【呪術廻戦✕ワンパンマン】ハゲの代わりに呪われた人達がやって来た 作:サクラン
今回は箸休めのお勉強回です。間違いなく過去最長です。
それではお楽しみ下さい。
S級ヒーロー達によって行われるA級以下のヒーロー達の指導。S級ヒーローから直々の手解きが受けられるという望んでも得られない機会に参加するヒーロー達は気を引き締めていた。
戦闘スタイルによってグループ分けされている中、ユウジが選んだのは当然肉弾戦グループ。参加しているヒーローは多いが、指導員であるS級ヒーローの数も最も多い。ユウジはできれば全員から話が聞きたいと思いながら臨んでいた。
―肉弾戦グループ―
「うむ、よく来たのう若人達。このグループの進行を任されたシルバーファングことバングじゃ。人数が多い分緊張するかもしれんが、肩の力を抜いて臨んでくれい。分からん事があったら手を上げて聞いてくれい。んじゃよろしこ」
肉弾戦グループでは年長者であり道場も運営しているシルバーファングが進行役となっているらしく、他のS級は補佐に徹するようだ。
シルバーファングは年を重ねているが厳しさや頑固さというのは全くなく、むしろ口調も砕けており感性も若い為、緊張していたヒーロー達の内の何名かも少し安心したように表情を緩ませた。
「んじゃ肉弾戦を主にしたヒーローが強くなる方法、身も蓋もない事を言えば鍛える事…なんじゃがそんな事は分かっとると思うし、鍛え方に関しても専門家がおるからのう。技術的な面を中心に進めるぜ」
そう言うとシルバーファングは拳に軽く呪力を纏わせる。
「戦闘をする上で欠かせんのが呪力じゃ。呪力を如何に効率良く扱えるか、出力できるかで勝負が決まると言っても過言ではない」
「そして長く戦えるよう効率良く、相手にダメージを与えやすいよう呪力を出力するにはどうするか。という疑問が浮かぶと思うが―それは呪力を
「「??」」
シルバーファングの発言を聞き、主にB級以下のヒーロー達が首を傾げる。
呪力を流す。それは戦う上で当然の事ではないのかと思うが…
「戦意、殺意…戦いの中で捻出される負の感情は臍を起点にして身体を通し、纏いたい部分に流すのが基本じゃが、この部分ごとに分ける意識が呪力の遅れ、無駄なロスを生む」
「そして遅れを無くすことで何が起こるのか…という点については、見てもらった方が早いかのう」
シルバーファングがそう言って目配せすると、クロビカリが何かを担いで持って来た。
どこから調達して来たのか、鉄骨をロープで結んだ束だった。
「コイツをこれからちと殴るから、よく見といてくれ。…出せるかのう」
シルバーファングは肩を回しながら構える。身体から呪力が立ち昇り、相対しているわけでもないのに威圧感が凄まじい。
「コォォォ…」
シルバーファングの口から僅かに呼吸音が漏れる。そして―
「―黒閃!!!」
ズドゴオオオン!!!
―シルバーファングの拳が鉄骨に直撃すると同時に黒い閃光が弾け、あまりの威力に鉄骨は消滅し、地面には轍のような跡ができた。
「ふうっ、一発で出せて良かっt「「いやいやいやいや…」」
息を整えて満足気なシルバーファングに突然のとんでも攻撃で処理が追い付いてないヒーロー達は引いた様子で説明を求める。
「“黒閃”。呪力と攻撃の誤差が10万分の1秒以下になる事で起きる技―いや、現象と言った方が良いかな?」
「「!」」
混乱したヒーロー達に助け舟を出したのはツクモ。シルバーファングの作り出した跡を見ながら説明を続ける。
「その威力は圧倒的で、平均にすると実に2.5乗。だがそのあまりの難易度の高さから黒閃を狙って出せる者は存在しない。…筈なんだけどね」
しかし説明しているツクモ自身も驚いたようで、その額には汗が浮かんでいる。
実際シルバーファングの動きを見るに、あれは明らかに偶然などではなく狙って出すつもりだったとしか思えない。
「そんな大層なもんじゃないわい。年の功でな、ある程度の感覚は掴んでおるのじゃよ。…ま、最悪の場合10分ぐらい粘るつもりではあったがな」
「…え?10分あれば出せんの?」
「一発に全部乗せて良いのならな」
自慢する風でもなければさも当然と言わんばかりの態度にツクモは改めてシルバーファングの実力に戦慄する。後先考えずに全力を出して良いと言われても黒閃を訓練で出せと言われたら難しいし、そもそも10分も極限の集中は続かない。年の分黒閃を出した回数が多いとしても狙って出せるのはレベルが違うとしか言い様がない。
「っと、話が脱線しておったな。黒閃を出すメリットについてじゃが、コイツを出すとしばらくの間は“ゾーン”に入ったような感覚になる」
“ゾーン”。コンディションが絶好調の時などで使われる。スポーツ業界でよく耳にする単語だが、意味としては十分伝わる。
「普段意識的に行っている呪力操作が呼吸のように巡り、全能感に包まれる…と言った風に出すだけでも十分メリットはあるのじゃが、大事なのは
