【呪術廻戦✕ワンパンマン】ハゲの代わりに呪われた人達がやって来た 作:サクラン
運営から注意受けた…原作を二つ入れるのって駄目なのね…原作が呪術が消えた瞬間UAの伸びがガクンと落ちて天から調子乗んなよって言われたように感じました。精進します…
それではお楽しみください。
夜のZ市、ゴーストタウンでは、人智を超えた戦いが繰り広げられていた。
「ハハッ、やるなお前!!」
「…ッ!焼却!」
ゴオッと、サイボーグの砲門から放たれた焼却砲が廃墟の街を貫く。だが呪物の身体を捉えることはなく、飄々と躱された。
「フーム…
そして呪物が身体の調子を確かめるようにしながら自らの力を振るうが―
「…舐めているのか!」
「うむ…やはり…この小僧の所為か」
―何も起こらず、おちょくられたと思ったサイボーグが鉄の連打を放ち、呪物はそれらを躱して距離を取った。
先程からずっとこの調子なのだ。サイボーグが猛撃を仕掛け、呪物が攻撃を躱す、ということをずっと繰り返していた。最初の方は呪物が攻撃を仕掛けていたのだが、少ししてから回避しか選ばなくなったのだ。それによって戦況は膠着状態となり、決め手に掛ける状態となった。
そして、その戦況を観測する者が一人。
「クソッ…速過ぎる…」
メグミは軽く自分の傷に処置を施しつつ二人の戦闘を眺めていた。自分は勿論式神でも混ざることのできない規格外の戦闘。呪物の方は言わずもがな、やって来たサイボーグもヒーローではないようだがS級クラスの実力がある。どうにか彼に勝ってもらいたいのだが…
「や、何してんのー?」
「! サトルさん!」
―突然背後から話し掛けられ、メグミは驚いて後ろを振り向くと彼の恩師が呑気な様子で立っていた。
「どうしてここにいるんですか」
「来る気はなかったんだけどさ、流石に上が五月蝿くてね。観光がてら馳せ参じたってわけだ」
とてもヒーロー会の頂点に立つ者とは思えない言葉だが、変わり者が多いS級ヒーローの中でも特に身勝手なので仕方ないとも言える。
「で、見つかった?」
「…あっちで戦ってる内の片方が身体に取り込んで受肉した後、ヒーローじゃないあのサイボーグが相手しています」
「へー、サイボーグタイプは珍しいね。宿儺とも殺り合えてるし、ぜひともスカウトしたい逸材だ」
「…止められますか?」
「! 止めて欲しいの?」
サトルは少し驚いたような声を上げる。メグミが自分から何かを要求するのは珍しいからだ。
「…はい。特に受肉した方も普通なら死刑ですが…死なせたくありません」
「私情?」
「私情です。何とかして下さい」
メグミのある意味開き直った回答にサトルはニッと笑う。メグミの望みはヒーローとしては正しくないもの。だが、サトルはエゴイストだ。望むなら、妥協しない。全てを欲しがり、欲張る。全員助かるという結末を望むなら、実現させる。それがサトルのスタイルだ。
「かわいい弟子の頼みだ。任せなさい!」
そう言って彼は軽く全身をほぐすように手足を伸ばした後―
「はい、そこまでー。双方止まりな」
「「!!」」
―たった今戦っている二人の間まで一瞬で瞬間移動し、手を翳して止めてみせた。
二人は突然現れたサトルに驚き、思わず動きを止める。
「お前は…」
「貴様…ッ!?」
サイボーグはどこか見覚えのある反応を、呪物は割って入ったサトルに青筋を立てたが、急に沈黙して動かなくなった。何かしてくるかつもりかと、サイボーグが砲門を解放するが、サトルが手で諌める。
すると―
「おっ、よかったー。変わろうにも変われないからどうしようかと思ったー」
「!?」
「ハハッ、抑え込めるとはね」
―身体に浮き出ていた禍々しい紋様が消え、話し方も元のユウジに戻っていた。
「えーと、サイボーグさん。まずはごめんなさい。後、アイツを抑えてくれてありがとうございました!下手したらあのまま大量殺戮する所だった」
「いや、まあ良いんだが何なんだお前は」
ユウジが一方的にサイボーグに対して謝罪と礼を伝え、何が起こったか把握しきれていないサイボーグは、目を細めてユウジを警戒している様子だ。
「あ!それからアンタもありがとう…ってS級ヒーローのサトルじゃん!?マジでありがとうございます!」
「あっはっはっ、面白いねえ君は」
サトルにも礼を言おうとしたユウジは改めてサトルを見て驚いた。世間ではあのアマイマスクに次いで人気のある男性ヒーローなのだ。驚くのも無理はない。
「それで君、指食べた?」
「ああ、あの不味いやつすか?食べましたけど…」
「身体に異常は?」
