ると、アトミック侍が刀を抜いて立っていた。
「お前の相手は俺だ。粉微塵にされたくなかったら余所見はしねえ方が良いぜ」
「━━━━━」
攻撃された事で魔虎羅の優先目標はアトミック侍に切り替わる。傷を気に留めず、魔虎羅はゆっくりと歩き出す。
「さて…今日の斬りごたえはどんなもんかね」
―S級5位ヒーロー“アトミック侍”
“風神”、“核の攻撃力を持つ男”とも称されるヒーローは、不敵な笑みで相手を睨み付けた。
はい、今回はここまで。次回はアトミック侍回です。
・フラッシュ
クソ強い。呪力特性も相まって攻撃力はもちろん速さも村田版のプラティナム戦以上の速さになってます。順位が大分上がってるのは中の人()の所為で強い怪人が出たら積極的に出張って来るからです。
・フラッシュ(?)
サンキューフラッシー(感想より引用)。素の殴り合いならフラッシュより強いですが武器や戦闘技術の差で総合的には互角ぐらい。かなり好戦的なので目立ちたがらないフラッシュとはちょくちょく衝突してる。でも仲は悪くないかなって。
・魔虎羅(まこーら)
原作見てると適応で身体能力が上がるのか若干微妙な所はあるけど今作ではまあするってことで。すっくんの術式には“斬撃”っていう一括りで適応する癖に五条先の無下限にはバリア、蒼、赫、茈、領域それぞれで適応しなきゃダメとか曖昧なとこもあるから多少はね?
・アトミック侍
私の推し。原作だと中々良いとこないからしっかり活躍させたいなって。
こんなもんかな。そろそろ先の展開もしっかり詰めて行かないとねって。
評価、感想もよろしければお願い致します。
それでは次回をお楽しみに。
明かされた全貌!殺し合いはどっちが強い?
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五条悟(不意打ち虚式なし、縮小領域アリ)
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宿儺(完全体、十種、術式情報なし)