「今黒閃を出すと呪力操作が呼吸のように巡ると言ったが、黒閃を初めて出すと呪力操作の感覚が一気に変わる。言い表すのは難しいが核心を掴んだように感じるのじゃよ」
そしてシルバーファングは拳から呪力を出す。しかしそれは先程よりもより洗練されているように感じられた。
「基礎的な出力、効率…呪力の操作術に関しては極端な話黒閃を一回出すだけで良い。この際言ってしまうが、A級ヒーローに昇格する際には黒閃経験があるかがかなり重視される。というより何か別の強みがない限りは基本無理じゃ」
シルバーファングの言葉にB級以下のヒーロー達は思わずA級ヒーロー達を見つめる。黒閃というワードが出た時に驚いたり疑問に思った様子を見せなかったのも実際に経験があったからなのだろう。
「故にB級以下のヒーロー達は、まず黒閃を出す事を目標にすると良い。最初の一撃はまぐれでも構わん。何よりも経験する事に意味があるんじゃ。極端な話丸太打ちで出ても良いんじゃ」
「ただ、シルバーファングのようにちょっと集中すれば出せるようなものではないからね。どちらかと言うと戦闘の極限状態の中で狙うのが基本だ」
シルバーファングの話をツクモが補足して締め括る。
「んで、もう黒閃を経験したA級ヒーロー達についてじゃが、式神術や結界術を除くと後はとにかく地力を伸ばして行くしかない。と、言うわけでここからはバトンタッチじゃ。A級ヒーローはクロビカリ達の方へ、それ以外はわしとツクモ嬢ちゃんの方へ集合じゃ」
A級ヒーロー達はクロビカリ達の下へ集まると、クロビカリを中心にレクチャーを始めた。どうやら効率的な身体の鍛え方を伝授しているらしい。
「こっちでは戦いの中での動きを鍛えて行くぞ。B級以下となるとどうしても経験が少なくなるからのう。まずは戦いに慣れてる事から初めじゃ。わしやツクモが相手になるから遠慮なく掛かって来てくれて構わんぞ」
「美女だからと言って遠慮はいらないよ。胸を借りるつもりで来てくれて良い」
ツクモとシルバーファングは自信の籠もった笑みを浮かべる。そして順番に挑んで行くが、ほとんどのヒーローが手も足も出ずにあしらわれる。
「う〜ん強い…」
同じ女性ヒーローとしてツクモに挑んだミズキも完膚なきまでに敗北した。
「お、ユウジ君か。よろしこ」
「うす!よろしくおなしゃす!」
次にユウジの番が回って来た。選ぶ相手は当然シルバーファング。勝てるとは思っていないが、あの武術を経験するにはまたとない機会だ。経験値が違い過ぎるとは言え、対人戦の経験はある。少しは食らいつける筈だと、ユウジはS級ヒーローとの手合わせに挑む。
―数分後―
「ふむ、遅れてやって来る呪力とは。素の桁並み外れた身体能力と言い、将来有望じゃのう」
「ゼー…ハー…」
結果、見通しが甘過ぎた。魔虎羅との戦いで理屈は理解できていたものの、実際に体験すると本当に意味が分からない。
自分達のレベルまで落としているのにも関わらず、腕を振るったかと思うと攻撃があらぬ方向に逸れていく。後半はほぼ本気で攻撃を仕掛けたが、その全てが受け流されて終わった。
「いや強ぇなー…メグミとかどんな事教えてもらってんだろ?」
ユウジは協会支給のドリンクを口にしながら別のヒーローの鍛錬風景に目を向けた。
―式神術グループ―
「なんかとんでもない音したね…」
「肉弾戦グループかな…まあ無視で良いでしょう」
一方ユウタ、童帝率いる式神術グループ。シルバーファングの黒閃による轟音で若干引いていたが、気を取り直して指導を始める。
「それじゃあ始めていきますけど、式神術に限らず呪術を極める上では何が大切だと思いますか?」
童帝が聞くのは呪術を極める上で大切な事。漠然とした質問に、ヒーロー達は首を傾げる。
「…フィジカルを極める事とか?さっきの戦い見るに肉体の強度も一番大切っぽいですし」
手を挙げて答えたのはニット帽を被った青年。呪術のじゅの字もない答えだが、魔虎羅との戦いで長く勝負できたのはタイプは違えど皆化け物じみた動きができる者達ばかりだった。
「あながち間違ってはないですね。けど呪術を極めるという観点で見ると不正解です」
「呪術を極めるという事は―引き算を極めるという事です」
童帝の答えは予想以上に単純なもの。
引き算。小学一年生で習う単純な計算方法。それと呪術がなんの関係性があるのか。
「掌印、呪詞を始めとしてそれぞれの呪術を発動する上で必要な手順。それらを如何に省略できるか、そして省略した上で100%を引き出す事ができるか。これが引き算を極めるという事です」
童帝の説明にヒーロー達は納得が言ったような表情になる。式神を喚び出す際には掌印、そして式神の名前―呪詞が必要となる。強力な呪術を発動する際には両方、あるいはどちらかが必要になる事が多い。個人の持つ術式によっては固有の手順が必要になるものもある。
「分かりやすい例を挙げると、さっきのメグミ君の式神。あれを喚び出す時には“布留部由良由良 八握剣 異界神将魔虎羅”っていう呪詞と掌印が必要になるけど、これらを省略した上で魔虎羅の力を削がずに顕現させることが極めるって事に繋がるんだ」
