【急募】兄を敵(ヴィラン)にしない方法【リメイク】 作:風人雷震
「血塗、遊びに行くぞ」
「外は暑いから多めにお茶を持っていこう」
「お前は来るな」
「あ?」
ステインが来てから3日……兄さんとステインは仲が良いかと聞かれると微妙だ。何故って?
「お前はすぐに血塗を抱える。それでは自律神経が整わん」
「地面との距離が近い血塗が熱中症にならないように抱えてるだけだが?公園で遊んでるならそれでいいだろう」
「それでは足りんから言っている。それに、血塗はもうすぐ5歳だろ。おんぶ抱っこを卒業しても良いはずだ」
「ぐっ……」
兄さんは私を甘やかしたい。ステインは時に厳しく、時に甘く…といった風に飴と鞭を使い分けて接する。まぁ、極端な話…意見が合わないのだ。だが、コチラからするとドングリの背比べなんだよな…
「確かに守るべき子供ではあるが、過保護なのは違うだろ。妹離れをしたらどうだ?」
「お前は馬鹿なのか?血塗のような天使が歩いていたら変態共に攫われてしまう。そうならないためにも抱っこをするのだ」
「手を繋ぐだけでもいいと思うが?」
「血塗の腕が痛むだろ」
「……確かにな」
「だろ?」
ほらすぐこれだよ。教育方針は合わないが、大切にしたいという想いは一緒なのだろう。私は家族に愛されている。特に兄達に。自信を持って言える。そして私も言える。兄達を1番愛しているのは私だと。
「あ、兄ちゃん達まだ行ってなかったのか?」
「秀一、どうした?」
「話し声が聞こえたから……てか、早くしないと血塗が拗ねるぞ」
「「あ……」」
「もうお外行かない」
「血塗、悪かった。遊びに行こう」
「友人がいるかもしれないぞ」
「行かない」
「…兄ちゃん達って意外と馬鹿なのか?」
「「ぐっ……!」」
ピンポーン
「ちーぬーりー!あーそーぼー!!」
あ、この声は…
「……」ヒョコ
「血塗!遊ぼうぜ!」
「……ヤダ」
「すまん、力道…俺たちのせいでご機嫌斜めになってな……」
「大丈夫っス!血塗、外が嫌なのか?」
「ヤダ」
「なら家で遊ぼう!俺ん家来るか?」
「いや、折角来たんだ。ウチで遊べば良い」
「やった!お邪魔しまーす!」
少し前に仲良くなった少年…名前は砂藤力道。原作キャラだ。私が1人で遊んでいた時に声をかけてくれた優しい子。
「何して遊ぶ?」
「……オセロ」
「今回は負けないからな!」
家も近いことから偶にこうやって遊びに誘ってくれる力道は私のヒーローだと思う。力道のおかげで私はぼっちを回避した!私は自分が異質であることは分かっている。だから、同年代の子供が私を気味悪がってる事も理解している。しかし、1人は寂しいものだ。
「えーっと……ここ!」
そんな私を彼は肯定してくれた。自分の知らないことを知ってて凄いと、かっこいいと、褒めてくれた。それだけで私の味方は家族以外にもいるのだと思えた。
「よっしゃ!角ゲット!」
「ふふ…」
「?」
これからもよろしく。私のヒーロー