【急募】兄を敵(ヴィラン)にしない方法【リメイク】 作:風人雷震
ついに当日……雄英文化祭が始まった。
「赤黒、顔色悪いぞ?大丈夫か?」
「無理。死にそう」
「俺らは演出なんだから、そう緊張すんなって」
「……うん」
あ、エリちゃんと入中さんに通形先輩。緑谷が誘ったのか?人が多いからか、エリちゃん、不安そうにしてる。
「雄英全員…音で
ああ…始まった。怖い
耳郎の歌声、やっぱり綺麗だ。どうしよう
皆んなダンス楽しそう。考えなくちゃ
「赤黒」
「何?」
「あそこ」
「……あ、兄さんたちだ」
なんでいるんだろう?何かあったのかな
なんだか辛そう。行った方がいいかな
「成功させようぜ!」
ああ、そうだ。嫌だ
今は文化祭だ。どうでもいい
楽しまなくちゃ。楽しくない
「そうだな」
体が鉛のように重い。思考が嫌な方へ傾いてしまう。腹の底が、血が、ぐつぐつと煮えたぎるような熱を感じる。もう、もう全部どうでも
「True heroes stand up for what they believe」
「……」
「赤黒、そろそろだぞ」
「あ、ああ…」
私は何を考えてたのだろう…どうでもよくなどない。だって、こんなにキラキラとしている。観客も、クラスメイトもみんな笑顔なんだ。この笑顔を壊したくない。守りたい。
「メタリカ」
個性で生成した金粉が舞っていく。笑顔が増えていく。ああ…ああ!
未来が怖い。訪れる最悪が怖い。でも…でも、
「スゲェ!!」
「綺麗!」
「やるじゃん赤黒!」
「……ははっ」
「最高だな!!」
「……血塗…」
出し物が終わり、片付けを開始してるA組を…血塗を眺める。血塗の個性で生成された金粉は、とても輝いていた。どんな宝石にも勝るほど、美しかった。
「血塗ー!」
「秀兄さん!血染兄さん!」
「バンドめっちゃ良かった!最後の金粉も綺麗だったぞ!!」
「あはは!良かった〜!」
血塗が笑っている。心からの笑顔…ああ、良かった。ちゃんと笑えてる。
「血塗、一緒に周るぞ」
「え?仕事は?」
「…コンプレスたちからしばらく休めと言われた。校長たちにも伝えられている」
「本当?良いの?」
「ああ」
「や…やった!兄さんたちと一緒!!」
ああ……お前はそんな風に笑うのか。
「?兄さん…?」
夢では見れなかった笑顔…それが嬉しくて、血塗の頭を撫でる。
「楽しかったか?」
「…うん!!!」
愛しい愛しい妹の、この笑顔を見続けたい。あの
「何食いたい?」
「たこ焼き!」
「焼きそば!」
「片付いたらすぐに行くぞ」
「うん!待っててね!」
愛する
こわい
怖い
未来が怖い
最悪が怖い
世界が怖い
よわい
弱い
身体が弱い
意志が弱い
全てが弱い
だから負けた
最悪に負けた
世界に負けた
今度こそ
今度こそ…