そしてユウタが童帝の説明を呑み込みやすくなるよう分かりやすく例を挙げて補足する。
「けど、元々行う事が前提のものを省略するのって難しいんです。できたとしても十全に力を発揮する事はまずできません」
そう、元々備わっているものを省略するという事は最低限必要な手順すら無視する事になり、そんな事をすれば術式の発動すらままならない。
「そこで工夫が必要になってくるのが“媒介”や“依代”です」
童帝はそう言うとランドセルから先程魔虎羅と戦った式神が出て来たボールを取り出す。
「僕の術式は…(まあ良いか)“式神創操術”。自分で式神を作って操作する事ができます。呪骸を操作する“傀儡操術”と似ていますが、あっちとは違って自分が1から創り出せる、ある程度の術式を付与できるという点が違いますね」
童帝の説明にヒーロー達は反応は様々だが、皆驚いていた。式神は基本的に生まれ持った術式の中に備わっているのが基本であり、呪符などを媒介にしても後づけできる式神の力は非常に弱い。
しかし童帝の言葉を信じるのであれば自信の率いる式神を無限に創り出せるというのだ。当然ある程度の縛りはあると思われるが、時間さえ掛ければいくらでも戦力を増やせるのだから恐ろしい。
「ただ当然縛りもあって
・創り出す式神の呪力は術者本人で補わなければならない。
・複雑な術式を付与した式神を創るには相応の技量が求められる。
・術者本人の実力を超える式神は基本的には創れない。創れたとしても暴走の恐れがある。
・どんな式神を創るにしろ、呪力効率が半端なく悪い。
と言った点があります」
「こんな風に万能とは言えない術式なんですよね。僕の呪力量じゃ強い式神は一日に一体が限界だし、僕自身S級の中じゃまだまだだから創れる式神のレベルもそう高くない」
童帝の説明にヒーロー達は難しい表情になる。重過ぎる縛りこそないが、絶妙にやり辛いレベルのものが多い。時間さえ掛ければ数は増やせていくが、一日を一体創ったらその日は戦闘不能という燃費の悪さがヒーローとしては本末転倒だ。
「だから、僕は術式とロボット―呪骸を合わせて補ったんです。媒介、依代を機械の動力源と身体で補って消耗呪力を減らした上で式神としての優れた自律思考を両立させました」
童帝はさらっと言い放ったが、とんでもない事だ。呪術としての式神を創る事と、機械を作る上で求められる技術は当然違う。その二つの技術を修めるだけでなく、二つの技術を合わせて式神を創り出す事などまさに天才の所業だ。
「式神に限らず、何かを作る時に一番エネルギーを使うのって0を1にする事なんです。1を2にするのも簡単ではありませんが難易度としては断然0を1にする方が難しい」
「引き算を極める、と言っても何もかも引いてしまうのが正解ってわけじゃない。というかそんな事が可能なのは極々一部の人間だけです」
童帝は一瞬サトルとタツマキに目を向けるが、すぐに目線を戻す。
「例えばさっき魔虎羅と戦った僕の式神は、肉体は術式を使った呪力で、身体を覆う装甲、防御力は自作のもので補っています。今の僕の実力を超えた式神ですが、この式神を作る上で僕は何重もの縛りを
「グウウウ…」
そう言って童帝はボールから式神―“
「“式神創操術”で一度創った式神は記録として術式に登録されます。その登録されるデータの容量に限界はありません―が、僕か術式で創る式神は“対超災害級怪人用の式神4体のみ”に絞って術式効果を底上げしています」
本来であれば多彩な術式を組み込んだ式神を多種類創り出せるという術式の利点を捨て、最低限の種類と目的に留めることで戦闘力に特化した式神を創り出した。
「そして式神が扱う呪力も半年間毎日自身の呪力の半分を捧げる事でレベル“竜”に匹敵する呪力量を得ました」
更に自身の呪力を生贄として捧げ続ける事で式神自身の呪力も底上げする。童帝自身の呪力量は子どもという事もあってS級ヒーローの中だとやや見劣りするが、半分を半年間捧げ続ければレベル“竜”にも引けを取らない。
「つまり何が大切になるのかっていうと、“何を引くのか”って所なんです。威力を捨てて効率、回数を取るか、効率を捨てて威力や質を取るかは人によって変わると思います。折角なので皆さん一旦術式を発動して互いに話し合ってみて下さい。他人からの思わぬ視点や発想が助けになる事もあります、僕とユウタさんも相談に乗るので気軽に聞いて下さい」
童帝が手を叩いて指示を出すと、ヒーロー達は術式を発動させて互いに見せ合い、口々に意見を交わしていた。
「…S級の人達もこれだけ素直なら良いのになあ…」
「ま、まあ皆考えがあって動いてるから…」
素直に励むヒーロー達を見て童帝が呟くとユウタが慰める。S級ヒーロー達も自分なりの正義感があるのは童帝も分かっているのだが、それがあまりにも自分規準である為“協力”や“足並みを揃える”という事がない。
広い視点で物事を俯瞰できる童帝にとっては頭を痛める事が多く、その苦難を労ってくれるユウタは希少な存在だ。