「身体に異常は…強いて言うならアイツの声がしつこく聞こえて頭がガンガンするぐらいかなぁ」
「凄いね。それで済んでるのが奇跡だよ」
サトルは素直に感心する。数々の強者を見て来たが、ユウジという少年の耐性はどの存在も持ち得ないものだったからだ。
「ちょっと寝てもらうけど良い?」
「? どっか行くんすか?」
「ぶっちゃけ生きてられる保証はしかねるけどね。できる限りベストは尽くすよ」
「んー…分かりました。お世話なります」
「自分で言っておいて何だけどよく着いて来られるね」
「そりゃ怖いすけどね。S級ヒーローに付いて来てって言われるってことは相当ヤバい案件ってことでしょ?断る方が駄目でしょ」
ユウジはさも当然と言わんばかりの様子で答えた。多少非日常に触れたとは言え、とても数時間前まで一般人とは思えない覚悟の決まり様だ。
「良いね。そういうキマり具合は嫌いじゃない」
そしてサトルはユウジの額にトンと指を当てる。
「それじゃ、また後で」
するとユウジは唐突に意識を失い、倒れ込んでしまった。
「重っ」
「…何が目的だ?」
そこまで事の成り行きを見守っていたサイボーグは訝しげにサトルを見詰めて話し掛ける。
「んー?何って?」
「とぼけるな。ソイツが受肉したのは両面宿儺だろう。生かしておく理由がない。ソイツを使ってお前は何がしたい?無限のサトル」
「別に大した理由じゃないよ。人を助けるヒーローとしての責務を果たすまでさ」
よっこいしょ、とサトルはユウジを担ぎ上げる。
「悪いけど、君にも付いて来てもらうよ。ジェノス君」
「! 何故俺の名前を知っている?」
「噂は聞いてたからね。何処からともなく現れて怪人を倒すサイボーグの噂。見た目さえ分かれば後は辿るだけで良い。君の仇の存在についても、協会なら手掛りを提供してあげられる。ここからずっと一人で探すよりも、協会のサポートを受けた方が良いと思うけど?」
「…協会の犬になるつもりはないぞ」
「別にそれで構わないよ。わざわざ上の指示に100%従う必要なんてないし、言う事聞くS級の方が少ないぐらいだよ」
仮にも組織の下で動いている者とは思えないような台詞だが、実際S級ヒーローが身勝手なのを差し引いても協会の運営に問題がないとは言えないので間違っているとも言い切れないのが悲しいことだった。
「…分かった。それで良い」
「オッケー。じゃあ着いて来てね」
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「―ってな会話を、君が寝た後にしたんだよ」
「へーそんな流れが」
場面変わってここはヒーロー協会の一室。周りには札が大量に貼られ、中心ではユウジが座らされた状態で注連縄に両腕を拘束され、向かい側にサトルが座っていた。
「とは言っても、君人の心配してる場合じゃないよ」
「え?」
「彼についてはヒーロー入りすることに決まったけど―
―君は秘匿死刑が決定した」
あまりに気軽な語り口に、覚悟を決めていたユウジも思わず眉を顰める。
「軽過ぎない?」
「いやいや、これでも頑張ったんだよ。死刑は変わらないけど、執行猶予がついた」
「執行猶予…今すぐじゃねえってことか」
「そう、取り敢えず1から説明するね」
そう言ってサトルがポケットから取り出したのはユウジが食べたものとよく似た“指”だった。
「君も軽く聞いたと思うけど、これは怪人、“両面宿儺”の指の一つだ。協会では現時点で六本所有している。これを全部で二十本集めるのが目的だ」
「二十本…?ああ手足で?」
「いや、宿儺は腕が四本あるんだ」
そう言うとサトルは掌から衝撃波を放ち、壁にクレーターができる程の勢いで叩き付けるが、指は無傷だった。
「見ての通り、これは壊せない。現存のヒーローじゃ封印もままならないし、日に日に怪人を引き寄せる力も増してる」
「そこで君の出番だ。君が死ねば中の宿儺も死ぬ。だから僕は上にこう提言した―どうせ殺すなら、全ての指を取り込ませてから殺せば良い」
「!」
「上の馬鹿な頑固爺共も了承したよ」
サトルは指を二つ立てる。
「つまり今、君には二つの選択肢がある。今すぐ死ぬか、全ての宿儺を取り込んでから死ぬか。どっちかを選ぶんだ」
「そうか…」
ユウジは俯いて考える。死ぬしか、選択肢はない。
思い起こすのは祖父の遺言と、先日の指での騒動。あの時は、メグミがいたから良かった。だがもしメグミが自分を見つけられなかったら、あるいは学校を訪れるのが数日後だったら。
