【急募】兄を敵(ヴィラン)にしない方法【リメイク】 作:風人雷震
4500文字超えた…初めてこんなに書いた気がする。今まで最高2000ぐらいだったから、なんかハイになってた
朝、いつも通り力道と登校していると門の前に人集りがあった。そして、よく見てみると手にカメラやマイクを持っている。つまり!
「「マスコミ……」」
「ハァ……クソどもが」
「兄さん?!」
この時間なら教師は朝礼のはずじゃ……
今の兄の姿は首から上はいつものヒーロー姿で、首から下は完全にラフな格好だ。
「あれ?血染さん、ヒーロースーツは?」
「この格好…と言っても首から上は違うが、基本はコレで出勤してる。完全にオフだと誰も騒がないからな。マスコミも気付かん」
「へー」
「それより兄さん!朝礼は?!!」
「それどころじゃなくなったから、ここにいるんだ」
「「え?」」
「オールマイトの授業について一言お願いします!」
「あの!オールマイトについて一言!!」
「一個!一個だけなので!!」
「話だけでも!!」
「アレのせいで生徒達が登校できねぇから俺が出ることになってな」
「だから首から上だけステイン状態…」
「首から下だけステイン状態だと仮装だからな」
そう言いながら、兄さんは私たちの前を歩く。
「おい」
「はい!……イィィィィヤァァァァァ!!ステインーーー!!!?」
「ステインだと?!」
「逃げろ!逃げろォォォ!!」
「粛清されるぅぅぅぅ!!」
「死にたくないぃぃぃぃぃぃ!!!!」
「………ステインさん何やったんだよ…」
「知らない…兄さんがマスコミ嫌いな事しか知らない……」
「生徒達の登校の邪魔だ。さっさと帰れ」
「ステインが教師になったなんて聞いてねぇぞ?!!」
「早く帰ろう!!」
「死ぬ死ぬ死ぬぅぅぅ!!!」
マスコミ達はバタバタと逃げ出して行った……。
「……
(((((まだって言った…)))))
「お前ら早く入れ。俺がいなくなればまた来るぞ」
「「「「「は、はい!!」」」」」
「俺らも急ぐか」
「だな」
校門を潜る前に周囲を確認してみたら、マスコミは遠くからコチラを伺ってるのが分かった。兄さんの言う通り、兄さんがいなくなるのを待っているようだ。
「………チッ」
「昨日の戦闘訓練の映像を見させてもらった」
「「っ……」」
「……先輩の説教長かっただろ」
「……ス」
「はい…」
「爆豪はあんま餓鬼みたいなことするな。緑谷は腕一本壊して解決するのをやめろ。お前は誰よりも遅れている、個性の制御をできるだけ早くしろ。以上」
帰ってくるのが遅いと思ったら、兄さんに説教されてたのか。兄さんの説教…長いし、怖いから苦手なんだよなぁ……
「さて、今回君たちには……学級委員長を決めてもらう」
「「「「「クソ学校っぽいのキタァァァァ!!」」」」」
「俺!俺やりたい!!」
「私も!!」
「ボクのためにあるやつ☆」
「導き手か。興味深い」
障子も手を上げてる。そんなにやりたいものなのか?委員長って。力道は……あ、上げてる。委員長になると何か良いことあるのか?