「ユウタさんからは何かアドバイスとか無いんですか?」
「僕の場合は色々と特殊だからあまり他の術式に活かせる事はないかなって…イサム君以上に為になるアドバイスは僕にはできないかな…ごめんね?」
「良いですよ。体術面は僕は指導できないので」
ユウタは申し訳なさげに謝るが、童帝は気にする様子もなく答える。童帝も子どもながらに鍛えているが、他のS級ヒーローに比べると体術は当然見劣りする為、その辺りをカバーできるユウタがいるのは実際助かっていた。
「他の皆、ちゃんと指導できてるかなあ…」
「流石に大丈夫だよ。…まあ指導法をちゃんと合わせられてるかは少し不安だけど…」
そしてユウタは自身の師のいる場所に目を向けた。
―武器、呪具グループ―
「呪力の籠め方が甘えぞー、全身にしっかり行き渡らせねえとただのテレフォンパンチになるからなー」
「動きに無駄が多い、下手なフェイントは隙を晒すだけだ。もっと行動を絞れ」
一方武器、呪具グループを仕切っているアトミック侍とフラッシュは肉弾戦グループと同じようにヒーロー達と順番に手合わせしていた。
これはヒーロー達が集合すると同時にアトミック侍とフラッシュが取った方針にあった。
『まず呪具や武器を扱う上での注意点だが、自分の身体に呪力を流すのと武器に流すのは当然違う。下手に強え呪具を持っちまうと基礎操作の方が疎かになっちまうからな。まずは基礎操作術を十分鍛えてから呪具を持った方が良い』
『呪具も振るう肉体があってこそ真価を発揮するからな。コイツのように刀を振る事しかできんような事になると痛い目を見るぞ』
『ほ〜面白えこと言うな。そんな刀振る事しかできねえ奴に不覚を取った速さ自慢がいるらしいがどこの誰なんだろうな?』
『縛りがなければ戦う事もできん奴がほざくな』
『お?俺は思い出そうとしただけだぜ。そうだったなお前だったな。しっかり覚えてるたあわりと根に持ってんのか?』
『ああ覚えている。自らの実力に自惚れていた馬鹿の姿をな』
『ハハッ、そりゃあどっちの事言ってんだよ』
互いに遠回しに煽り合う中、少し睨み合って沈黙が訪れる。
「―やるかオイ?」
「―良いだろう」
『良くねえだろバカ共』
そして遂に周りを気にせず武器を構える二人に思わずフラッシュの目元からカシモのツッコミが飛んだ。
更にアトミック侍の弟子であるイアイアンが止めに入り、なんとかS級ヒーロー同士の激突という事態は回避された。
「決着は預けるか」
「良いぜ、首洗って待ってやがれ」
『反省しろ』
なお、回避されただけであって収まったわけではない。武器こそ下ろしたが、戦意が萎縮することはなく、むしろ少しでも枷が外れれば今にも戦闘を始めそうだ。なのでカシモが更に釘を刺しておく。
『他の奴らも困ってるだろが、俺らだけの特訓会じゃねえだろ』
「ん、そうか」
「時間は無駄にできんか…」
『コイツら…』
口に叱られるS級ヒーロー上位陣2名という濃い絵面にA級以下のヒーロー達は若干置いてけぼりを食らっていた。
「んー…鍛えるとしたら実戦がやっぱ一番だよな?」
「そうだな。これに勝る経験値を得られる修行はない」
と、このようにトントン拍子で話が進み、フラッシュとアトミック侍それぞれで手合わせにする事になった。
当然全力でやってしまっては勝負が成立しないのでアトミック侍は縛りによる強化はなし、フラッシュも高速移動の頻度や速度も最低限に、二人共他のヒーローと戦闘が成立するギリギリまでレベルを落している。
(レベルとしちゃまだまだだが…サトルがきっちり選んで来ただけはあるな。全員光るものがある)
(荒削りだが、鍛えれば相応に伸びる素質が全員にある。
次々に挑んで来るヒーロー達をあしらいながら二人はヒーロー達の可能性に期待を見出していた。
―サイボーググループ―
(サトルの奴はなんで俺を
サイボーググループでゾンビマンはタバコの煙を吹かしながらサトルに悪態を突いていた。
面倒だと思っているわけではないのだが、なまじ教えられる事がない。ゾンビマンの戦い方は誰にも真似できるものではなく、技術によって身に付くものでもない。一応特訓会の中で剣術や武術も齧ってはいるのだが、それも見本となる程の技量にまでは達していない。
(いや本当なんで俺がサイボーググループなんだ。あれか、捨て身を躊躇なく実行できるからか?自分で言うのもアレだが俺にしかできねえことだろそれは。サイボーグとは言え頭吹っ飛べば死ぬっての)
数が少ないとは言え、わざわざ来てくれたヒーロー達にゾンビマンは内心申し訳なさを感じていた。
「…砲口をもっと狭める事はできるか?」
『難しいナ…この身体はあくまで量産型だからナ、細かな調整を利かせるのはどうも難しイ…』
この場にいるS級ヒーローの中だと唯一サイボーグであるジェノスは他のヒーロー達に指導していた。魔虎羅との戦闘で負った破損はそのままである為片腕がなく動きづらそうだ。