指を取り込み、宿儺が覚醒した際にもしジェノスが来るのが遅れていたら、街はどうなっていただろうか。
「…こういう怪人の被害ってさ、他にもあるんすよね?」
「今回はかなり特殊なケースだけど、被害の規模ならざらにあるかな。TVで報道されるようなものだけじゃない。中には報道できない程に凄惨なケースや、人間が変異した奴もいるからね。人死でなくとも、
サトルは仮にも人々を守るヒーローの仕事を地獄と言った。だがこれもユウジの為を思ってのことだ。今まで真っ直ぐな目をしたヒーローが何人生き残ったか、何人その目を続けることができていたか、それを考えると嘘でも楽しいとは言えない。
ユウジはサトルの言葉を噛み締めるように俯いた後―
「あの指、今もある?」
「あるよ。ほい」
「…改めて見ると気色悪いなぁ」
―顔を上げ、サトルに指を要求し、その不気味さに顔を顰める。そしてサトルの顔を見てコクンと頷き、口を開く。注連縄で縛られている為食べさせてほしいという意思表示だと感じたサトルはユウジの口に指を放り込んだ。
(さて、二本目…十分の一か。どうなるか…)
「スゥー…ッ!!」
ユウジの身体から一瞬凄まじい威圧感が放たれ、宿儺の紋様が浮かび上がる。
「…クックックッ…」
そして急に笑い出した。一触即発の空気が流れるが―
「まっず。笑えて来るわ」
「…決まりだね」
―ユウジは顔に涙を浮かべて指のまずさを嘆き、サトルはそんなユウジを見て笑みを浮かべる。
(肉体の耐性だけじゃない、宿儺相手に難なく自我を保てる。間違いなく―千年生まれて来なかった逸材)
「食べたってことは覚悟は決まった。ってことで良いのかな?」
「…別にそういうわけじゃないっすよ。なんで俺が死刑なんだとは思ってますし。でも怪人はほっとけない」
思い出すのは祖父の顔。
「本当、面倒くせえ遺言っすわ」
「宿儺は全部喰う!後は知らん!!」
「自分の死に様は、もう決まってるんすわ」
ユウジの言葉を聞いて、サトルは笑う。
「ハハッ、良いね。君みたいのは嫌いじゃない。楽しい地獄になりそうだ。じゃあ、今日中に荷物をまとめておいで」
「? どっか行くの?」
「A市」
ユウジの質問に対しては、背後から現れたメグミが答えた。
「おっメグミー!元気そうじゃん!!」
「
賑やかなユウジの声にメグミは包帯を巻いた顔を指さす。
「これからお前はヒーロー協会本部に行くんだ」
「え?遠くね?」
「いいからはよはよ」
ユウジは急かされるままに家に戻り、荷物をまとめるのだった。
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A市、ヒーロー協会本部。
人類の中で最も栄えた都市がA市であり、ヒーロー達の活動を支える建物の規模も、A市が最も大きくなっている。多くのヒーロー達がA市を活動地域としているのも、本部が近いというのが理由として大きい。まさに人類にとっての要というわけである。
「すっげえ!ここが都会かー!!」
「Z市も場所によっては十分都会でしょ?」
ユウジは初めて見る人生最大の都市に大興奮していたが、様々な都市を転々と移動しているサトルにとってはZ市も十分都会であると考えている為あまりピンと来なかった。
「メグミは?」
「今は別のヒーローの治療を受けてグッスリさ」
ちなみにA市に来てからメグミは離脱していた。どこに行ったのか気になっていたが、どうやら治療の為をだったようだ。
「取り敢えずユウジはこっから本部の役員と面談ね」
「役員…」
こういうのってS級1位のヒーロー達がやるんじゃないのかと、ユウジは何となく意外に感じた。
「下手打つと所属拒否られるから気張ってね」
「ええ!?そしたら俺即死刑!?」
ユウジはサトルの急なカミングアウトに驚いた。厳しい道のりになるとは思っていたが、まさか所属する前からこんな事になるとは思わなかった。
「なんだ、貴様が頭ではないのか」
「!」
その時、サトルでもユウジでもない別の声が聞こえた。サトルが声の聞こえた方に振り向くと―
「力以外の序列はつまらんな」
―ユウジの目元から口だけが生えて話していた。すかさずユウジがベチンと叩いて止める。
「悪い、たまに出てくんだ」
「愉快な身体になったねぇ」
わりと深刻な状態なのだが、ノリが常人より少しズレている二人にとっては大した驚きにはならない。
「貴様には借りがあるからな」
「あっ!また!」
しかし今度は手から口を文字通り挟む。
「小僧の身体モノにしたら、真っ先に殺してやる」
「宿儺に狙われるなんて光栄だね」
「やっぱコイツ有名なの?」
