【急募】兄を敵(ヴィラン)にしない方法【リメイク】 作:風人雷震
準決勝…
私 VS 轟
爆豪 VS 常闇
飯田との対決で使った鉄パイプは持ち込みOK。個性で作ったところを見てたからな。正直言って、轟に負ける。もちろん喰らいつくつもりだが、それでも轟の炎には敵わない。炎は私の天敵だ。金属が溶けてしまう。だから、炎を出される前に場外へ出す。
『準決勝第一試合!!レディ…ファイト!!!』
ピキピキピキッ…!!
「氷で私が潰せると思うな!!」
バリンッ!!
「……」
「無視かよ」
『赤黒スゲェェ!!鉄パイプで大量の氷を砕いたぁぁぁ!』
『肉体を鍛えれば誰だってできるぞ。個性を伸ばしても身体がついていかないと意味がないからな』
嗚呼そうだ。今まで個性を伸ばし続けた。だけどUSJで実感した。身体が追いついていないと、欠けていると。だから鍛えた。欠けたものを埋めるために、追いつくために!
「っ……らぁ!!!」
「が……!?」
『顔面んん?!赤黒の一撃が轟の顔面に入ったぁぁぁぁぁぁ!!?』
「ッ……!!」
「ヤバっ…!」
轟に近づき過ぎて左腕が凍った。いや、氷の中に埋め込まれた。鉄パイプは少し溶けていてあと一撃が限界のようだ。殴られた拍子に炎が少し出たようだ。クソかよ。
「……降参しろ。無理に出そうとすれば持ってかれるぞ」
「ハッ!忠告どうも。もう勝ったと確信してるのが滑稽だな」
「なんだと?」
「凍らす対象ミスったな!!氷を砕けメタリカ!」
バキンッ!と音を立てて崩れる氷…私の手にあった鉄パイプは無くなり、氷に埋め込まれていた腕が自由になる。
「……!」
「飯田との試合、ちゃんと見てたのか?お前」
「だが、お前の武器は無くなった。お前が不利なのは変わらねぇ」
「はぁ?私が何もせず体育祭に挑んでるとでも?」
「何?」
「私の個性は
「だけど血液パックは…」
「アレは私が多血症にならないようにするための物だ。私の個性はそんなモンじゃない」
私は両腕に力を集中させる。体の至る所にビキッと血管が浮かぶのを感じた。
「コレが私の個性だ。メタリカ!!」
両腕から鎌のような形をした刃が生える。コレこそが今の私の限界。体内の血液を使い刃を生やし、外に流れた血液で防御を行う。
「こいよ、轟ィィィィ!!!」
「チッ!!」
轟が氷を生成する。私が氷を叩き切る。それを繰り返す。が、
パキン…!
両腕の刃が折れた。
「はぁ…はぁ…はぁ……これで、もう…使えねぇだろ……」
「馬鹿が」
「?」
「よぉく見とけ」
「……!?」
ポタポタと折れた刃から血が流れる。そう、この刃の中では血液が循環している。故に、刃は再生する!
「イッ……!」
もちろんデメリットは存在する。血液が増えるのだ。体に刃を生やすのは、血管を新たに増やしたようなものだ。血が増え続ければ血管が破れる。今は興奮状態と同じため、動きが単純になりやすい。何より身体が熱い。
「ハァ…ハァ……」
あまりの熱さにデロン…と舌が出る。
「?!」
「あ?ああ…私の舌、兄さんと同じなんだよ。いや、今はそんなのどうでも良いか。悪いな。馬鹿みたいに熱くて頭がおかしくなってんだ」
「発熱してんのか」
「あー?多分?でもそんな事どうでも良くない?楽しもうぜ、この試合をよぉ!!」
動くたびにブチブチと血管が千切れる感覚がくる。今の私は、お茶の間で流しちゃいけない姿だろうな。血が外に出ると頭が少しスッキリする。血を減らして増やす。身体に負担がクソ掛かる。こんな戦い方は敵のようだろう。でも、私は敵になろうとは思わなかった。
「
「!」
「ガキの頃に敵個性だって言われても、ヒーローになれるって言ってくれた奴がいたから」
そうだ。力道のあの言葉がなければ私はヒーローになろうとは思わなかったかもしれない。
「ヒーローになりたいと思った。どんな奴でも、一般人でも敵でもヒーローでも関係なく助けられるヒーローに」
秀兄さんのような人を、ボルターのような奴を、兄さんのように助けられるヒーローに
「私はそんなヒーローになりたくて
「……ああ」
間合いを詰めて蹴りを決めようとした時、感じたのは熱だった。
「赤黒血塗、気絶!よって勝者、轟焦凍!!」