一口にサイボーグと言ってもヒーローごとに性能に差があり、その中でもS級ヒーローであるジェノスは相応の性能を誇る。
サイボーグは改造を重ねれば無制限に強くなるという利点があるが、裏を返せば改造以外の強化手段に乏しいとも言える。機体の限界値以上の力を出力する事は難しく、“鍛える”という行動とは致命的に相性が悪いのだ。
「……………」
(俺には教えられないと言えばそれまでだが…新入りが頑張ってんのに俺が投げ出すのは違うよな)
その様子をゾンビマンは少し離れた場所から見ていた。ジェノスの教え方はお世辞にも上手いとは言えず、サイボーグの特性上意味があるかも怪しい。
しかし不慣れながらも力になろうとするジェノスを見て何も感じない程ゾンビマンは人間を辞めているつもりはなかった。
「今の性能で実現するのが難しいなら、実現できるようにすりゃ良いんじゃないか?」
「! ゾンビマン…」
「ジェノスも軽く自分の修理ができるなら、そのやり方を教えてやれば良い。大事に至らない程度に他のヒーローの機体を見て、改善できそうな箇所を教えてやれば自分で性能を上げる事もできるかもしれないぞ」
「! なるほど、その発想は無かったな…よし」
ジェノスはゾンビマンの意見を取り入れて自分の身体を見せながらその仕組みや機構、手入れの仕方などについて説明していく。
自身の身体については外部の改善に任せっきりなヒーローもいたが、自分なりに改良しようとジェノスの話に真剣な表情で耳を傾けている。
(これだけでも来た甲斐があったな。しかしこれも想定済みだったのか…?)
普段は飄々とし過ぎていて紙よりも薄く見えるサトルの事を思い出し、ひょっとすると意外と思慮深いのかとサトルとタツマキのグループに視線を向ける。
「アッハハハハハ!ほらほらもっと頑張って落として!じゃないとケガするよ!」
「ざけんじゃないわよ!ケガどころか病院送りよ!」
「人の妹に手出そうなんて良い度胸じゃない!ぶっ潰したげるわ!!」
「……………」
そこで一人の美女に向かってからかうように攻撃を放つサトルと食って掛かるタツマキの姿を見て絶対にそんな事はないなと、ゾンビマンは確信した。
―遠隔操作系グループ―
S級2トップが指導するこのグループ。しかし遠隔操作特化型の術式は本当に珍しい為招集されたヒーローの内僅か二名しかいなかった。
「はーい二人共ー僕達とツーマンセルとは運が良いね。どっちがどっちの担当するかだけど…」
「あ…!えと…」
「……………」
サトルが気軽に話し掛けるが、頭にメカメカしい機械を装着した少年はあまり活発な性格ではないらしくしどろもどろになり、もう一人の黒髪の美女は複雑そうな表情で黙っていた。タツマキも何やら穏やかな心境ではないらしく、怒りの垣間見える表情でサトルを睨んでいた。
「(僕としてはどっちでも良いけど、この子達の事考えると別々の方が良いかな)…じゃあそっちの子をタツマキが、君は僕が受け持とう。折角の広さなんだし多少やんちゃしても問題ないぐらいには距離を取ろう」
「…分かったわ。アンタ、ついて来なさい」
「は、はいっ!」
サトルの提案にタツマキは多少眉を顰めたが、一先ずは納得したらしく少年を引き連れて離れて行った。
「さ、そんじゃやろうか」
「…どうして私を…」
「そりゃ見所があるからさ。それに、お姉ちゃんと離れた方が多少はやりやすいでしょ?」
「…っ!」
サトルの発言に美女は明らかに表情が強張る。サトルの発言からも分かるが、彼女はタツマキの唯一の身内であり姉―のような妹。
「なんでも話せとは言わないよ。けど何かしらの形で変わらないと成長するものもしなくなっちゃうよ?」
「ふっ…私がどれだけ努力しようと姉を超える事はないわ。アナタもその眼で分かってるんじゃなくって?」
フブキは自嘲の表情と共にサトルを睨みつける。しかしそれはただ自嘲で言っているわけではない。
“六眼”。数百年に一度持って生まれるとされている特別な眼。その眼は全てを見通すとも謳われ、呪力が凄まじい精度で見える上、呪力効率を向上させる効果がある。
呪力を見通す精度に関しては宿っていない無機物すらも残穢を見通す程の精度を誇り、そこにサトルの知力と経験が加われば相手の術式を見ただけで看破できる。
呪力効率も向上の振れ幅が凄まじく、常に無下限によるバリアとその負担を軽減する為の反転術式を回し続けていても自己補完の範疇で済む。サトルも素の呪力量だと他のS級と大差なく、タツマキやユウタに劣るのだが、六眼の補助があれば呪力切れがないと思える程の効率を誇る。
話が逸れてしまったが、とにかくあらゆる面で便利なのが六眼なのだ。目隠し越しではあるが、その身体から呪力は問題なく感じられる。
フブキの術式はタツマキと同じ“
「かもね。でも君は僕にもできない事ができるでしょ?」
サトルはフブキの言葉をあえて否定せず、しかしその実力は確かなものである事を説明する。
「―反転術式のアウトプット。これは僕にもできない事だ」
サトルの言ったそれはそのままの意味。反転術式を他者に施す事だ。
