【呪術廻戦✕ワンパンマン】ハゲの代わりに呪われた人達がやって来た 作:サクラン
多分今回で呪術の原作パートを抜けるかな?頑張って書き切りたいですね。
それではお楽しみください。
ユウジがヒーローとなってから一日が経過した。とは言ってもあの後ユウジは夕食と入浴を済ませ、軽く部屋の整理をして寝たので本格的なヒーロー活動は今日からとなる。
「ん…おお、朝か…」
ユウジはベットの上で目を覚まし、眠たげな目を擦りながら洗面所へと向かう。ヒーロー協会本部の個室はよくある賃貸のアパートと似たような構図になっており、一人暮らしする分には十分な設備が揃っている。
そして顔を洗い、朝食を食べ、歯を磨く。サトルからは「動きやすい服で来てね」との事だったので、学校にいた時から愛用しているジャージを着て、本部前のコンビニへ向かう。
「都会ってやっぱ人多いなぁ、なんか見てるだけでも飽きねぇ」
もう朝の9時という事もあるのだろうが、通りはかなりの人々が往来しており、都会ならではの光景にユウジは一人で感銘を受けるのだった。
そうこうしている内にコンビニに到着すると、コンビニの前には見覚えのある影があった。
「おっメグミー!おはよう!!」
「大声での挨拶は止めろ。変に注目されるだろ」
「アデッ!」
ユウジが元気に挨拶しながら近付くと、メグミは軽くユウジを小突いた。周りを見ると少しヒソヒソと話す人達がいた。
「でもなんか思った程注目されないな。もっと噂されると思ってたのに」
「お前の詳細は関係者以外だとA級以上のヒーローにしか開示されてない。一から全部明かすとヒーローに混乱を齎すからな。それにA市の住民はヒーローを見かける事も多い。余程ランクを上げなきゃC級で注目されることはねぇよ」
「そっか…」
別にちやほやされたいわけでもないが、それでも少し注目はされたかった為に少しユウジは肩を落とす。
「おっはよー!二人共よく眠れた?」
「サトルさん!おはよー!!」
そこにサトルが手を振りながら現れる。ユウジが元気良く挨拶を返し、メグミが何か言おうとすると―
「キャー!?サトル!?あの!?本物!?」
「マジで!?ちょっサインサイン!!」
「これからどこ行くんですかー!?」
「あっはっはっ!人気者は辛いねー!」
―一気に彼の周りは人集りで溢れる。
そう、いくらヒーローに見慣れているA市市民と言えどもS級3位のヒーローであり顔の良さ
「この人は…!」
「落ち着けメグミ!流石に人前で殴るのはマズい!!」
思わずメグミが殴り掛かろうと飛び出し、何とかユウジがそれを抑えた。だが本当に人が多く、強引にでも掻き分けなければ引っ張り出せそうにない。
「ユウジ上手く行けるか?」
「うーんどうだろ…下手すりゃ怪我させるかもだからなぁ。もう出て来るまで待つしかないんじゃない?」
「何分待つハメになるんだよ…!!」
苛立った声でメグミはぼやくが、下手にユウジを突っ込ませて怪我人でも出てしまえば注目は避けられない。上からもその辺りは釘を刺されている為、メグミとしても面倒事は避けたい。ここは仕方なく待つしかないか…と考えた時―
「ゴラァ!!バカ目隠しィ!!」
「「「!?」」」
―凄まじい怒鳴り声が響いた。突然の事にユウジもメグミもサトルを取り囲んでいた民衆も声の方に振り向く。
するとそこには明るい茶髪の女性が額に青筋を浮かべて立っていた。
「ちょっとこの人何…?」
「バカ目隠しってひよっとしてサトルさんのこと…?」
「ヤベー女なんじゃねえのか…?離れた方が良さそうだ…」
民衆はヒソヒソと話し合い、蜘蛛の子を散らすようにサトルの周囲から離れて行った。そしてその場にはサトルとユウジ、メグミ、突然現れた女性の三人だけが残る。
