【急募】兄を敵(ヴィラン)にしない方法【リメイク】 作:風人雷震
ボルターと交戦してどれくらい経ったかは分からんが、そろそろ私の体力が持たない。それにしても……
「お前、ケホ…元格闘技選手か何かか?」
「ア"ァ?!」
「お前のような電気個性は近距離が疎かになる事が多い。しかし、お前は基礎がしっかりしている。何より足の運び方…格闘技を齧っていただけだとしてもここまでにはならん」
「………」
「ケホッ…お前に何があった?個性の扱い、体術、それらを見ていて思った。お前はヒーローに「黙れ!!」」
「黙れ黙れ黙れ!!!何もかも
この言い方…個性事故で人を殺してしまったか、強個性による期待などに押しつぶされたか、だな。
個性事故であっても、己の個性で人を殺してしまったことには変わりない。それがトラウマとなり、個性を扱えなくなる人。または…夢を諦め、裏に身を置き、人を個性で殺す人。様々な人がいる。ボルターは後者に該当しそうだな。
「今さらっ!今さら俺を救おうとしてんじゃねぇよ!!!!」
バチバチバチバチ…!
片手に電気を集めてる?すぐに対処した方が良いだろう…!?
「お前…死ぬつもりか?!」
「お前を道連れにしてな!!最初に殺せなかったのはそりゃあ悔しかったさ。けどな!お前は血液パックが無けりゃ俺の
「チッ…バレてんのかよ。ケホ…」
クソ、さっきから咳が…しかし、何だ?この感じ。吐き出したいのに吐き出せないような、喉に蓋がしてあるような違和感は?
「ケホッケホ…」
「あばよ。クソガキ」
突然、ボルターの背後に闇が広がる。アレはワープの…まさか!
「ボルター!うしろ!!!!」
「ア?」
「あばよセンパイ」
「ハ?死柄木…?!」
死柄木弔の手がボルターの顔に触れた。
「ガァァァァァ!?!!」
「おいおい、その手で顔に触れていいのか?流石の電気個性のアンタでも死ぬぜ?」
「死柄木ぃぃぃ!!」
「はは、しぶてぇな」
「死柄木弔、時間が」
「チッ、まぁ良いや。センパイは死ぬし」
「待て貴様!ボルターは貴様の仲間では無いのか?!」
「んなわけねぇだろ。ガキ」
「なっ!?」
「帰るぞ黒霧」
死柄木弔と黒霧は去っていった…
死柄木弔から血の匂いがしていたから、プロヒーローたちが到着したのか。そんなことより、ボルターの治療をしなければ!
「ア"ァァァ!!」
「落ち着けボルター!今は個性を解除して、早く顔の手当を」
バチンッ!!
「イッ…!?」
「触るな…!」
「……もしやお前、解除ができないのか…?」
「黙れ…」
私は残った血液パックを取り出す。量は少ないが、薄く広げれば1人ぐらいは囲える。
「ゲホゲホッ…」
だが、私も限界が……
「血塗!」
この声は…
「兄…さオ"エ"」
痛い…痛い痛い痛い痛い痛い!吐き出さないと早く吐き出して楽にならないと痛い痛い痛い痛い!
「オ"エ"…ァ"ァ"……」
口から出てくる何か。それを確認することは今の私には難しかった。只々、異物を吐き出すのに集中していた。
「ハァ…ハァ……」
「血塗…」
「兄…さん、あとよろし……く………」
異物を吐き出し終え、体力も限界だった私は兄さんの胸に倒れ込み、意識を手放した…