しかしこれは単純な実力とはまた違ったセンスが必要であり、反転術式を習得しているS級ヒーローでもそれをアウトプットできる者はユウタとタツマキしかいない。ヒーロー協会全体で見ても医療班のリーダーであるショウコが加わるぐらいであり、フブキは貴重な四人目なのだ。
「でも、それは姉にもできるでしょう?」
「分かってないなー。上を見るのは良い事だけどそれで自分を卑下してちゃ本末転倒だ。強さってのはそれだけじゃないしね」
サトルはフブキに近付き、覗き込むように顔を近付ける。
「例えば君が徒党を組んでる事。これも立派な強さの形だ。けどB級で満足してちゃそこ止まりだ。君以下の連中でいくら固めようと倒せる相手なんて高が知れてるしね」
「! あなたが何を…!」
仲間を貶された事でフブキは反発する。例えサトルにとっては雑魚同然でも、彼女にとっては大切な仲間なのだ。それを侮辱されたとあればいくら格上と言えども黙ってはいられない。
「君が負けたら死ぬんだよ?」
「ッ!?」
サトルはフブキの発言に底冷えするような声で割り込んだ。その無表情さと滲み出る呪力の圧に思わずたじろぐ。
「君の組織で君がランク通り実力がトップなら、君が勝てない相手はどうするの?皆で立ち向かったら勝てますって事?確かにそうかもね。けど、“鬼”以上の相手には圧倒的な個の実力が必要だ。A級ならまだしもB級以下なんて話にならない」
厳しい言葉でサトルは捲し立てるが、フブキはそれに反発できない。レベル“鬼”の時点で最低でもA級ヒーローが10人は必要であり、B級以下のヒーローでは援護もままならない。
「別に今のままでも良いんだよ?活動は続けられるだろうさ。でもきっとこれから怪人災害は激化する。格上と当たる事もあるだろうね。その時どうやって勝つの?もし君でも敵わないような相手に仲間はどうするんだろうね?立ち向かうか逃げるかは分からないけど…」
冷や汗が止まず腰が引けているフブキにサトルは目隠しを僅かに外し、蒼く輝く六眼を覗かせる。
「死ぬ時は一人だよ」
「…ッ!」
「その結末はきっと同じだ。逃げたら残るのは君だけだし立ち向かったとしても君が敵わない相手に君以下の仲間が敵うわけがないよね。全員死んで最後に君が殺されるのが関の山だ」
フブキは気付けば身体を震わせていた。圧倒的な怪人にズタボロにされ、挑んで行く仲間が次々と殺されていく。そして最後には…そんな未来を想像すると震えが止まらない。
「今ならまだ間に合う。後悔しなくて済むかもしれない。どうする?立つ?」
しかし強くなるかどうかは本人の意思に委ねる。無理に立たせたとしてもその果てに得る強さには期待できない。強くなる上では確固たる自我が必要だ。
「…わよ」
「んー?なんてー?」
「やってやるわよ…!」
フブキは顔を上げ、額に青筋を浮かべながら戦意を滾らせる。
「クックッ、随分やる気だね。怖がらないの?」
「うるさい。ここまで言われて引き下がる程私も安い女じゃないのよ。リーダーとしても、部下に示すべき態度ってもんがあるのよ」
そのプライドの高さと、確かなヒーローとしての志にサトルは姉の姿を思い起こす。この姿勢なら、十分強くなれると。
「そうと来れば、早速実戦と行こうか!君の術式はシンプルながら強力だし、そこを伸ばす方向性で行こう」
「なにをすれば良いの?」
「やる事はとーっても簡単!僕が出力低めの赫と蒼で攻撃するから君はそれを防御すればいい」
「分かっ…は?」
あまりに自然な流れで説明されて流してしまいそうになったが、その内容に思わず唖然とする。
「よしっ!じゃあ善は急げだ!早速行くよー!」
「え?いやちょっと―」
「術式順転―蒼」
「ちょっと待ちなさいよぉぉぉぉぉ!?」
有無を言わせず始めたサトルにフブキは必死の形相で術式を発動して防御する。通常より出力は落としているとは言っても油断すれば身体が引っ張られる。巻き込まれれでもすればミンチになりかねない。
(普通に防御するだけじゃ効果が薄い!引っ張る力をどうにかしないと―)
「ほらほら次々行くよー!赫!」
「うっ!?」
引き寄せ続ける“蒼”に悪戦苦闘していると、今度は“赫”を飛ばして来た。“蒼”のように動きを阻害される事はないが、その出力は“蒼”の倍以上。当たれば痛いで済まない。
(単純に防御するだけじゃダメね。私の出力と総量じゃあっという間にジリ貧に追い込まれる)
なんとか躱し続けるが、サトルはタイミングを見計らって次々に攻撃を放つ。防御するだけならば可能だが、好き放題やられ続けるだけでは意味がない。防御するにしてももっと上手くやる必要がある。
(…そう言えば無下限呪術って六眼がある事前提の超精密なコントロールが必要になるのよね?だったら…)
フブキは飛んで来る“赫”を上手く躱しつつ、サトルを観察する。
「━━━━━ッ!!」
そして小石と砂利を浮かして“赫”に向かって飛ばす。出力を考えれば押し勝てるわけもない。しかし―
ドパァン!!
