【急募】兄を敵(ヴィラン)にしない方法【リメイク】   作:風人雷震

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ある世界の雄英体育祭…

 

 

「あ!ステインさん!」

「緑谷か…先ほどの試合は見事だった。優勝おめでとう」

「いえ!ステインさんのアドバイスが無かったら僕はここまで来れませんでした…優勝できたのはステインさんのおかげです!!」

「…そうか」

「おーい!兄ちゃーん!!」

秀一(・・)

「早く早く!取材できねぇよ?!」

「それでは僕はこの辺で失礼します。呼び止めてすみません」

「いや、構わん」

「兄ちゃん!!」

「分かったから、あまりデカい声を出すな。周りに迷惑かかるだろ…」

 

 

10年前…俺は偽物であるヒーローを殺した後に並行世界へ行った。それは並行世界の俺が個性事故に遭ったから行けたのだった。並行世界で俺はヒーローとなった俺に出会った。血に染まらず、家族と共に笑い合ってる俺に……

 

長いような短いような並行世界での生活は悪くなかった。並行世界でも変わらず優しい母に、口数の少ない父。血の繋がっていない異形個性の弟と、血の繋がった大人びた思考を持つ妹…そして、俺に新たな道を示してくれたもう1人の俺(ヒーロー)

 

確かアレは…秀一と血塗の3人で留守番をしている時だったか?

 

 

 

「もう1人の兄ちゃんのこと、なんて呼べば良いんだ?」

「たしかに」

「?好きに呼べば良いだろう?」

「そう言われてもパッと出てこねぇし……」

「あにじゃ?」

「それはやめろ」

「好きに呼べって言ったのアンタじゃん。なー、血塗」

「なー」

 

 

 

結局、秀一からアンタ呼ばわりされるようになった。まぁ、もう1人の俺と一緒にいる時は「兄ちゃん達」と呼ばれる。時々、血塗からステインと呼ばれたりはした。やはり自分は異物なのだと思いはしたが、もう1人の俺は…血染(・・)は対等に扱ってくれた。その影響か、一度だけ秀一と血塗から兄さん呼びされた。それがとても嬉しかった。

 

 

「兄ちゃん?」

「ん?」

「さっきからボーッとしてどうしたんだ?」

「……俺がこの仕事を始めるきっかけを思い出してただけだ」

「ふーん」

「仕事を始めていくと1人じゃ寂しく感じてな…お前が弟になってくれて嬉しい」

「俺も、兄ちゃんと家族になれて嬉しい!!」

 

 

拝啓 赤黒血塗様

現在いかがお過ごしでしょうか。私は己の罪を償った後、愚行をしたヒーローを社会的に潰す記者として働いています。時には観光地の特集記事や今だに残る異形差別を阻止する為の記事を書いております。

 

私の世界でも秀一が弟になりました。とても素直で可愛らしい弟です。私の仕事を手伝ってくれます。秀一は異形差別を阻止するための記事に力を入れています。「自分のような人を少しでも減らしたい」と、とてもヒーローらしい事を言っていました。

 

もし、また私がそちらの世界に行った時は

 

 

 

「血塗〜!ちょっと手伝ってくれ!!」

「はーい!秀兄さん、また何か頼んだの?」

「いや、兄ちゃんが頼んだヤツかもしれねぇ」

 

 

 

秀一に紹介させてほしい。

 

 

 

「血染兄〜、荷物届いたよー」

「部屋に運んでおいてくれ…今から仕事に行って来る」

 

 

 

俺らの自慢の妹だと  敬具

 

 





追伸
お前たちがそちらの世界が嫌になったら俺の世界に連れて行くつもりなので、行き来できる方法を探している。分かり次第そちらの世界に行くので覚悟しとけ。特にそっちの俺。血塗は俺の妹でもある事を忘れるな。
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