「や、
サトルは何事もなかったかのように女性に挨拶した。どうやら知り合いのようだが、その何の反省もしていない態度が女性の―ノバラの臨界点を越えた。
「ざけんじゃないわよアンタァ!!急にA市来いって何の手配もなく言いやがって!!何の準備もしてなかったのよこっちはァ!!謝礼として電車代スイーツ代その他諸々金寄越せぇ!!」
ノバラは躊躇なくサトルの胸ぐらを掴んで捲し立てる。仮に知り合いだとしてもS級ヒーローに対する態度とは思えない程に彼女の圧は強かった。
「えーと…誰?」
「…ちょっと特殊な立ち位置でな。俺達と縁のあるヒーローだ」
メグミは同類扱いされるのが嫌なのか、少し距離を取ってユウジと話していた。メグミの話を聞くに彼女もヒーローであるようだが…
「まぁまぁ落ち着いて。ちゃんと埋め合わせはするから今日はとにかく協力してよ」
「チッ…今の言質取ったかんな。縛りだからな」
サトルが諌めるとノバラは渋々ながらも納得したらしく、念を入れて引き下がった。
「で?今日は何の為に呼び出したのよ。前みたいに“部屋の中にザリガニ86匹ドッキリ”みたいな事だったら本気で殺すわよアンタ」
「あははっ、一度やった事は二度としない主義でね。ちゃんと新しいドッキリを持って来るのが僕のポリシーだ」
「え?そんな事したの?」
「…ああ」
最早何をどうしたらそんなくだらないことが思い浮かべられるのかと思うようなドッキリにユウジも思わず引き気味になってしまう。
「ま、今回は残念ながらドッキリじゃないんだよね。この子のデモンストレーションに協力してほしくてさ」
「!」
そう言ってサトルはユウジを指さす。ノバラはユウジをキッとユウジを睨み付けると、ジーッと三、四秒程見つめた後―
「何?新入り?」
「そ、一応同年代だし、取っ付きやすいと思ってね。君を選んだってわけだ。ホラ、互いに自己紹介!」
サトルは手を叩き、互いの自己紹介を促す。ユウジは突然のフリに驚きながらも笑顔で自己紹介する。
「俺ユウジ!Z市から!よろしく!!」
「ふーん…アタシはノバラ。喜べ、紅一点よ」
ノバラはユウジに興味にあるのかないのかよく分からない相槌を打った後、自意識過剰な自己紹介をする。ユウジは軽く引いた。
「ハハッ、良い組み合わせになりそうじゃん」
「ま、何考えてるかは知らないけど、協力はしたげる。その分ちゃんと口利きしといてね」
「オッケー。そんじゃ今日の予定を説明します!」
ノバラは半ばサトルの胡散臭さに関しては諦めている為、ランクアップの為の口利きだけを約束させ、サトルも了承し、説明に移った。
「まずーユウジはA市ほぼ初めてみたいなもんだし、ノバラもA市には滅多に来ることないよね」
「そうだけど、それがどうしたのよ」
「来たからにはやるでしょ、人類一の都市観光!!」
「「!!」」
観光、と聞いてユウジとノバラの目の色が変わる。どちらも出身としては田舎寄りである為、都会観光と聞いて心を踊らせないわけもない。
「俺あれ行きたい!遊園地!!」
「ガキかアンタ!アタシA市名物のアメ横百果園フルーツ食べたい!!」
先程までの無愛想が嘘かのように二人揃ってサトルに飛び付く。年としてはもう高校生のハズなのだが、傍から見ると小学生と同レベルの知性としか思えなかった。
「静粛に!行き先を発表します!!」
サトルが行き先を発表するとなると、二人は即座に静まってその場に跪く。A市は人類最大の都市と言うだけあって数多くの観光地がある。その中からどこが選ばれるか…そしてサトルが言ったのは―
「オフィス街の…」
((オフィス街の…!?))