―小石に貫かれた“赫”は炸裂し、消滅した。
(気付いたみたいだね)
サトルはフブキの取った行動に内心評価を上げる。
サトルの無下限呪術はニュートラルな状態、順転、反転、そして二つを掛け合わせる事で仮想の質量と、それぞれで異なった凄まじい数の現象を操る事ができる。
しかしその代償として術式の操作性の難易度が高く、一つでも掛け違えばそれらを顕現させることはできない。“赫”も表面上は球体に見えるが、その実態は反発する力を強引に圧縮した状態であり、僅かでも刺激を加えればその状態を保てず炸裂する。
(“蒼”の引き寄せも無力化って程ではないけど軽減してる。前々から練習してたのか流水岩砕拳から着想を得たのかは分からないけど、術式で自身の周囲を受け流すような力を流し続ける事で引き寄せる力を逸らしてるのか)
加えてフブキは自身の周囲を守るように呪力の渦を作り出す事で蒼による引き寄せる力をある程度軽減していた。
タツマキのような強固なバリアは張れていないが、あれはタツマキの莫大な呪力量と出力、神懸かった呪力効率があって成り立つ芸当だ。フブキの念動力による軽減も中〜遠距離攻撃の防御手段としては十分だ。
(効果はあったみたいね…“念流廻転嵐”が“超能力”以外の術式にも通用して良かった…)
一方フブキは自身の技術がサトルにも通じて安堵していた。フブキの念動力による防御―“念流廻転嵐”は元々タツマキに勝つ為に考案した技術だった。理屈の上では中〜遠距離攻撃に通用するとも考えていたが、試した事は無かった為半ば賭けのような状態だった。
「いやー良いね。劇的な変化こそないけどその技術は確実に拡張性がある。術式がシンプルなだけに拡張性は高いだろうから、色々試してみると良いよ」
「…分かったわ」
サトルはフブキの技術を素直に賞賛する。自分ではどう足掻いても敵わないと認めているタツマキと並んで“最強”と称されるサトルから賞賛されてなんだかむず痒い気分になった。
「けど出力も上げていかなきゃなんないからね!僕の攻撃出力も上げてくからそれを防御してね!できるなら攻撃しても構わないよ!」
「は?」
しかし続いた言葉にフブキは耳を疑った。先程までの攻撃ですら当たれば間違いなく重傷を負うレベルの攻撃だった。更に上がるとなると真面目に死ぬ。サトルが配慮するにしても本気で寿命が縮む。
「ちょ、ちょっと待っ…」
「よーしじゃあいっくよー!!」
「聞きなさいよぉ!!」
有無を言わさず攻撃を始めたサトルにフブキは怒鳴りながら防御する。
「! これは…」
必死に防御するフブキは気配を感じた。それはフブキにとって誰よりも知る気配。
「アッハハハハハ!ほらほらもっと頑張って落として!じゃないとケガするよ!」
「ざけんじゃないわよ!ケガどころか死ぬわよ!」
「人の妹に手出そうなんて良い度胸じゃない!ぶっ潰したげるわ!!」
「どっ、どうしよう…!」
そして今に至る。
今までは訓練という名目上見逃していたタツマキだったが、流石に限度を超えていると判断して文字通り飛んで来たらしい。タツマキから指導を受けていた少年―ギアスパーは突然起きた頂上決戦に慌てていた。
そしてその勢いのままにサトルとタツマキが戦い初めて収集がつかなくなり、結局シルバーファング、アトミック侍、クロビカリ、フラッシュの四人が全力で仲裁に入り、どうにか事態は収まった。
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「はーい皆お疲れ様ー!勉強になったかな?」
そして事態を収めて集合したヒーロー達にサトルは悪びれた様子もなく話し掛ける。その頭にはシルバーファングからゲンコツを食らったことによってタンコブができており、かなり痛そうだ。タツマキは一応止めようとした事によるヒートアップと判断され、軽いチョップで済まされた。
「色々と学んだ事があると思うし、参加できなかったヒーロー達にもしっかり共有してあげてね。一応ダイジェストで配信されると思うけど、全部は流石にまとめられないと思うからさ」
サトルを見るヒーロー達は複雑な表情だが、各自色々と学べた事があったらしい。皆自信のある表情だった。
「ただ、今回S級ヒーロー達が教えたのはあくまで基礎やそこからの拡張がほとんどで、頂点の戦いについては教わってないと思う」
「レベル“鬼”以上の戦いには単純な術式だけじゃない。術式の拡張、その果てに行き着く“極ノ番”、反転術式やそこから生まれる“術式反転”、そして何より―“領域展開”。これらが複雑に絡み合って来る」