ユウジは自分の手をベチンと叩きながらサトルに聞き、サトルは宿儺についてポツポツと語り始める。
「両面宿儺は顔が二つ、腕が四本ある仮想の鬼神。だがソイツは実在した人間だよ、千年以上前の話だけどね」
話を聞いただけでも人間と思えない姿だが、千年前にはそんな人間が練り歩いていたんだなと、ユウジはぼんやりと考えた。
「人間達の力が全盛だった時代に術師―今で言う所のヒーローが総力をあげて彼に挑み、敗れた。宿儺の名を冠し、死後呪物として渡る死蝋さえ僕らは消し去ることができなかった。紛うことなき、呪いの王だ」
あまりのスケールの大きさに、ユウジはピンと来なかった為、何となく自分が疑問に思ったことを口にする。
「サトルさんとどっちが強い?」
「うーん、そうだね。力を全て取り戻した宿儺だと、ちょっとしんどいかな」
「負けちゃう?」
「勝つさ」
そうして何となく話している内に、建物の中に入り、エレベーターに乗り込む。そしてエレベーターが目的の階に着き、扉が開くと―
「遅いぞ、サトル。8分遅刻だ」
「責める程でもない遅刻をする癖、直せと言ったハズだぞ」
―長机に座っている青髪の男性の横で、サングラスを掛けた強面の男性がキモカワ―癖のある人形を作っていた。
(オッサンがカワイイを作っている!!)
「責める程じゃないなら責めないで下さいよ。どーせ人形作ってんだからいいでしょ8分ぐらい」
どうやらサトルと男性は知り合いらしく、会話の節々から親しさが感じ取れた。
「甘やかさないで下さいマサミチさん。これは十分な問題行動です」
「!」
そんな中、もう一人の男性が口を開く。ユウジはその男性をよく見ると、知っている人物だと気付いた。
「ヒーローの頂点に立つS級ヒーロー…その中で最強と謳われる男が、8分遅刻をどうでも良いと?その8分で死人が出たらどう責任を取るつもりか教えてくれないかい?サトル」
「今は一刻を争う状態じゃないでしょ。誰かが死にそうになってるわけじゃあるまいし。程よく気を抜かないとどこかで壊れちゃうからね」
「僕が言ってるのは姿勢の話だ。ヒーローというのは常に市民に安心感を与えられる存在でなければならない。S級ヒーローなら、よりその責任は重い。常日頃から8分遅刻するようなヒーローに安心して心を預けられるか?という話だ。その糖分が詰まった頭でも理解はできると思うが…」
「立派なヒーロー精神、頭が下がるよ。でも僕がいざって時も今と同じってのは心外だな。外見気にし過ぎて、目まで仮面被ってきてんじゃない?」
「サトル、
険悪になりかけた空気に男性―マサミチが割って入る。ユウジはマサミチが名前を言ったことで思い出した。
(そうだ!この人、よくTVとかに出てる…)
A級1位ヒーロー、イケメン仮面アマイマスク。ユウジは知らない事だったが、彼は協会の相談役としての地位にも就いており、ランキングの審査にも関わっている。
「それでは、ユウジ君。面談を始めさせてもらう」
一世一代を賭けた面談に、ユウジは息を呑んだ。
大分進められたかな…次回面談です。
・ユウジ(虎杖悠仁)
グラビティ空間の中に放り込まれた哀れな男。原作の比じゃないレベルの圧迫感に流石に緊張してる。
・ジェノス
スクラップにならずに済んだが宿儺がやる気だったら多分厳しかった。ヒーロー入りしたが今の所原作みたいに師匠と言える人物がいないのでツンツンジェノス君のまま。
・宿儺
こっちの世界でも歴史に特に違いはなし。平安編原作で描いてくれないかなぁ…
・サトル(五条悟)
青春絶対主義拗らせおじさん。心情はともかく普段の態度がアレなのでアマイマスクと相性が悪い。色んな意味で複雑。
・マサミチ(夜蛾学長)
こっちだとヒーローじゃなく役員(幹部)。サトルと近しいので他の幹部やアマイマスクからちょくちょく小言を言われる。わりと不憫な中間管理職おじさん。
・アマイマスク
ヒーロー拗らせお兄さん。S級の中でもチャランポラン筆頭のサトルに苛ついてる。でも内心…?皆も原作!見よう!
はい、こんな感じかな。多分次回の面談は原作の比じゃないレベルに圧迫面接てす。頑張れユウジ!!
明かされた全貌!殺し合いはどっちが強い?
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五条悟(不意打ち虚式なし、縮小領域アリ)
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宿儺(完全体、十種、術式情報なし)