【急募】兄を敵(ヴィラン)にしない方法【リメイク】 作:風人雷震
ほんの一瞬目が合っただけだ。
「俺は心常読歩。ドッポって呼んでくれや」
「ぶ…分倍河原仁……」
「仁ちゃんな。なぁ、仁ちゃん…俺と組まねぇか?」
その一瞬が俺を救ってくれた。最高の出会いをくれた。
「俺は仁ちゃんで、仁ちゃんは俺!組むからには一蓮托生だぜ?キョウダイ?」
「……ああ、分かったぜ。キョウダイ」
俺に家族をくれた。
「組むっつっても何すんだよドッポ」
「情報屋だよ」
「情報屋?」
「俺の個性と仁ちゃんの個性が合わされば絶対できる!」
「ドッポの個性って?」
「テレパシーだ。俺は周りの人間の心の声が聞こえる」
「じゃあ俺が何考えてるか当ててみろよ」
本当にそんな個性なら引く手数多だろうな。なんてことを考える。
「引く手数多なわけねぇだろ」
「え?」
「俺の前じゃ何もかも筒抜けだ。信頼関係を作る事自体が難しいんだ。だから俺はこんな事してんだよ」
「……ごめん」
「悪気があったわけじゃねぇのは分かってる。お前は顔に出やすいし、素直過ぎる。そこが俺は気に入ったんだ」
「そ、そんなにか?」
「嫌われたくないって顔に書いてあったぜ?心を読むまでもねぇ」
「なぁ、情報屋って儲かるのか?」
「んー…情報の質にもよるからなぁ。ヘマすりゃ死んじまう事だってある」
「えぇ…」
ドッポはどこか楽観的で、それがなぜか頼もしかった。
「最初は……活動範囲でも決めるか」
「情報は集めないのか?」
「情報屋にも縄張りみたいなのがあんだよ。被っちまったら活動できなくなるぜ」
「そう言うもんなのか…」
俺の知らないことをいっぱい知ってて、何でも教えてくれた。
「えっと、依頼の情報持ちは……アイツか」
「増やすか?」
「頼むわ」
ずっと2人で行動するから寂しくなかった。
「ヤッベ、バレた!!逃げるぞ!」
「ドッポ、乗れ!」
逃げる時はバイクで逃げた。
「かんぱ〜い!!」
「かんぱーい!」
デカい仕事をこなした後は飲み明かした。
「楽しいな!キョウダイ!」
「そうだな!キョウダイ!!」
親友で、
「……」
「お、ドッポ。おかえり」
「ああ……」
そんなある日、ドッポの様子がおかしかった。
「ドッポ?」
「…仁ちゃん、ごめん」
どうしたんだ?何があったんだ?そう考えればドッポは答えてくれる…はずだった。
「個性…無くなっちまった」
「え……?」
その日からドッポは日に日に弱っていった。
「ドッポ…」
「……」
話もしなくなっていった。
「なぁ、誰だ?」
「………」
「誰がお前を壊したんだ?」
「…」
「ドッポ、教えてくれよ…」
「……」
「……キョウダイ」
個性を使って情報を集めた。海に落ちた釣り針を探すみたいな無謀なことだけど、またドッポと笑いたい、馬鹿騒ぎしたい。そのためだけに、俺は…
「俺の知ってる情報全部売る!!だからっ、だからッ!俺のキョウダイを助けてくれ!!!」
全てヒーローに渡した。なのに、なのになんで
「……ドッ、ポ…?」
ドッポの個性が無くなった原因が分かったのに
「なぁ…ドッポ」
また笑える日が来ると思ってたのに
「起きろよ…なぁ」
なのになんで
「キョウダイ…」
「ぁ…ぁぁ…あぁぁぁ…あ"あぁぁぁぁぁァァァァ…!!」
くそクソクソッ!!運が良くなったと思ったらこれだ!!俺が何か悪いことしたかよ!?なんで俺から奪っていくんだ!?ふざけんなふざけンなフザケンナ!!!神も仏もいやしねぇ!!オレはただドッポと、キョウダイと笑っていたかっただけなのに!なんでだ?なんでキョウダイが死ななきゃならねぇんだ!?
「……ちまえ…!」
こんな世界なんか…キョウダイを奪った世界なんか
「壊れちまえ!!!」
ああ…からだガ裂ケソう
ブブブチッ…!!
ダ
また失敗しちゃった