「静粛にしたまえ!!クラスメイトの先頭に立って集団として導くというその立場が、ただ成りたいだけで成立するとも思えない。そこで───投票で決めるのはどうだろうか!?」
「聳え立ってんじゃねぇか!!」
「何で提案した?!!」
「血塗ちゃんはやらないの?」
「私は人を導いたり、大人数に指示を出すのはむいていないからな。むしろ、自分で考えて突撃する方だし」
「えー!絶対むいてるって!昨日の訓練で作戦勝ちしてたじゃん!!」
「それはペアだったからで…20人もまとめられるかと聞かれると、難しいとしか言えないんだよ」
兄さんも学生の頃、大人数にアレコレ指示するのが苦手で、そういうのは別の奴に任せたと言っていた。指導と指示は違う。兄さんは指導はできるが、指示は苦手。秀兄さんは指導は苦手だけど、指示はできる。作戦は兄さんが考えるが、人員配置は秀兄さんが決める。適材適所というやつだな。
「まあ、投票ってのは賛成かな。多数決みたいなものだし、票が多かったら評価されてるってことでしょ?自分に投票する人はそれだけ自信があるってことだしね」
「確かに…」
というわけで、投票開始。
問題は誰にするかなんだよね。うろ覚えの原作知識では飯田が委員長、八百万が副委員長だった…はず。こちらとしては、的確な指示を出す八百万が良い。よし、決めた。
「僕3票?!」
「
「私は2票か」
緑谷と八百万はジャンケンで委員長を決めた。結果は緑谷の勝利。
「血塗は誰に投票したんだ?」
「八百万だ。彼女が適任だと思ったんだが…こればっかりは運だもんな」
「だなぁ…」
「力道は誰に入れたんだ?」
「血塗」
「私も血塗ちゃんに入れた!」
「葉隠……ハァ、私はむいてないんだけどな」
でも、評価されてるってことだから少し嬉しいな。
「……」
「?なんだ、葉隠」
「ステイン先生と血塗ちゃんって本当に兄妹なんだなぁ…って思って」
「どうした急に」
「血塗ー、飯食いに行こうぜー」
「ああ、今行く」
今日は日替わり定食にするか。いや、アジフライ定食…チキン南蛮定食も捨て難い!
「血塗」
「兄さん、どうしたの?」
「昼飯前ですまないが、ちょっと来てくれ」
「?」
「終わるまで待つぞ?」
「……力道、お前も来い」
「「え?」」
力道まで?一体何があったんだ?
考えられるのは敵だが…誘拐未遂犯が脱獄した?それとも、朝のマスコミのこと?うぅ…分からん!!
なんて色々考えてたら談話室についた。え?ここで話すの???
「鍵は閉めとけ。談話室は意外と防音はしっかりしてる。個人情報の漏洩を防ぐためにな」
「なるほど」
「それで、話って…」
「……ボルターが脱獄した」
「ボルターって…」
「幼稚園に侵入して立て篭もりを行った凶悪指名手配敵……タルタロスに投獄されたと記憶してるけど?」
「外部か内部かは調査中だが、アイツが脱獄したのは事実だ」
「……狙われてるのは血塗、ですか?」
「おそらく。タルタロスで過ごしてる間、ずっと手の傷を眺めては呪詛を吐いていたらしい。約10年…溜まった恨みがどう動くのか分からん。いつ爆発するか不確定の爆弾…それが今のボルターだ」
「感情は、個性にも影響する…」
「嗚呼。それで起こるのが個性事故だ。ボルターの場合は、ボルター自身にも影響を与えるほどの電圧が無差別に放電されかねん」
タルタロスから脱獄…おそらく、
ビーー!ビーー!
「「「?!」」」
『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは避難をしてください。繰り返します』
「セキュリティ3だと?」
「力道、外の様子を窓から見てくれ」
「……マスコミだな」
「なんだと?」
「今さらセキュリティの突破?」
「………お前らはココで待機してろ。敵が侵入してる可能性がある」
「敵と遭遇した時は?」
「自己防衛の時のみ個性の使用を許可する」
「「了解」」
「俺が出たらすぐに鍵を閉めろ」
「「はい!」」
兄さんが談話室を完全に出た瞬間、扉と鍵を閉める。昼飯食いっぱぐれたな…
「食堂だと危なかったな」
「だな。昼飯を食い損なったけど、怪我をすることがないからラッキーだと思うべきだろう」
「昼飯どうすっか…」
prrrrr prrrrr
「兄さんからだ。もしもし?」
