【急募】兄を敵(ヴィラン)にしない方法【リメイク】 作:風人雷震
「ヤッホー入中さん」
「マジで来やがった…」
「恨むんなら面談を許可したナイトアイと警察を恨め」
「別に恨んじゃいねぇけどよ…」
「既製品の方が良いと思って色々買って来たよー」
「お前なぁ…ガキのお泊まり会じゃねぇんだから、酒ぐらい」
「血塗は未成年だ」
「……そうだった…」
その前に、数箇所体に穴が空いた人間相手に酒を持ってくるわけないでしょうよ。いくら完治していると言っても、用心するに越したことはない。
「で、面談って言っても確認みたいなもんでしょ?」
「そうだな。あと2、3日もすればインターンが始まる。その前に血塗は詰め込め」
「補習の前借りって珍しいよね。分かった」
「補習あんのか」
「インターンって公欠扱いなんだけど、その間は授業についていけなくなるからね」
「ふーん……あ、これ美味いな」
「兄さん、メモって」
「おう」
「……何してんだ」
「入中さんって極道じゃん」
「もうすぐ元がつくけどな」
「良いモン飲み食いしてんじゃん」
「まぁ…そうだな。下手なモン組長に食わせらんねぇし」
「そんな舌が肥えてる入中さんが美味いって言ったの。お詫びの品リストに入れないと」
「お詫びの品リストォ?」
私が買って来た殆どのお菓子は1個食べた後2個目にいかなかった。23も買って入中さんが美味いって言ったのはたったの1つ……いや、1つでもあっただけ良しとしよう。
「マジで美味いな」
「うまうま」
「何しに来たんだよお前ら…」
「「面談という名の確認」」
「はぁ……ステイン、減刑のほうはどうなってんだ」
「認められた」
「早くねぇか?!」
「公安連中は俺に貸しが多いからな。神野区事件が中々大きいだろ。ま、こんなんで全部返したと向こうも思ってないだろうがな」
「元敵たちの社会復帰の手助けがあるからね」
「ホォ…で、俺は?」
「ナイトアイたちとの作戦が終わればすぐに俺の事務所だ」
「……ん?」
おっとそれは私も知らなかったんだけど?ちょっと細かく説明してくれませんか?
「死穢八斎會の扱いが面倒なのは知ってるか?」
「地域に根付いたものだからね」
「入中常衣と小1ぐらいの少女と出歩いてるのを見てる一般人が何人もいてな」
「エリか」
「組長さんのお孫さん?」
「ああ。適度に外に連れ出していたんだ」
「そのおかげ…なのかは分からんが、大幅な減刑が認められた」
「公安連中はなんて?」
「俺に任せるだと。苦虫を噛み潰したような顔してた」
「神野区事件の貸しを返せるところだからね」
「減刑なしなら返せたが、ナイトアイが減刑を認めたから公安もそれに従うしか無かったんだろ」
おかげで神野区事件の貸しは返せないままの状態…兄さんの口元がニヤついてるので、ちょっとした無茶振りを公安に頼むつもりなのだろう。でも公安連中、兄さんたちに無茶振りしてるしな…ほっとこ。
「そんで例の作戦を刑務作業にしたため、作戦が終わったら正式にウチの従業員な」
「お前の兄貴イカれてんな」
「死穢八斎會の方がイカれてると思う」
「何も言い返せねぇ…」
組長さんのお孫さんの血肉を使って個性因子を消す弾丸を作成って…オーバーホールの個性を持ってる治崎廻だから実行できるヤツじゃん。えぇと…今予測できる最悪は……
「現時点での最悪はエリちゃんを連れて行かれ、行方が分からなくなること」
「だな」
「死穢八斎會に動きはないんだよね?」
「弾丸の失敗作はすでに流れちまってる」
「コンプレスに探らせるか」
「シマの移動は?」
「ない。あそこには寝たきりでも組長がいる。治崎が組長を置いて逃げるわけがねぇ」
「なるほど」
ある程度の作戦はできた。あとはサー・ナイトアイと話し合ってプランもいくつか用意すれば……
「血塗」
「ん?」
「いけるか?」
「もちろん!」