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「いますね、怪人」
「「嘘つきー!!」」
―オフィス街の怪人発生報告のあったビルだった。オフィス街、という点は間違っていないものの、ワクワクA市観光ができると思っていたユウジとノバラは叫んだ。
「地方民を弄びやがって!!」
「んでどういう怪人なの?」
ノバラは未だにブチギレていたが、ユウジは切り替えたようでサトルに今回の怪人について聞き出している。
「今回は恐れが積み重なって発生したタイプだよ。このタイプは基本的に生まれた場所から離れたがらないんだ。弱い奴なら尚更ね」
「へーそうなんだ」
「ちょっと待って。コイツ一応新入りとは言えヒーローよね?何の説明も受けてないの?」
サトルの説明にユウジが食い付いていると、ノバラが信じられないと言った様子で割って入って来た。
「特殊なルートでの入会でね。説明受けられてないからこういう形で学んで行くんだよ」
「ふーん、大変そうね」
ノバラは自分から聞いたわりには淡白な反応を返したが、今のサトルの説明で間違いなく関われば面倒事に巻き込まれると察し、それ以上追及するのを止めた。
サトルはS級である事とその実力の高さをフル活用して様々な
「で、説明に戻るけど基本的にヒーローはある程度固まって活動する。単独で怪人と戦えるヒーローは少ないからね。だからC〜B級ヒーローは少なくとも二〜三人以上でチームに近いものを組んで行動するんだ。当然常に一緒にいるわけじゃないからケースバイケースだけどね」
「じゃあノバラとメグミも組んでんの?」
「まちまちだ」
ユウジの質問に対してメグミは答える。メグミは単独なら弱めの虎までなら対応できる上、本人があまり群れたがらないというのもあってあまり複数人での行動はしないのだ。
「ただ、君達三人で組んだらかなり良い感じになると思うんだよね。成長度合いによってはレベル“鬼”でも倒せるようになると思ってるし。今日はノバラとユウジの連携の確認って感じかな」
「え?メグミは?」
「一応病み上がりだからね。今回はお休み。ノバラは言わずもがな分かってるし、ユウジもなんとなーく把握してるでしょ?」
「あー確かに」
ユウジは学校でメグミが呼び出していた白黒の犬を思い浮かべた。あんな感じで式神?とやらと一緒に戦うスタイルだというのは何となく想像が付く。
「いざって時には僕とメグミでカバーに入るから、安心して行っておいで。ユウジはこれ使いな。まだ呪力の扱い分かんないし」
「カッコいい!!」
そう言ってサトルがユウジに渡したのは、小型の鉈のような武器だった。初めて扱う武器にユウジの男の子心は爆発していた。
「呪具、“屠坐魔”。呪力の籠もった武器だよ。大き過ぎるわけでもないから使いやすいと思うよ」
「あ、それから宿儺は出しちゃダメだよ。大半の怪人は瞬殺できるけど、近くの人間も巻き込まれる。気を付けてね」
「オッケー。分かった!」
「んじゃ、行っておいで!二人共!!」
サトルは勢いよく二人を送り出した。
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「何で二人だけで行かせたんですか?」
「んー?何でって?」
ビルに入って行った二人を見送った後、メグミはサトルに切り出した。サトルは惚けるような反応だが、メグミは逃げを許さない。
「ユウジを試すだけなら俺か…少なくともノバラじゃなくても良い。ノバラを試すのは今更過ぎる。色々と腑に落ちません」
「…ま、別になんかしてもらおうと思ってるわけじゃないよ。ただ、ユウジは遅かれ早かれ、死ぬ。今のままならね」
「………」
サトルの言葉に、メグミは何も言えなかった。事実ではあるし、それはユウジ本人が納得している。関わりがあるとは言え他人である自分が口出しすることでないことは分かっているが…
「当然僕はそんな事を簡単にさせる気はない。例え本人が覚悟してたとしても、若くして死ぬってのは望んだ事じゃないだろうからね。けど、どうなるかは分からない。だったらせめてユウジが望む“大勢に囲まれて死ぬ”時に、ノバラがいられるように。少しでも横の繋がりを増やしてほしいんだ」
目隠しの奥の表情が、どうなっているのかは分からない。だが、サトルの声色からはいつもの軽薄さが消えていた。
「どんな大義名分があろうとも、若人から青春を奪うなんて事は許さないよ。何人足りともね」
サトルの視線は、どこまでも澄み渡った青い空に向けられていた。
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「お前よくそれだけで命懸けられるなぁ」
「当たり前よ。自分を曲げてまでやることなんて楽しくないに決まってるでしょ。だからアタシは自分の心に嘘は付かない」
「おかえりー、二人共」
十分程経った後、ユウジとノバラは子どもを連れて戻って来た。どうやらビルに忍び込んで出られなかったらしい。
「お兄ちゃんお姉ちゃん!ありがとー!!」
「おー!もう一人で危ないところに入り込むなよー!!」