『そろそろ出ても大丈夫だ。だが、食堂まで注意して行け。不審な者を見つけたらすぐに連絡。分かったか?』
「了解」
電話を切り、私は力道に兄さんの言ったことを話す。
「まだ時間はあるから昼飯食えるな!」
「腹が減っては戦はできぬ。って、言うもんな」
「丼ものにするか?」
「海老天丼!」
「お前、海老天好きだなぁ……」
無事に食堂に着き、海老天丼とザルうどん(小さめ)を食べた。ちなみに料金は兄さん持ち。昼飯前に呼び出した迷惑料と言ってコッソリ奢ってくれた。力道は、かき揚げ丼とザルうどん(一人前)を食べてた。兄さんは、親子丼ととろろ丼を食べてた。よく動くから沢山食べるんだと。
そして……
「飯田くんが委員長に相応しいと思います」
「よっ!非常口飯田!!」
「………食堂で何があったんだ?」
「さぁ?」
飯田が学級委員長に任命された。食堂での出来事を説明してくれたから少し納得できるけど、八百万の意見ぐらい聞いてあげたら良いのに…。まぁ、八百万は委員長が任命したら何も言えないだろうからなぁ。
「緑谷、ちょっと待って」
「?何?赤黒さん」
「八百万の意見は?」
「え?」
「だから、八百万の意見。緑谷は飯田を委員長にしたいんだろうけどさ、八百万は自分がなりたいはずだったんだよ。緑谷と同じく3票で、ジャンケンに負けたから副委員長になっただけでさ」
「赤黒さん…」
「八百万が納得してるなら良いけど、表情を見る限り、そうじゃ無いよね?委員長は他人の意見を聞かずにアレコレして良いわけじゃないよ」
「あ……ごめん、八百万さん」
「いいえ。ですが、少しでも私に提案してくれれば嬉しかったです。私は頼りにされていないと…思ってしまいましたので」
「そ、そんな事は思ってないよ!!」
「そう取れる行動をしたんだよ」
「うっ……」
「そして、ありがとうございます。赤黒さん」
「ただ疑問に思っただけだよ。納得してないような、悲しい顔をしていたから。緑谷が勝手に決めてるのかな?って思っただけだから」
「それでも、ありがとうございます」
「……どういたしまして」
満場一致で賛成になり、飯田は委員長になった。あと、緑谷には謝った。言い過ぎた自覚はあるからな。
「僕も悪かったら、謝らないで?!」
人が良すぎて心配になる。詐欺に遭いそうだし、幼少期絶対誘拐未遂があったと思ってる。爆豪とか何とかしてくれそうだけど。
「昼に警報がなったのは全員知ってるな?」
「マスコミだろ?イレイザーと一緒に対処してたから知ってるぜ、先輩」
「だが、ただのマスコミにしてはおかしかった」
「ドウヤッテ雄英バリアヲ突破シタノカ…ダナ」
「ああ…そして、敵が雄英に侵入した可能性がある」
「「「「「?!」」」」」
「どうやって?」
「バリアを見たが、あの壊れ方は個性によるものだ」
「バリアが破壊されれば、マスコミどもはチャンスと思って侵入するわね…」
「警報が鳴り、外を見ればマスコミ…誰も敵が侵入したとは思わん」
「ですが、なぜ分かったんですか?」
「警報の内容、外のマスコミがあまりにも不自然だったからな。不審に思い、職員室や校長室を敵が隠れていないか、雄英生徒に配る物やカリキュラムが盗まれていないかの確認をした」
「結果は?」
「1年A組のカリキュラムを見られた可能性がある」
「「「「「!!」」」」」
「ただの悪戯…それならば良い。しかし、コピー機が使われていた。俺が来る直前まで」
「見られただけでなく、コピーして盗まれた…?」
「おそらくな。しかも、ワープ系の個性持ちがいる」
「次はUSJでの救助訓練だったな」
「俺とオールマイトの2人でやる予定でした」
「13号、お前も行け」
「ええ?!」
「シカシ、敵ノ目的ト数ガ分カランゾ」
「敵は2人は確実だ」
「バリアを破壊した奴とワープ系…ですか」
「そして敵の目的は、雄英とヒーローへの信頼にヒビを入れられれば良いと考えている」
「どういうこと?」
「オールマイトがいる雄英が、生徒を守れず敵に負ける。上手くいけばオールマイトを殺す。そうすれば、平和の象徴という柱を失った社会は崩壊して敵の動きやすい世界になる。それが無理でも、生徒を1人殺せば…」
「なるほど、ヒーローに恨みを持った敵の犯行…と、いうわけですか」
「ただでさえオールマイトが教師になったとかで騒いでるんだ。敵どもにとっては都合のいい餌だ」