【急募】兄を敵(ヴィラン)にしない方法【リメイク】   作:風人雷震

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美的センスは普通…のはずだ!

 

 

文化祭に向けてそれぞれ準備を進めている中、我々演出班は頭を抱えていた。

 

 

「化け物か?」

「犬だよ!!」

「赤黒って絵が下手だったんだな」

「何がどうなったらこうなるんだよ…」

「か、可愛いよ?この……犬?」

「口田、逆に惨めになるからやめてくれ……」

 

 

演出の説明で分かりやすく説明するために必要になると思い、演出班全員で絵を書いてみた。その結果が……

 

 

「尻尾どれだ?」

「この斑点何?顔?模様?」

「いっそ殺せ!!」

 

 

兄さんたちを描くことはできるのに…なんでこうなるのかなぁ?

 

 

「ステイン先生を描く時はペンの迷いが一切ない」

「むしろステイン先生とコレを描く時の違いってなんだ?種族か?」

「こういう時は幼馴染の意見を聞こう。おーい!砂藤!!」

「どうした?」

「コレ、何か分かるか?」

「犬だろ。ここが尻尾で、ここが顔」

「ステイン先生と犬を描く時の違いって何?」

「血塗自身が興味があるかどうか。アイツ、興味のないモン描くと急に画伯になるんだよなぁ…血塗!」

「ん?どしたの力道」

「ハウンドドッグ先生描いてくれ」

 

 

珍しく力道からリクエストを受けた。ハウンドドッグ先生か…初めて描くなぁ…

 

 

「めっちゃ集中してる…」

「時々ペンが止まるけど、サラサラ描いてくね…」

「……できた!」

 

 

兄さんたちみたいに上手くは描けなかったが、上出来だろ!

 

 

「どうだ!」

「犬の個性と普通の犬でここまで差ができるとはな…」

「本当に興味の有無で画力に差が出るんだね…」

「生物全般描ける物ならあるぞ」

「へー、何?」

「内臓と血管」

「赤黒に絵を描かせるの禁止なー」

「「「「「さんせー」」」」」

「解せぬ」

 

 

コイツら酷くね?

 

 

「血塗、お前もう少し興味持とうぜ?絵上手いんだからよ」

「こういうのは基本的に圧紘さんがやってるから…」

「だとしてもだろ…」

 

 

力道に小言を言われながら、絵を描く。

 

 

「………ま、少しは成長してるから良いか…」

「え?」

「なんだよ」

「いや……意外と早く小言が終わったと思って…」

「もっと言ってやろうか?」

「言わなくていい!言わなくていいから!!」

 

 

スケッチブックを放り出し、力道から逃げる。

 

 

「口田!口田ー!!力道がいじめる!!」

「え?!」

「いじめてねぇよ!!」

 

 

スケッチブックを拾い上げる力道を見て、私はそそくさと演出班の方へ戻る。

なんか全員から温かい目で見られてる…なんで?

 

 

「赤黒ってちゃんと俺らに興味持ってたんだな」

「ちゃんと人間として描かれてる〜」

「峰田、上鳴。棒人間にしても良いんだぞ?」

「「なんでもありません!」」

 

 

力道からスケッチブックを受け取り、先ほどまで描いてた絵……私以外のA組の絵を見る。

 

 

「クラスメイトなんだ。興味は持つだろう」

「小学から中学のクラスメイトにはあんま興味無かったみたいだけどな」

「おい、それ言うなよ力道」

「……」

「どうした?障子」

「赤黒は、いないんだな」

「自分を描くことは苦手でな」

 

 

いつも大怪我を負った姿になってしまうから。

 

 

 

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