助けられた少年は手をブンブン振って礼を言った。全員で少年が家に帰るのを見届けると、当然そこからはフリーになる。
「さて、やることやったし、今度こそメシ行こうか!」
「ビフテキ!!」
「シースー!!」
真っ先に反応したのは当然ユウジとノバラ。サトルは二人の意見を聞いてスマホとにらめっこし始める。
「うーん、最寄りで一番近いのどこだー?」
「…サトルさんS級だからどこ行っても金が足りないってことはないぞ」
「「マジで!?」」
「メグミ??」
そこで唯一意見を言わなかったメグミがボソッと呟いたことでサトルは聞き間違いを疑うかのようにメグミに問いただし、ユウジとノバラは目の色を変える。
そこから回らない寿司に行くか最高級のステーキ店に行くか、あるいは程々の場所で済ませるかの大討論大会がS級ヒーローとC級ヒーロー二人の間で繰り広げられたのは言うまでもないだろう。結局最高級のバイキングでまとまり、三人はしっかりと堪能し、一人は財布がかなり軽くなったことをいつまでもぼやいていたという。
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光があれば影があるように、ヒーロー組織があれば、犯罪組織も存在する。その中では存在が確認された上で要注意団体として足取りを追っている組織がいくつか存在する。そう、この組織のように―
「博士ー、そろそろ休んだらどうです?あるいは威力偵察で誰か送り込んでも良くないですか?」
「…私の変わりはいるんだ。それよりも黙っててくれ。集中したい」
暗がりの中、鋼鉄の鎧を纏ったゴリラと一人の男が不気味な培養槽の中に入ったものと睨み合っていた。
「これが手に入ったのは本当にラッキーなんだ。これが解析できれば間違いなく私の研究は一段と高い領域に行ける…!!」
男は興奮した様子で培養槽の中に入ったものを見て呟く。そこには人が二人は収まりそうな培養槽に対して中身は非常に小さく、一本の指しか入っていなかった。
自らの主の様子を見てゴリラはため息を付く。そろそろ暴れたいんだけどなぁと考えていると―
「へぇ、凄いね。個人でこんな物まで創り上げられるとは。“天才”の称号は伊達じゃないってことかな」
「「!!??」」
―いつの間にか一人の男が背後に立っていた。集中していた研究者も思わず立ち上がり、ゴリラはそんな主を守るようにして男の前に立ち塞がる。
「ナンダ、オ前ハ。ドコカラ入ッタ?」
そしてカタコトで男に問い掛ける。何故わざわざカタコトにしたのかと言うと、それっぽい雰囲気を出して相手を萎縮させる為だ。やっている事はアホらしいが、このゴリラの実力は実際侮れない。A級ヒーロー一人なら造作もなく捻ることができるだろう。
「あっはっはっ、そう警戒しなくて良いよ。別に戦いに来たわけじゃない」
そんな存在を目の前にしても、男は一切揺らがない。
「逆だ。君達をスカウトしに来たんだ。ある程度、互いにメリットもあるしね。どうだい?」
研究者は、冷や汗を流しつつも取り敢えずは話を聞く価値があると思い、慎重に話し掛ける。
「…どうも何も、内容によるな。まずは何故
「…良いよ。じゃあ、順を追って話そうか」
その男は、僧侶が羽織るような袈裟を纏い、頭には縫い目の跡が目立つロン毛の男だった。
水面下では巨悪も動き出していた。
すいません、ノバラパートは大分端折りました…原作と大体同じ流れで補完してくれればオッケーです。
・ユウジ(虎杖悠仁)
呪力はまだ使えない。なので屠坐魔使用。果たしてこの世界では無事マキマキに返せるのか…!?
・メグミ(伏黒恵)
今回はほぼ空気。だがサトルの財布に大ダメージを与えた。
・ノバラ(釘崎野薔薇)
メンタルが強過ぎる女。原作と違ってサトルとは繋がりがあってヒーロー活動もそこそこしてる。給料アップの為に日々ランクアップ目指して奮闘中。
・サトル(五条悟)
今最も注目されている男。なんかもう茶化せる感じじゃなくなった…
・進化の家勢
この世界線だとハゲがいないので沈黙中。とあるブツを手に入れてそれを解析中。一番ヤベー奴と手を組むかもしれない。
・袈裟の男
キッショい男(迫真)。この世界でも目的の為にコツコツ暗躍中。同類を見つけたので内心テンション上がってる。
こんな感じかな。原作ヤバ過ぎて空気が重い…!!サトル推しはもちろんお通夜だし、宿儺推しとしても最期まで“アレ”に頼り切りは止めてほしかったなーって…まあ遅かれ早かれできたのかもしれんけど、どうせああなるならもっと強いとこ見せて欲しかった…まあこれから描写されるかもしれんしあんまりやいのやいの言うのはやめとこう。
評価、感想もよろしければお願い致します。
それでは次回をお楽しみに。
明かされた全貌!殺し合いはどっちが強い?
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五条悟(不意打ち虚式なし、縮小領域アリ)
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宿儺(完全体、十種、術式情報なし)