サトルの言葉にA級以下のヒーロー達は表情を固くする。今サトルが口にした技術はA級以下のヒーローのほとんどが会得していない高等技術。S級ヒーローに選ばれる上での一つの判断材料とされている技術だ。
「そこで、だ。君達には呪術戦の頂点引いては、ヒーロー界の頂点―僕とタツマキの戦いを見てもらおうかと思う」
「「!!??」」
サトルの発言にヒーロー達は今日最大の衝撃を受ける。
ヒーロー界の最大戦力であり、単独で一国家の軍隊と同等以上の戦闘力を有しているとされているS級ヒーロー、その中でも更に別格とされているのがタツマキとサトルだ。その戦いを見れるというのは願っても叶わない事だ。
「ま、タツマキがビビって嫌って言えば考えなきゃいけないけど」
「はぁー!?なんで私がアンタにビビんなきゃいけないのよ!?むしろさっきの礼も合わせてギッタギタにしてあげるわ!!」
サトルが小馬鹿にするようにタツマキを挑発すると、タツマキは顔を真っ赤にさせて言葉を返す。
「そうとなれば決まりだね。んじゃ皆はさっきのモニタールームに移動してねー。今度はS級もそっちに付くから。バングおじいちゃん、指揮お願いー」
「おけ、無茶はするでないぞ?」
「分かってるって。もうゲンコツはゴメンだよ」
シルバーファングの釘刺しにサトルが手を振って答えると、シルバーファングはヒーロー達を引き連れてモニタールームへ移動した。
「それじゃ、いつも通り空中で始めよう。けど今回は観客も多いし、折角なら詠唱アリで始めようか」
「はぁ?別に良くない?」
「分かってないなー。こういうのは派手に行かないとダメなんだよ」
「ふん、まあ良いわ」
サトルとタツマキは言葉を交わすと空中へ移動する。そして建物が全て眼下に収まる程の高度に到達すると互いに距離を取って向かい合う。周囲には邪魔しない程度に何匹かの烏が飛んでいた。
「さて、始めようか」
「発動ミスって食らっても知らないから」
サトルは目隠しを外して六眼を露わにし、タツマキも髪を逆立たせる程の出力を解放し、互いに構えを取る。
「九綱 偏光 烏と声明 表裏の間」
「新月 特異点 罪なる魂魄 螺旋の回廊」
開戦の意味として一切の手順を省略せずに放つ出力200%の大技―
「虚式―“茈”」
「―“龍の息吹”」
両者によって放たれた仮想の質量と超常エネルギーの塊は激突して少し押し合った後に消散。互いの実力と出力に一切の差がなかった為に対消滅したのだ。
「言っとくけど、そっちが
「へぇ、どの口が言ってるのかしら?」
大技が通じなかった事に両者は驚く様子もなく、軽口を叩き合う。その身体からは凄まじい呪力の威圧感を放っていた。
―“世界に愛されし神童”と、“超自然能力の申し子”の戦闘 両者互角で開始。
はい、今回はここまで。次回人外魔境ヒーロー決戦()です。
・お勉強会
各グループでレクチャーの仕方に差がアリ。
肉弾戦グループは数こそ多いですが脳筋があまりに多過ぎるのであんまり参考にはならない、式神術グループは多分一番分かりやすい、武器、呪具グループは肉弾戦と似てるけどまだレクチャーできる、サイボーググループもわりと悪くない、遠隔操作グループはタツマキはわりと分かりやすく教えてそう、サトルは本編通り。
皆さんはどのグループが良いですか?
・シルバーファング(バングおじいちゃん)
ヒーローの中だと一番黒閃出せます。一回出せたらしばらくは狙って出せる程度には出せる確率高い。
・カシモ(カッシー)
「大人し過ぎない?」、「原作とキャラ違くない?」と思うかもしれませんが、ちゃんと理由があります。掘り下げ回を気長に待ってて下さい。
・フブキ
サトルのスパルタ教育で半覚醒。原作のサイコス戦で得た技術を先取り。貴重な反転術式アウトプット持ち。原作でも実力関係なしっぽいので完全に別のセンスが必要になるんじゃないかと。
・サトル(五条悟)
多分誰よりもテンション上がってる()。凡夫かどうかは次回で見せていきます。
・タツマキ
本当に挑戦者かは分からない。詠唱の単語は某神父から取りました。
こんなもんかな。長過ぎたなぁ!ただ次回からはもりもりにしていきたいです。詠唱の為の勉強もしっかりしていきます。
評価、感想もよろしければお願い致します。
それでは次回をお楽しみに。
明かされた全貌!殺し合いはどっちが強い?
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五条悟(不意打ち虚式なし、縮小領域アリ)
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宿儺(完全体、十種、術式情報なし)